メンタル崩壊転生者が爪痕を残しまくって終わる話   作:じゃがありこ

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第2話

無人島転生日記8

1:イッチ

いつもの日記抜粋。

 

◆月■日

安価でパンドラとの接し方が決まった。デロデロに依存させて最終的にパンドラの前から姿を消す。まあずっと一緒にいるとは思わないし、パンドラが箱を開けるだろう。

 

◆月■日

パンドラは純粋で素直だと思う。終末ではないから箱を開ける気はないらしい。しかし、この不可思議な神話の時代ですら迫害を受けるというのに、先の時代に進めばどんな目にあうのだろうか。

 

◆月■日

5年が経ち、俺とパンドラの容姿が変わらないことを不気味に思った近隣住民が襲ってきた。なのでお掃除したが、居住エリアを変えた方が良いだろう。

 

◆月■日

自分と同じく永遠を生きる俺という存在はパンドラにとって特別らしい。それはそうだ。俺にとっても親近感を覚える相手だから。

 

◆月■日

パンドラとデートしたついでに、時代の情勢を聞いてきた。

 

まず今はトロイア戦争初期。

 

人間界の人口が増えすぎたと感じたゼウスは、人間同士争わせることを思いつき、計画を始める。程なくして天界で、女神テティスと人間の英雄ペレウス(アキレウスの両親)の結婚式が執り行われた。結婚を祝う宴席には全ての神が招かれたのですが、不和の女神エリスだけは招かれなかった。これはゼウスの策略だ。

 

エリスは怒り、結婚式に「最も美しい女神へ」と書かれた黄金の林檎を投げ入れる。そこで3人の女神ヘラ、アテナ、アプロディテが互いにこの林檎を欲しがり、争った。ゼウスは誰に林檎を渡すのかの判断を、地上で羊飼いに育てられてたトロイアの王子パリスへと委ねた。パリスのもとに落ちてきた林檎。パリスがそれを手に取ると、ヘラは「栄光」、アテナは「勝利」、アプロディテは「最も美しい女性」を差し出すから林檎を渡してほしいとパリスに迫り、パリスはアプロディテを選択。

アプロディテがパリスに差し出した女性こそが敵国スパルタの王妃ヘレネだった。パリスはヘレネを略奪し、怒ったスパルタ王メラネオスと兄のミケーネ王アガメムノンがトロイア王国に攻め込んだ。

 

今ここらしい。

 

ロキとか言う性格終わってる神がリークしてきた。

 

◆月■日

神ってロクでもないな。ロキを殺してそう思いました。

 

◆月×日

戦争、終わらせるか。

 

 

2:名無しの一般人転生者

色々、起こってるな。

 

3:名無しの一般人転生者

時間飛びすぎ。さてはリア充してたな?

 

4:名無しの一般人転生者

イッチが年単位でいなくなるの初めてじゃないかな

 

5:名無しの一般人転生者

誰も突っ込まないのか?

 

6:イッチだぞ

トロイア戦争の余波で、治安悪化して煽り受けるのクソだわ。ワイが戦争を終わらせる。取り合えず、人類皆殺しでいい?

 

7:名無しの一般人転生者

これはひどい

 

8:名無しの一般人転生者

神殺してんじゃん

 

9:イッチだぞ

皆殺しは冗談。

戦場を掻き回して両方を疲弊させる。悪いけど、兵士は殺す気でやる。喧嘩両成敗や。

 

10:名無しの一般人転生者

皆殺しでいいわけないやろ

 

11:名無しの一般人転生者

ここは神殺しで安牌や

 

12:イッチだぞ

それはそれとして、ロキを含む神が干渉してきてうざかったのでゼウスを殴りに行きます。

 

13:名無しの一般人転生者

 

14:名無しの一般人転生者

 

15:名無しの一般人転生者

 

16:名無しの一般人転生者

イッチ狂人すぎ

 

17:イッチだぞ

その前にパンドラを見て癒されます。

【画像】膝枕されているパンドラ

 

18:名無しの一般人転生者

!!!!!!!!

