ちっちゃい魔女の相談所 ~地球生まれの魔女、両親に冷たくされたのでお姉ちゃんと家出します。異世界からちっちゃい魔女をたくさん呼んでのんびり遊びたい~   作:龍翠

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クロと王様の話し合い

 

 朝。清々しい朝だ。夏の朝日はどうしてこんなに強いんだろうね。

 

「それで、クロは何してるの?」

「ん」

 

 私の後ろをちょこちょこついて歩くクロ。私が歩くとぴったりくっついてくる。キッチンに行く時も一緒だ。首元をこちょこちょしてあげると、クロは気持ち良さそうに目を細めた。猫みたい。

 

「クロ?」

「おでかけ」

「するの?」

「おひる。シア。いく」

 

 ふむ。お昼にシアちゃんの世界に行くってことだね。お昼とはっきり分かってるみたいだから、何か用事があるのかな。

 

「シアちゃんと遊ぶの?」

「おうさま。あう」

「そっかー……。いや、なんて?」

「おうさま」

「王様……」

 

 どうしてそんなことになっているのか、これが分からない。いや、だめだとは言わないけども。

 でもさすがに私たちだけで行くのはちょっと不安かな。不敬だ、なんて言われて犯罪者扱いされたらと思うと、正直ちょっと怖い。

 

「誰か一緒に行く人はいるの?」

「師匠。みてくれる」

「一緒には来ないけど見守ってくれるってこと?」

 

 そう聞くと、クロが頷いた。一緒に来ない理由は分からないけど、クロに経験を積ませるとか、そんな感じかな。

 本音を言えば同行してほしいけど、見守ってくれるだけでも心強い。いざという時の安心感がある。

 

「おねえちゃん」

「うん?」

「いっしょ。いい?」

 

 この子は何を聞いてるのかな。意味が分からないとかじゃなくて、今更すぎるという意味で。そもそもとして一人で行かせるつもりなんて私にはない。

 

「それで、何をしに行くの?」

「ん!」

 

 クロが取り出したのは、虹色に輝く玉だ。シアちゃんに渡している魔力の石によく似てるけど、なんだかそれとはまた少し違う気がする。周りから空気を吸っているような、そんな感じ。

 

「なにこれ」

「シア。もんだい。かいけつ」

 

 シアちゃんの世界の問題を解決できる、ということらしい。正直魔力の石で十分解決してるようなものだとは思うけど、それよりも便利なものということかな。

 

「お弁当はいる? 作ろうか?」

「おべんとう!」

 

 クロの目が輝いた。お弁当、いいよね。ピクニックみたいで楽しいと思う。ピクニックじゃないけど、お弁当はお弁当の良さがあるものだから。

 

「ほしい。おべんとう」

「了解。じゃあ、適当に作るね」

「たのしみ」

 

 ぎゅっと抱きついてくるクロを撫でながら、朝食と一緒にお弁当も作り始めた。さてさて、何を入れようかな?

 

 

 

 お昼。そろそろ昼食の時間かな、という時間に、シアちゃんが転移してきた。今回はシアちゃん一人で、セーラさんはいない。お留守番かな。

 

「お待たせ致しました。クロさん、準備はよろしいでしょうか?」

「ん!」

 

 こくこく頷くクロ。そのクロの背中には、かわいらしいピンクのリュックサック。お弁当と水筒が入ってる。

 クロの魔法で亜空間とかにしまえるはずだけど、お弁当と水筒はリュックの方がいいらしい。謎のこだわりだ。やっぱりピクニック気分だね、これ。もしくは遠足。

 

「シアちゃん。私も同行するけどいいかな?」

 

 そう聞いてみると、シアちゃんはもちろんですと頷いてくれた。同行者がいることは想定済みらしい。魔法が使えない私が同行するのは予想外だったかもしれないけど。

 

「それでは、行きましょう」

「ん」

 

 シアちゃんと手を繋いで、そのまま転移。一瞬だけ光に包まれて、シアちゃんの部屋に転移した。

 以前来た時と同じ部屋だ。つい先日だから当たり前だけど。でも違うところもある。ところ、というより、知らない人がいる、だね。

 頭に王冠を載せた、初老の男性。いかにもな王様だ。他にも、剣を持った怖そうな男と、杖を持った女もいる。剣士さんと魔法使いさん、かな。王様の護衛だと思う。

 魔法使いさんはクロを見て顔を青ざめさせていた。ちょっとおもしろい。

 

「陛下」

 

 魔法使いさんが王様に声をかける。王様が視線だけを魔法使いさんに向けた。

 

「敵対は避けて下さい。聖女と同格以上です。彼女たちが持っている魔道具から察するに、それ以上の魔力の持ち主もいます」

「なんと……」

 

 持ってる魔道具……。ああ、以前リオちゃんから渡された魔道具だ。私たちを守ってくれる魔道具だね。これがあるから、私も安心して異世界に行ける。

 王様はこほんと咳払いして、私に向かって言った。

 

「お初にお目にかかる。異世界の魔女よ。わしはこの国の王、トライベルトと……」

「あ、ごめんなさい。私じゃないです」

「ほ?」

「私、この子の姉なだけで魔法は使えません。魔女はこっち」

 

 クロの背中をそっと押す。するとクロが一歩前に出て、言った。

 

「クロ。よろしく」

 

 うん。クロは王様相手でも平常運転だね! 知ってた!

 

「ほう……。君が魔女か」

「ん。シア。よんだ。ごめんなさい」

「いやいや。今回はこちらの世界に被害はなかった故、問題ないとも。それよりも、だ。あの魔力の石というのは、君が用意したというのは間違いないかな?」

「ん。わたし。おともだち。いっしょ、つくった」

「それはすごい……」

 

 どうやらお咎めとかそういうのじゃないみたいだね。

 




壁|w・)らすとばとる。……ばとる?
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