間違えないといった最初から間違えるのは、恥ずかしいですね。
今回こそは間違えません!
ー2回目の『天皇賞・秋』に向けてー
”よし、チヨこのままこのトレーニングを続けていこうか。”
「はいっ!」
俺は本と、メジロアルダンからもらった重みのある紙の束を見て研究をして、
一番効率が良くて体を傷ませないトレーニング方法を新しく作った。
効果としてはちゃんとしている。
その証明として彼女のタイムは、今年の春と並ぶほど速くなっていた。
しかし、このトレーニングを作った後チヨに見せに行ったら、
顔がすごいすごくなっていたことを心配されてしまった。
そのあと、強制的にベットで寝させられたのはまた別の話……。
それに、トレーナ室が色々と散らかっているところを見られてしまった。
机の上にはメジロアルダンからもらった資料や本、それに俺のノート。
洗面台には、コンビニ弁当の残骸が散らかっていた。
それを見たチヨが「トレーナーさんが寝てる間に片付けときますよ。」
といってくれなければまだ汚かっただろう。
担当バに今、レース以外の心配をしてもらうわけにはいかないので最近は落ち着いた日々を過ごしている。
でも、とりあえず、トレーニングの効果が出ているなら良かった。
考えたのに効果が出なかったら流石に悲しいからな。
”よし!このまま『天皇賞(秋)』まで頑張ろう!”
「もちろんです……!このまま、前の自分を壊してみせるぞ……!頑張れ、チヨノ〜、オ〜!」
そうして俺たちはそのままの勢いで天皇賞・秋まで歩を進めた。
ー天皇賞・秋(スタート前)ー
レース場ではいつものごとく盛り上がっていた…。
それにファンたちの歓声が飛び交っていた。
ファンA)オグリーーーッ!!スーパークリークに負けるなー!
ファンB)イナリーー!!お前ならやれる!”永世三強”の頂点はお前だー!
人々はいつしか、オグリキャップ、スーパークリーク、イナリワンの3人を時代を表す
三強ーー永世三強と呼んでいた。
そんな3人が『天皇賞(秋)』で王座をこれから争う。
日本中の関心が同レースに注がれるなか…………。
『天皇賞(秋)』の控え室、チヨは外とは真逆の静かさで深呼吸をして、目を開いた。
「私、夏合宿の時から考えていました。
私は欠けていく私としてどのように戦っているのかと……。
マルゼンさん入っていました〜たとえ自分が欠けてしまっても、あたしは今の私として走り続ける。〜と。」
チヨは落ち着いた雰囲気で話し始める。そこには、
「マルゼンさんと大切なライバルから、いただいた言葉で覚悟が決まりました。
それに、あなたの応援でも……。
……そして、たとえ脆くてもそれを認め、壊れたものを戻すためではなく壊しきる。」
「もう元に戻れないならいっそ、今の全てを使い切って、破壊しようかなと。」
”それって、無茶をするってこと!?”
「い、いえっ。怪我を自らしようというわけではなくて!
私はピークが終わって今の自分が崩れ去ることを恐れていました。
でももしかしたら、昔の私を残さず壊しきった先に新たな私がいるかもしれない……。
今よりももっと強い私が……。」
「それってすごく未来を感じられることではありませんか?
トレーナーさん……!どうか見守っていてください。……私が、生まれ変わる瞬間を。」
”………わかった、見届けるよ。”
「ふふっ、はい………!ありがとうございます!」
すっかり立ち直った彼女を見て思う。彼女は本当に良いライバルに恵まれた。
メジロアルダン、ヤエノムテキ、彼女が憧れたマルゼンスキー。
それに比べ、俺は彼女に何か与えることができたのだろうか?
チヨと競い合う相手ではない自分は…。
少し昔のことを思い出す。
「『チヨがお鍋、トレーナーはおたま』とか!」
お鍋とおたま、それぞれ役割は違いますが、美味しいちゃんこを作るためには
2人揃うことが必要ということで!」
そうだな。昔必要と言われたんだし、必要じゃなくなるまではできるだけ役にたてるように
頑張ろう。そう誓った。
「……では、トレーナーさん。私、そろそろ行きますね。」
”チヨ!”
「………?
何でしょう、トレーナーさん。」
”俺は君をこれからも、全力で応援するよ!!”
「……!ふふっ……はい。
私の走り、見ていてくださいね。
そしてーーー背を押してください。
今までみたいに。」
そして、チヨはレースに向かっていた。
ーレースー
実況)さぁ『天皇賞(秋)』!並みいる強豪が揃いました!
それに、永世三強の全員が参加します!
「(これが天才の、最も勢いがあるウマ娘さんたち。でも誰が相手でも、負けない!
もちろん………自分自身にも)」
’チヨノオーさん。G1の舞台で顔を合わせるのは、ダービー以来ですね。’
「………アルダンさん。」
’チヨノオーさん、あなたはあの時の私以上の奇跡に挑もうとしているのでしょう。
しかし、だからと言ってこのレースの1着は譲りませんよ。
…私もあなたのライバルですから!’
『ならびに、私も、
あなたに全力で挑ませてもらいます。
そして期待しています。
このレースの先で、私たちは何を得るのかを。』
「…ふふっ。」
「……お二人ともありがとうございます。私のライバルでいてくれて。
しかし勝利は譲らぬ気持ちを持って!サクラチヨノオー 、参ります!!」
そうして始まりのファンファーレが響いた。
実況)ウマ娘たちが追い求める一帖の盾
鍛えた脚を武器に往ぐ栄光への道!
