ちょっと!!勉強の邪魔しないでよ!!   作:狂骨

39 / 63
殴れたら同じ方法で殴り返してもOKだよね

 

その後、ついに作戦が開始された。

 

総合病院制圧部隊では既にエンデヴァー達が病院内へと突入して、中にいる殻木以外の職員たちを避難させながら奥へと進んで行った。

 

それと共に吉田山荘での超常解放前線制圧舞台でも作戦が開始されており、前衛のヒーロー達が次々と吉田山荘へと乗り込み、構成員達と交戦し、追い詰めた者達を拘束していった。

 

だが、敵も黙ったままではいない。内部からはリ・デストロや外典など様々な実力者達が現れ、迫り来るヒーロー達も蹴散らしていく。

 

 

そして、時間が経過していくにつれてヒーロー側が優勢なのか、次々と相手の構成員が確保されていき制圧の終わりが見えてきた。

 

 

 

そんな中であった。

 

ジジ___

 

 

暗い大広間の中で座っていたギガントマキアの両手に抱えられていたレコードが鳴り出す。

 

 

『…………おい…で…マキア…一緒に』

 

「…!!!」

 

その言葉を耳にした瞬間 停止していたマキアの目が一瞬にして開く。

 

◇○◇○◇○◇

 

 

「…来ませんね」

場所は変わり後衛組にて。いつでも敵が来ていいように構えていた拳太郎は、相変わらず続く待機に退屈してきたのか、欠伸をする。

 

「なんならもう俺らの出番なしで終わっちまうとかな!」

 

「う〜ん…峰チョン君の言う通りになればいいんですけどね」

 

「峰チョン!?」

 

そんな中であった。

 

「わ!?」

 

「「「!?」」」

 

突如として地面に個性である耳たぶのイヤホンをさしながら状況を伺っていた耳郎が驚きの声をあげた。

 

拳太郎「何があったんですかジロちょんさん!」

 

耳郎「ジロちょんって呼ぶな!」

 

 

「何があった!?」

 

その場にいた後衛のまとめ役が状況を聞くと耳郎は震えながら答えた。

 

「何か…大きなものが向かってきます…」

 

「「「「!?」」」」

 

その報告にヒーロー達はすぐさま音が聞こえた方向へと向かっていった。

 

「おいおい…何でだよ…ヒーロー集まってるんだろ!?なんで状況が悪化してるんだよ!?」

 

峰田は勿論だが、待機を言い渡された他のインターン生の皆も何が何だか分からず、動くことができなかった。

 

 

 

そんな中であった。

 

ジジ……

 

『き…聞こえるかしら…クリエティ…』

 

「ミッドナイト先生!?」

 

突如として八百万の通信機が作動し、ミッドナイトの声が聞こえてくる。だが、その声はいつもよりも細く今でも力尽きそうな程であった。

 

『状況は…分かってるね…?』

 

「はい!耳郎さんの耳と障子さんの目で!」

 

『あれは…単純な力じゃ止められないわ…法律違反にはなっちゃうけど…神堂くんと協力して奴を眠らせて…!』

 

「え…!?何を言っているのですか!?」

 

唐突な通信と言い渡される作戦に八百万は理解ができず彼女へと尋ねるが、

 

『…麻酔で…眠らせてすぐに避難……あなたの判断に任せます…!!!』

 

その質問に答える事なく、その言葉を最後に通信が切れた。その声はまるで最後の力を振り絞るかのようであった。

 

「先生…?先生!!!」

 

八百万は何度も声をかけるも、通信機が反応する様子はなかった。

 

「ね…ねぇ…先生がなんだって…?」

 

「ミッナイ先生無事なんだよな!?」

 

「…」

耳郎と上鳴が次々と尋ねる中、彼女の声とすぐさま途絶えた通信に八百万は彼女の状況をすぐさま理解したのか、目元を震わせながら歯を食いしばっていた。

 

 

だが、そんな感情に浸る時間などない。八百万は歯を噛み締めながら叫んだ。

 

「『イヤホンジャック』!『テンタクル』!音の位置から距離とここへの到達時間を!巨人の大きさを目測でも良いのでお伝えください!!」

 

