太平洋の海上にて。
「初めましてかな?nice to meet you Mrオーガ.My name is キャスリーン・ベイト。危ないところを助けてくれて、ありがとう」
突如として現れた拳太郎に対して、スターは驚きながらも丁寧な口調で自身を名乗り出ると共に感謝をする。それに対して、拳太郎もスターの正体にようやく気づいた。
「…スターアンドストライプ」
「foo!光栄だな。まさか覚えられてるなんて」
「緑谷くんと話す時、オールマイトと必ず挙げられる名前だったのでね。自然と」
「なるほど。イズク・ミドリヤと言えば、マスターが話していた少年か…うん。彼にも会ってみたいな」
すると
『悪いがスター!談笑は後だ!今は標的の撃破を!』
サイドキックの一人が注意を促す。
「おっとそうだった。Mr.オーガ、手を貸してくれ。ここでトムラ・シガラキを討つ」
「死柄木を?いやいや、奴は生け取りにして緑谷くんに……ん?」
そんな中であった。海へと目を向けた拳太郎は違和感を覚える。
「あれ…?アイツがいない…」
「え?嘘!?」
既に死柄木の気配が消え失せていた。その言葉にスターはすぐさま海を見下す。
「おかしいね…奴でもずっと、海に潜ってる事はできない筈…いや、まさか…!」
そのまさかである。姿を見せないと言うことは、泳いだ若しくは地面を部分的に崩壊させて穴を作り逃げてしまったのだ。
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その後。事態は急速に進んで行った。
エンデヴァー達がようやく到着し、彼が率いる警察やヒーロー達で死柄木の捜索が始まり、周囲の海域や海岸など調べ尽くされたが、どこにも死柄木の姿はなく、脳無の姿も消え失せていたという。
死柄木はスターの個性を奪う事は叶わず、またしても拳太郎によって重傷に追い込まれ、その場から逃げ去ったという訳であった。
さて、もう一つ疑問点を整理しよう。なぜここに拳太郎がいるのか?
それは塚内とオールマイトの会話の中で、死柄木が太平洋にて現れたという情報を盗み聞きしたからだ。
オールマイトと話しているその情報を耳にした拳太郎は独断で寮を飛び出して、たった数秒で港につき、そこから空気を蹴る形で上空に飛び立ち着いたという訳だ。
だが、たとえスターを救ったとしても、その行動は無断な行動に変わりなく、流石のエンデヴァーも怒りを露わにして叱りつけた。
「神堂!お前また独断で行動を起こしたのか!?来るにしてもなぜ此方へ連絡を寄越さなかった!?俺のアドレスも番号も教えた筈だ!」
「いや、取り敢えずアイツを緑谷くんの所に連れてこうかなと思って。あと、電話してる隙に逃げられることもあるので、それで」
「それで…じゃない!今回は別として、奴が、お前が雄英から一時的に出ていくことも計画の内であった可能性もあった筈だ!そうすれば手薄となった雄英に奴らが攻めてくる可能性もあるのだぞ!?」
「いや、そう言われても、雄英にはたくさんのヒーローがいるでしょうに」
「そう言うことではない!!」
すると
「まぁまぁエンデヴァー」
スターのサイドキックの一人が仲裁に入り
「彼がいなければ間違いなくスターが殺されていた。今回ばかりは大目に見てやってくれないか?」
「今回ばかり!?今まで………いや、いい…以後は気をつけろ…」
今回どころか、今までずっとそうであっただろうに。それでもスターが助かったのも、自身らの到着が遅かった事も事実であるために、渋々エンデヴァーは引き下がる事となった。
一方で、オールマイトはスターことキャシーと久しぶりの再会を楽しんでいた。
「Hey!master!!」
「おぉ…!見違えたよキャシー!また大きくなったね!」
「Hahaha!オールマイトは随分と小さくなっちゃったね!けど私にはまだまだ大きく見えてるよ!!」
オールマイトのように高らかと笑いながらキャシーはオールマイトを抱き上げていた。この場に緑谷がいれば興奮のあまり泡を吹いて倒れていただろう。
その後、スターは塚内と共に作戦を共有するために警察庁へと向かう事となった。勿論だが、アメリカの大統領から呼び戻しの声もあったが、彼女やサイドキック達はそれすら無視。日本での討伐作戦に参加するようだ。
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スター達を送り届けると、オールマイトは携帯を取り出す。
