ちっちゃい魔女の相談所 ~地球生まれの魔女、両親に冷たくされたのでお姉ちゃんと家出します。異世界からちっちゃい魔女をたくさん呼んでのんびり遊びたい~   作:龍翠

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のじゃロリはオムライスが好き

 

 買い出しを終えて、料理して。お日様が沈んだところで、オムライスが完成した。我ながらなかなかよくできたと思う。

 プロとかが作るような半熟とろとろのオムライスではないけど。てっぺんをスプーンで刺すと半熟のたまごがふわっと出てくるようなオムライスはもちろん私も憧れる。でもさすがにそれを作れるほど、料理が得意ってわけでもない。人並み程度だ。

 

 ともかく、完成したオムライスを運ぶことにする。でも数が多いから運び方に困るんだよね。八食分もあるから。かわいい魔女ちゃん四人とモンス三匹、そして私の八人分だ。

 ちなみにおばけとこばけは食べ物を食べたりはしないらしい。雰囲気を楽しむことはするらしいけど。

 運び方にちょっと悩んでいたら、おばけとこばけが側にやってきた。

 

「ばけば」

「ぱけぱけ」

 

 おばけたちがオムライスを浮かせてくれる。ふわふわと浮かぶオムライス。なんだかシュールな光景だけど、手伝ってくれることに間違いはないみたい。

 

「ありがと。あとコーンスープもあるんだけど、運べる?」

「ぱけ!」

 

 任せろ、とばかりにこばけが胸を……胸? いいか胸で。胸を叩く。それじゃ、任せようかな。

 

「お待たせー。晩ご飯だよ!」

 

 キッチンのドアを開けて、大広間に入りながら言う。魔女ちゃん四人のうち、リオちゃん以外の三人はウルたちをもふもふしていた。もふもふ、いいよね。リオちゃんは相変わらず読書だ。

 その中で真っ先に反応したのはクロ。ばっと顔を上げて、私に駆け寄ってきた。

 

「オムライス。オムライス」

「うん。オムライスだよ。おばけたちが並べてくれるから椅子に座ってね」

「いす。すわる。いそぐ」

 

 ぱたぱたと駆けていくクロと、おかしそうに笑うドラコちゃんとミリアちゃん。リオちゃんはいつも通りだね。

 そんな四人の前にオムライスとコーンスープが並べられていく。ちなみにコーンスープはレトルトです。

 

「ほほう……。見たことのない料理じゃな。うむ、良い香りじゃ」

「卵のお料理? 美味しそう!」

 

 ドラコちゃんとミリアちゃんの反応は上々ってところだね。クロは言わずもがな。リオちゃんは、いつの間にか本を閉じてスプーンを握ってる。スプーンを握るのが誰よりも速い。

 リオちゃんとは何度も一緒に晩ご飯を食べたけど、この子はなかなか食いしん坊だ。美味しいものを食べるのが好きみたいで、クロ以上に晩ご飯の時間を楽しみにしてるかもしれない。

 その分プレッシャーを感じるけど。あまり私の料理には期待しないでほしい。

 

「それじゃ、いただきます」

 

 私とクロ、リオちゃんとミリアちゃんが手を合わせる。ドラコちゃんは不思議そうにしていたけど、真似してくれた。

 

「これがこの世界の食前の祈りか?」

「そんなものかな。食べる前に、食べ物に感謝をこめていただきます。食べ終わったら、作ってくれた人に感謝をこめてごちそうさまでした。そんな感じだったはず」

「ふむ。悪くない文化じゃ」

 

 ちなみにミリアちゃんにも以前教えていて、同じような反応だった。不思議なのはリオちゃんで、この子は元から知ってたみたい。教えるまでもなく同じようにやってくれていた。

 どうして知ってるのか聞いてみたら、ここと似たような世界にもよく遊びに行っていたらしい。落ち着いた子に見えるけど、わりと活動的な子なのかも。

 さて。みんなの反応はどうかな。

 クロは無表情だけど、黙々と食べ続けてる。表情は相変わらずだけど、美味しいとは思ってくれてる、と思う。

 

「不思議な料理だね、これ! おいしい!」

 

 ミリアちゃんにも好評みたいで安心だ。リオちゃんも美味しそうに食べてくれてる。

 予想外だったのは、ドラコちゃん。

 

「これは……素晴らしい! 実に美味じゃ! 焼いた卵だけでなく、中のものも美味い! これは、なんじゃ? 赤い豆……豆ではないな」

「お米って言うんだよ。この国の主食」

「ほう! 米! うむ! 悪くない! いやむしろとても美味い! 美味じゃ!」

「う、うん。そこまで喜んでくれるとは思わなかったよ」

 

 作ったかいがあるっていうものだけど、得意料理ってわけでもないんだけどね。ここまで美味しいって言ってくれるなら、一度美味しいレストランとかに連れて行ってあげたい。反応が気になる。

 

「おねえちゃん。りょうり、おいしい」

「ほほう。料理が得意なのじゃな」

「そう」

「違うけど!?」

 

 クロは適当なことを言わないでほしいなあ! ドラコちゃんもそんな簡単に信じないでほしい。人並みだから。遠慮も謙遜もなく事実として!

 

「だがわしは気に入ったぞ、このオムライス! 是非ともまた作ってほしいのじゃ!」

「まあ、それぐらいなら……」

「おお! 期待しておる!」

「あはは……」

 

 まあ、喜んでくれるなら、また作るけどね。もちろん。

 

「うまうま」

「美味しいねえ」

「うまし!」

「ん……」

 

 うん……。まあ、なんだ。私なんかの料理で喜んでくれるなら、もうちょっと真面目に料理の勉強をしようかな。

 四人の笑顔を見ながら、そう思いました。四人ともすっごくかわいい……ふへへ……。

 

「おねえちゃん、きもちわるい」

「ごめんなさい」

 

 気をつけよう。

 




壁|w・)ドラコちゃんがおともだちに加わりました。
あっさりすぎた、かな……?
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