魔法少女にあこがれてたよね!?   作:スカイ・■

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魔法少女になっちゃいました

昔から激しい運動や、酸素ボンベの補充などの関係で日を何日も跨ぐような遠出が出来なかった私の趣味は専らパズルかプラモデル製作だった。

 

1500ピースや白色パズル、プラモは塗装改装、ジオラマ作成、撮影など程々にやり込んでいた自覚はあるが、日常的にこれらをやろうとすると結構お金がかかってしまう。

そこでお小遣いが厳しい時などは玩具をバラして組み立てたり、改造して新しい物を工作していたりしていたのだが、今日も何かそれに使えそうな物がないかと家の倉庫を漁っていると、魔法少女の変身アイテムのようなものがダンボールに詰められていた。

 

「これは?……うてながネット注文でもして、粗悪品でも掴まされたのかしら?」

 

一つ一つ拾い上げてみると、どれも何処かしらが欠けていて、中央の硝子が割れている。

魔法少女関連となると、私かうてなのどちらかとなるが、こんなものを買った覚えはないのでうてなの物だと思った。

 

恐らく安くでまとめて売っていたから買ったものの、箱を開けてみればご覧の有り様。とんだジャンク品を掴まされたといったところだろうか。

 

「よし、今日はこれでいいか」

 

『不燃ゴミ。来週のゴミ捨ての日に捨てといて』という張り紙を見て、ならばこれを直してみようと思い立った。

 

どうせ捨てるなら問題ない筈だ。

これ全てを直すことは難しいだろうが、全部が全部同じ壊れ方をしている訳ではない。パーツを寄せ集めれば一つぐらいはマトモな姿になる筈だとせっせと工具を取り出してバラしてしまう。

 

『動くな!そこからエルちゃんに一歩でも近づいたら絶対に許さない!』

 

こういう時、集中する為に無音でやる人やラジオを聴きながら手を動かす人が大半だろうが私の場合はアニメを見ながらだった。

 

ちなみに今見ている『ひろがるスカイ!プリキュア』は完結していて七週目に入っているところだが、最低でもあと10週はするつもりである。

 

 

カツカツ コト カリカリ ボフっ

 

一つ一つ丁寧に部品を分けながら、使える物と使えない物を分別していく。

 

やはり全体を通して損傷が激しかった。

磨いたり、補修すれば何とか使えないこともないが、中央の硝子部分はどうしようもなく、アクリル板などで代用するしかない。

 

よく分からないのが中身に詰められていた砂のような粒だ。音や光がなる機械部分は端から入っていなかったのでどうしようもないが、何も最初から玩具に砂を詰めていたとは考えずらい。もしやこれの前の持ち主が遊び半分で詰めてしまったのだろうか。

 

そんなことをするのは幼稚園かそれ以外の子供となるわけで……どうりてこんな酷い状態になっている訳である。

加減も分からず、あちこちぶつけたら何だってこうなってしまう。カラフルな砂なのでそこだけは評価ポイントだが、玩具にこんな乱暴なことはしてはいけない。

 

でもこんなになるまで遊んだということは、きっと思う存分遊び尽くして音が鳴らなくなって壊れても何とか趣きを足そうと子供ながらに趣向を凝らした結果だろう。部品を全部取り替えても思い出までは取り替えれないというし、折角ならと全ての砂を混ぜて、一つに収めることにした。

 

……いや、待てよ。

 

 

そこで妙案である。何も砂を敷き詰める必要はない。どうせ直すなら光や音声が鳴るようにしたいものだ。

 

私はガサゴソと小型のアクリルケースを取り出して、その中に砂を詰めて本体に固定した。そして余ったスペースに、プリキュアの変身アイテムを分解してライトやスピーカーをはんだで無理やりとっ付けて搭載することにした。

 

ウンウン。なかなか良い思いつきではないか。

 

その時は変に勘が良く働き、これだと思ったパーツがピッタリ填まっていく。

 

「あれ?割れてないやつがあったんだ」

 

そして最後にアクリル板で蓋を作ろうとすると、見落としていたのだろうか?

分別した硝子板の中に一枚だけ透き通るような青色をした硝子が一枚残されていた。

 

ならば幸いとそれを使い、かなりの力作となった変身アイテムを完成させる。

 

見映えは上等である。まるで新品のようだ。

 

更にスイッチを押すと、キュイィンと風を切るような音もちゃんとなって光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほえ?」

 

 

 

 

 

時にプリキュアに限らず魔法少女は変身シーンが長いことで有名だ。そんなに長々とやっていて敵にやられないのか?

半裸シーンを見られて大丈夫?等々ファンからは時よりメタ的な指摘をされることがある。

それに対して制作側の返答の多くが、魔法少女の変身シーンは体感であれだけあるという話で、実際は0.01秒ぐらいの出来事です、というもの。

 

確かにそれなら敵にやられることはないだろう。昨今では変身モーションそのものが攻撃の手段になる特撮ヒーロー物とは差別化が出来ているし、何より肌を見られなくてよかった。

 

しかし、私は疑問に思った。

体感であれだけあると言っても、0.01秒だ。

0.01秒で約一分半もの時間をしっかり魔法少女は認識出来ているのかと日頃から疑問に思っていたが、その疑問が今日解けることになった。

 

 

 

 

 

肩に掛ける青いマント。

 

地面につきそうなほど長いツインテール。

 

バトルドレスという言葉がピッタリの可愛らしいけど動きやすいドレス。

 

ヒールの高い靴。

 

 

 

 

私が一番好きな()()そのものではない。色々と混ざったような……髪がカラフルでちょっと面白いことになっているが、これはどう見ても。

 

 

「プリキュアになっちゃいました!?」

 

 

 

姿見に映る私はプリキュアのような姿をしていた。

 

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