ちょっと!!勉強の邪魔しないでよ!!   作:狂骨

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グズは嫌いだよ

 

「緑谷くんが出ていった?どう言うことですか?」

 

拳太郎が理由を尋ねると、麗日はある手紙を取り出した。

 

「デクくんが病院から出ていった次の日に手紙が挟まれてたの」

 

「へ?」

 

麗日から受け取った手紙を拳太郎は読み込む。

 

「なになに?個性は『ワンフォーオール』で歴代の使用者の個性が使いまくれる。オールフォーワンは僕を狙ってるから、学校やめて僕1人でいく……と。

 

 

 

 

 

 

 

_______は?」

 

それを読み終わった瞬間 

 

___ピキッ

 

「………何だこれ?」

 

拳太郎の額と身元から筋が脇立った。

 

「狙われてるから?学校やめる?はぁ…?まさかあの小僧…死柄木とAFOを独り占めしようってのか…!?」

 

それと共に全身からドス黒いオーラが現れ始める。

 

「お…おい!落ち着けって神堂!」

 

「落ち着ける訳ねぇだろうがぁ!!!確かに死柄木の首は譲ってやったがAFOをグチャグチャにするのは僕だッ!!!いつ譲った!?」

 

「冷静になれよ!ていうかまさかお前も1人でやり合おうとしてたのか!?」

 

「当たり前だろうがッ!!!じゃなきゃ決闘申し込んだ意味がねぇ!!!」

 

上鳴や峰田に怒りの声をあげた拳太郎はその手紙をクシャクシャに丸める。

 

「校長先生…急用ができたので一回失礼します。取り敢えず持ってくる“首”が3つに増えました」

 

「えぇ!?ちょっ!流石に単独行動は!!」

 

そして拳太郎は校長室を後にした。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

「待て神堂!何する気だよ!?」

 

「あの野郎ボコボコにして問い詰めるんですよ。ここに書いてある文章について!」

 

切島に答えながら拳太郎は緑谷との決闘の際に破れた服を着替えると、ジャージ姿となる。

 

「でも場所が分かりませんわ!?」

 

「検討はつく」

 

「ダツゴクもいますのよ!?」

 

「片っ端から叩き潰す」

 

「それに私達…まだ仮免の学生ですわ!?個性の使用は…!!」

 

「じゃあ僕がやるので、それ以外の避難誘導などをお願いします」

 

八百万に淡々と答えた拳太郎はジャージを着用し終えると、すぐさま外に向かう。

 

「準備完了…さて…あのモジャモジャ野郎をとっ捕まえにいくか…」

 

その時であった。

 

「待て神堂…」

 

「はい?」

 

寮を出て行こうとした拳太郎を爆豪が呼び止めた。

 

「なんですかいきなり」

 

「…俺も連れてけ」

 

「いや、別に緑谷くんに会いたくても僕が連れてきます。それに君ら遅いですし」

 

「それでも連れてけ!!!」

 

爆豪は震えている拳を力強く握り締める。

 

「俺だってアイツに一言言ってやりてぇ。生意気に勝手に出て行きやがって!それに個性についても黙ってやがった…今まで散々チームワーク重視してやがったアイツが個性目覚めた途端に1人で行くなんてよ…!

 

「…随分と、珍しいですね。いつも緑谷君にはキツく当たってた貴方にしては」

 

「………俺はアイツが嫌いだった。弱ぇ癖にヒーローみてぇに…いつも俺を助けようとして…俺には無いものを…色々と持ってやがった。だから避けるために…いじめてた」

 

押し殺すかのように静かな声で爆豪は理由を話す。

 

 

 

だが、

 

「…は?」

 

その理由のうちの“ある単語”に拳太郎は反応し眉間に皺を寄せた。

 

「初耳だなオイ。テメェ、いじめてたのか?」

 

「…」

拳太郎の言葉に爆豪は静かに頷く。爆豪は緑谷とは幼馴染であったが、生まれ持った個性の優越感と緑谷への不明な嫌悪感によって彼を避けるべく冷たい態度など取っていたのだ。

 

だが、最悪なタイミングでの告白となった。

 

拳太郎が何よりも嫌うのは『いじめ』特に人の積み上げてきた努力を嘲笑い踏み躙る類に関してはたとえ自身が被害でなかろうと、見かけてしまえば怒りが込み上げてしまう程、嫌っているのだ。