 

19:名無しの一般人転生者

エロいー

 

20:名無しの一般人転生者

距離詰めすぎや

 

21:名無しの一般人転生者

何したんだ。

 

22:イッチだぞ

永遠を生きる俺が終わりまでいてあげるとか、一人じゃないとか囁く、襲われたところを助けるなど?

安価だからね

 

23:名無しの一般人転生者

英雄みたいだー(白目)

 

24:名無しの一般人転生者

着実に進めてるな、安価を

 

25:名無しの一般人転生

裏切るために好感度をあげる、人の心とかないんか?

 

26:名無しの一般人転生者

正直に言え!パンドラちゃんの曇り顔が見たいだけだろ!

 

27:イッチだぞ

当たり前だろ?目に光のない美少女最高だぜ!

 

28:名無しの一般人転生者

うーん、この

 

29:名無しの一般人転生者

でもみんなすきだろ?

 

30:名無しの一般人転生者

それはそう

 

31:名無しの一般人転生者

当たり前だろ

 

32:名無しの一般人転生者

ロキ殺しは何でやったん?

 

33:イッチだぞ

パンドラが孤独から解放されてムカついたからちょっかいかけにきたらしい。上げて壊す美学が足りないと説教をして殺したわ。日記帳でロキの神性を剥いで神性だけ貯蔵してる。何かに使えるかなーって

 

34:名無しの一般人転生者

日記帳万能やな

 

35:名無しの一般人転生者

やっぱ情緒不安定だよな、イッチ

 

36:名無しの一般人転生者

だいぶ、まし

 

37:イッチだぞ

そういえばオリオンを名乗る筋肉を昔助けたんだけど、そろそろ解凍するか

 

38:名無しの一般人転生者

 

39:名無しの一般人転生者

史実を変えてやがる

 

40:名無しの一般人転生者

オリオン生きているん?

 

41:イッチだぞ

アルテミスの矢から助けたけど、死に掛けてたから冷凍保存して生かしてるんだよね。アルテミスとの契約でそろそろ解凍する約束をしている。

 

42:名無しの一般人転生者

 

43:名無しの一般人転生者

聞けば聞くほどわけわからない

 

44:名無しの一般人転生者

何で冷凍保存

 

45:名無しの一般人転生者

オリオン、筋肉扱いなのかw

 

46:イッチだぞ

あ゛

 

47:イッチだぞ

ゼウスだ

 

 

 

 

 

71:イッチだぞ

ゼウス君と取引した。ひとまず主要な英雄はころしますねー

 

72:名無しの一般人転生者

は?

 

 

 

 

 

 

 

青空が広がっている。白い雲は一つ二つとまるで果実の種のように浮いている。

 

夏と比べて雲の位置は高く大きさもずっと小さいそんな高く澄み渡った秋の空を 1陣の風が駆け抜けていく。

 

爽やかな晴天だ。実に デート日和だ。

 

今日はデメテルを信仰する街で豊穣の宴があり、そこで羽を休めることにした。

 

大通りには数えきれない人々と多くの品々が置かれている。

 

黄金色に輝く小麦の山、色とりどりのベリーやリンゴ、大きなかぼちゃに溢れんばかりの豊穣の恵みは宝箱の中身よりも華々しく映る。

 

「おお!テンション上がるな!如何にも祭りって感じだ」

 

「わあー!」

 

目を輝かせるレコードとパンドラ。レコードの造形した国にも祭りはあったが、あくまで御飯事、人が作った本物には勝てない。パンドラもこういった祭りに誰かと参加するのは初めてであり高揚感に支配されていた。

 

「これとこれと、後これもください!」

 

パンドラとレコードは、ちょうど焼き上がったばかりのパンを購入し、小さくちぎって口に放り込む。

 

ほんのり甘いその味に口元が緩んだ。パンドラと顔を見合わせて思わず笑みをはじけ、しばし食べ歩きを行う。

 

