推しの子の世界に転生したけどVtuberしてる   作:文才パワーがない人

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事務所のアレコレが分からないので違和感はあると思います…すいません


苺プロへ行く配信者

 

時は少し遡る

それは、アイが刺されかけ、警察が到着し、事情聴取を終えた後だ。

 

「アイ!無事か、怪我はないか!?」

 

「ううん、大丈夫だよ。佐藤社長」

 

「斎藤だ」

 

ケロリとした顔で自分の名前を間違えるアイを見て、斎藤壱護と斎藤ミヤコは安堵する。

 

「ママが無事でよかった!」

 

「そうだね…」

 

アクアとルビーは、事情聴取が終わるまで外で待っていた。アイと共に二人を心配した斎藤夫妻には、先に警察の方から電話で子供が無事との連絡を貰っていた為、安心して警察署に直行出来た。

 

「それよりも、ドーム公演どうしよう?間に合うかな…」

 

「まさかこのままドーム公演をやる気か!?刺されかけたんだぞ!」

 

「大丈夫だって、それに無事だったならドーム公演の夢、叶えたいし!」

 

そう言って、アイはニコッと笑う。

 

そのまましばらく、アイと壱護は話し合ったが、結局アイに押されてドーム公演は続行となった。

 

軽くステップを踏みながら先を歩くアイを、壱護はやれやれと思いながら見つめる。

 

そんな時、警察署の出口にある街灯の明かりに照らされて白髪が光る。

 

「あ、あの人はもう事情聴取を終えてたんだ」

 

そう言うアイに、壱護は問いかける。

 

「アイ以外に事件に関わってる人が居たのか?」

 

「うん、同じ階の人なんだけどね。その人が偶然助けてくれたんだ!」

 

そう言って笑うアイから、壱護は特徴を聞き出し、ドーム公演中に『ツテ』を使って探し始めた。

 

そうして、探し出された結果

コンのスマホに電話が来たのだ。

 

 

そして、現在

こうして電話があった為、コンは事務所に来ていた。

 

「…やっと着いた…なんで周りの人チラチラ見て来たんだろう?」

 

コンの服装は簡素なものだった、ごく普通のジーンズに、胸元に『鳥居と狐』の絵が描かれた白いトレーナーだった。

家にいる時は少し手入れをしただけの髪は後ろで一纏めにして肩から垂らし、頭には黒い帽子を被り、更にクマのある目元を隠す為にサングラスをしている。

 

見る人によっては、旅行に来た外国人と思うかもしれないが、コンは純日本人である。

 

「玄関から入ればいいかなこれは」

 

そのまま堂々と玄関から入ると、入り口にはミヤコが立っていた。

 

白木(しらき) (こん)様ですね、私は斎藤ミヤコと申します。社長室まで案内しますね」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

そのまま案内され、社長室に通される。

 

「こんにちは、白木(しらき) (こん)です」

 

そう言ってコンは帽子を取り頭を下げる。

 

「どうも、苺プロダクションの社長、斎藤壱護です。…まず初めに…アイを救ってくれてありがとうございます。お陰で怪我もなく、無事にドーム公演を行う事が出来ました」

 

「いえいえ、不審者が見えたから外に出て、偶然走ったら間に合う距離だっただけですよ、もう少し離れていたら刺されていたと思いますから」

 

そう言う通り、コンの借りている部屋はアイとは一つ挟んだ隣であり、もし三つも離れているとなったらコンの筋力では間に合わずに刺されていた可能性が高い。

 

「所で、私が呼ばれたのは何故でしょうか?やはり口止めですかね?」

 

基本的にこう言う事件があった場合、大体『口止め』としてお金を払われるのが一般的なのをコンは知っている

 

「…あ、いや…それもあるんですが…失礼ながら、貴方の経歴を調べさせて貰いました」

 

その言葉に、コンは目を細める。

 

「へぇ…一体何処まで調べたんでしょう?」

 

コンは笑顔で問いかける

 

何度も言うが、コンは転生者だ。

転生者としてのアドバンテージ…知識はしっかりとある。

前世で培ったプログラマーとしての知識と技術はしっかりと残っており、卒業後はその道で食っていた時期が長く、色々と知っている情報もある。

 

それ故に警戒するのだ。

 

「あっ…いえ…そこまで深くは調べていませんよ。名前、年齢、学歴、現在の職業…程度です」

 

「なるほど…それで?」

 

「…貴方を苺プロに入れたい」

 

そう真っ直ぐ見つめる壱護に、コンは問いかける

 

「それは何故?」

 

「…Vtuber、やっているんでしょう?」

 

その言葉に、コンはポーカーフェイスを維持しながら答える

 

「個人的な娯楽ですよ、事務所が取り上げるような事でもないでしょう」

 

「…アイが見てるんですよ、確か…コンコンちゃんねるでしたっけ?」

 

その言葉に、コンはすんっと真顔になる。

 

今世間を沸かせているアイドルが自分の配信を見ている…それがどれ程の影響を与えるのか、分からない訳ではない

 

「…アイの影響は凄まじいものです、注視されたら個人では捌き切れないと思います」

 

「…なるほど確かに」

 

その言葉にコンは納得する。

 

「分かりました、所属はしますが…今すぐではなく期間を置いてもらっていいですか?」

 

「ええ、大丈夫です…それと口止め料についてですが…」

 

「ああ、所属した時に面倒事を丸投げすると思うので、それを捌いてくれるなら口止めは要らないですよ」

 

「そ、そうですか…」

 

その言葉に壱護は安堵する。

あちこちへ事件の隠蔽等の為にお金を使ったのだろう。

 

「それでは、二週間後に所属とさせて頂きます。では」

 

「ええ、では二週間後に」

 

そう言ってコンは頭を下げ、壱護も頭を下げる。

 

そのまま社長室を出れば、ミヤコと世話をされているアクアとルビーが視界に入る。

 

「……」

 

アクアと目が合った。

一応、会釈をして事務所を出る。

 

「…人生分からないものだなぁ」

 

そう一人呟いて、コンは人混みの中に消えて行った。

 

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