拳太郎の一撃によって、頭蓋骨を砕かれたギガントマキアはその場にゆっくりと倒れていき、敵連合達も投げ出されるようにして森の中へと落ちていった。ギガントマキアの撃破は相手の勢力を大幅に崩す結果となり、すぐさま病院の制圧班にも伝達された。
また、更に相手の士気が大幅に下がった所を狙ったエッジショット達はすぐに拳太郎を含めたインターン生やヒーロー達に通達を送り捕縛へと取り掛かるのであった。
ギガントマキアの撃破によって士気が大幅に下がったため、構成員達の大半は弱腰となり、それ以外の抵抗して来る構成員のみの排除であるため、捕縛は容易であった。
更に八百万達の後衛組は体力が有り余っていたため、自身らの個性をフル活用していきながら、次々と構成員達を捕縛していく。
そして、数十分後。
「…よし。これで全部ですわ!そちらは!?」
「こっちも全員確保!」
八百万達は見事に残党の捕獲に成功したのであった。ギガントマキアの背中から放り出された敵連合とスケプティックは未だに捕獲が出来ず消息不明であるが、それでも戦力を大きく削減できたのだ。
「ねぇヤオモモ…アタシらが捕まえたのって…どんくらい…?」
「ざっと数十名程度ですわ」
「ここら一体…まだ100人ぐらいいたよね…?じゃあさ…その100人って…」
「…」
耳郎の言葉に八百万は身を震わせながらゆっくりと、後方へと目を向ける。
そこには____
「おいアンタ…前もいきなり僕に氷ぶつけてきた奴だよなぁ…?やるって事はやられる覚悟もあるんだよな…?この尖った先で目ん玉抉り出してやろうか…?」
「ひぃいいい!!!!」
最後の1人である外典を縄で縛り上げながら、彼が生成した氷の先端を突きつける拳太郎の姿があった。更に見れば彼の周辺には同じ様に体勢的にキツい姿勢で縛り上げられている構成員達が何十名も転がっていた。
「けけけけ…拳太郎さぁん!?何やってますの!?」
「いや、指示通りに捕縛してるだけですけど」
「方法が荒すぎますわ!もはや捕縛というより拷問じゃないですか!」
「ヤオヨロッチさん。一つ言いますよ?バカは一度、痛い目を見ないとまたやるんです。いじめ然り、嫌がらせ然り。たった一つの注意なんて起爆剤でしかありません。ましてやコイツ、前も僕に氷ぶっ放してきたんですよ。取り敢えず逃げられない様に手足の骨へし折っておきました」
「ひぃいい…!!」
あまりにも過激すぎる拳太郎の捕縛に八百万は悲鳴を上げる。
「それよりも、僕が最もムカついてるのは…」
拳太郎の目が吉田山荘跡地の瓦礫に横たわりながら捕縛されているリ・デストロへと向けられる。
「そこにいるクソ社長ですよッ!!!」
「ふぎゃぁ!!!」
その瞬間 拳太郎の身体が一瞬にして捕縛されたリ・デストロの元へと移動すると、その長い鼻を掴み上げる。
「ちょ…落ち着けって神堂!」
「黙ってろカチンコチンコ」
「カチンコチンコ!?」
止めようとした切島をアッサリと振り払うと拳太郎は憤怒の表情を浮かべながらリ・デストロの鼻を掴み頭を持ち上げた。
「こんの『デトネラット社』のクソ社長が!!またくだらねぇ宗教立てやがって!!」
「ぎゃあああああ!!!痛い痛い痛いぃいいい!!!」
拳太郎が鼻を強引に掴み上げた上に振り回した事で巨大な痛みにより絶叫する。彼の顔は捕縛する際に拳太郎によって、何百発も殴られたのか、全身の骨は砕け散り、頭髪は全て毟り取られ、更に顔全体は原型が無くなるまで腫れ上がっており歯については何本か強引に抜き取られていた。
因みに、拳太郎が殴り飛ばしたのは外典とリ・デストロの2名のみではない。他の大半の捕縛された構成員達もそうだ。全員が歯がへし折れ、殴られたのか頬が腫れていた。