「年上のお姉さんの私が食べさせてあげる。口を開けて?」

 

そう言って、パンドラは不意にパンをちぎって目の前に差し出した。

 

にこやかな瞳には悪戯の光が宿っている。

 

パンドラは時折、こうして年上風を吹かせた行動をする。確かに、パンドラは数百年を生きており、年上といえば年上だが、正直感覚的には年上だと思っていない。というか、こういうことをされるとやり返したくなる。なぜだろうか?他のやつがやってもそんな風には思わないのに…。レコードはそんな疑問を消し去る。

 

「ではお言葉に甘えて、姉さん(・・・)?」

 

レコードは、差し出しているパンドラの右手をつかみパクリと自然に食べた。

 

「ッ!?!!!!!!!!」

 

一瞬フリーズし目を丸くするパンドラ。完璧な笑みを浮かべ、勝ち誇るレコード。

 

彼女は、握られた手を見てかなりうろたえている。いつもであれば、『年上とか言う概念がどうでもよくなる年月生きているだろ』『見た目だけで俺の方が年上だろ』と返されるので、素直な反応に理解が付いてこないのだ。

 

赤面し出し、顔から火が出そうなハンドラをニヤニヤと眺めながら追撃を行おうと手元を動かした。

 

僅かばかりにパンをちぎり、口元に押し当てる。パンドラは、借りてきた猫のように従順にそれをパクリと可愛らしい唇が指に少しだけ触れ、もごもごと口を動かす彼女に、レコードは悦楽を覚える。

 

「ユーリア………いや、パンドラ(・・・・)

 

化け物として迫害され殺される。その度にパンドラは名前を変えた。しかし、レコードは最初の名前を呼びたがった。

 

「今、楽しいか?」

 

「………ええ、楽しいわ。貴方のおかげで」

 

少し陰はあるがそれでも安らかな笑顔がそこにはあった。

 

「俺はお前と同じ永遠を生きる者、流転に取り残され輪廻の輪から外された異端者だ。だから、絶対にお前の隣は離れない」

 

レコードは思う。孤独に慣れることはできても超克は不可能だと。だからこそ、パンドラは自分に依存するはずだと。

 

「そしていつか、必ずお前に終わりを与えてやる」

 

少年は来る未来を思い浮かべる。そんなシリアスを挟みつつ平和の時間を日が暮れるまで過ごした。レコードは、一時的な拠点としている家までパンドラを送り届け、拠点から数十分離れた崖の上に、足を運んだ。

 

帰り道、ずっと見られているのを感じていた。

 

「何の用だ?」

 

後ろを振り返るとそこには一柱の主神がいた。ギリシャ神話におけるオリュンポス十二神の頂点。

 

「ゼウス」

 

髭を蓄えて筋骨隆々とした肉体を誇る石膏像のような男は、凄まじい眼光をレコードに向けて、大気が響く声で問いを投げる。

 

「貴様は何者なのだ、異端の神性よ」

 

「………」

 

「貴様の目的は何だ?」

 

「教えてる思うのか?」

 

互いの魔力が膨れ上がり、不可視の力として空間を掌握していく。空は雷で震え、大地は強風が吹き荒れる。

 

「ロキを殺したようだな」

 

「ああ」

 

「よほど、あの泥人形に手を出されかけたことが頭にきていると見える。再度、聞こう。貴様は何を目的にしている」

 

それはこれまでの声色とは違う。敵意はない。怒りもない。器量を測るための問いかけだった。

 

「―――――――――」

 

暫し沈黙を挟み、視線を交錯させる。レコードは静かに答えた。言葉に淀みはなく、どこまでも平坦だった。

 

「クハハハハ」

 

ゼウスはそれを聞き、獰猛に少年を見据える。

 

「いいだろう、貴様に取引を持ちかけたい」

 

「お前は何を差し出す?」

 

「貴様の歪んだ独占欲を見逃し、今後一切の干渉を神たちに禁止する。これでどうだ?」

 

「何を望む」

 

「英雄たちを間引け」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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