実は気づいてなかったけど、転生先がキングダムだった話、する? 作:匈奴人
一話で終わります。
次回はいよいよあの将軍が……!
って感じです。
目の前、遥かに広がる大地では、十万の我が軍とそれよりわずかに多く十二万程度の南東胡の軍によって戦が行われている。
「報告! タッジ隊が壊滅! ジシバ様が応援を求められています」
「敵はそこを離れる。放っておけ」
「ナルマ隊、敵に深く食い込みます!」
「いや、下がらせろ。あの位置は食われるぞ。予備隊千でナルマの支援に行け。そのまま合流して戦線を維持せよ。押し込んではならん」
「はっ!」
次々と飛び込んでくる報告をさばいている俺がいる場所は、中央軍の後方にわずかにあった高台だ。
現在の戦況を見るならば、膠着状態。
中央軍、左軍右軍ともに敵とがっぷりと組合い、前線は酷い乱戦状態になっている。
とはいえ右軍ではハイトの軍が、左軍ではアイボの軍が突出して大きく敵を切り裂いている。
一番膠着状態に陥っているのが、俺の正面の部隊だ。
まあそれも当然の話で、今の俺のところには将がいない。
いや俺自身はいるのだが、そうではなく、前線で乱戦をがっつりと押し込める、あるいは突破することを指示出来る将が、俺の下にはいないのだ。
何せこの軍を形成する際に、俺の下に移動してきた隊はハイト、シウイ、ルルシウス、アイボのそれぞれ一万の軍から二千ずつの八千。
その中で最大階級なのは千人将だ。
途中でここに来るまでに中継点で拾ってきた六万の中には五千人将や将軍もいるが、まあ、残念ながら近衛兵団に選ばれたハイトらほどの冴えは無かった。
そこで、俺はこの戦を中央軍のみで敵を粉砕して勝利することを放棄した。
この将の数の差がある中でそれをするのは、いささか非効率的だ。
もちろん、俺の下について今前線で戦っている将軍の能力も、大草騎国で将軍を任される程度には素晴らしいものがある。
そこに俺が隊を率いて突撃すれば敵は粉砕できるかもしれない。
だがそれには大きな犠牲と手間がかかる。
それぐらいならば、中央の勝利は必要ない。
それに、俺の下に一人だけついている将軍も同じ考えをしているようだった。
戦の前、その将軍と軍議で交わした会話を思い出す。
******
『どう思う?』
そう問いかけたのは俺だった。
戦術盤の上に敵軍自軍の駒を並べて戦の先を読もうとしていた昨晩のことだった。
その内容としては、左右軍が敵と組み合っている間に敵中央軍を粉砕し、そのまま両横の戦場に圧をかけるか、あるいは敵本陣を狙うかという戦の流れを実行することは可能か、という俺の問いだ。
これは北東胡を相手するときにも行った策で、将と軍を入れ替えて今はザイニイの下につけている将軍は、それを満足にやってのけた。
むしろ鮮やか過ぎて俺が驚いた程に、戦場への力のかけ具合で敵を操ってみせた。
『無理ですな』
それに対して、新たに俺の下についた将軍ニキタははっきりとそう答えた。
単于である俺の言葉に、はっきりと。
もちろん、戦術的に戦場が見れることは素晴らしいことだし、先が読めているというのは良いことだ。
だが、戦に誇りを持つ将軍が、はっきりと上司に向かって無理だという。
面白いと思った俺は、その言葉の意味を尋ねたのである。
『随分とはっきり言うな。どうしてそう思う?』
尋ねた俺に、彼は特に虚勢を張るでも無く諦観するでも無く、自然体で答える。
『単于様のおっしゃる策には、優れた平衡感覚が必要となる。そうでありましょう?』
『確かにその通りだ』
横陣同士のぶつかり合いで中央を薄くしそこに管を通してぶち破るという策。
あれを達成するまでには、乱戦の中でもある程度戦場を操作し、敵に気づかれぬ程度に左右に敵を広げるという細かい調整が必要となる。
とはいえ、長い戦の中である程度定型化もしており、高等戦術ではあるが軍学、戦術学で学ぶ策の一つとしているはずだ。
