猫の命も9つまで!    作:継木

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 挿絵は都合上、ほとんどの文字が抜けてます!本文書き上がる前だったから仕方なかったんや…


***ねこ:オリジン

 

 

「オハヨウ…。早速だが…ヒーロー志望の爆豪勝己くん、俺の仲間にならないか?ああ、()()()も一応確認しておこうか。緑谷…寝子か?」

 

 

 ぴるぴると耳を動かすことで示す。が、後ろから人間の耳がある辺りと…尻尾を突然触られてねこはめちゃくちゃ目を見開いた。尻尾もボワボワ、ビックリしたー…!

 隣にはカッチャン(爆豪勝己)も居るらしく、この室内の視線はねこの隣にも注がれていた。

 

「寝言は寝て死ね…!」

「出久くんに似てるねカアイイね…!ボロボロになったらもっとカアイイと思う!

「………」

「お前も何か喋れよ」

「知らにゃあ(ない)人と話しちゃダメって」

「もう自己紹介はしてるだろ。つまり知らない人じゃない。OK?」

「あっ確かに!」

「それでいいのか!?別にいいだろ!」

 

 

 

 …おもむろに弔がピッ―と点けたモニターからは雄英の謝罪会見が流れている。ヒーロー科の担任と、校長先生が揃ってスーツで…馬鹿らしい(実に無責任な)質問を飛ばされていた。

 

 

「不思議なもんだよなぁ…、何故奴ら(ヒーロー)が責められている!?」

「奴らは少ーし対応がズレてただけだ!

 守るのが仕事だから?誰にだってミスの一つや二つや三つ四つある!

 お前らは完璧で居ろって!?

 現代ヒーローってのは堅っ苦しいなァ…爆豪くんよ!」

「…守るという行為に対価が発生した時点で、ヒーローは英雄でなくなった。これがステインのご教示!」

「…そう、人の命を金や自己顕示に変換する()()。それをルールでギチギチと守る()()。敗北者を励ますどころか――()()()()()()()

 俺たちの戦いは問い。ヒーローとは、正義とは何か?この社会が本当に正しいのか今一度ひとりひとりに考えてもらう!」

 

「俺は勝つつもりだ。――君も、勝つのは好きだろ」

 

 

 

 スカウトだ。対等にいこうと言う死柄木の指示で、爆豪の拘束を何だかんだでトゥワイスが、ねこのは女のコが。

 ちょっとだけチウチウしてもいい?チウチウ?そう!真っ赤な血をチウチウするの!今はや〜。なんだか気の抜ける会話にトゥワイスもほっこり、ねこもぽんやり。

 

 

 

「――――――――……――。」

「――――――――」

「――君なら、それを」

 

 

 ゆらゆらと此方に近付くソイツ(死柄木弔)を、爆豪は盛大に爆破して笑う。

 

「――俺は、()()()()()()()()()姿()()()()()!そこァもう曲がらねえ!!」

「…お父さん……」

 

 

 

 今もまだモニターからは謝罪会見が流れ続けている。ねこは拘束が解けてもぼんやりまだそれを観てたけど――爆豪の声で引き戻される。

「言っとくが俺()ァまだ戦闘許可解けてねえぞ、お前もだ!協力しろバカ猫!」

「は!?誰がバカ猫だ脳ミソ爆発野郎!ねこはねこだが!?ちなみに今は何の話だ!?

「…いや話聞いとけよ…」

「自分の立場よく分かってるわね…!賢しい子!」

「刺しましょう!二人とも!」

「飛び火してら」

「その気がなねえなら懐柔されたフリでもしときゃいいものを…てかコッチは何の用で?」

 

「したくねーモンは嘘でもしねんだよ俺ァ…こんな辛気くせーとこ長居する気もねえからな。」

「…………」

「…ッいけません死柄木弔!」

「?」

 

 

「…いい、お前らは手を出すな…」

 

 出来れば少し耳を傾けて欲しかったな…なんてぽつり呟くソイツ()はおもむろにモニターの方へ向きなおり力を貸せ、と言う。ねこはずっとわからんだった。さっきまで森の中に居たのに、気付けば室内だ。敵にも囲まれてるのだ、でもなによりも揺さぶられたのが――…

 モニターはノイズがかかり、Sound Onryと表示されていたのだけれども。そこから聴こえてくる音…声、は……。

「先生…?」

 

 