 

「会ってそろそろ1年経ちますが、今まで貴方の事、A組の中でも特に尊敬してたんですよ。口悪くても何から何まで完璧主義。教える時も乱暴ながらも丁寧。自分のみならず教えた相手を完璧にしないと気が済まないというその気迫、姿勢、僕にとっては目標に他なりませんでした。

 

だけど____」

 

拳太郎の鋭く冷たい目が爆豪へ向けられる。

 

「今の聞いて何もかも失望した」

 

そして拳太郎は背を向ける。

 

「誰がテメェなんざ連れてくか。絶対にやだ」

 

「お…おい神堂!爆豪だって緑谷の事を____」

 

「あ"ぁ…?」

 

切島が呼び止めようとしたその瞬間、拳太郎のドスの効いた低い声がその場に静かに響き渡り、切島を威圧する。

 

「緑谷の事を心配してる?だから何だ?心配してりゃチャラなのか?じゃあ聞くが謝罪したのか?」

 

「…」

 

爆豪は首を横に振る。それを見た瞬間 拳太郎の目はもう爆豪を視界から消した。

 

「ゴミクズが。間違いも認めず、コンプレックス解消のためにいじめする奴なんざ、人間以下だ。全部終わるまでそこで待ってろ」

 

爆豪に冷たく言い放つと拳太郎はそのまま脚を進めようとする。

 

 

だが、

 

 

爆豪は決して諦めなかった。

 

「頼む…!!!」

 

そう言い拳太郎を呼び止めた爆豪は____

 

 

 

 

 

_______深く土下座した。

 

そのあまりにも気迫ある声に拳太郎は立ち止まる。

 

「…なぜ、そこまで彼に?」

 

「最初は目障りだった…どうしても遠ざけたかった…だけど、途中で気づいたんだ…俺はアイツに憧れていた。…それを必死に否定してきたが、今じゃもうそれすら出来ねぇ…!!!俺はずっと敗けてたんだ!!アイツが変わったんなら…俺も変わらないといけねぇ!!だから頼む…!!!」

 

「……」

 

叫びながら爆豪は床を突き抜ける勢いで必死に頭を下げる。

 

プライドの高い爆豪は決して土下座などしないだろう。たった数ヶ月共に生活してきてた拳太郎でも分かる。

 

そんな彼が土下座など、よほど真剣なのだろう。

 

さらに彼の何もかも捨て去ったその姿勢を拳太郎は簡単に無下にする事が出来なかった。

 

 

故に

 

 

「はぁ……分かりましたよ」

 

改めて爆豪に目を向けて答えた。

 

「サッサと支度してください」

 

「……ッ!!」

 

その言葉に爆豪は顔を上げると再び頭を下げると、ヒーロースーツを取りに向かった。

 

「さて」

折れた拳太郎は改めて、他の皆にも目を向ける。

 

「他に行く人は?」

 

すると

 

「俺も行く!!まだ一度も腹を割って話し合ってないんだ!!」

 

「私も!!デクくん1人に任せてられないよ!!!」

 

「緑谷だけじゃねぇ…親父にもキツく言ってやんねぇと…!!」

 

爆豪に続くように飯田、麗日、轟も声を上げていく。

 

それだけではない。

 

「私も!!」

 

「ぼくも!!」

 

3名に続く様にA組の皆が次々と声を上げていき、全員が声を上げた。それに対して拳太郎は面倒と思うばかり溜め息をつくも、頷いた。

 

「分かりました。じゃあ___

 

 

 

 

_____40秒で支度しなッ!!!」

 

 

 

 

その後、準備を終えると同時に校長から連絡が入り、エンデヴァーも現れたことで、A組は彼を説得し、彼の管理下の元、個性の使用と、緑谷の捜索行動が許されたのであった。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

場所は変わり、エンデヴァー達と行動していた緑谷は窮地に立たされていた。

 

目の前に立っているのはダツゴクのうちの1人『ディクテイター』

 

「焦燥からの暴走…神堂拳太郎が一緒にいた時はヒヤヒヤしたが、やはり彼の方の仰った通り…孤独になる時が来ましたなぁぁぁぁ」

 

彼の周囲には大勢の市民の姿があり、彼の身体から伸びる糸と繋がっていた。

 