『こう申し上げるのはなんですが、私には、戦において天賦の才というのが一切有りませぬ。それは驚くほどに。副官のシリヤに任せた方が遥かにうまく軍を扱いましょう』
彼がそう言うと、隣に居た若い青年が頭を下げる。
俺は驚いた。
当然だ。
俺の支配する大草騎国の軍で、将軍に出世するというのはそれだけで天賦の才の証明であり、逆に言えば、才無き者が戦績だけで上がれるような優しい場所ではない。
そこに座りながら、自分には天賦の才が無い、などというニキタに俺は笑みを深めた。
『だが、お前は将軍だろう? 俺の統治するこの大草騎国で、才無くそこにいることは有りえん』
『いや、お恥ずかしながら、本当に才はありませぬ。戦術も策も、基礎の域を出ませぬ。故に軍にも、それ以上のことを仕込めませなんだ。ですが、出来ることはありまする』
そう笑うニキタに、俺の放つ圧を受けて強張る様子は一切見受けられない。
ならば、聞いてやろうではないか。
才無きと自称する将軍が、単于にすら誇ると思える軍とはなんなのか。
『ほう、何だ』
『敵がじれるまで、じれて無理をして果てるまで、いくらでも我が軍は戦いまする。十日でも百日でも。敵の矛を受け止め、策を受け止め、軍を受け止め。いくらでも戦いましょうぞ。あるいは、その前に敵を討ち滅ぼしてしまうやもしれませぬが』
それを聞いた瞬間、俺は吹き出して笑った。
『ブッ、ハッハッハッハ。大きなことを言うではないか!』
つまり彼が言っているのはこうだ。
自分は、大きな策を使うことは出来ない。
だが策を使わずとも敵とぶつかり合い、粘り、打ち砕ける程に軍を、そして己自身を鍛え上げた。
故に我が軍に策は無用。
ただ正面から粉砕するのみである。
このアイショウ単于に向かって、彼はそう言っているのだ。
『では、策を変えようか』
そしてそう言った彼の言葉を信じて、俺は戦の策を練り直した。
******
「シュルメ」
軍議のときのことを思い返しつつ、俺は側に控えるシュルメを呼ぶ。
俺の副官の任を受けて帯同している彼だが、いつの間にかこの寄せ集めの軍の統率を取り、見事副官の位置に居座ってしまった。
それが出来るからこそ連れてきたのだが、彼の武力、知力だけに収まらない他者との交渉力、現代風に言うならばコミュニケーション能力はやはりとんでもない。
故に俺は、そんな彼に指示を出すだけで軍を動かすことが容易く出来る。
「はっ」
「『粉砕』 の旗を掲げろ」
「ははっ。『粉砕』の旗を掲げい!」
俺の言葉に応えてシュルメが指示を出す。
「「「おおおっ!」」」
そしてそれに答えるように、本陣付近で伝達用の旗を掲げる役目を担っている者たちが大きな旗を掲げる。
その旗が掲げられたわずか数十秒後。
『ドゴォォォン!!』
ここまで聞こえる炸裂音とともに、中央軍の前線が数列前へと押し込んだ。
一部ではない。
横陣と横陣でぶつかり合っていた
その光景に俺は思わず笑い声を上げてしまう
「ハッハッハ! すさまじいな、やつの軍は!」
「楽しそうですな単于様」
「これが笑わずにおれるか。やつの軍はただの一万ではない。一塊の鉄塊ぞ! やはり前線にいる奴らの軍は面白いな」
今起きた現象のからくりは単純だ。
タイミングを合わせて、全軍が同時に目の前の敵を屠って敵陣へと突っ込んだ。
ただそれだけである。
ただそれだけであるが。
策を器用に操るほどの能力はなく、戦を嗅ぎ取るに足る本能もなく。
故に凡人は、ひたすらに鍛え上げたのだ。
己を、自らの軍を。
そしてそこに、俺という指揮官がつき、せめて攻撃のタイミングと方向だけは合わせようと旗を掲げた。
そしてそれを見た前方で自分も矛を振るうニキタが、旗を掲げて方向を示す。
その情報が末端まで伝わった後、一斉に突っ込む。
これが、先程起きたことの正体だ。
「しかし、単于様もよきお使い方をされますな」
「いくら鍛え上げた個と粘り強さがあるとはいえ、策を練ったほうが強いのは当然だ。それに、やたらと難しく細かいのばかりが戦術ではないからな。ただ勢いを合わせ、力を結集する。これも立派な戦術よ」