………良い――判断だよ死柄木弔。

 

 

 

 

 

「ッ今の声って…!」

「おいおい暴れるなよ、どうした緑谷ァ…」

「てめぇがボスじゃねぇのかよ…!白けんな…!」

「はー…黒霧、コンプレス。()()二人とも眠らせて仕舞っておけ。…ここまで人の話聞かねーとは逆に関心するな。雄英の英才教育の賜物か?」

 

 ねこがモニターを掴んで、その鋭く伸びるようになった爪で少し壊しかけてマグネに手をそっと抑えられる。と同時にドアからノック。

「どーもォ、ピザーラ神野店です――」

 SMASSH!突如として壁が壊されて出てきたのは――オールマイト!死柄木が黒モヤに何かを指示し―動く前にほかヒーローが突入してきて捕縛、炎の個性を持つらしいダビは真っ先に意識をオトされていた。

 

「もう逃げられんぞ敵連合…()()って!?

――――我々が来た!」

 

 

 

 

 

「オールマイト!…おまえ!」

「緑谷少女!爆豪少年!怖かったろうに…よく耐えた!もう大丈夫だ!

 

 ねこも解放されて、でもオールマイトに背を向けたままなのはさっきのあの声…

 

 

 ……あいつだ。間違えようもない、あの…

 

 

 

「――()()()()()()()な、ここで終わりだ死柄木弔!!」

 

「オールマイト…、これがステインの求めた…ヒーロー…」

「終わりだと…?ふざけるな…始まったばかりだ…」

「正義だの…平和だの…あやふやなもんでフタされたこの掃き溜めを――――……」

 

 

「――きみ、緑谷くん!大丈夫かっ?」

 

 何やらブツクサ言っていても、やっぱりねこはオールマイト達に背を向けたまま、ウンともスンとも言わなくなったモニターの方をずっと見ていた。

「ウン…ねこは…」

「…………………………………………………………………………………………………………………」

 

「お前が出久の妹か?ソックリだなァ、後で話聞かせてくれや」

「ふざけるな…。こんな…こんなァ…」

 

「寝子くん!そっちの方に何かあるのかな、それとも…」

「こんな…あっけなく…」

 

「寝子くん!?」

「ふざけるな…」

「失せろ…」

 

 

「吐きそう。…」

「失せろ……………消えろ…………………」

 

 

()は今、どこにいる死柄木ィ!!」

 

「お前が!!嫌いだ!!!!」

 

 

 ――水音がする。どこから?ねこの、喉からせりあがってくる。…吐瀉物ではないもの。グプリ、ゴボゴボと込み上げてきて…

 

「おえっ…」

 

 湧きでてきたのは、黒いインクみたいな…

 

「…ぁ?」

「ねこくん!!!」

「っだこれ体が…飲まっれ…」

「爆豪少年!!NO!!」

「NO!!」

 

 

 黒いインクのような液体が敵連合、そして生徒2人を呑み込み…同時に中空から湧き出てきた方からは脳無と思しき怪物が内外問わず出てくる。咄嗟にオールマイトは爆豪が消えないように…あるいは同行できるように抱擁をしたがあえなく…消えてしまった。

 

 

「対象のみを転送する系の『個性』か!やられたな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、ほんの…ほんの数分前のことだ。近くでも似たような大捕物があった…。八百万百の個性によって突き止められたアジトのうち一つに張るため変装した切島、出久、飯田、八百万、轟は、粛々と進む()()を遠くから見ていたけれど…もうそれこそ。丁度帰ろうって時に、なにか異変があったらしい。ヒーローたちは警戒し始めているようだった。

 

「すまない虎。前々からいい『個性』だと……、()()()()()()…貰うことにしたんだ

 

 

 毒虫が知らず知らずに耳から入ってきたような、柔らかでよく通る…なのになぜか胸騒ぎが止まらないような、心臓がバイオリンの弦になったみたいな…嫌なゾワゾワが止まらなくて仕方なかった。

 おそるおそる後方を仰いでしまったけれど…ヒーロー達がきっとやってくれるだろう。きっと。だから僕たちは待ってるだけで…

 

 ――――なんて思ったのを出久は、出久達は後悔した。

 

 

 

 

「折角弔が自身で考え――()()()()()()()()()()。出来れば邪魔はよして欲しかったな…」

 

 

 …振り向くことすら!仰いで、振り向くなんてことすら出来ない――一瞬一秒にも満たないその出来事!色濃い恐怖、

 何が起きたのか分からない。それでもその男の気迫は、僕らに明確な死を錯覚させた。

 

 

(弔…って、死柄木の事だ!なんだよ…ウソだろオールマイト!)

