「七不思議?」
「ええ、そうですわ。貴女にはこのトリニティ総合学園に蔓延る噂…【トリニティの七不思議】について調査して頂きたいのです」
テーブルの対面に座る依頼主、✕✕✕✕が答えた。
「そんなものが、この学園にあるんですか?」
「ええ、ありますわよ。といっても、ここ最近になってのものですが」
「…ここ最近、ですか」
紅茶の入ったカップを手に取り、啜る。鮮やかな色、上品な香り、甘味を含んだ旨み、それらが口の中を駆け巡った。
「美味しいですね」
「そうでしょう?私の後輩が選んでくれたものでして、最近のお気に入りなんです。よろしければ、そちらのロールケーキもどうぞ?」
「では、遠慮なく。…はい、これも美味しいです。紅茶によく合いますね」
「そうでしょう!」
どうやらこれも例の後輩が選んでくれたらしい。センスがいい。
「話を戻します。ここ最近というのは本当ですか?」
「ええ。噂が出始めたのはふた月ほど前でしょうか」
「七不思議って、そんな風に急に湧くものではないと思いますが…元からあったものが広まったんですか?」
「いいえ。過去にも七不思議の噂は出回りましたが、今回はその時とはまるで別のものです。元からあったもの、という訳ではありません」
「なるほど…。なぜ過去の七不思議を知っているんですか?」
「
道理で。
「お話は分かりました。詳細についてはまた後日送らせて頂きます。そちらを了承いただけた場合、依頼の遂行に移らせていただきます。それで宜しいですね」
「ええ、構いませんわ。…あぁ、最後に1つよろしいでしょうか?」
「?はい」
* * *
「戻りました」
『…』
「起きてください、サン。仕事のお話をしますよ」
『…あー?』
「ほら、トリニティのホスト様からの依頼の確認に行くと伝えたでしょう。結果を報告しますから」
『…』
「サン?」
『誰だお前。そんな鳥肌のたつ話し方のヤツはウチにはいねーぞ』
「…ごめん」
閑話休題。
『七不思議、ねぇ』
「そう。ここ最近で急に流行ったんだって。それも昔とは違うものが」
『火のねーところに煙は立たねーとは言うが…こんな
「そういうこと。出来る?」
『まーな。いつでも構わねーぜ』
「了解。日程は抑えてあるから、一番早い日にしておくね」
『わかった任せな』
「…あ、それと」
『何だ?』
「当日は同行者が一人つくからよろしく、って」
『同行者ぁ?そりゃ一体何でだ』
「部外者に夜の校舎を一人でうろつかせる訳にはいかないってさ」
『へーへーそりゃまた。どんなヤツだ?』
「後輩の子らしいよ。直接は会ってないけど、その子が選んだ紅茶とロールケーキは頂いてきたよ」
『ほーん。美味かったか?』
「うん」
『そりゃ良かった』
知ってるやつの硬っ苦しー話し方には鳥肌が立つなマジで。By鈴ヶ咲サン