彼らの捕縛作戦のために拳太郎は大事な試験を諦めて、訓練やインターンなどヒーロー基礎学に駆り出されていたため、その諦めた怨みは大きい。
そしてその恨みが最も向けられたのがリ・デストロである。
「いいかぁ!?アンタが変な宗教立ち上げて変な活動した所為でこちとら大事な模試とか色々諦めてこうして駆り出されてんだぞ!?分かってんのか!?あぁ"!?何が超常解放前線だ!調子こいてんじゃねぇぞッ!!!厨二病集団がッ!!!」
「ぎゃああああ!!!!離して!鼻折れちゃう!!すいません!!面倒かけてすいません!!調子乗ってすいませんでじだぁぁぁぁー!!!」
拳太郎の剣幕と殴られた際の恐怖によってリ・デストロはもはやプライドや組織の理念に対する情熱も燃え尽きてしまったのか泣き叫んだ。
「謝って済んだらヒーローはいらねぇんだよッ!!!アンタのせいでサラリーマン目指してた僕の人生がヒーローやる羽目になってんだぞ!どうしてくれんだ!えぇ!?時間返せよクソがぁ!!!」
「ひぃい…!!分かった!わかったからやめて!そうだ!私の会社で役員ポジションで雇おうじゃないか!固定給プラス出来高払い!役職の養育も徹底するからそれでチャラに……」
「誰がアンタのような宗教にどハマりする奴の会社なんか入るかよ!倒産しちまえ!!大暴落しちまえ!!鞭打!鞭打!鞭打!鞭打ぁぁあ!!!!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
拳太郎は泣き喚くリ・デストロの背中へと、たった1発で緑谷を撃沈させる鞭打を何十発も放った。その様子はまさに『鬼』であり、周囲から見ていた構成員達は冷や汗を流し始めた。
「な…何なんだよアイツ!」
「どう見てもヒーローじゃねぇだろ…!」
「どうなってんだよ雄英の教育は!?」
____ピキッ
「あぁ"…?」
その言葉を耳にした瞬間、リ・デストロを締め上げていた拳太郎の首や顔から筋が湧き上がると共に眼球が獣の様に真っ白に染まり、髪がゆらゆらとゆらめき始めた。
本来、拳太郎はサラリーマンとしての人生を歩む筈であったが、彼ら超常解放前線もとい異能解放軍が拳太郎の弱みにつけ込み騙し強引に勧誘した事で彼の逆鱗に触れ、それによって拳太郎はヒーローになる事を余儀なくされ、あろうことか彼らが過剰な行動を取った事で今回の掃討作戦のために試験など時間を奪われた事によって、拳太郎の怒りは正に苛立ちという領域において頂点に達っしていたのだ。
「そもそもアンタらがくだらねぇ宗教活動するからだろうがぁぁああ!!!」
「「「「「ぎゃあああああ!!!」」」」
拳太郎の剣幕によって完全に気圧された構成員達は腰を抜かし芋虫の様に必死に身体を動かしながら逃げ始めた。
「全員ぶっ飛ばす!!2度と歩けない様に粉々にしてくれるわッ!!!!」
「拳太郎さん!!落ち着いてください!」
「うるっさいですよ!!こんなバカ連中のために何時間無駄にしたと思ってんですか!!オラァ!!!」
「「ぎゃふん!?」」
八百万の言葉に耳を貸すことなく拳太郎は逃げ惑う構成員のうち、追いついた2人を蹴り飛ばした。それによって蹴り飛ばされた2人は次々と木々を貫きながら吹き飛んでいった。
「と…止めろぉおお!!!放っといたらアイツ何しでかすか分からねぇぞぉおお!!」
「「「「おおおお!!!」」」
ドドドドドドドドド
その様子を見て焦り出した峰田や他のインターン生達は拳太郎を止めるべく後を追って行った。
そんな中であった。
「…なんだって!?」
「「「「「?」」」」」
