ちっちゃい魔女の相談所 ~地球生まれの魔女、両親に冷たくされたのでお姉ちゃんと家出します。異世界からちっちゃい魔女をたくさん呼んでのんびり遊びたい~   作:龍翠

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おうちであそぶ

 

 クロちゃんがクラスメイトということが、正直今でも信じられない。

 今日の最後の授業。算数の授業を受けながら、隣のクロちゃんを見る。クロちゃんは少し眠たそうにしながらも、しっかりと真面目に授業を受けていた。

 たまにうとうととしているみたいだけど、ちゃんと手は動いてる。先生が黒板に書いたものをしっかりと書き写してる、けど……。どことなくつまらなさそう。

 

 これはお昼休みに聞いたけど、クロちゃんは自分の家でちゃんと勉強してるみたい。わたしの友達がいたから誰に教わっているかは濁していたけど、リオさんに教わってるみたいだった。

 社会とかこの世界特有のものについてはさすがに教わることができないみたいだけど、算数と理科ならずっと詳しく教えてもらえるのだとか。

 わたしの魔法は借り物で、だから仕組みとかは全然分からないんだけど……。一から理解して魔法を作る本物の魔女は、そういった数字とかにも自然と詳しくなるのかも。

 

 ノートを取りながらそう思っていたら、隣でクロちゃんが机に頭をぶつけた。そろそろ限界だったみたい。クロちゃんにとっては復習以上の意味がないだろうから、仕方ないのかな。

 ぶつけた時に結構な音がして先生がびくっとしてたけど、特に何も言わないことにしたらしい。他のクラスメイトも黙ってる。

 先生は、この間クロちゃんのお家に行ったみたいだから、その時に何かあったのかな。覚えてなくても、本能っていうのかな。それで何かを察してるのかも。

 クラスメイトは……わたしが原因、かな? ちょっとやりすぎた、かも?

 

「クロちゃん、大丈夫?」

 

 肩を揺すってみると、クロちゃんがもぞりと動いた。でも起きたわけじゃないみたい。

 

「ふみゅ……」

「わあ……ぐっすりだ……」

 

 とっても気持ち良さそうな寝顔だ。結構頑張って耐えてたのかな。起こすのもかわいそうだし、そっとしておこう。

 気持ち良さそうに眠るクロちゃんを撫でて、私は先生の話に集中した。

 

 

 

 放課後。今日の授業は五時間目までだったから、まだお昼の二時頃。時間はたっぷりあるから、その分遊べるね。

 でも、ちょっと予想外のことが起こった。

 

「にもつ。おうち、おいてくる」

「あ、うん」

 

 学校からわたしの家は、徒歩十分ぐらい。私と他の二人の家が同じ方向なんだけど、クロちゃんだけが真逆の方向だ。

 ちょっと距離があって面倒になりそうだけど、クロちゃんは荷物を持ったままの方が嫌みたい。だから私たちはここで待っておこうかなと思ったんだけど。

 

「クロちゃんの家、見てみたい!」

「うんうん」

「え」

 

 なんと、そういうことになってしまった。これにはクロもびっくりしていて、少し慌ててる。あわあわと。

 

「んー……」

 

 クロが考えるように視線を上向かせる。これは、多分、念話かな?

 

「ん。だいじょうぶ。らしい」

「らしい?」

「…………。きにしない。こっち」

 

 一瞬だけ固まったのをわたしは見逃さなかった。ちょっとだけ不安だなあ……。

 

 

 

 クロちゃん先導のもと向かう先は、いつものあのお家だ。認識阻害はクロちゃんに案内されたことで解けてしまったみたいで、その家を見て二人は固まってしまった。

 

「あ、あれ……? ここって……」

「幽霊屋敷……?」

「わたし。おうち。ここ」

「えええ!?」

 

 驚くよね。気持ちはとても分かる。わたしもすごく驚いちゃったから。

 

「まってて」

 

 クロちゃんがぱたぱたとお家に走っていく。大広間のテーブルにランドセルを置いたのか、クロちゃんはすぐに戻ってきた。でも、なんだか少し困惑してるような……?

 

「きょか。もらった。はいって」

「え?」

「ここで遊んでもいいの……?」

「ん」

 

 それは……大丈夫、なの……?

 お昼の話し合いでみんなで遊ぼうとなった時に、当然クロちゃんのお家も候補に入っていた。でもクロちゃんが困るって言っていたから別の子の家でってなってたんだけど……。

 小夜さんはまだ学校だろうから、リオさんがいいって言ったんだと思う。でも、大丈夫なのかな?

 

「クロちゃん、本当にいいの?」

「ん」

 

 クロちゃんが頷いたから、そういうことになった。

 クラスメイト二人は幽霊屋敷ということもあってちょっと怖がってるみたいだったけど、好奇心には勝てなかったみたい。結局、ここで遊ぶことに。

 四人で家に入る。するとそこで待っていたのは、

 

「ん。いらっしゃい」

「おお! 貴様らがクロのくらすめいと? とやらか! 入れ入れ!」

「わあ! いらっしゃーい!」

 

 リオさんとドラコさん、それにミリアちゃんがいた。ドラコさんは魔法か何かで角とかを隠してるみたい。ただミリアちゃん、ウルとラキはそのままなんだね。何も知らなければかわいいわんこだろうけど。

 

「わ……。え? クロちゃんの、家族?」

「おともだち」

「えっと……」

「わしらはちょっと事情があるのじゃ。まあ気にするな」

「はあ……」

「でも……」

「気にしない」

 

 最後に言ったのは、リオさん。クラスメイト二人は一瞬固まって、そして。

 

「わかりました」

 

 これ、絶対何かやったよね? そんなに害がないものだとは思うから、いいんだけど。

 そうしてみんなでやるのは、ゲーム。大広間の大きなテレビで、みんなでゲームだ。みんなの家よりも大きなテレビだから、迫力がすごい。

 

「ただいまー……って、なんか知らない子がいる!?」

 

 夕方になって小夜さんが帰ってきた。さすがに驚いたみたいで、クラスメイトを見て唖然としてる。クロちゃんが学校に来たのは久しぶりだったから、さすがにいきなり誰かを連れてくるとは思わなかったんだろうと思う。

 

「おねえちゃん。おかえり」

「う、うん。ただいま。クロの友達?」

「くらすめいと」

「ほう」

 

 友達、とはやっぱり言わないんだね。クロちゃんの中で何かの線引きがあるのかも。わたしは友達と言ってくれるから、ちょっと嬉しい。

 ゲームに熱中してる二人はそれに気付いてないけど、それでいいと思う。クロちゃんの友達判定は、多分結構厳しいと思うから。

 

「エナ。クラスメイト。びっくり」

「え、そうなの?」

「ん。てんこうせい」

「へえ!」

 

 小夜さんの視線がわたしに向いて、わたしが会釈するとにんまりと笑った。

 

「クロのこと、よろしくね!」

「あはは……。わかりました」

 

 わたしがどこまでできるか分からないけど、がんばります。

 




壁|w・)おともだちをごしょうたい!
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