モモンガ様、総愛され物語   作:風煉

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ブレインさん、ウルベルトさんに遊ばれるの回です


死の支配者、転生する【悪魔主従の遊戯編】

「ん? お客さん? はぁい(たっちさんかな?)」

「ーーやぁ、こんばんはモモンガさん」

「ウルベルトさん? よくここが分かりましたね?」

「無自覚なのもどうかと思いますよ? この辺り一帯、貴方の力で満たされてますからすぐ分かりましたよ」

「えっ? そうなんですか? あ〜、じゃあ何か対策を考えないとなぁ〜」

 

モモンガがペロロンチーノの行き倒れと運命的な邂逅する数日前の夜、突如ウルベルトがやってきた。

事前連絡のない来訪だったものの、数少ない友人を快く出迎える。

すると悪魔の後ろにもう一人の悪魔がいることに気がついたモモンガに、ウルベルトが紹介する。

 

「あれ、後ろの方はどなたですか?」

「こちらはデミウルゴス。 俺の下僕です」

「お初にお目にかかります、モモンガ様。 我が主ウルベルト様の御手により創造されましたデミウルゴスと申します」

「デミウルゴスか、初めまして! へぇ〜、すごいじゃないですか! 強そうだし、格好いいですね!」

「ーーそうでしょう、そうでしょう! モモンガさんなら分かってくれると思ってましたよ!」

「お褒めいただきありがとうございます、恐悦至極に御座います」

 

主の紹介後に、ピシっと決めた服にシワが出ないよう、胸に手をついてデミウルゴスは頭を下げる。

見事な立ち居振る舞いにモモンガは素直な感動を口にし、ウルベルトは嬉しそうにしていた。

下僕としては主より事前に聞かされていたとはいえ、目の前のアンデッドに本能から畏怖の敬愛を抱く。

温厚な気質とは裏腹に、最上位悪魔である創造主に勝るとも劣らない絶対者の風格に溺れそうだった。

もし主がいなければ忠義を捧げたいと思うほどに、デミウルゴスはモモンガのことを気に入る。

意気投合した3人はそのまま仲良く語り合い、主は友人と魔法談義に花を咲かせた。

その日は泊まりがけで夜通し語ろうということになり、深夜に差し掛かろうとした時にアンデッドがなにかに気づく。

 

「ーーん?」

「モモンガさん? どうかしたんですか?」

「……不届者が来たようです」

「こんな森の奥深くへ? おやおやっ、それはきっと人間でも訳アリ、というやつでしょうね? デミウルゴス」

「承知いたしました」

「モモンガさん、掃除しますのでちょっと遊んでもいいですか?」

「良いですけど、やりすぎないでくださいね? 血痕ってなかなか落ちないんですから」

 

この辺りの無自覚な支配者は、気配こそ隠していなかったが侵入者対策は完璧だった。

少し気分を害された態度を見せるモモンガに対して、ウルベルトは落ち着いているようで腸が煮えくり返る。

邪魔された、その事実だけで悪魔の逆鱗に触れるに値する理由だ。

そして主の機嫌を損ねた愚か者共を誅伐しなくてはと、側近の悪魔は残忍な笑みを浮かべる。

許可を取り、ウルベルトとデミウルゴスが出迎えをするということの意味をモモンガは正しく理解していた。

穏やかな性格とはいえ、縄張りに土足で踏み入る闖入者に対する慈悲など彼は持ち合わせていない。

徹底的な苛烈さを与えても問題ない、支配者としての格に悪魔たちは敬意を表したかった。

 

 

 

 

