気がついたらテレッテでお手上げ侍   作:TTT

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俺はTTT (テレッテッテー)

 突然だが、ペルソナ3の不人気もとい絵に描いたような三枚目キャラをご存じだろうか。姓を伊織、名を順平。ゲームが好きでジャンクフードを愛し、女好き。ヒーロー願望があり、その機会を何をするでもなく待ち続けてる絵に描いたような青年だ。等身大の学生らしさ、無責任な言動、暴言。そしてそこからの成長。周りからはわりとボロクソに言われていたが俺は嫌いになれなかったキャラだ。

 

 「だからといってなりたいですかと言われたら絶対にノーなんだけどナ!」

 

 目の前の鏡に映る伊織順平もとい俺。中学二年の体育の野球の時間。頭に弾丸ライナーをうけたことにより脳みそをシェイクされた俺は前世と言う名のバグを思い出した。

 

 「さて、今日から二年…ついに主人公が来るのか。まあ、何とかなるだろ。頑張れオレ、気張れオレ!」

 

 パンッと自分の両手で頬を叩き気合いを入れる。カレンダーをみれば4月7日。二年に進級すると同時に原作主人公が転校してくる日だ。いっそ逃げ出すとか全く関わらないとか考えてみたけど、俺が伊織順平であるかぎり、影時間の適性はあるだろうし一般通過シャドウに殺されたくなければ関わるしかない。それならば俺はペルソナ4の陽介みたいな相棒キャラを確立してやる。それくらいの心つもりで主人公に媚を売ってやる。

 

 

 

 

 

 

 「そう思ってたんだけどナーーーーーっ!」

 

 「?」

 

 俺の前にいる主人公通称キタローはなぜかスカートを、女子用の制服を着用していた。朝観たときは目を疑った。実際に声をかけた今も信じられん。女主人公通称ハム子ではなく見た目は男主人公キタローなのに女の子だった。もともと中性的な顔立ちではあったため、見間違いかとも思ったが近くでみれば確かに女の子。現実は非常である。

 

 「あぁ、いや、悪い。オレってば君のこと男だと思ってたからさ。……ってあぁ!? いやいや、その、気を悪くしたならゴメン!」

 

 「気にしてない」

 

 固定観念からかなり失礼なことを言ってしまったが、本当に何も気にしてないように返してくる。第一印象最悪かと思ったがギリギリセーフか?

 

 「っと、オレは伊織順平。ジュンペーって呼んでくれていいぜ。実は俺も中二の頃に転校でここ来てさ。転校生って色々と1人じゃ分からないじゃん? 校内とかとくにさ。ここは同じ経験をしたオレが最初に声かけなきゃってな。ヘヘッ、イイ奴だろ?」

 

 軽くおどけて見せつつ、フレンドリーさをアピールしておく。結構グイグイ言っておかないと印象に残らなくて最悪死ぬのでね。

 

 「…………」

 

 そんな俺をじーっと見ている人がいる。去年からおなじクラスの岳羽ゆかり、ペルソナ3のヒロインの1人だ。

 

 「おっ、ゆかりッチじゃん! またおんなじクラスになれちゃうとは思わなかったぜ。今年も、あと来年もヨロシク!」

 

 「まったく相変わらずだね…誰彼かまわず、馴れ馴れしくしてさ。ちょっとは相手の迷惑とか考えた方がいいよ? それに野球部はいいの?」

 

 「なんだよ、嫉妬かー? オレってばモテちゃうからなあ。野球部は今日はお休み。ついでにマネージャーならいつでも募集中だぜ? 興味ない?」

 

 「は? なんであんたに? あと転校初日の人をいきなり勧誘しない!」

 

 勢いで主人公をマネージャーに勧誘したがゆかりに止められる。原作の順平は野球から離れていたが、俺はコツコツと続けている。ネームドキャラなだけあって、それなりに才能はあったのかわりとなんとかやれてる。あとモテモテってほどではないけれど、そこそこモテる。

 

 「へいへい。というわけで今は純度100パーセントの好意で転校生に親切にしてるだけだからサ」

 

 「ふうん。ならいいんだけど。でも、なんか偶然だよね。おんなじクラスになるなんてさ」

 

 含みのある返答のあと、ゆかりが主人公に声をかける。

 

 「ただの偶然だ」

 

 「それはそうだけど…でも、驚いたよ…」

 

 あまり愛想のない返答に一瞬なんとも言えない空気が流れる。そういえば『どうでもいい』が選択肢によくでてくる主人公だったな……

 

 「おいおい、オレだって同じクラスだぜ? なんか扱い違わねーか!?」

 

 「だってジュンペーだし」

 

 「んな!? どー言うこと!?」

 

 ジト目でそう言われたので大袈裟にリアクションをする。軽くクスクスと笑いあい、穏やかな空気になる。

 

 「あ、じゃあ私、弓道部の用事あるから行くね。あと、キミ、昨日の夜のことは誰にもいわないでよね!」

 

 「……昨日の夜……? ……はっ!」

 

 「想像しているようなことはない」

 

 俺の想像はすぐさまバッサリと切り捨てられる。その目からは感情が読み取れない。呆れられているのか引かれているのか分からないのでアプローチを変えるべきかわからない。

 

 「まあ、ともあれ初日だし直帰っしょ? たしかゆかりッチと同じ寮だよな? 朝噂になってたぜ。ってーなると、駅までは一緒だな。ついでだし、校内まわってく? 適当に歩いてくれればついてくぜ。えーと……なんて呼べばイイ? ずっと転校生ってのもな…」

 

 「有里 湊。ミナトでいい」

 

 「ほいよ。しゃあ、ミナト。行こうぜ」

 

 「あだ名で呼ばないの?」

 

 「……ミナっちゃんってけっこうお茶目だったりする?」

 

 真顔でそんなそんなことを言う湊にさすが主人公、大物だなと思いつつあだ名で呼ぶことが確定したのだった。

 

 

 

 

 

 「ちょっ!? ミナっちゃんそっちは男子トイレだぜ!?」

 

 「……なんで印刷室に入ったんだ?」

 

 「これは運動部のホワイトボードで……ちょっ、落書きはダメだって!」

 

 「こっちはオレの所属する野球部の部室がー…って、なんですぐに引き返すのサ!?」

 

 無表情なだけでかなりやんちゃなのかもしれない。

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