エンデヴァー班のサー・ナイトアイに状況を報告していたエッジショットが声を上げ、その声に、八百万達に抑えられながらも捕まえた構成員の歯を抜き取ろうとした拳太郎や、皆はその手を止めて振り返る。
「どうしました?」
「…サーによると、復活した死柄木弔の力が尋常ではないらしい。イレイザーヘッド、リューキュウ並びにその他多数のヒーロー達が負傷し、苦戦を強いられているようだ…」
その言葉に皆は驚きのあまり拳太郎から手を離してしまう。
「ど…どうすりゃいいんだ!?コッチが勝っても向こうで負けちまったら…」
「「「…」」」
峰田の狼狽える声に続き、皆もその現状を耳にした事で難しい表情を浮かべてしまう。
すると
「死柄木…なるほど。今回のターゲットでしたね。ムカついてたのでちょうど良いです」
「「「!?」」」
歯を抜き取ろうとした手を止めた拳太郎はその場から身を屈め、京都方面へと目を向ける。
「待て!何をする気だ!?」
「決まってるでしょう。ぶちのめしに行くんです」
「いや京都まで何十キロあると思っているんだ!?それに君は………」
エッジショットは彼の行動について疑念の声をあげる。だが、以前のサー・ナイトアイや塚内から聞いた拳太郎の情報について思い出した。
たった1人で指定敵団体や巨大生物を拳一つで殴り飛ばすその威力と、何百キロもの道のりを数分で移動する脚力。
それは正に今のこの状況を打破するためになくてはならないモノであった。
「…分かった。だが、君はまだインターン生…危うくなったらすぐに逃げろ」
「承知しました」
エッジショットから、指示を受けた拳太郎はリ・デストロを睨みつけながらも渋々応じて、その場から一気に京都の方面へと目を向ける。
「では行ってまいります」
そして、拳太郎はクラウチングスタートしながら京都方面へと走り去っていったのであった。
「た…助かった…」
拳太郎が去った事で、ボコボコにされていたリ・デストロ達は安堵の息をつく。
そんな中であった。
「…ねぇヤオモモ。何か変じゃない…?」
「え?」
拳太郎が去っていった方向を見つめながら耳郎が八百万へと問い掛ける。
「アイツさっき…“ヒーローやる羽目になった”って言ってたよね…?て事は…前どころか今もヒーローを目指してる訳じゃないって事でしょ?ヒーロー志望でもないのに…何で編入希望なんだろう」
「それは私も…疑問に思っていましたわ」
拳太郎の発言を聞いていた八百万もその言葉を思い出し、彼がなぜインターンや編入など、積極的に参加しているにも関わらず、先程のような発言をしたのだろうか疑問を抱き始める。彼の性格ならば興味のないものには関わろうとはしないはずだ。
そんな彼があの様な発言をしながらもヒーロー活動を行うなど、“何か裏がある”としか考えられないだろう。
彼女達の会話に他の皆も拳太郎の行動と一致しない言葉に首を傾げるのであった。
その時であった。背後から状況を伺っていた障子が声を上げる。
「エッジショット!!倒れた巨人が…!!」
「なに!?」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
エンデヴァー率いる死柄木の制圧班にて。
死柄木及びオールフォーワンの側近である院長こと殻木の身柄を捉えようと乗り込んでいたエンデヴァーやベスト・ジーニストそして途中から合流した緑谷、爆豪、轟、そして状況を伝えるためにきた飯田とねじれは目の前に立っているその“存在”を見つめながら構えていた。
「おいおい…上位ヒーローに雄英の連中が勢揃いじゃねぇか。寝起きドッキリにも程があるぜ?」
そこには不気味な笑みを浮かべる死柄木の姿があった。その姿は以前の面影はなく、青みのかかった長い髪は白髪に染まり更に伸びた上に悩みが何もかも吹っ切れたかのように澄んだ不気味な瞳を輝かせていた。
