ちょっと!!勉強の邪魔しないでよ!!   作:狂骨

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拳太郎の力

 

 

拳太郎と八百万の試合を見ていたヒーロー科の皆はざわめき始めていた。

 

「な…なぁ…おい、見えたか今の…!?」

 

「いや…アイツが一瞬消えちまったかと思ったら八百万の前に現れてたな…」

 

「ちょっとちょっと…ヤオモモ大丈夫なの!?担架で運ばれてったけど…」

 

「鉄壊すぐらいの蹴り、モロに入ってたからね…」

 

A組である切島と瀬呂がその光景について驚きながら言い合う中、その側では八百万と交流のある耳郎と葉隠が彼女の身を心配していた。

 

その一方で、拳太郎と会話をしたことがある緑谷はその圧倒的な強さにメモを取る事を忘れていた。

 

「あ…あれが神堂くんの力…一体どんな個性を…」

 

「…」

 

そんな中、その光景を離れた席で見ていた入試首席である爆豪は目を鋭くさせる。

 

彼は拳太郎と同じくBブロックであり、今後、彼と当たる可能性があるからだ。

 

ーーーーーー

ーーーー

ーー

 

そして、遂に2度目の出番が来た。相手は個性の中でも特に希少な、意志のある個性を持つ常闇である。

 

だが、それすらも拳太郎は軽くあしらうのであった。

 

 

 

「いけ黒影(ダークシャドウ)!!」

 

『あいヨ!!』

 

試合が始まった直後、常闇は先手必勝とばかり、離れた位置から黒影へと指示を出した。

 

その指示を受けた黒影は一瞬にして拳太郎へと接近するとその腕を振り下ろす。

 

その瞬間

 

「フン…ッ!!」

 

『ぶぎゃ!?』

 

拳太郎の身体が一瞬消えたと同時に黒影の横に現れると、黒影でさえも認識できない速度で踵落としを放ち、ダークシャドウを怯ませた。

 

 

そして、その隙をつき、一瞬で常闇へと接近した。

 

「動揺しすぎです」

 

「く!?」

 

常闇は後退しようとするも、気づいた時にはもう遅かった。接近した拳太郎は常闇の首を掴むとその身体を場外へと投げ飛ばした。

 

「そらぁ!!」

 

「がぁ!?」

 

投げ飛ばされた常闇は体勢を立て直そうとするが、芝生に向けて投げ落とされたために、体勢を立て直すことができずそのまま芝生の上へと落下してしまった。

 

それによって常闇も八百万と同じく場外となり敗北してしまったのだった。

 

 

『強い強い強ぉぉぉいい!!!なんと神堂!!黒影を一撃でノックアウトし常闇も場外に投げ飛ばしたァァァァ!!!もうこの男は誰にも止められねぇええ!!!』

 

「「「「「うわぁぁぁぁ!!!!!」」」」」

 

普通科の生徒がまさかの連続でヒーロー科に勝利している事に客席のテンションは更に上がり大歓声が巻き上がった。

 

 

拳太郎の快進撃は止まる事なく、A組の生徒2人目を敗北へと追いやったのであった。

 

 

「嘘…常闇まで…マジかよ…」

 

「こりゃ、明らかに優勝候補じゃねぇのか?」

 

「い…いや、分からねぇぜ?次に当たるのがA組の暴走族だからよ」

 

「あ"ぁ!?だ〜れが暴走族だコラァ!?」

 

上鳴と切島がその様子に圧倒されると共に次の試合を予想する中、座っていた爆豪がブチギレる。

 

 

A組は勿論だが、B組の皆もざわざわとし始め、もはや観客席やヒーローの注目はヒーロー科ではなく、全て肉弾戦で勝ち進む普通科へと向けられていったのであった。

 

 

ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー

 

「ほっほっほっ」

 

リングから退場した拳太郎はステップを踏みながら退場口から自身のC組の観客席へと向かっていた。

 

すると 右の廊下から誰かが歩いてくる姿が見えた。

 

「…ん?あ、貴方は」

 

「おや、貴方は先ほどの」

 

その姿に拳太郎は驚いた。角から現れたのは1回戦で自身と対戦した八百万であった。先程まで健在であったその両腕には手厚く包帯が巻かれていた。

 

「八百万さん…でしたね。先程はどうも。お怪我は大丈夫ですか…?」

 

「怪我でしたらご心配なく。リカバリーガールに診てもらいましたから」

 

「よかったぁ…」

八百万は笑みを浮かべながら答えると拳太郎は胸を撫で下ろす。その様子を見た八百万は先程とは雰囲気が全く違う事から本当に自身が戦ったのはこの人物なのか少し疑ってしまう。

 

そんな中であった。

 

「あ、それより、貴方にお聞きしたいことがありましたの」

 

「はい?」

八百万自身は彼に対して気になっていた事があったのか、尋ねた。

 

「神堂さんの個性は何なのですか?」

 

「個性?」

 

その質問について拳太郎はアッサリと答える。

 

 

 

「ないですよ。そんなの」  

 

「………え?」

 

 

 

 

すると

 

「お〜い神堂、お疲れ〜」

 

反対側の通路から迎えにきたのか心操が手を振りながら歩いてきた。

 

「あ、心くん!では、失礼しますね八百万さん」 

 

それを目にした拳太郎は八百万へと頭を下げると心操の元へと歩いていった。

 

 

 

その一方で、固まった八百万は口元が震え始めていた。

 

「え…え…!?個性がない!?個性が!?え!?」

 

震えながら先程の彼の言葉が頭の中を過ぎると同時に自身と常闇を打ちのめしたあの身体能力を思い出す。

 

「…ということは先程の身体能力は素!?素で鉄を砕く脚力!?え!?ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?????」

 

その後、戻ったA組陣営にて、八百万が拳太郎の個性が無個性であった事を皆に話すと、皆も激しく混乱したという。

 

 

 

 

そして、あらゆる試合が次々と終わっていき、遂に準決勝の幕が開けられるのであった。

 

組み合わせはAブロックでは轟VS飯田。そしてBブロックでは『爆豪VS神堂』

 

 

 

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