何故こうなったのか、ブレイン=アングラウスは目の前の現実を受け止められなかった。

死を撒く剣団に所属してから、外道じみたことは数えられないほどやってきたが、後悔はしていない。

全ては高みへ目指すための踏み台、その程度にしか考えていなかった。

この日は団の新たな拠点探しに、手頃な森の奥深くまで足を踏み入れる。

来る途中で襲った行商人から金目のものを奪い、ついでに見目が良かった女性2人も連れていた。

身を隠せそうな場所はないかと辺りを探していると、良さげな洞穴を見つける。

辺りに人の手が入ったように整えられているのが気になったが、都合が良かった。

そうして足を踏み入れようとしたとき、穴の中から足音が響く。

誰かいる、それだけで団全体に緊張が走ると同時に楽しい時間の始まりと笑っていた。

ブレインは積極的に参加しないが、請われれば情け容赦なく斬り捨てるつもりでいる。

また一つ新しい屍ができると思われていたが、現れたのは誰も予想できない超越者たちだった。

 

「ーーん? なっ、異形種!?」

「なんだ、ありゃ? まさか、悪魔って奴か!?」

 

誰が最初に言い出したのかも定かではない、だが彼らの喜びは動揺へと変化する。

現れたのは2人、片方は人だが銀色の尻尾を生やし、もう片方は山羊頭の二足歩行をしている何かだ。

異形種の中でも見る機会など滅多にない存在感と、一歩ずつ洞穴の出口に近づいてくるだけで伝わる圧に、剣団は人から虫へと堕ちる。

楽しい時間が始まろうとしている、悪魔たちにとって血の惨劇という虐殺が。

 

「ーー初めまして皆さん。 私はウルベルト·アレイン·オードルと申します」

「ウルベルト様、このような下等生物共に尊き御名をかたる必要はないかと愚考いたします」

「デミウルゴス、いつも言っているだろう? 悪を語るなら優雅さを忘れてはいけない。 例え相手が虫けらだろうと、礼儀は必要なのだよ」

「だ、黙ってきいてりゃ異形種風情がいい気にーー」

「なんと無礼な、『()()()()()()!』」

 

剣団総数70名を前に、ウルベルトは比類なき王者の風格を披露する。

感動する一方で、すぐに肉塊へと成り果てる群れには勿体ないとデミウルゴスは忠言した。

見るからに侮られている態度に、団長の男が声を荒げるも、側近の悪魔の言葉にその場にいた人間は地面に寝転ぶ。

まるで押さえつけられているような圧に、望まぬ平伏を強制されるも、誰も逆らうことができなかった。

 

「デミウルゴス、呪言を解け」

「ですが……」

「解くんだ、踏み潰すだけではつまらないだろう?」

「はっ、『()()()()()()()』」

「ーーはっ!? な、何だよ、何なんだよてめぇら!?」

「やれやれ、自由にとは言ったが、喋れとは言っていませんよ?」

 

主人の命令と意を組みなかった自分に恥じながら、デミウルゴスはスキルを解く。

直後に、団の一人が怯えから叫ぶのが耳障りに感じたのか、ウルベルトはそれに指を振った。

すると頭部が内側から破裂するように爆散し、周囲に濃厚な血飛沫と肉片をばら撒く。

性奴隷となるはずだった女たちの叫びに比例するように、剣団に恐怖が走った。

正真正銘の化け物に出くわし、何もかもが遅いという現実に押し潰されそうになる。

 

「しまった、やらかした。 モモンガさんに怒られてしまうな」

「素晴らしい御技です、相も変わらずウルベルト様の絶技は見ていて参考になります」

「そう褒めるな、調子に乗ってしまうぞ? さて、逃げるのならご自由に。 もっとも、既に結界を張り巡らせていますので、誰も逃げられませんけどね?」

 

殺害などと呼べぬ殺戮をしたのに、悪魔はまるで悪戯をして親に怒られる子どものような素振りをする。

傍らの悪魔は拍手しながら主の技を褒めるという光景を見させられ、人間たちは絶対零度の死を突きつけられた。

舞台の幕開けとばかりにウルベルトが手を広げ、始まりの合図を告げる。

それを皮切りに抜刀する者、逃げ出す者、腰が抜けて立てない者と、三者三様の地獄が幕を開けた。

 