実際自分が用兵と戦術の才が無いと考えたニキタ将軍は、その解決策を個々の、そして軍としての力に求めた故に、このように大した用兵もなく正面からぶつかる軍に仕上がっているのだろう。
本人自身基本的な戦術は使えると言っていたが、積極的に使う様子は無い。
それは、本人に言わせれば、満足に使えないものを使って手痛い反撃を受けるのは馬鹿らしい、ならば最初から使わねばいいだけの話だ、ということらしい。
確かに戦術を下手に使って相手にそれに対応した戦術を使われてしまえば、普通にただ戦うより痛手をうけることになる。
だから、相手に噛みつく隙を与えないために、ただ愚直に、敵が果てるまで戦い続ける。
その粘り強さと精強さは大いに結構、素晴らしい軍である。
だが、それではもったいない。
実際戦場の行く末を決める戦術規模ではなくとも、戦場では十人単位や百人単位で策が行使され戦が行われている。
同じ様に前を向いているように見える軍でも、側面に備える隊と正面を粉砕する隊がいる。
人が二人いれば策が生じる。
中に入っている兵たちにはわからないかもしれないが、戦術・軍略とはそういうものだ。
それを一切使用しないということは、純粋に力のみで敵の策を耐え、勝ち切るということでもあるが、同時にそれだけの負荷を真っ向から受け止めるということでもある。
そして問題は、ニキタの副官等に策を使える者達がいるにも関わらず、ニキタに惚れ込んでいるせいで、その戦い方を肯定しているという点だ。
一応危ない局面にでもなれば策を使うとは思うが、基本的に真っ向勝負。
それがニキタ軍なのである。
故に俺は、そこに策を一つだけ仕掛けた。
それが先程の旗。
あの旗が見えたら、全軍で一気に敵本陣方向へ向けて突き進め。
乱戦になっていようが、敵が側面にいようが、旗が見えた瞬間だけは、全てを無視して前へと突き進め。
それがあの破壊力の正体だ。
「しかし……覚悟を決めた無能というのは怖いものだな。色々な意味で」
「はっ。ニキタ殿が軍を退かれたときには、副官殿の元、精強で策も存分に使う強力な軍となりましょうな」
これを朗報と見るべきか、ニキタが頭にいる限りは今のスタイルが変わらないことを嘆くべきか。
基本的によほどカウンター型のアホな軍編成を相手がしていない限り、策というのはうまく使えば使うだけ効くものだ。
そして相手が使ってくる策に対応して、こちらもまた策を出すという、戦とは策の掛け合いである、という側面もある。
だから基礎基本の戦術で良いのでニキタには使ってみて欲しいのだが。
しかし本人が、『自分以上の知略を持つ敵に策を使われてしまえば自分の策は間違い無く飲み込まれる。そのときに下手な策はかえって軍を殺す。ならば策はいらない、正面から戦おう』と割り切ってしまっているのだ。
まあ実際、俺の知る数人の将軍には、相手が策を使ってくれた方がそれに反撃する形でより大きな戦果を出す者たちもいるので、ニキタの判断も場合によっては間違いではない。
意地でも策を行使しない、というのはさすがにあれだけど。
その辺り副官が補ってくれてるようには見えるが、自分の隊を動かすだけでニキタの前に出て全軍まで動かそうとはしていないようなのだ。
そして部下たちもそんなニキタの下にいるので、敵が果てるまでいくらでも戦い続けるほどに練り上がっている。
なんというか、いくら俺が色々と想定して軍学校などを作って将校を育てようとしても、バグは生まれるんだな、というのを実感できた。
何が面白いって、ニキタ軍はその純粋な戦い方で相当に強いのである。
何せ北東胡の侵入を幾度も跳ね返している将軍だ。
軍を操れない以上は上将軍にはなれないだろうが、あれはあれで一つの軍の将軍として完成しているのである。
敵の策を真っ向から受け止め、自らは敵将を狙い攻撃することなど無く、ただただ愚直な潰しあい、兵の削りあいにおいて、策を弄してくる敵よりも最終的に多くの敵を屠り、敵軍の戦力を削りきって敵を破壊する。