「うひょひょひょ!貴様を捕まえ…あの方に差し出せば私は安泰…♪」

 

「ダツゴクの1人…ディクテイター…君を倒せば…少しは死柄木に近づけるのかな…?今度こそ…場所…教えてくれるといいな…」

 

それに対して緑谷は既にボロボロとなった身体を引きずりながらも戦闘体勢を取る。

 

それに対してディクテイターは不気味な笑い声を上げる。

 

「ホホ!戦う気か?なら戦え!戦え!ここにいる愚民共とな!!」

 

すると

 

「うわ!?」

 

「か…身体が…!?」

 

彼の周囲に立っていた市民達が一斉に緑谷へと向かってきた。しかもその動きはとても不自然であり、まるで操り人形である。

 

これが奴の個性だ。自身の身体から生成される糸と繋ぐ事で対象をいのままに操ることができるのだ。

 

ディクテイターはオールフォーワンの情報を元に市民を操り、緑谷を待ち伏せていた。

 

 

その一方で、走っていった市民の1人が、緑谷のボロボロな衣服を掴む。

 

「ち…違うんだ!身体が…!!」

 

_____分かってます。

 

3人が身体を押し倒してくる

 

「俺達の意思じゃ…!!!」

 

___勿論です。必ず僕が解きます。だから、今すぐ作戦を___

 

考えた時にはもう遅い。緑谷の身体は既に市民達によって押し倒され、地面に倒れ両手両足は押さえつけられていた。

 

なにも出来ない。

 

ヒーローとしての志が強い緑谷は体力が限界な上に市民が相手となればもうどうにも出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

 

ドドドドドドドドド

 

「え…?」

 

どこからともなく何かが砂煙を巻き上げながら此方に向かってきた。その足音は次第に大きくなっていく。

 

 

 

 

そして、その正体はすぐに現れる。

 

 

 

「シィイイイイイタァアアアアア!!!!!!」

 

「ん?何だこの声_____グボフゥ_____!?」

 

叫び声と共に何者かが、ディクテイターの顔面に目掛けて拳を放った。放たれたその拳はディクテイターの顔面に深く突き刺さり、その顔を陥没させると、その場から近くのビル群目掛けてぶっ飛ばした。

 

 

____ッ!!!

 

___ッ!!!  ___ッ!!!

 

  ___ッ!!!

吹き飛ばされたディクテイターの身体はグチャグチャになりながら次々とビルを突き抜けていき、4棟ほど貫くと地面に落下して行った。

※顔面陥没、全身粉砕骨折、脳機能大幅低下

 

 

一方で、ディクテイターが殴り飛ばされた事で彼に操られていた市民の人々も全員が自由となり、緑谷から離れていく。

 

市民達が離れていく中、緑谷は自身の目の前に立っている少年へと目を向けた。

 

「神堂くん…」

 

そこに立っていたのは、数時間前に別れた拳太郎だった。ディクテイターを殴り飛ばした拳太郎はしばらく虚空を見つめると、ゆっくりと此方に目を向けた。

 

「やぁ…」

 

「なんで僕を助けてくれ_____ぐへ!?」

 

その瞬間 拳太郎の腕が緑谷の胸ぐらを掴みあげた。

 

「テメェぇええ!!!!よくもコソコソと僕の獲物横取りしようとしやがったなぁあ!?ぶちのめしてやる!!!!」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!???」

 

「さて…10発殴る前に話を聞こうか…?」

 

「ちょっと待って!?何があったのか知らないけど10発はやめて!!話を聞いて!?ね!?」

 

すると

 

「神堂ちゃん落ち着いて!

 

「そうですわよ!良い子ですから抑えてください!」

 

「〜!!ケッ!」

背後から八百万と蛙水が現れ、それぞれ生成した巨大な拘束具と長い舌で拳太郎を抑えた。

 

ーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

 

その後、観念した緑谷は皆に謝罪し、雄英に戻り、皆と共に戦う事を承諾した。それと共に爆豪自身も謝罪し、無事に幼馴染としての仲も取り戻したのであった。

 

そして、メモの内容についても、あくまで死柄木を優先的に見つけるためだったらしく、AFOも見つけた場合は直ちに連絡を入れるつもりであったらしい。

 

「そうだったんですね。本当に申し訳ない…!」

 

「あ、大丈夫だよ!そんな気にしないで!こっちこそ…誤解させてしまうような内容でごめんね…」

 