 

 

 まさかじゃあ、あれが………

あれが、オール・フォー・ワン………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ねこは、なにがなんだかわからなかった。

 急にせりあがってきた液体がねこを覆い、それでよく知らん場所に移動してたことも。十数年振りに聞く、耳に馴染んだ…だけどちょっぴり聞き馴染みのない声が聞こえてきたことも。

 

 

「――おや、も居たのか。」

「ェ゛ッホ!!くっせぇぇ……」

「ゔぇ…にゃん、だ…こ………れ。…って、おま、――…おまえッ!

(ねこ!?)

 

 

【挿絵表示】

 

 

()()()()()()!まさか、おまえと逢えるだなんて!」

「声だけじゃ分からなかったけれど…今ならハッキリとわかる。なあ、ねこだろ?

「そう!もうちょっと撫でてくれ」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 懐かしいなあ。ゴロゴロスリスリ男の手に頭を擦り付けるねこは気持ちよさそうに目を細めていて、熟れた林檎と同じくらい充ち足りた…主人公に瓜二つの、けれどその場にどう考えてもそぐわない(笑み)。存在すら悼ましい、ただ…僕たちが虫ケラのように息を殺し、それでさえガタガタと震えだす腕を握りしめ…あるいは物理的にも息を止めて…物理的距離も充分にとっているというのに、だのに五月蝿い心臓。過呼吸を繰り返すこの身体、噴き出す汗は気化してスゥと頭を嫌なくらいに冷やすけれど、不協和音で奏でる讃美歌がピーンと張り詰めて…紙ヤスリみたいに正気というものを削りとっていくような。

 ――そんな、ポッカリと洞のような口を開けた怪物(ジャバウォック)のうちにねこはあっさりと入り込んで。抱きついて、きゃあーってはしゃぎながらするすると登る。

 

 

「なあ!久しぶりだ!本当に!すこし変わったな!」

随分と久しぶりだよなあ!――およそ()()()くらいかな、嗚呼でも…再会を喜ぶのは今じゃない。」

 

「どういうことだァ…寝子!!!」

「…………。……?」

「気にする事はないさ、ねこも…弔も。またやり直せばいい。」

「先、生……」

「なんかシレッと話進んでるけどアイツなんなんだ」「知らん」

「いくらでもやり直せ。その為に僕がいるんだよ、」

「すべては君の為にある。…」

 

 

 

「…ねえ。」

「やっぱり来ているね…」

 チョイチョイ、と肩車をされているねこははるか遠くを指さす。つられて男も空を仰ぎ――やってきたオールマイトの拳へ(ねこの首を引っ掴んで)盾を掲げる(にした)

 

 

なんて卑劣…!全て返してもらうぞ!!オール・フォー・ワン!

「また僕を殺すか、オールマイト?」

 

 

 

 

 

 子供(ねこ)()を前にしてその『個性(ちから)』を奮うことも出来ず。直前で軌道を逸らしたオールマイトの脇腹…古傷目掛けて男は拳を突き刺す。しかし当然のように受け止められ、衝撃の余波が辺りに広がった。

 

「にゃあ〜っ」「おっと危ない、大事な生徒が怪我するところだったよ。」

「緑谷少女を離せ外道め…!」

「はははは。ヒーローは守るものが多くて大変だなぁ、随分と遅かったじゃないか!」

「抜かせ!」

 

 

 再びの衝突。しかし今度も明確に威力が減衰していたオールマイトの拳は当然のようにはじかれる。転送されたほかの…(ヴィラン)連合、爆豪たちは飛んでくる瓦礫等から身を守るため地を這っていた――這うことしか出来なかった。

 それほどまでに、凄まじい。背負っているねこの事を全く気にもかけず遠慮なしに吹っ飛ばすオール・フォー・ワンは丁度いい盾(引っ付いたねこ)が吹っ飛ぶ度ワンアクション挟んで回収するので、まアどっちもどっちだった。

 そして彼はおもむろにジャケットを脱いで…頭上に渡す。

 

「羽織っていなさい。細かなキズ程度ならば防げる」

「なん――ッのつもりだオール・フォー・ワン!早く緑谷少女を解放しろ!」

「おっと、当たってしまうよいいのかい?僕ならともかくねこに当たれば無事では済まないだろうなあ!」

「戯言を……!!」

 

「――バーからここまで5kmあまり、僕が脳無を送ってからゆうに30秒は経過している。…衰えたねオールマイト。」

「貴様こそなんだその工業地帯のようなマスクは!大分無理してるんじゃあないのかッ!?」

ヒソヒソ…ヒソ…ヒソヒソ…(なあ、ねこ邪魔じゃにゃい?)