聞いていると理に適っているように思えるが、それが出来る軍の練度というのは生半可なものではない。
一万と一万がぶつかありあったときに、敵を三千削るのに味方の被害は千で抑えるなんてことを平気でやってのけるわけだ。
それこそ単于の盾のような、精鋭部隊ばりの練兵が彼の軍には課されている。
いや、あるいは。
「ここだからこそ、育った軍なのかもしれんな」
「……と言われますと」
俺の呟きにシュルメが反応する。
「通常、策を用いない軍同士がぶつかった場合、相手より被害を減らし相手より多く葬るには、相当の力が必要だ。そしてニキタの軍はそれをやる。その精強さは、この南東胡との前線で磨かれ、兵もその中で生き残ってきた者達だけになっているからこそ、一兵卒までこの無茶苦茶な戦いについていくことが出来る」
「……なるほど。ついていけぬ者は生き残っていない、と」
おそらくは、そういう側面もあるだろう。
この大国となった大草騎国の統治体制では、俺はもはや全ての戦闘の前線を管理することは不可能だったので、各戦線の死者数などもまとめられたものを後で一読するだけであった。
そのためその存在に気がつかなかったが、彼が将をになっていた戦場ではおそらく、彼の軍が相当に練り上がるまでは、毎回多くの死者が出ていたのだろう。
そして彼はそれを策でどうにかしようとするのではなく、それに耐えうる程に人を鍛え上げると同時に、戦の中で自然と、耐えられない人間が淘汰されていった。
「あまり褒められたやり方ではないがな。だが、いざ出来上がって見ればこれほどまでに頼もしい」
敵の先鋒一万とがっぷり組み合ったニキタの八千の軍は、数で劣りながらも敵の攻撃を十分に受け止め、押し変えし、徐々に押し込みつつすらあった。
あれはきっと、攻めに使える軍ではない。
ただやってくる敵を打ち払い、そしてまた襲い来る別の敵を打ち払い。
ただひたすらに、戦い続ける。
隊を分けるときは、ニキタの側近たちが何かうまくやっているのだろう。
故にニキタ本人とその軍は、ひたすらに目の前の敵を討つのみ。
「確かに将軍たる実力が奴と奴の軍にはあるかもしれんが……将軍の下で使われる三千将か五千将辺りが向いていそうな男だな」
「はっ、昨晩本人自らそう申しておりました」
「はっは、だからか。身の程をわきまえたものは無茶も馬鹿もやらん。出来ることをただ淡々とやり続けてくれる。あの軍は、相手が二万だろうが三万だろうが、ひたすらに戦いを続けるのだろうよ」
まあ、策や戦術を捨てて精強さに極振りした軍というのも、こうして使ってみると自由には扱えないが、なかなかどうして捨てがたい。
「報告! 敵予備軍五千が戦場に向けて突撃を始めました!」
そこに、伝令の兵が走り込んでくる。
これこそが、俺が待っていた、ニキタ軍が引き起こした好機だ。
「シュルメ、兵五千を率いて前線後方まで直進。その後右方に曲がって右の戦場を側面から粉砕してこい」
「御意」
中央軍単独で勝つことは捨てた。
ならば、中央軍がより多数の敵と戦っている間にこちらは左右に力を分けて敵を粉砕し、それから中央を叩く。
ニキタの軍は、言わば最も犠牲を払う潰れ役を、最小限の犠牲で自らこなすことが出来る軍だ。
そういう軍は少ない。
特に俺が将を育てようと色々と頑張っているので、どこの将も自分で戦う力を持っており、潰れ役をこなそうとは思わないからだ。
潰れ役をこなすぐらいならば敵を打ち破る動きを狙うし、潰れ役はこなしたがらない。
それを犠牲を少なくすることまで出来るのは、大草騎国広しと言えど、ニキタを含めて五本の指に溢れれば良い方であろう。
それほどに、凡人が凡人故に作り上げた愚直な軍は稀有なのだ。
しばらく見ていると、シュルメが側面から突撃していった敵左軍が大きく崩壊し、潰走とも言えるほどに陣を崩しながら逃げ始めた。
