ユグドラルにアリティアの元剣闘士をブチ込んだ話   作:塩焼きそば啜郎

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遅くなってすみません。


マッキリーの司祭

レヴィンとシルヴィアを迎え入れ、次なる目的地のマッキリーへと向かおうとした時、なんとエバンス城から一人の騎兵が駆けて来た。

 

「シグルド様!エバンス城が天馬騎士団に攻撃されています!」

「落とされたのか!?」

「いえ、アーダン殿が応戦していますが、長くは……」

「ここからだと距離がありすぎる……」

「おい待て、天馬騎士団だと?」

「レヴィン、何か知ってるのか?」

「……誰かワープの杖かリターンの杖を持っていないか」

「リターンなら、私が持っていますが……」

「それで良い。今すぐ俺をエバンスへ送ってくれ」

「でも……」

「頼む。理由は後で話す」

「……分かりました」

「エスリン!」

「兄様、この人がここまで言うのなら信じても良いと思います。それに、敵対しているシアルフィ軍が向かっても戦うしかないと思うの」

「そうだが……」

「シグルド、今は信じてくれ」

「……分かった」

 

こうして、レヴィンがリターンで飛ばされた。俺達も後を追うべく、エバンスへの帰還を始めた。

 

 

 

レヴィンがエバンスに到着した頃には、アーダンは複数の天馬騎士に囲まれて手槍を投げられていた。急いで近くまで駆け寄る。

 

「おい、フュリー!何してるんだ!?」

「え……?レヴィン王子!?エバンスに囚われていると聞いたのに……」

 

他の天馬騎士も、戦闘を止めてレヴィンの元に駆け寄った。アーダンも気になって寄る。

 

「さてはフュリー、騙されたな?そんなんじゃ都会ではやってけないぜ」

「おいおいあんた、こりゃどういう事なんだ?」

「アーダンだったか、シグルドから聞いている。俺はレヴィン。今は旅の吟遊詩人さ……うちの天馬騎士団が迷惑かけたな。ほらフュリー、謝るんだ」

「す、すみません!私の勘違いでした……」

「う〜む、勘違いなのは良かったがおかげで鎧と盾がボロボロだ……」

「お詫びとしてはなんですが……このリングをお受け取り下さい」

「これは?」

「追撃リングと言って、付けると追撃が出来るようになります」

「どれどれ……おおっ、俺にも追撃の力が……」

 

 ついげきリング をてにいれた!

 

 

 

「……む、エバンスから天馬騎士が飛び立って行くぞ」

「……良かった。どうやらレヴィンがなんとかしてくれたようだ……我々はこれからマッキリーへと進路を変更する!」

 

天馬騎士団を撤退させられる吟遊詩人も気になる所だが、今はマッキリーだ。俺達は崖沿いを走っていたが、どうやら相手から攻めて来ているらしい。前方から複数の騎士団が向かって来ていた。

 

「ヴォルツは正面から足止めしてくれ!私達が側面を叩く!」

「了解したぜ!」

 

そう言うなり、ヴォルツが勢い良く飛び出して行った。大剣を振り回して相手の勢いを封じている隙に、俺達は側面を攻撃。

 

「増援が来たな……アイラ、ホリン、出番だ!」

「先程はヴォルツに機会を奪われたからな。私の流星剣を見せてやる!」

「アイラ!?」

 

アイラが一人で突撃したと思えば、あっという間に数騎の敵が斬り裂かれて落馬する。なんて恐ろしい剣士だ……(畏怖)

若干の恐怖を抱きつつ、俺達もアイラの後に続く。左右から迫る刃をかわしつつ、剣を大きく振った。相手の足に命中し、断末魔を上げながら落馬。乗馬してるから密集地帯だと攻撃をかわしにくいのが騎兵の弱点だな。

騎士団を撃破した所で、レヴィンと天馬騎士が向かって来た。

 

「レヴィン、その人は?」

「フュリーだ。俺がエバンスに囚われているとシャガールから騙されたらしくてな」

「フュリーと申します。貴方達の力となる事を近いましょう」

「私はシグルド。天馬騎士の君が加わってくれるなら大助かりだ。私達はこれからマッキリーへと向かう」

「それでしたら、丘の上にシューターが配置されているのを見ました。お気をつけ下さい」

「何……ガンドルフ王子」

「どうした?」

「先に深い森の中で待機しておいてくれ。私達がマッキリー領へと進軍すると同時に、シューターを攻撃して欲しい」

「そう言う事か。任せときな!」

「フュリーもついて行って、ガンドルフが配置についたら戻って来てくれ」

「分かりました」

 

こうして、ガンドルフ隊とフュリーが丘に続く深い森に向かって行った。俺達もマッキリーの手前に並ぶ。しばらくしてフュリーが帰って来たので、全速力でマッキリーに進軍し始めた。だが進軍してからすぐに、異変が起こる。

 

「……ノイッシュ?ノイッシュ、どうした!?」

 

シグルドに続いていたノイッシュが、突然倒れた。生きてはいるが、呼びかけにも反応しない。

 

「シグルド公子!」

「シグルド様、これはスリープの杖による物です」

「スリープの杖……ディアドラ、サイレスを頼めるか」

「はい」

 

ディアドラがサイレスの杖に力を込める。そして杖から伸びた光が、マッキリー城へと飛んで行った。

 

「恐らくこれで相手の魔法は封じました」

「ありがとう。サイレスの効果が切れない内にマッキリー城を制圧するぞ!フュリーはノイッシュを頼む」

「分かりました!」

 

俺達は急いでマッキリー城に向かい始めた。前からは各種武器を構えた歩兵隊が向かって来る。こっちは狭い道に無理矢理騎兵を押し込んでるからぎゅうぎゅう詰め状態だよ!……と心の中で悪態をついた瞬間、崖の上から複数の手斧が投げられた。

 

「へっへっへ、集合してやがるから、適当に投げても当たるぜ!野郎共、じゃんじゃん投げまくれーッ!」

 

シューター部隊を制圧し終えたガンドルフ隊が、歩兵隊を攻撃する。うん、今までどことなく馬鹿にしてたけどめっちゃ頼もしいわ。ごめんねガンドルフ君。

 

 

「おい、何見てやがんだそっくり」

「サムソンだ。……シアルフィの公子だろ、ヴェルダンの第三王子だろ……」

「なんでこっちを見やがんだ!畜生、こんな顔してて悪かったな!王族には見えないってか!!」

「ぶっちゃけると見えない」

「畜生ォォォッ!!」

 

 

てな事もあったな。後で謝っとくか。そんなこんなでガンドルフの応援もあり、素早く歩兵隊を撃破した俺達は、マッキリー城に到着した。したのだが……

 

「……」

「自害か」

 

王宮で、短刀を自身に突き刺して死んでいたクレメントの死体が発見された。シグルドとしては降伏と停戦を呼びかけるつもりだったのだろうが、それは叶わなかった。

 

「……誰か、クレメント王を埋葬してやってくれ。これでは余りにも……」

 

その後、クレメントはマッキリー城にて簡易的に埋葬された。シャガールがヴェルダン侵略を命じた事から始まった戦争とはいえ、どこか後味が悪い。俺はマッキリー城から見える次なる目的地、王都アグスティを見つめた。




アーダン……今回が初セリフ。必死で手槍をかわしていた。浜辺に行かずとも追撃リングを手に入れられた。やったねアーダン。

フュリー……天馬騎士。めっちゃ騙されやすい人。結構後半で加入するので闘技場に行かせるのを忘れていたのは作者だけじゃ無い筈。
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