『天皇賞(秋)』!
実況)虎視眈眈と上位を狙って行きます。
3番人気、ヤエノムテキ
永世三強の一人がここに
2番人気、スーパークリーク
今日の主役はこのウマ娘、
前年の覇者
サクラチヨノオー 1番人気です
実況)各ウマ娘ゲートに入りました。
実況)スタートです!各ウマ娘揃って良いスタートを切りました!
解説)これは位置どりが熾烈になりそうですね!
実況)先行争いはサクラチヨノオー 、メジロアルダン、スーパークリーク
先行をいったのはメジロアルダン。
2番手で先頭を伺うのはサクラチヨノオー !
1バ身離れてスーパークリーク
1バ身差ヤエノムテキ
ただいま第2コーナーを抜け、向う正面に入った。
先頭は変わらずメジロアルダン
次にサクラチヨノオー
3番手スーパークリーク
4番手ヤエノムテキ
実況)メジロアルダン、先頭を進みますがこれは正解でしょうか?
解説)少し掛かり気味かもしれないです。
どこかで一息つけるといいですが。
実況)さぁ第4コーナーに入って参りました!
さあ、誰が一番最初に仕掛けるのか!?
サクラチヨノオー 先頭を狙っています。
最終コーナーをを曲がって最初に仕掛けたのはメジロアルダン!
それと同時にサクラチヨノオー も仕掛ける。
’「はぁぁああああ!!!」’
実況)サクラチヨノオー 並んできた!
残り400m。
サクラチヨノオー !このまま押し切れるか!
実況)サクラチヨノオー 、リードを2バ身以上つけています。
外からヤエノムテキが入ってきました!
しかし、サクラチヨノオー 速いです!!
先頭はサクラチヨノオー !!強さを見せつけて、サクラチヨノオー 先頭でゴール板を踏みしめた!
これは見事な走り!
実況)2着、ヤエノムテキ
3着、メジロアルダン
ーレース観戦ー
俺はチヨのレースを固唾を吞んで見守っていた。
〜あら、こんにちは。チヨちゃんのトレーナーさん。〜
”マルゼンスキー…!”
〜ふふっ、驚いちゃった?でも、今は構ってあげられないの。
それはあなたも同じでしょ?〜
”チヨ、頑張れ…!”
「(足が痛い)」
「……あ。」
それは体崩れていく感覚だった。これ以上進めば壊れてしまうようなそんな感覚。
ーーーーー怖い。
こんなーーーーー
『砕けるなッッ!!!』
「ーーーっ!」
’そうですっ!あなたにも譲れないものがあるのでしょう!?過去にとらわれる必要はありませんっ!!’
’それを覚悟した上でーーーーー’
’『ーーー私がっ!!ーーー私こそがっ!!
あなたに勝つッ!!』’
「ーーーー………。」
チヨは、再び前を向いた。
観衆はそのほとんどが永世三強を応援する声だった。
この騒音の中で叫んでも彼女に届かないかもしれない。
だが、そうだとしても…………!
”チヨ、頑張れぇぇええええ!!!!”
「………ッ!!
(もう昔の私に戻れないんじゃない!私はっ……もう戻らないんだ……!!)」
「新しい私になるんだッ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!!」
解説)秋に咲くのは桜か!?サクラチヨノオー 駆け抜けていく!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
実況)サクラチヨノオー がゴールイン!
サクラチヨノオー 1着です!!
ーその少し後ー
「……………。
………っ…。」
”おめでとう!チヨ!!”
「トレーナー………さん…!」
俺たちは公衆の面前だということも忘れて抱き合った。
「トレーナーさん………っ!私、勝ちました!勝てました……!」
そのまま抱き合った。
少しした後、離れた。
〜ね、チヨちゃん。自分を諦めなければ、いい贈り物がもらえたでしょう?〜
「……マルゼンさんっ!?」
〜あなたは今、サクラチヨノオー としての新しい走りを身につけたの。
そしてそれはきっと………ライバルのおかげね?〜
「………はいっ!」
〜そう、それでこそあたしのライバルだわ。
心の中が燃えている限り、あたしたちは走り続けることができる。
今度は……あたしと勝負ね。〜
”約束の『ジャパンカップ』、だね。”
〜ええ、あなたはそこまでチヨちゃんを絵師コートしてあげてね?
まあ、そこまでじゃないかもしれないけど。
ーー期待してるわ。〜
「トレーナーさん、私……!」
”うん、マルゼンスキーに勝とう!!”
「はい…………っ!!」
「私、いいライバルとトレーナーを持つことができてよかったです!!」
(ウオオオオオオ!)
歓声で東京レース場が揺れた。
このことはテレビでニュースとなった。
アナウンサー)マルゼンスキーがサクラチヨノオー にライバル宣言!?
今年の『ジャパンカップ』で対決!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そしてその熱は2人の約束のレースへ…。
『ジャパンカップ』へ流れていった……!
これを書いている時懐かしい曲を聞きました。
久々に聴く曲いいですね。
そういえば、ウマ娘はウイニングライブがありますね。
私は『ユメヲカケル』が好きです。
『トレセン音頭』も好きです。
「どどどどどーすんの どーすんの」が歌詞として出てきたときは
少し笑ってしまいました。
皆さんは好きな曲はあるでしょうか?