遠方からの観測にはなるが、おそらく前線に出てきていた敵将の首が飛んだのだろう。
あるいは身の危険を感じて将が先んじて逃げ出したか。
その後ろをこちらの右軍、機動力ではルルシウスよりハイトの軍の方があるので、主にハイトの騎馬隊が敵の背を追って存分に討ち、そしてルルシウスの軍が全体を押し上げて中央の敵の側面に位置取ろうとする。
敵左軍の崩壊を見た敵中央軍、そしてかなり遅れて敵右軍も乱戦を解いて撤退を始めたが、あいにくとそれを許す程俺の軍は悠長ではない。
あらかじめ指示してあった通り、敵左軍が崩壊し始めたときには既にその場を離脱していたシュルメの軍が、撤退に移り始めた敵中央軍を切り裂いて横断し、撤退の遅れた敵右軍をこちらの左軍と前後で挟み込むように叩き潰し始めた。
この右軍の撤退が中央軍と比べて大きく遅れるのもまた、俺の予測のうちだ。
数日戦ってみた感じで、敵左軍、中央軍と比べて、右軍の練度が低く、また指揮系統がしっかりしていないのを感じていたのだ。
故に、シュルメには先に敵左軍を叩かせて、然る後に敵右軍を狙わせた。
逆であればおそらくこれは全く間に合わなかっただろうが、俺の前でつける隙を晒した敵が悪い。
敵は慌ててそれを救おうと右軍の残りを出してくるが、そこには既に、目の前の敵が乱戦を解いた時の動きを俺が事前に指示をしていたニキタの軍が斜めから食らいつく形で襲いかかる。
そして元々ニキタ軍のいた場所にルルシウスと深追いを避けて撤退してきたハイトの軍が展開し、中央と左右、三つの経路で出来ていた戦場を、二つの経路へと変えてしまった。
そしてじきに、敵の左軍主力も前方からシウイの軍に討たれ、中をアイボの軍に切り裂かれ、後方をシュルメの隊に塞がれて壊滅する。
そうなれば後は、敵に残るのは予備隊のように半分近く残していた右軍と、中央軍の本陣、本軍のみ。
左軍はハイトの突撃を受け止めるために大半の力を使ってしまっていたし、ニキタ軍と戦っていた中央の敵先鋒はシュルメの隊に途中を引き裂かれて離散してしまっている。
数日続いたこの戦だが、もう明日が来ることは無いだろう。
ここから撤退しないことは蛮勇であるし、敵に対しては獰猛で野蛮な東胡族でも流石にここは撤退を選ぶ。
そう考えているうちに、敵の中央軍と右軍の予備隊が撤退を始めた。
流石に遠すぎてここまでは聞こえないが、おそらく笛の音が鳴り響いているのだろう。
「全軍、敵の追撃を行う必要はない。軍を結集、然る後にイリマへと移動する」
「「「「「ははっ」」」」」
さて、これで戦もサビ落としも完了した。
今日は決めに行くために俺は後方から指示を出していたが、初日から三日目までは本陣をニキタに預け俺が最前線で矛を振るい槍を突いて回った。
ちなみに俺は武器は両方使える。
まあこればかりは、チートでもなんでもない本当の天賦の才という奴だろう。
後は現地で拾った軍は元の中継点や都市に戻り、俺の本軍を務めているハイト以下四将と俺の軍はフワンシへと移動。
一方俺は、一旦首都シャピンへと移動し、会わなければならない者がいる。
いや、しかし本当に。
よくもまあ、かの元趙国三大天が、残った自らの軍を率いて遥々北の果て、中華の外へとやってきてくれたものだ。
最新話の後もう一戦南東胡とする戦の描写、欲しい?
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欲しい(趙・匈奴の戦いレベルでしっかり)
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欲しい(今回の戦ぐらい短めで)
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それより早くあの将軍と会え
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合従軍まだ?