それについて、話を聞いた拳太郎はようやく理解すると怒りを抑え、緑谷に対して深々と頭を下げる。

 

 

 

その後、話はまとまり、雄英へと向かうこととなった。

 

「さて、そろそろ戻りますよ」

 

「…」

 

その言葉を耳にした緑谷は表情を暗くさせる。それもそうだ。ネット上では自身がAFOの手先、または死柄木が狙っているために出会えば必ず死柄木達が来るなど、多くの情報が発信されているからだ。

 

今の雄英は巨大な避難施設であるため、市民の皆は彼を受け入れるかどうか定かではないだろう。

 

故に不安なのだ。

 

だが、拳太郎は首を横に振る形で否定する。

 

「別にそんなの気にしなくて良いですよ。生徒なんですから堂々と中入って。文句言った奴らは片っ端から追い出せば良いので。それに、校長先生が何とか交渉してくれると思いますよ」

 

「そうなんだ…」

 

「分かったらサッサと来な。グズは嫌いだよ」

 

「ぐぇ!?」

そう言い拳太郎は緑谷の首根っこを掴み雄英へと向かった。

 

麗日「ちょっと神堂くん!怪我人!デクくん怪我人だから!」

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

それから雄英へと到着した御一行。

 

そこで待ち受けていたのは____

 

 

「その少年をここに入れるなぁー!!!!」

 

「死柄木が狙ってる少年ってソイツの事なんだろ!!」

 

非難の嵐であった。

 

多くの一般市民達が次々と緑谷がここへ入ってきた事に抗議の声を上げていた。

 

「く…完全に説得は出来なかったか…」

 

その光景に瀬呂は苦い表情を浮かべる。

 

 

 

そんな中であった。

 

「よし。じゃあ風呂でも入りますか」

 

 

「「「「えぇ!?」」」」

渦中であるにも関わらず拳太郎はアッサリと寮へと向かおうとしていた。

 

「何やってんの!?」

 

「いや、生徒の帰宅ですよ?何もおかしくないじゃないですか」

 

「いやいやいや!目の前の光景見ようよ!?まずこれどうにかしないと!!」

 

「はぁ?別に野次でしょ?生徒が帰ってきただけなのに何がおかしいんですか?」

 

 

その時であった。

 

「その暴力性異常者もだ!!!」

 

「ソイツがどんだけヤバい奴か知ってんのか!?」

 

突如として拳太郎にも非難の声が現れ始めた。

 

「は?」

 

その声に拳太郎は自身を非難した市民へと目を向ける。

 

「ヤバい?僕が?なぜ?」

 

拳太郎が尋ねると、その市民はスマホのある画面を見せる。そこには、自身が中学生の頃、複数の男子生徒の胸ぐらを掴み上げる映像が流れていた。

 

「俺達は全部知ってんだぞ!?何の罪もねぇ同級生を殴ったり!!チクらないように脅してたり!!!」

 

「この動画が証拠だよ!!!」

 

「暴力で何もかも黙らせてきたんだろ!?」

 

「しかもAFOがお前を狙ってるらしいじゃねぇかッ!!そんな奴を受け入れられる訳ねぇだろうがぁあ!!!!

 

『『そうだ!そうだ!』』

 

その主張に賛同するかの様に、緑谷に向けられていた批判がついに拳太郎にまで向き始めていた。

 

 

「く…神堂君にまで!!」

 

「ちくしょう…どうすれば…!!」

 

更なる状況悪化に飯田や切島は歯を噛み締める。

 

 

 

 

 

 

 

だが、その批判が拳太郎の怒りを湧き上がらせてしまった。

 

 

「じゃあテメェらが出ていけ…ッ!!!」

 

「「「「「!?」」」」」

 

突然の怒りの声と共に拳太郎から殺気が放たれ、その周囲一帯へと行き渡ると、市民を黙らせた。

 

 

一瞬にして周囲が静まり返り、沈黙に包まれると拳太郎は前に立つ。

 

「さっきから聞いてれば、無関係の連中が、切り取られた映像や信憑性のないチャンネルの書いた記事をやれ本物だの、知ってるだの。腹が立つ以前に知能指数が低くて呆れてくる。それに出ていけだ?ここは僕が苦労して入学した雄英高校だ。出ていくなら部外者であるアンタらが出ていけッ!!!!」

