ちっちゃい魔女の相談所 ~地球生まれの魔女、両親に冷たくされたのでお姉ちゃんと家出します。異世界からちっちゃい魔女をたくさん呼んでのんびり遊びたい~   作:龍翠

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閑話 ドラコのぴこぴこ観光

 

 我が家にピコピコが導入されました。

 

「ほっ! よっ! ゆけ、甲羅ミサイル!」

「ん……。あまい。バナナじらい」

「なんと!?」

「あは、あはは……! なんで最下位争いで白熱してるの……!」

 

 我が家に設置された大きいテレビで、ゲームを繋いで楽しんでいるのはクロとミリアちゃん、それにちょっと意外だけどドラコちゃんだ。リオちゃんはそんな三人の様子を見守るいつものポジション。

 三人が遊んでいるのは、国民的人気キャラクターのレースゲームだ。ゲームハードが進化するたびに進化しつづけるすごいレースゲーム。この国の人、どころか他の国の人も大勢知っているほどの人気ゲームだ。

 

 まだ引っ越す前、クロと遊ぶために買ったものだけど……。こうしてみんなと遊んでいるのを見ると、買っておいて良かったと思う。

 ちなみに、ドラコちゃんが一番楽しんでる。今まで負けることなんてほとんどなかったけど、ゲームだと負けるのが当たり前になってそれが楽しいんだとか。

 

「負けた負けた! みんな強いのじゃ!」

「ん……。ドラコ。へた。それだけ」

「なんじゃと!?」

「下から二番目の子が何か言ってる……」

 

 なおクロもゲームは好きだけど苦手。何故かミリアちゃんが一番上手。

 

「しかしゲームはおもしろいのじゃ! 他にもあればやってみたいのじゃが……」

「ん……。あまりない。おねえちゃん」

「じゃあゲームセンターにでも行く?」

「なんじゃその心躍る響きは!」

 

 というわけで。みんなでゲームセンターに行くことになった。

 

 

 

 私たちが住む街にあるゲームセンターは、商店街にあるちょっと小さい店だ。でもここで遊ぶ人は結構多くて、いつも賑わってる。学生は少なくなってるらしいけどね。

 そんなお店に、私とクロ、ミリアちゃん、そしてドラコちゃんの三人で遊びにきた。

 

「おおおおお!」

 

 ドラコちゃんがすごく感動してる。ゲームセンターで感動する世界最強の一角……。なかなかシュールかもしれない。

 

「すごい! ゲームがいっぱいじゃ!」

「ん……。ぴかぴか。すごい」

「わあ……」

 

 三者三様の驚き方に、ちょっと頬が緩んでしまう。三人ともかわいいなあ。

 

「まずは……これじゃな!」

 

 ドラコちゃんが真っ先に興味を示したのは、格闘ゲーム。自分で操作して戦うというのが斬新らしい。軽くやり方を教えてあげて、お金を投入。

 

「ほっ! よっ! それ、必殺技じゃ……! って、防がれたじゃと!?」

 

 当たり前だけど、今やり方を覚えた子がずっと遊んでるプレイヤーに勝てるわけがない。ドラコちゃんは当然のように大苦戦だけど……。

 

「やったのじゃ! 勝てたのじゃ!」

 

 プレイヤーさんはとても気が利く人だったみたいで、大接戦を演じてくれて最後に勝たせてくれた。すごくいい人だ。

 対面の人を見る。視線が合って、にこりと笑って頷かれた。ありがとう、名も知らぬプレイヤーさん。あなたはとてもいい人です。

 

「のじゃロリ……いいなあ」

 

 前言撤回。ぶっ飛ばすぞクソ野郎。

 ただ、当たり前だけど、やっぱりドラコちゃんみたいなちっちゃい子がゲームをしてると、みんな気になるみたい。気付けばたくさんの視線を集めていた。

 

「ドラコ。ドラコ。つぎ、わたし」

「ミリアもやりたい!」

「うむ! かわるのじゃ!」

 

 ちっちゃい子が三人でわちゃわちゃしてたら、誰だって見るかな。私だって絶対に見てたと思う。

 そうして格闘ゲームを楽しんだ後、次に興味を示したのはクレーンゲームだった。

 

「あ……」

 

 ミリアちゃんが凝視していたのは、どことなく子犬っぽいラキに似たぬいぐるみ。じっと、見つめてる。一目惚れってやつかな。気持ちはとても分かる。

 それにクロとドラコちゃんも気付いたみたいで、早速チャレンジすることになった。

 

「ふむ……。なるほど。単純なゲームじゃな。任せるのじゃ!」

 

 第一チャレンジャー、ドラコちゃん。

 

「よし、ここじゃ! ほれ掴んで……なんで落ちる!?」

「最近のクレーンゲームはアームの力が弱いからね。それを踏まえて、ひっかけたり転がしたりで取るんだよ。一回で取ろうとせずに、工夫しなくちゃ」

「なんと……!」

 

 五回チャレンジして、惨敗しました。

 第二チャレンジャー、クロ。

 

「んー……。こう」

「おお! さすがじゃ! うまくころがして……。悪化しておらんか!?」

「わあ」

「わあじゃないが!?」

 

 うまく転がせたのはいいんだけど、見事に変な場所に落ちてしまった。これは、ちょっと厳しいかも。ミリアちゃんも頬を引きつらせてる。

 第三チャレンジャー、ミリアちゃん。

 

「うう……」

 

 うん。成功するイメージが湧かないみたい。完全に涙目だ。結局、普通に失敗してしまった。

 それぞれ五回ずつチャレンジして、失敗。ミリアちゃんはしょんぼりしてしまってる。かわいそうだけど、クレーンゲームってそいういうものだから……。

 というわけで。

 

「はい」

 

 さくっと私が取りました。

 

「え」

「まあ、それなりにやって慣れてるからね。クロとドラコちゃんは? 何かいる?」

「すごい……! おねえちゃん、すごい! ほしい!」

「わ、わしもたのむ……!」

 

 わんこぬいぐるみを四つゲットして、みんなでお揃いになりました。ちなみに四個目はリオちゃんの分だ。帰ってから渡したら、なんだか懐かしいものを見るような目になっていた。

 この子もちょっと不思議なところがあるなあ。

 

 

 余談だけど。ラキがぬいぐるみに嫉妬して鼻先でつつきまくっていたのがすごくかわいかったです。ぬいぐるみに嫉妬するもふもふ。

 




壁|w・)お留守番のリオはこっそりテレビゲームを独り占め……してるかも?

明日から一日二話投稿、の予定です。
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