「デミウルゴス、逃げた者を追え。 煮るなり焼くなり好きにすると良い」

「ありがとうございます、幾人か連れ帰り拷問に掛けたいのですが、よろしいですか?」

「勉強熱心だな、構わない。 好きに遊び、好きに殺し尽くせ」

 

人外共の愉快な夜が始まり、デミウルゴスは主の命令に従い、真夜中の森へと優雅に歩いていく。

その場に残り、生き残ろうとする人間たちを前にしても、ウルベルトの優勢は揺らぐことはなかった。

絶対的な悪魔を前に、ブレインはただ呆然と目の前の惨劇に立ち尽くすしかできない。

一人、また一人命を散らすのに、どういうわけか上位者は男だけを狙わなかった。

数分にも満たない殺戮の後に、残されたのは悪魔と人間、そして死体のみ。

 

「な、なんで俺だけ残した……?」

「気まぐれですよ、虫けらにしては貴方だけはこの有象無象の中でも頭一つ抜きん出ていた。 少し興味が湧きましてね、絶望を前に藻掻き足掻く人間の中でも強者である貴方が、どう出るのかを見たくなりまして」

 

返り血すら浴びていない悪魔を前に、ブレインは恐怖に震える体を必死に抑える。

ただ一人生き残るこの状況を喜びたいが、悪魔に興味を持たれたなど最悪の事態だ。

つまりは、邪魔な虫を排除した後でじっくり楽しむためだけに好物を残したと言われたも同然。

それでも死ぬわけにはいかないと、ブレインは刀の柄に手を回し構える。

覚悟を決めた男を前に、ウルベルトの口が愉しげに歪んだ。

 

「クククッ……! さぁ、愉しみましょう。 安心してください、すぐには殺しませんから」

「……ッッ!! 舐めるなよ、化け物が!」

 

実力を認められ、見初められたとあればデミウルゴスならば感涙ものだ。

ブレインも褒められた点に思うことはあるものの、生き残らなければ話にならない。

戯れに残したことを後悔させてやる、その覇気であまりに高すぎる壁に挑もうとしていた。

これまでに鍛えてきた武技を惜しみなく発揮し、間合いに相手が侵入してくるのを待つ。

それも分かってか、準備を整えたブレインを見て薄ら笑いを浮かべたウルベルトが近づいてきた。

一歩ずつ接近してくる悪魔の強すぎる圧迫感に息が詰まるも、気を抜けない。

もし無様を見せればどうなるか、死ぬよりも恐ろしい目に合わされると本能で理解してしまった。

故に、生き残る可能性にかけて男は恐怖に打ち勝とうと奮起する。

やがて悪魔の一歩がブレインの絶対領域へ足を踏み入れる、その刹那に彼としては神速の刃を無防備な喉へ斬りつける、つもりだった。

しかし叶わなかった、肌に触れる直前に山羊の指に優しく摘まれ、虫を掴むように一刀両断するはずの攻撃を防がれる。

 

「なるほど、悪くない武技ですね。 人間にしては優秀です、褒めてあげますよ」

「ーーひっ」

「ふっはははっ! ダメですよ、気を抜いちゃ。 全く、人間とは自分よりも強い相手を前にすればすぐに怖気づくのですから」

 

死中に活を求める、その意気でこれまでにない一刀を繰り出したブレインに絶望が襲いかかる。

間違いなく最高の一手だったのに、ウルベルトには児戯でしかなかった。

刀を押し返し、残忍なまでに愉悦に浸る悪魔を前に、戦士は自我を保てなくなる。

手が震え、刀を落としそうになるのを必死に堪えて、残された自衛手段を手放さないよう必死だ。

それも悪魔が一歩踏み出しただけで瓦解してしまい、腰が抜けて地べたに座り込んでしまう。

生物としての最上位者の影に覆われ、今すぐにでも命を落としそうな状況に男は震えた。

こんなことになるなんて、その一言に尽きる。

こんなところで終わるのか、無念で仕方がなかった。

最早生きる術はなしと思ったところで、森から誰かが戻ってくるのを感じる。

だが振り向く必要もない、戻る者など一人だけだ。

 

