ハイスクールD×D~最強の戦車と最強の兵士(予定)~ 作:神喰いの王
もう少ししたら買い換えようと考え中・・・
球技大会を終えた夜、姫島朱乃はとある人物に呼び出され部活を早上がりし露西亜寿司へと向かいその暖簾をくぐった。
「おっ来た来た。朱乃ちゃーん!こっちだこっち」
「トムさん。お久しぶりですわ」
カウンター席で寿司を食っていたトムが朱乃に気付き手招きして朱乃を呼んだ。
「いや~悪いな。急に呼び出しちまって、球技大会だったんだろう、今日?」
「いえ、問題ありませんわ」
「オ~アケノ!ナニ食ウネ?」
席に着いた朱乃を早速サイモンが注文を取りに来て、朱乃はとりあえずイクラを頼んだ。
「それで今日はどういった御用でしょう?」
「あ~・・・ま、単刀直入に訊くけどよ?静雄となんかあったん?」
直球で訪ねてきたトムに朱乃はビクリと肩を震わせた。
「その様子じゃあ何かあったぽいな」
「という事は、トムさんの方でも何かありましたの?」
「まぁな。ここンとこアイツの機嫌が最悪でよ。回収先の相手を次々に病院送りにしちまって仕事になんねェンだよ」
そっちでも噂にはなってるだろ?っと尋ねてくるトムに朱乃は小さく頷いた。
「普段だったらアイツも数日経てば元に戻るんだが・・・今回のは何時もと様子が違うみたいだったからな~。
「・・・はい」
「あまりそっち関係の事をどうこう言うつもりはねぇけどよ。仲直りするなら早めに頼むわ」
「分かりましたわ」
しっかりした口調で答える朱乃だが、その表情は優れない。
コトッ・・・
「大丈夫」
「え?」
イクラの入った皿を置きながらサイモンは安心させるように朱乃に笑いかけた。
「今、シズオ空腹ナダケヨ。オ腹ガ空イテルダケヨ。オ腹一杯食ベタラ、スグニ機嫌ヨクナルヨ」
「・・・ふふっ!はい、そうですわね!」
サイモンの言葉に朱乃は一瞬呆気にとられたが、直ぐに花が咲く様な笑顔で笑い返した。
そして何を思ったのか朱乃は出された寿司を平らげると財布から代金を置いて席をたった。
「おいおい、もう行くのか?もっと食ってっていいんだぞ?」
「ありがとうございますトムさん。でも、やる事が出来ましたのでコレで失礼しますわ。サイモンさん、ありがとうございますわお陰で吹っ切れました」
そう言って朱乃は深々と礼をすると足早に店を後にした。
「いや~青春だね」
「全くだ。静雄には良すぎるくらいできた娘だよ」
朱乃を見送りながらトムは苦笑しながら呟くと、包丁を拭きながらデニスもそれに同意した。
「ああいうの見てると、なんだか自分が思いっきり老けた感じがするよ」
「何言ってやがんだ、若造が」
「トムサンハ、マダマダ若イヨ」
「ハハッありがとよ」
「ん?」
時刻は深夜、静雄は久々に自分のアパートに帰って来た時、違和感を感じた。
(カギが開いてる・・・?)
部屋のカギなら自分が持っている、この家に帰って来るもあの事以来実に数日ぶりだ。
となると・・・・
(まさか・・・?)
玄関に入ると女物の靴が一足綺麗に並べられていたのを確認し、リビングに向かうとそこには・・・
「朱乃・・・」
テーブルに体を預けながら眠っている朱乃とテーブルの真ん中にはラップで包まれた料理が置かれていた。更に朱乃の隣には洗濯物がきちんと畳まれていた。
(部屋に埃がねぇ・・・部屋の掃除までやってくれたのか・・・ん?)
そこで料理の隣にメモ用紙が置いてありそれを手にとって読んでみると、
『シー君へ。部屋の掃除と洗濯物類はやって置いたけど自分でやらなくちゃダメよ。それと、シー君の事だから最近はカップラーメンだけで済ましていそうだからこれを食べて栄養をつけてね?』
「お前は俺のお袋か?」
実際、ここ最近は事務所でカップ麺の毎日だったが、まさかそこまで読まれているとは流石の静雄も苦笑を禁じ得ない。
『Ps.私はシー君が必ず帰ってくると信じてるから。それにリアスもあの時の事を謝りたがっているわ。だから、戻って来てね』
「・・・チッ」
その内容を見て静雄は思わず舌打ちをしてしまった。
自分がリアスを見限る事は無い。“あの日の誓い”と目の前の幼馴染みがいる限りそれは絶対だ。だが、どうしても顔を合わせずらい。
グゥ~・・・・。
「・・・飯、食うか」
そこまで考えた静雄は自分の腹の虫の音を聞き、考えるのをいったん止めた。
ラップを剥ぎ取り温め直して朱乃と対面になる様に座り、飯を掻きこんだ。
「・・・・美味い」
一旦、食べる手を止め朱乃の方を向いてそれだけ言うと黙々とご飯を掻きこんでいった。
心なしか朱乃の寝顔が嬉しそうにしているのは静雄の気の所為か、それとも・・・?
チュン、チュン、チュン・・・
「ん・・・」
雀の泣き声で目を覚ました朱乃は自分がいつの間にか寝ているに気が付いた。
そして、目の前の料理が無くなっている事と、肩に掛けられたタオルケットに気付き、それですべてを察した朱乃はクスリと微笑し、
「うふふ、ホント恥ずかしがり屋なんだから、シー君は」
嬉しそうにそう呟いた。