「エンデヴァー…奴の個性は…」
「サー、お前も気づいたか。事前に聞いた情報とは全く威力が違う…崩壊する範囲も死柄木の触れたものを伝ってくる…つまり地面に触れられれば俺達も終わりということだ…!!」
エンデヴァーの言う通り、死柄木の個性も以前とは異なり大きく変化していた。
彼の個性『崩壊』とは彼の指5本が触れた瞬間に対象を粉々にする個性である。
だが、異能解放軍との抗争によりその個性は『伝播する崩壊』という、指1本でも触れれば対象は崩壊し、その崩壊が他者へと伝達し崩壊するという負の連鎖を生み出すまさに災害級の個性へと進化してしまったのだ。
更に殻木の改造手術によって単純な身体能力も大幅に強化されており、その力は個性なしで現No. 1ヒーローであるエンデヴァーのみならず、リューキュウや緑谷、爆豪、サーなどのヒーローや生徒達を同時に相手取り圧倒してしまう程であった。
それでも、その個性は発動することはなかった。
「大丈夫です…何とか俺の個性で封じますので…その間に…!」
相澤が自身の個性を発動していたからだ。それによって今の死柄木は肉弾戦しか行使できない状況である。
「は!本当にカッコいいぜイレイザー。だけどそれって裏を返せば_____
_____テメェをやればお終いって事だよな…?」
その瞬間 死柄木の身体が相澤へ目掛けて飛び出した。
「先生!」
咄嗟に緑谷は前に出ると、死柄木に目掛けて拳を放つ。だが、その拳が死柄木を怯ませることはなかった。
深く打ち込んだにも関わらずその拳を掴んでいたのだ。
「カッハッハ!いいぜ緑谷出久〜!!グッと来る!!」
「じゃあ一生 きてろやドMが…!!!」
「あ?」
すぐさま背後から掌を向けて爆撃を放とうと構えながら爆豪が飛び出すが、それに目をつけた死柄木は腕を振り回した。
「ごめん。君にはもう興味ないんだわ」
「ガハァ!?」
その裏拳一撃は爆豪の頬へと打ち込まれると、彼の頬を歪ませながらその場から吹き飛ばした。
「かっちゃん!」
「目を逸らすなデク!!!」
目を逸らした緑谷へと死柄木の追撃が向かう中、咄嗟にエンデヴァーは全身から業火を放出し、螺旋状に右腕に纏うと剛腕と共に放った。
「うぉおおお!!!!」
『赫灼熱拳』
「おぉ!?」
放たれた拳は死柄木の腹へと深く突き刺さると共に激しく燃え上がり、死柄木をその場から吹き飛ばした。
「ッ…エンデヴァーもいたっけか…思ったより厄介だな」
「親父だけじゃねぇ」
吹き飛ばされる中、死柄木は体勢を立て直そうとするが、咄嗟に轟が氷の個性を発動させ死柄木を拘束させる。
「おぉ?氷もいんのかよ」
「今です!先輩!」
轟が叫ぶと共に、死柄木の真上に移動していたねじれが怒りに満ちた表情と共に、エネルギーが最大限まで凝縮した両腕を向けた。
「よくもリューキュウを…許さないッ!!!」
怒りの込められた言葉と爆発した感情を放出するかの様に、その凝縮されたエネルギーが一気に放出された。
『【フルチャージ】ねじれる洪水(グリングフロッド)』
「…ッ!!」
放たれたそのエネルギー波を死柄木は両手で交差する形で塞ぐが、一点に威力を集中させたそのエネルギーはガードする死柄木の全身へと降り注ぐと共に、その周囲一体の地盤を砕いていった。
「……う〜ん。『半冷半燃』に『波動』流石に強いな」
「「!?」」
突如として聞こえてきた死柄木でもないその声に轟とねじれは驚きの表情を浮かべる。
だが、それが仇となった。
「ふん…!!」
驚きによって生じたその隙を利用してねじれの技から流れた死柄木は至近距離にいた轟を蹴り飛ばし、更にその場から跳躍して空中にいるねじれの元へと一瞬で近づくと、その首を掴んだ。