「…オッケー!…Mt.レディにより減速…およそ15秒!」

 

「図体はMt.レディより大きい!25メートル以上だ!」

 

八百万から指示を受けたイヤホンジャックこと耳郎とテンタクルこと障子は自身の個性をそれぞれ用いてこちらへと接近してくるギガントマキアの速度と大きさを知らせた。

 

それを耳にした彼女は即座に腕から大量の薬品が入った瓶を創造する。これは『麻酔薬』だ。ミッドナイトの指示の通りギガントマキアを眠らせるべく、八百万は精密な頭脳によってあの巨体に見合う有効量の麻酔薬をその場にいた数十人分、創造したのだ。

 

皆へと次々と渡すと八百万は自身の隣にいた拳太郎へと目を向ける。

 

 

「何もできずにおめおめ逃げるなど…教わった覚えはありません…ここで迎え撃ちます!拳太郎さん!貴方も麻酔薬を……あら?」

 

だが、そこには拳太郎の姿はなかった。

 

◇○◇○◇○◇○

 

場所は変わり八百万達のいる場所から数百メートル離れた地点にて。

 

「はぁ…はぁ…」

 

そこには全身がボロボロでスーツが所々破けたミッドナイトの姿があった。個性を発動するよりも早く。敵連合の1人である荼毘の蒼い炎が放たれ、その炎によってミッドナイトはその場から森の中へと落下してしまった。

 

そして、彼女の目の前に立っていたのは

 

「こいつミッドナイトか!?」

 

「気をつけろ!眠り粉を出してくるぞ!」

 

数名もの構成員であった。全員が超常解放前線の中でも上位の実力を持つ者達であった。

 

「どけ。俺がやる」

 

その中でも特に強力かつミッドナイトに対して事前に対策をしているかのように骸骨型のガスマスクをつけた構成員が前に立つ。

 

全身負傷に加えて複数の敵。更に周囲に味方の気配もなし。完全に最悪な状況であり、生還は困難だろう。

 

だが、それでもミッドナイトは力を振り絞りながら立ち上がり、笑みを浮かべる。

 

「…へへ。バカね。私一人殺したところで、もう手遅れよ。自慢の教え子達に託しちゃったから♡」

 

「そんなもの、全員始末すれば良いだけだ」

 

ミッドナイトの笑みにを一蹴した構成員の1人が、手に持っていた剣を振りかざす。

 

「お前の生徒もあとを追わせてやる。死ね…!!」

 

「く…!」

 

その時であった。

 

 

「見つけたぁあー!!!!!」

 

 

「「「「「「!?」」」」」」」

 

その場に第三者の声が響き渡ると共に、突然と横から凄まじい足音を鳴り響かせながら何かが滑り込んできた。

 

「えぇ!?」

 

その姿を目にしたミッドナイトは目を大きく開いた。

 

「神堂くん!?」

 

「先生!ご無事で…ってうわ!酷い傷!立てますか!?あ、いいや。おぶるので」

 

「ひょわ!?」

 

拳太郎は自身よりも身長のあるミッドナイトを抱き抱えた。

 

「ちょ…何しているの!?私がクリエティに作戦を伝えた筈でしょう!?」

 

「いや、それ聞いたヤオヨロッチさんがどういう事なのか困ってたので直接聞こうかと」

 

「はぁ!?」

 

「そんじゃ、行きますよ」

 

そう言い拳太郎は困惑するミッドナイトを抱き抱えながら駆け出そうとした。

 

だが、相対した敵は易々と逃しはしなかった。

 

「逃すかよ!」

 

「ん?」

 

その直後、

 

 

___ガン

 

背後から迫ってきていた敵が手に持っていた棍棒を振り回し、拳太郎の腹へと叩きつけた。

 

 

「神堂くん!!」

 

「…」

 

ミッドナイトの声が響く中、拳太郎は自身に打ち付けられた棍棒を見る。見るからに鉄製であり、普通の人ならば肋骨が破壊され、下手をすれば砕かれた骨が内臓に突き刺さり、死んでしまうだろう。拳太郎にとっては、木の葉が当たった程度ではあるが、その硬さについては十分理解していた。

 

 

故に、その棍棒を認識した瞬間__________

 

 

 

 

 