「デミウルゴス、終わったのか?」

「はい、モモンガ様の庭園を汚すわけには参りませんので、部下たちに連れて行かせました」

「そうだな、さてそろそろ終わりにしようか。 モモンガさんをあまり持たせたくはないのでね」

「い、いやだ……、たす、助けて、助けてくれぇ……!」

「おやおやっ、いいですねぇ命乞い! 悪魔に求めるなど、それは捧げてると同意義ですよ? まぁ差し出されたのだから仕方がない、ありがたく受け取っておきますよ♪」

「ーーあっ、ああ、うわぁぁぁッッ!!!!」

 

ウルベルトの下へ戻ってきたデミウルゴスは服を乱すことなく、あっという間に鬼追いを済ませていた。

残ったのは自分だけ、その事実にブレインの恐怖はピークに達する。

命乞いをしたのに捧げたと曲解され、山羊の手が伸びようとしたところで限界を迎えた。

悲鳴を上げて二人の間からなんとか抜け出し、森の中へとすべての体力を使って逃走する。

哀れな後ろ姿に主従は大変愉快で、笑いが止まらなかった。

 

「愚かな、ウルベルト様に命を奪われるという栄誉から逃げ出すとは」

「構わん、楽しみが一つできただけだ。 さぁ、あとはじっくりジワジワと、徹底的に追い込めばいい」

 

逃がす気は毛頭ない、暗に言葉にせずとも伝わるウルベルトの怒気にデミウルゴスは感服する。

主にここまでの感情を抱かせた、死の支配者を尊敬したくてたまらなかった。

袋小路の逃走劇が始まる、決して脱出不可のゲームが始まりを告げる。

 

「はぁっはぁっ! イヤだ、死にたくない、死にたくない!」

 

涙と鼻水、涎を垂れ流しながらブレインは夜の森をがむしゃらに走る。

懸命に死から逃れようとしても、一定距離以上離せなかった。

しかも確実に一歩、また一歩と寄ってくる黒い気配に男の精神は崩壊寸前まで追い込まれる。

立ち止まり死を受け入れたいとまで思う、だが止まることは許されなかった。

 

「ほらほら、みっともなく逃げなさい、私を満足させる愚かさを披露できなければ、死よりも酷い末路しかありませんよ?」

 

追い立てるようにウルベルトが、死なない程度の魔法の矢(マジックアロー)を放つ。

わざと当たらないよう放たれ、振り返ることもさせないように、獲物を追い立てていた。

人間が狐を追い込むように、悪魔は笑いながら最後の玩具を壊さないように遊ぶ。

夢なら醒めてほしい、しかしいつまでも意識は戻らないままブレインは悪夢に踊らされていた。

呼吸もまともにできなくなり、次第に走れなくなるまで体力も落ちていく。

そして狙いすましたように、足を貫く光の矢が撃たれ、男は激痛に叫ぶこともできないまま倒れた。

 

「ひっ、ひぃっ、あっ、はっ……! やだ、いやだ、いやだ……!」

「もう終わりか、呆気ないものだ」

「不愉快甚だしい、ウルベルト様を愉しませる事もできないとは」

「いいさ、中々に愉快な余興だった。 それではメインディッシュといこうか。 最期は華麗な歌を聴かせてもらおうかな?」

「あっああぁぁぁ……! 誰か! 誰か、助けてくれぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

這い蹲っても逃げようとするブレインの背を、デミウルゴスが踏みつけて止める。

ゆっくり歩いてきたウルベルトは、苦痛に塗れながら死を与える魔法を唱え始め、か弱き人間は助けを求めた。

誰もいない暗い森の奥、虚しくも届くはずもない救援に答えるものはいない。

 