 

主張と共に放たれた怒声が雄英一体に響き渡る。その力強い声と内容に、誰も否定できないのか、先程まで非難の声をあげていた市民達は何も返せず、ただ返す言葉を探すだけであった。

 

 

 

そんな中、

 

拳太郎の目が緑谷へと向けられた。

 

「それに緑谷くんにも好き勝手言ってたけど、それもおかしいだろ?テメェらがのうのうとあったかい場所でおまんま食ってる間にもコイツは必死こいて敵だのダツゴクだの、色々と捕まえてたんだぞ!!お前らよりも年下でガキのコイツがな!!ここで労ってお疲れ様って出迎えるのが普通だろうが!!」

 

「神堂くん…」

 

自身とぶつかっていた拳太郎の行動に緑谷や他の皆は驚きのあまり、その姿を見つめてしまう。

 

その一方で、声を荒げていた拳太郎は目の前の市民達へと人差し指を向ける。

 

「なのに、アンタらは労うどころか『出ていけ』『入れるな』だ?挙げ句の果てにネットの動画を鵜呑みにしやがって、必死こいて頑張ってる奴をネットの情報だけで判断して非難するお前らの方がよっぽどタチ悪い敵だよ!!!」

 

 

「「「…ッ!!!」」」

 

拳太郎の言葉が響く。だが、『敵』と言われてしまった市民達も黙っていられなかったのか、完全に標的を拳太郎に向け、声を上げた。

 

「ふざけんなぁ!!!」

 

「なんで俺たちが敵なんだよ!!!」

 

「オレ達はただ安心して眠りたいだけなんだ!!」

 

「どうすればいいんだ!?」

 

「俺達の日常を返してくれよ!!!」

 

「こっちだって辛いんだよッ!!!!」

 

先程よりも更にヒートアップしたその声が拳太郎へと降り注いで行き、それを見ていたA組の皆も流石に止めようとする。だが、拳太郎はその非難の嵐に怯む事なく、再び叫んだ。

 

 

 

「ゴチャゴチャうるせぇッ!!!!」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

再びその場に鳴り響く怒声。だが、先程とは違う。感情を爆発させたかのような巨大な叫び声だった。

 

それによって、再び市民や止めようとした教師、A組の皆の動きが止まる。再び周囲が沈黙に包まれると拳太郎は市民達へと叫ぶ。

 

「日常に100%の安心なんざねぇんだよ平和ボケ共がぁッ!!!たとえ元の生活戻ってもいつ誰かに殺されるかもしれねぇ不安感は必ずある!!!安心100%なんて良いものはこの世にない!!!ヒーローがいても最後に自分の身を守れるのは自分自身だよ!!いつまでも甘えた事言ってんじゃねぇッ!!!!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

その言葉を最後に、あれほど非難の声をあげていた市民達はもう声を発さなくなった。

 

 

「そ…そんな…!!」

 

「あんまり…だろ…」

 

「クソォ……」

 

拳太郎の巨大な威圧によって、先程まで声をあげていた市民の皆はもう言い返せなくなってしまったのか、次々と静かに不安を吐露していく。

 

 

だが、これはまたとないチャンスだった。

 

 

市民も好きで緑谷を糾弾した訳ではない。彼らも殺されるかもしれないという不安と恐怖で一杯なのだ。

 

先程まで爆発していた不安と恐怖が、静まり返っていた今ならば、不安を取り除き説得できる機会として最高潮である!!!

 

「(今なら…ッ!!!)」

 

故に麗日は飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その時であった。

 

ドドドドドドドドド

 

「…ん?」

 

人混みの奥。生徒の寮の方面から何かが土煙を巻き上げながら此方へ向かってきた。そしてその影は次第に鮮明となり____

 

 

____空中へと飛び出した。

 

 

「…あれって…え!?」

 

飛び出したその影は次第にシルエットが露わとなり、それを見た拳太郎は驚きの表情を浮かべる。

 

「お帰り〜!!!!!」

 

すると、飛び上がったその影は此方に向けて高らかと声を上げながら飛び降りてきた。

 

「けーんちゃああああん〜!!!」

 

「ねじれさん!?」

 

 




かっちゃんはあまり好きではなかったけども、何故か強くて口悪くとも頭が良いっていうのに少し憧れてた
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