「さて、私達も戻るとしよう…。神堂少年は私の車に乗って。あとで塚内くん達も入れて君の作戦について聞きたいからね」
「了解です。まぁシンプルなもんなのですぐ終わりますよ」
その場で柔軟体操をしていた拳太郎もオールマイトの言葉に頷き、彼の車へと乗ろうとする。
そんな中であった。
ピピッ
エンデヴァーの携帯に1通の知らせが入る。
「校長?………なに…!?」
「「「「「?」」」」」
校長からの知らせを耳にしたエンデヴァーは突然と驚き表情を浮かべる。
「はい…すぐ戻ります」
「何があったんですか?」
「…」
携帯をポケットにしまったエンデヴァーに拳太郎が尋ねるとエンデヴァーは表情を曇らせながら答えた。
「以前より調査されていた内通者の正体が判明した」
「内通者?」
その単語に拳太郎はまたもや首を傾げるとホークスが説明した。
「入学してから、不思議とA組の行く先に何度も敵連合が現れてましてね。内部の者しか知らないカリキュラムや林間学校の行き先。いくら何でも偶然と呼ぶにも正確すぎる襲撃から、先生方は居場所をリークした“内通者”がいると踏んだんです」
「成る程。その正体が分かったという事ですか…んで?その内通者とは?」
拳太郎が尋ねるとエンデヴァーは答えた。
「名は____
______青山優雅。A組の生徒だ」
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その後、拳太郎とエンデヴァーは雄英のとある一室へと向かい、
現在はA組の皆と向かい合うように塚内達の立ち合いの元、椅子に拘束されている青山と両親を見つめていた。
状況によると、拳太郎が出ていった翌朝。訓練するべく皆が奮闘していると、青山の不審な態度に緑谷が気づき、彼を尾行。その後、林の中で両親から説得されながらも涙を流しながら首を横に振る彼の姿があったという。
その説得の内容とはAFOからの指示である。なぜ彼がAFOと接点を持っているのか?それは青山は緑谷や拳太郎と同じく無個性であり、個性を得るために彼と接触したからだ。
そして、彼の命令に逆らうことができず命令を遂行し続け、罪悪感も限界を迎えて、尾行してきた緑谷に全てを打ち明けると共に彼に拘束され現在に至るらしい。
「無個性で、それを補う方法を模索する中でどこからかAFOの噂を聞きつけ、個性を貰う。まるで怪しい取引ですね」
「…」
拳太郎の言葉に青山は何も言えないのか顔を俯かせる。その様子に皆は次々と声を上げた。
「葉隠さんや…緑谷が駆けつけなかったらどうするつもりだったんだ…!?」
「おい青山!嘘だって言えよ!!」
皆が口々と疑問を打ち付ける。それもそうだ。今まで寝食を共にしてきた仲間が内通者だったとは、誰も思わなかった上に、信じられなかったのだから。
それでも青山は虚な瞳からただ涙を流すだけだった。
すると
「まぁまぁ皆さん落ち着いて」
言葉が行き交う中、拳太郎は両手をあげながら、両者を宥めてその空気を落ち着かせる。
「取り敢えず責めても仕方ないでしょうに」
「だけどよ!!」
「切島くん。君の思う気持ちはわかります。ですが、真意を問いただすよりも前に話を聞かないと」
「わ…分かった…珍しいな。お前が冷静に宥めるなんて…」
「青山くんとはよく話していたので。正直、僕も驚いてる限りです」
そう言い拳太郎は青山に目を向ける。彼とはヒーロー科への編入が決まった当初からよく話す間柄であった。個性による腹の腹痛から始まり、よく食べるチーズの味など、彼から積極的に話され、それに答えるように拳太郎も会話をしていったのだ。
故に拳太郎にとってはA組では緑谷、八百万、轟、爆豪、麗日、蛙水、飯田、尾白についで話す相手でもあった。
そんな彼がなぜこんな事を?今、彼自身はどうしようとしているのか、その胸の内を聞くべく拳太郎は目を向ける。
そんな中であった。
「う…うぅ…!!」
拳太郎の姿を見た青山が大粒の涙を流し始めた。
「ごめん…神堂くん…!!!」
「ん?」
「犯人は…僕…なんだ…!!」
「犯人?何がですか?」
突然の告白に拳太郎は首を傾げながら尋ねると、青山は震えながらも心の底から吐き出す。
「僕なんだ!!!_______
______君の家の住所をリークしたのは!!!!」
その瞬間 周囲一体の空気が変わった。
問題
ある個性で死柄木や荼毘達を超弱体化させられるよ!その個性とは何かな?
ヒント:アニオリ個性