ただ一人、正義を志す白銀の騎士を除いて。

 

「往生際が悪い、誰も来るはずがーー」

「いいえ、そんなことはありませんよ」

「ーーっ!? くっ!? てめぇは!」

「ウルベルト様!? はっ、くっ!?」

 

詠唱を済ませて放とうとした刹那、ウルベルトは覚えのある敵意を感じ取る。

即座に魔法をキャンセルし、持っていた杖を構えて死角からの攻撃を寸でのところで防いだ。

主の危機にデミウルゴスが援護しようとするも、己にも死が訪れようとしていることを悟り、その場を離れる。

鍔迫り合いを無理やり解いた山羊が下僕の隣に立つと、残しておいた獲物を庇うように2つの影が立っていた。

白銀の全身鎧に赤いマントを翻す騎士と、付き従うように構える老齢の執事のコンビが現れる。

 

「……なんでいるんだよ、たっち」

「知り合いに会いに来ただけだったんですが、貴方の気配を感じたので来てみれば、ろくでもないことをしていたようですね」

「不敬な! ウルベルト様の邪魔をするなど、愚かの極み! そこを退け!」

「それはできませんね。 私の主に対しての侮辱もですが、貴方方の残虐非道極まりない行いは見過ごせません」

「……あ、あんたら、は?」

「いいから逃げろ、ここは私達が食い止める」

「あっーー、くっ……!」

 

両者が睨み合い、殺気立つ世界はこの世のものとは思えない隔絶たる圧倒感だ。

本当に現れた救世主にブレインは名を尋ねることもできず、礼も言えないまま何とか起き上がり、その場から逃げ出す。

デミウルゴスが追跡をしようとしても、騎士の従者であるセバスが動くのを理解できるため何もできなかった。

主人同士が睨み合い、いつ戦いの火蓋が下ろされるかと緊張が増す中、ウルベルトが肩を竦める。

 

「……興醒めだ。 デミウルゴス、行くぞ」

「よろしいのですか?」

「元々余興に過ぎない、それに少し遊び過ぎたな」

「この私を前に逃げ出すのか?」

「逃げる? まさか、今にも殺したいところだが、やり過ぎないようにと言われているからな。 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……はっ? 今、何と言いました?」

 

心底からウルベルトが脱力する様に、たっちにしろセバスにしろ、信じられないものを見たという思いだ。

デミウルゴスは気遣うも、主の言葉にこれ以上はまずいということに気づいて何も言わなくなる。

森の奥へと戻ろうとする悪魔主従の行動に、騎士と執事は挑発をかけてみた。

すると後からやってきた二人もよく知る、最近知り合いになったばかりのアンデッドの名が出てきて呆気にとられる。

どうしてそこでその名前が出てくるのかと驚いていると、5つ目の影がその場に現れた。

 

「ウルベルトさん、デミウルゴスも、こんなところにいたんですね。 家の前に死体がわんさか積み重なっていましたけど、あれは?」

「モモンガさん、あれはプレゼントです。 実験用の手ごろなものが欲しいって言っていたでしょう?」

「いいんですか? アンデッド作成を試したかったーー、あれ? ()()()()()()()()()()()()?」

「えっ」

「あ、あぁっと、その、えぇ……。 こんばんは、モモンガさん」

「夜分遅くに失礼いたします、モモンガ様。 近くまで来ましたので、顔を出しにまいりました。 ところで、その……、つかぬところをお伺いするのですが、そちらとはお知り合いなのでしょうか?」

 

声の主に対して、ウルベルト達は好意をむき出しにする一方で、たっち達は戸惑いを顕わにする。

心配になって来たモモンガだったが、新たな来客にも声をかけたので、悪魔たちは意表を突かれた。

話を振られどうしたものかと悩む主人を気遣うよう、執事は毅然と礼節を重んじて話しかける。

どちらにとっても不測の事態に陥り、状況は混沌と化すのだった。

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