静岡県のとある港町にて__。
「随分と廃れている場所だな」
超巨大な船が港へと接近しており、その甲版では1人の大男が周囲一体を眺めていた。
「だが、ここから始まるのだ。俺の時代がな!!」
その男はオールマイトに酷似している。だが、その顔はオールマイトの様に希望を与えるような優しい顔立ちではない。寧ろ相手を支配し絶望に陥れるかのような鋭い瞳と邪悪な笑みに包まれていた。
そして、その男は1人の少女の肩を掴むと声を上げる。
「さぁ行くぞ!!!俺の“ダークマイト伝説”の第一歩へッ!!」
その時であった。
「ハーッハッハッハ___ブゴ!?」
突如として目の前に黒い影が現れ、高笑いする男の顔を掴んだ。
「ちょうど良い奴みっけ」
「な…!?なんだきさ___」
その瞬間
____ッ!!!!!!
その男の全身へと数百発の連打が放たれると共にその身体が地面へと叩きつけられた。
「な…!?なん__ぐべらぁ!?」
「ごふ!?」
「ぽへぇ!?」
更に飛来した影は続けて後ろに立っていた数名の男女を一撃で殴り飛ばしていった。
「え…!?な…なに…!?」
男の手から逃れ、その場に尻餅をついた少女は何が起こっているのか理解できなかった。
そんな中。巻き上がる煙が晴れて一瞬だけ見えたのは____
「よし6匹はデケェな。回収と」
____自身を攫った敵達をまるで米俵のように担ぎながら攫っていく長髪の少年の姿であった。
後に、後から現れた自身の執事であるジュリオ・ガンディーニに救われた少女『アンナ・シェルビーノ』はこう語った。
___日本には史上最強の生物がいると。
○◇○◇○◇○
拳太郎の猛攻は止まらなかった。
「オラァッ!!!」
暴れている敵を見かければ手当たり次第に一撃を打ち込み、戦闘不能へと追い込んでいく。
「ソラソラソラァアッ!!!」
放たれた4連撃が巨大な数体の敵をノックアウトした。
ドサッ_____。
その光景にもはや敵達は戦意を喪失してしまう。
すると、倒れた敵の身体の上に拳太郎が降り立つと、真っ白に染まった獣のごとき鋭い眼球を向けた。
「どうした敵共…僕をやるんだろ?なら来いよ」
「「「「__!!!」」」」
その勢い、強さ、そして立ち姿に敵達はもはや抵抗など意味はない。故に敵達は_____
____逃走を選んだ。
「逃げろぉおー!!!殺されるぞぉー!!!」
「うわぁあああ!!!」
「悪魔だぁぁあああ!!!!」
「あぁ?」
次々と武器を投げ捨て、逃げ出していくその後ろ姿に、拳太郎は目を鋭くさせる。
「逃す訳ねぇだろ」
そして、一気に駆け出し一瞬にして追いつくとその敵たちを1人残らず叩きのめしていった。
____うぎゃああ!!!!
__た…たすけ___うぁあああ!!!!!
「ぶっ飛ばされたくなかったら…僕の前に死柄木とAFOを連れてこいやッ!!クソどもがぁッ!!!!」
拳太郎は勝つために、全力で敵達を狩っていく。
全てはケジメをつけるため。また____
_____愛する人を守るため。
○◇○◇○◇○◇
同時刻。
緑谷も拳太郎と同じ勢いでダツゴク達と対峙していた。
「ふん…!!!」
個性の扱い方にも慣れてきたために動きや個性の発動も先程よりもスムーズとなり、相手によっては数秒で拘束していくことができた。
「少年!!飛ばしすぎないようにね!!」
「はい!!」
オールマイトに答えながら緑谷は次々と対峙するダツゴクや敵を拘束していった。
「5人目!6人目!!オールマイト!この6人をお願いします!!」
「OKだ!!」
そのペースはまさに順調である。
だが、それでも緑谷は焦っていた。相手が拳太郎であるために、このペースでも寧ろ遅いと考え、より加速していったのだ。
そして、遂に終了の時間が迫ってくる。
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
開始からおよそ10時間
時刻は深夜。辺りは闇に包まれるものの、社会体制が崩壊した今、静かさなど存在せず街は未だに騒がしくなっており、ヒーロー達の休む時間はなかった。
そんな中で、敵の捕獲を終えた緑谷は、出発地点へと戻っていた。
「ハァ…ハァ…ハァ…!!」
相手が相手であったために後半からは更に力を解放してロクに休む事なくダツゴク達や、それに怯える市民達を助け回っており、その結果、戻ってきた時には体力は限界に近づき、荒い呼吸が止まらなかった。
「エンデヴァー……何人…でしたか…?」
「ん?」
息を整える中、警察と協力して捕らえたダツゴクをカウントしているエンデヴァーへと尋ねると、タイミングよく終わったのかエンデヴァーは答えた。
「70名だ。そのうち敵は20名。お手柄だが…無茶しすぎだな。体力もとうに限界だろう」
「はい…少し飛ばしすぎました」
エンデヴァーの言葉はごもっともである。今の自分はAFOに狙われている身であるため、いつどこから彼または彼からの刺客が襲ってくるか分からない。
故に疲労で倒れるなどあってはならないのだ。
「少しの間でもいい。休め」
「はい…」
その時であった。
「ただいま」
「「「「!?」」」」
拳太郎の声が聞こえ、その声に一同は驚き振り返る。
そこには___
「いやぁ〜収穫収穫♪」
______100人以上もの敵を乗せた巨大なダンプカーを引く拳太郎の姿があった。
「な…なんだその馬鹿げた数は…ここらどころか、別の場所からも集めてきたというのか…!?」
「えぇ。範囲は指定していませんからね」
エンデヴァーに答えた拳太郎は笑みを浮かべる。
「さぁ〜カウント、頼みますよ〜」
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
その後、制限時間が過ぎた事で拳太郎の捕らえたダツゴクの数のカウントを期に勝負が終わった。
拳太郎の捕らえた数はまさに圧倒的であり、カウントを始めるよりも前に、誰もが拳太郎の勝ちを確信していた。
「コイツは凄ぇ…国際指名手配の敵も何人かいやがるぜ……」
「ヒィ!?なにコイツ!オールマイトみたいな奴までいるじゃない!?酷くボコボコにされてるけど…」
周囲のヒーロー達が恐れながらも次々と拳太郎が捕縛した敵を拘束しカウントしていく。
そして、両者の捕らえたダツゴクの数のカウントが終了した。
「2人の捕縛した“ダツゴク”の集計が終わった」
拳太郎は笑みを浮かべる。自身の勝利は確実であると。対して緑谷は負けを確信していた。数が圧倒的すぎる上にいまだに疲れている様子がない。まさに天と地の差を改めて認識したことで緑谷は敗北を確信した。
「(やっぱり…ダメか…)」
「勝者は___」
判定係であるエンデヴァーは結果を発表する___
「デクだ」
「「え…?」」
___下されたのは拳太郎の敗北だった。
今回の被害者
ダークマイト
映画ユアネクストに出てくるキャラであり、本来ならば、療養中のデクやオールマイトを狙って雄英に侵攻して衝突する筈だが、上陸してまもなく拳太郎によってメンバーは全身打撲、自身は全身に連打を叩き込まれた事でノックアウト状態にされた上に拳太郎の点数稼ぎに使われてしまった。