「がぁ!?」
「波動先輩!!!」
それを見た緑谷はすぐさま跳躍し救出しようと試みるが、
「僕だけに気を取られている場合ではないよ…?」
「!?」
飛び出そうとした緑谷の元へと巨大な脳無『ニア・ハイエンド』が現れた。それも一体のみではない。10体もいた。それによって緑谷は咄嗟に脳無の攻撃を防いだために地上へと戻されてしまう。
他の皆もそうだ。エンデヴァーやサーは相澤を狙いに来た脳無と自身らに向かって来る脳無を相手取るために身動きが取れず、轟と飯田も倒れた爆豪に向かって来る脳無を止めるのに手一杯であった。
「(くそ…!!波動先輩が!!!)」
緑谷は何とか彼女を救出するべく作戦を考えるも、そうしている合間にも地面に降りた死柄木………否、『AFO』の手が彼女の首を締め付けていた。
「手始めに君のその個性を貰おうか…ッ!!!」
「いや!!」
掴まれていたねじれは咄嗟にエネルギーを放出し引き剥がそうとするも、それを行える程のエネルギーが残っておらず、その首を締め付けるAFOの指が食い込み始めた。
「うそ…エネルギーが…」
「やはり無限に打てる訳ではない様だ。だが安心したまえ…僕が作り上げた弔のエネルギーなら君の個性を最大限に活用できるよ…!!!」
その力によって、個性の反動により疲労が見えていた身体が動かなくなっていく。
「やだ…渡さない!これは…これは私と拳ちゃんで鍛えた個性なんだからッ!!!」
「その神堂拳太郎もすぐに君の後を追わせてやるさ!もちろんトドメを指す際は君の個性でね!!」
「く!?」
必死に動こうとするも、身体がその命令を受け付けることなく、ゆっくりと停止していくかの様に彼女の目が閉じられていく。
「とられ…たくな…い…!!」
薄れゆく意識のなか、ねじれは頭の中に自身の“恋人”の姿を思い浮かべた。
「け………ん…ちゃ…ん……」
その時であった。
ねじれの首を掴んでいたAFOの腕が木っ端微塵に消し飛んだ。
「!?」
なんの前触れもなく突如として爆散したその腕は血肉と共に地面へと落ちていき、更に先程まで掴んでいたねじれの姿も消え去っていた。
「なんだ…!?何が起きた!?」
AFOはすぐさま何が起きたのか状況を確認するべく周囲へと目を向けようとした。
その直後
「…!!!」
自身の背後から冷たい視線と殺気そして巨大な威圧感が感じられた。
「この感じは…」
背中を撫でる様に隅々まで感じ取れるその濃密な殺気と凍てつかせるかの様な視線にAFOは数ヶ月以上も前の神野でのオールマイトとの決戦の際に現れた少年を思い出す。
あの日とは全く違う。だが、感じられる殺気の気質が完全に似ていたのだ。自身とオールマイトの全力の一撃を片手で受け止めたあの“少年に。
そして、AFOはすぐさま振り向く。
「き…貴様は…!!!」
そこには、あの日の様な子供の無邪気さや感情の起伏が見られる活発な面影が完全に消え去り、全身からドス黒い血の様なオーラを放つ拳太郎の姿があった。
いや、それだけではない。ある“一点”が劇的に変化していた。
「なんだ…あれは…!?」
此方へと向けられる彼の背中には________
_____鬼の貌が浮き出ていたのだ。
全身から湧き上がる黒いオーラに加えて背面に浮かび上がる鬼の顔明らかに通常時とは全く異なる“異形な怪物”へと変貌しており、その姿にAFOは驚きのあまり、硬直してしまう。
その一方で、AFOの声に拳太郎は振り返ると、向けられた目から瞳が消え去り真っ白に染まるとゆっくりと呟いた。
「コロす」
その言葉と共に拳太郎の放つ威圧感が地球全土を覆うのであった。