「……あの、もう一度よろしいですか?」
「お前、このままだと卒業と同時に刑務所行きになっちまうぞ」
「えぇぇ!!??」
ーーーーーーー
それから拳太郎は仮眠室にて相澤、校長の2人から話を聞いた。
「警察が言うには『暴行罪』『傷害罪』『不法入国』『密猟』その他諸々、約120件もの罪状…全部込み込みで懲役待ったなしだそうだ。まぁ、ヒーローならある程度何とかなるが、お前の場合は免許どころか仮免なしの独断だからな」
「ま…マジですか…」
「一応、学生だから実名は伏せられてはいるが、このままだと出回るのは時間の問題らしい」
「ウチとしては君を守りたいんだけどね。警察全体が相手となると従わざるをえないんだ」
そう言い相澤と根津は塚内から説明された内容を、なるべく拳太郎がショックを受けないように丁寧に説明する。
そう言われた拳太郎は自身の過去を振り返った。
「確かに…僕のやってきたことって暴力ですよね…手足の骨をへし折ったり…吊し上げたり…相手からだとしても…何かやりすぎたと思えてきます…」
「自覚あんのかよ…」
「うぅ…敵団体は何故か『美味しいお菓子あげる』って言われて着いてったら勝手に仲間認定されてて、それでブチギレてしまって…変な仮面を被った人達は仮面剥がしたらどうなるんだろうと興味本位で…」
「バカなのか!?本当にバカなのかお前は!?」
それから持ち直すと相澤は話を戻す。
「まぁ、ここに呼んだってことは、それを帳消しにする方法もあるって事だ。お前、ヒーローにならないか?」
「え!?」
相澤からの提案に拳太郎は驚き顔を上げる。それに対して相澤は説明した。
「ヒーロー科に編入しヒーロー基礎学を学んだ上でインターンへの参加。そしてそこから敵連合の残党を捕縛する作戦に参加すれば今までの罪状は全部チャラになるそうだ」
「分かりました!!なります!!」
「速いな!?」
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ーーーーー
ーーー
ー
その後、拳太郎のヒーロー科2年次編入が決まった。
「そんじゃ、まぁ改めて挨拶を」
「よろしくお願いします…」
「「「「「え!?」」」」」
翌日の朝。点呼もかねて召集された皆の前で拳太郎は相澤に言われた通り改めて自己紹介をした。
勿論、唐突すぎたために皆は驚きの声を上げながら唖然とするが、それでも切り替えが早く、すんなりと受け入れた。
そして、拳太郎のヒーローになるための訓練の計画が着々と進められていくのであった。
だが、
タイミングが最悪な事に、A組とB組の訓練は終わっており、現在は冬のインターン真っ只中であった。
「すまん神堂。時期的に訓練を行うのが難しくなっちまった」
「えぇ!?じゃ…じゃあ僕はどうやって経験を…!?」
新たに機会を設けたとしても既にインターンは始まっており、生徒全員のヒーローに通達や、生徒達へ予定を空けてもらうなど、容易ではない。
故に教師達は悩み込み、その結果、辿り着いた答えは__________
__________ぶっつけ本番である。しかも初っ端から相手はなんと、人気の高いヒーローであるリューキュウである。
「よろしくね少年」
「は…はい!よろしくお願いします!」
事務所にて、背の高く大人な女性である彼女から手を差し出された拳太郎は緊張しながらも応じる様に手を出し握手をする。
「あの、なぜ僕を?見たところ、お茶さんやお梅雨さんなど女性の方が多い様子なのですが…」
「お…お茶さん!?」
「梅雨ちゃんと呼んで」
拳太郎の言葉に麗日が驚き蛙吹が訂正する中、リューキュウは何故だか頬を掻く。
「えっとね…それは」
すると
ガシッ
突如として拳太郎の両肩が掴まれた。
「ねじれが……ね。ほら、君の事好きだろ?だからこの話が出た途端に……」
その言葉を言い終える時には既に拳太郎の顔は真っ青に染まっており、自身の両肩に手を置いた人物へとゆっくりと振り向いた。
「私も…その、ねじれの頼みだから断り切れず…」
そこには_____
_______顔を真っ赤にさせながら口元から涎をたらすねじれの姿があった。
「けぇぇぇぇぇんちゃぁぁぁぁん♡」
「ギャビャァァァァァァァァ!!!!」