「ははは、心配する事はないぜ?でも危ないからしがみついていてくれよ」

「?――…。、五年前と同じ過ちは犯さんぞ」

 

 

 

 息を整えたオールマイトはその鍛え上げられた全身をバネみたいに、風をまきあげながら…拐われた生徒2人を取り返し(ヴィラン)連合ごと貴様(AFO)を刑務所にブチ込む!と息巻いて再び一直線に突っ込んでくるんだった。

 単純な軌道のそれはしかし、オールマイトの超パワーもあってその質量と共に隕石が如く突っ込んでいくというシンプルながらも小細工の通用しない攻撃になる。

 

 

 

 

「――…それは、やることが多いね。…お互いに!」

 

 

 指揮でもするみたいに持ち上げた仇敵の左腕部が一瞬だけ大きく膨れあがり…こちらに掌が向けられたかと思えばとてつもない圧迫感。しかし仮にもNo.1ヒーロー(平和の象徴)、瞬時に後ろに飛び多少なりとも衝撃の軽減を図るけれども…………背後にあったビル・マンション・施設ほか…多くのひとや建物を巻き込み倒壊させながら数kmは吹っ飛んだ。

 ねこは言われた通りに全力で――男の頭を抱き締め引っ付いて、それでも渡された大きなジャケット越しにビシバシ細かな砂利が背後へ流されるのをひしひしと感じとっていた。もちろん周りも無事でなくて、(ヴィラン)連合のメンバーも一部は風に瓦礫にで体勢を崩したりだ。

 

「『空気を押し出す』+『圧縮』『筋骨発条化』『瞬発力』×4『膂力増強』×3。この組み合わせは楽しいな…増強系をもう少し足すか…」

「凄いなー!吹っ飛んで行ったぞ!おまえ強かったんだな」

「オールマイトォ!!!」

「心配しなくてもあの程度じゃ奴は死なないさ。…だからここは逃げろ弔、その子も連れて。」

 

 

 

 

 男の指先に赤い亀裂が入り、そこから黒い…まるで爪のように伸びる鋭利なソレが気を失っている黒霧の体を貫いた。さすがに苦言を呈したマグネだが、()の『転送』はまだ出来たてで黒霧の『座標移動』の下位互換だと彼は語る。

 本人が気を失っているにも関わらず『個性』を強制発動させ(!)ワープゲートを開いたオール・フォー・ワンは死柄木弔のすぐ隣にねこを降ろして……ねこの頭を優しく撫ぜた。()()()()()()()()()()()

 

「――――――ッぐ、ゔ…あっ…!」

「…こいつ、…………。」

 

 

「――――行け。常に考えろ弔、君はまだまだ成長出来るんだ」

 

 

 

 

 

「行こう死柄木!あのパイプ仮面がオールマイトをくい止めている間に!コマも連れてよ!」

「………ああ。コイツは放っておいていいらしいから、そっちの(ガキ)優先だ。」

「合点」

 

「爆豪少年……!今行くぞ!

させないさ。その為に僕がいる――し、ほら見ろよ。お前の大切な生徒がもがき苦しんでいるね?」

「緑谷少女――――っガ…ッ」

 

 

 

 

 6、7mほど離れた場所。未だ誰にも気付かれていない五人はヒソヒソと作戦会議を始めた。今すぐ逃走を選ぶべきという飯田に出久は戦闘行為にならず、かっちゃんを助け出せて逃走もできる!じゃあねこくんはどうする、そっちの方に曲がるよう道を形成して――――

 

 急拵えの突貫工事。しかし火事場にしては上出来だろうその策を実行し――爆豪が合流した!追い掛けた敵をMt.レディが文字通りその身を呈して阻み、出久たちは急旋回。ねこを拾って、離脱するのだ。

 ()()()()()()()()()()()()()()()、でもねこは盾にされていたりで…今も苦しんでいる!