 

_______拳太郎の目が白く染まった。

 

 

「こんなもの振り回すってことは…同じことされる覚悟できてんだよな…?」

 

 

その数秒後。周囲に多数の敵の悲鳴と骨が砕け散る音が鳴り響いた。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

その一方で、拳太郎がいなくなった事で峰田達は大混乱に陥っていた。(気づいてからおよそ5秒後)

 

「嘘だろぉおお!何で肝心な時にいねぇんだよあのバケモン!?」

 

「探してる時間はない!」

 

峰田が驚く中、冷静に障子が呼びかけ、皆はすぐさま作戦へと移る。

 

その際に皆は罠を設置しながら拳太郎を呼び掛けるが、どこを見渡しても、どんなに叫んでも拳太郎の姿は見えなかった。

 

「く…あの野郎…!!」

 

それによって前衛から帰ってきた上鳴はこの状況下で非常識すぎる拳太郎の行動に怒りを露わにする。

 

「このやべぇ時になにやってんだよ!!」

 

「落ち着いてください!何か理由があるのですわ!タイミングが悪いですが…あの方が訳なく持ち場を離れるなど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドドドドドドドドド…

 

「「「「「!?」」」」」

 

突如としてギガントマキアの背後から何やら別の巨大な足音が聞こえてきた。

 

「な…なんだこの音!?」

上鳴の声に皆も反応し、その音がする方向へと目を向ける。見るとそこには、何かが激しい足音を鳴り響かせながら近づいてきていたのだ。

 

「敵か…!?」

 

「いえ…この異常な足音の間隔…まさか…!!!」

 

八百万の言葉を肯定するかのように巻き上げられた土煙が晴れていき、遂にその正体が露わとなる。

 

「ドドドドドドドドド」

 

それはなんと、ミッドナイトを抱き抱えている拳太郎であった。

 

「拳太郎さん!」

 

「ミッナイ先生も!」

 

先程まで姿が見えないと思えばすぐさま戻ってきた拳太郎に八百万と上鳴は驚きの声をあげ、その声を耳にした周囲の皆も拳太郎へと目を向けた。

 

 

 

そんな中であった。

 

「ほっ」

 

戻ってきた拳太郎の身体が、その場から大きく跳躍し、一瞬にして迫ってきていたギガントマキアの目の前へと現れた。

 

「アイツは!コンプレス!防御を!」

 

「ダメだ!間に合わ_____」

 

ギガントマキアの背中に乗っていた敵連合に加えてスケプティックの計6名のうち、いち早く拳太郎の接近に気づいたスピナーは即座にコンプレスへと瓦礫を投射するように呼びかけるも、既に遅かった。

 

「随分とヤンチャな子犬だな」

 

一瞬にして目の前に現れた拳太郎は、大きく脚を振り上げる。

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

「おすわり…ッ!!!」

 

 

振り上げた脚を振り下ろした。

 

 

 

_________ッ!!!!!

 

 

その瞬間 肉を叩く音と骨が砕け散る音が鳴り響くと共に、Mt.レディでさえも止められなかったギガントマキアの身体は大地へと叩きつけられたのであった。

 

 

「「「「(;゚д゚) ・・・」」」」

 

巨大な衝撃音と共に倒れ、その拍子に生じた風に煽られる中、八百万達は目を点にしながらその状況を唖然としながら見つめていた。

 

すると、その目の前にミッドナイトを抱き抱えた拳太郎が着地する。

 

「ただいま」

 

「お…おかえり…なさいませ…」

 

 




拳太郎の名前の呼び方(平常時)

緑谷→緑谷くん
爆豪→ボンバーかっちゃん
轟→轟くん
切島→切島くん
飯田→イダテンくん
八百万→ヤオヨロッチさん
耳郎→ジロちょん
梅雨ちゃん→お梅雨さん
芦戸→芦戸っちさん
麗日→お茶さん
上鳴→上鳴くん
峰田→峰ちょん君
砂藤→リキリキっち君
常闇→影っち君
甲田→甲田くん
尾白→尾白くん
障子→障子くん
葉隠→葉隠っちさん
瀬呂→スーパーテープくん
青山→青山くん、毎回誰と通話してるの?


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。