 よろめいて、頭痛がしているのか頭を抑えている片割れ()は、確かにこっちを見た。眉を歪ませ、その真黒の左眼で!

 

 

 

 ()()()()()()()!あの時伸ばせなかった手を、今度こそ――――

 

「ねこ!手を!君も――助けに来た!!

「…」

 

「ここは危ない!はやく逃げないと、だから――」

「うるさいな」

 

「「!?」」

 

 

()…に。お前の、手は要らないよ…――()()()

 

 

 

 しかして伸ばした手は跳ね除けられた。他でもない…()()()()()

「え…」

「だからどういうことか聞かせろやゴラ!!」

「二人とも!追撃が来るぞ!早く逃げなければ!」

 

頭に響いて止まんだ。――さい、ねこはねこででも猫じゃなくて…ヴ…、黙れ黙れね以外ゃ………」

 

 

「逃げよう!」

 

「―…要らないっ」

「嫌だ!!」

 

「気持ッち悪いなァ……!!!」

 

 

 

 5%のフルカウルで強引に掴もうとした腕の代償はすぐに分かる。出久は、寝子に顔を引っかかれたのだ。痛みが走って、次いで熱。鮮烈な赤が出久の視界を遮ったけれど…それでも、尚手を伸ばす。

 更に、向こうへと!

 

「緑谷くん!もう、……!」

「ねこ!手を!!」

 

 

 

 

 

 おおよそ1m程の距離は、充分なくらいにねこの顔が見えて……。僕にそっくりな、でも確かに違うとわかる双眸を泣きそうに歪めて…――――それから、笑った。

 見たことの無い顔で。初めて見る顔で。泣きながら笑って、大声をあげて笑って。涙を流しながら――ひどく白けて、つまらなそうに目を眇めて…僕たちはオールマイト達の戦闘の余波で吹き飛ばされた。

 最後に少し見えた口元は歪に持ち上げられているのがなぜか目に焼き付いて仕方がない。

 

 

 これ以上の長居は邪魔になる。けれど――

「加速するぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 とってもらえなかった(気持ち)を置き去りにして否応なしに時は加速する。

 戦場にはグラントリノが参戦し、また目標が逃げてしまったことで綺麗に形成は逆転。強制発動された『磁力』によってトガヒミコの…ワープゲートの方へ敵連合はまとめて吸い込まれていく。追撃せんとした老いぼれを貫き、無事弔も吸い込まれていく。

 ひとり、一人と吸い込まれていく事にそのワープゲートは目に見えて小さくなり…ついには人ひとり分ぐらいの等身大の大きさ。

 

 

「きみは弔についていけ」

「――おまえは?」

「さっきも言ったろう、「再会の時は今じゃない…。」

 

 風で吹き飛びそうな大きいジャケットを片手で抑えて、ねこもまたこの先へ向かう。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「緑谷少女ッ!!!」

 

 しかして、呼ばれた声に振り向こうとして――…青い星(一番星)を見た。眩い、(ねこ)も灼くほどの光だ。イカロスの翼さえも溶け落ちる、そんな光だ。

 ねこを信じる気持ち。希望、期待、未来!重ねてみている出久(アイツ)、そんなものが浮き彫りになった目線は今のねこには居心地悪い。

 

 

 

「…名前をあげようか!」

「名前?」

「うん。誕生日おめでとう、今日からきみは…死柄木ねこだ。」

 

「すみませんグラントリノっ!」

 

それ(死柄木)は?」

「私の名字」

「…ありがとう、()()()()()…?」

「今まで通りで構わないぜ!」

「待って、待ってくれ緑谷少女ッ、そこは、その先は――」

 

 

 

 

 

いってこい。

そこが君の、――ヴィランアカデミアだ!







 ルビ芸で遊んでる時2回くらいデータ消えてガチ凹みましたがここでひと区切りです
 こっからは敵サイドから描写していくことがメインになり、すっごい楽しみワクワクです、更新ペースはなるたけ落としません。主人公のオリジンが多い点に関しては、はい、その………ねこだから。ということで…
……スゲェ……ありがとうございます…!!!!!!!感想、評価ほかもしっかり見させていただいてます!ここすき!とかも見返してめちゃくちゃわ〜!ってなってます!ありがとう
 高評価とかあったら嬉しくなるのは人の性。でも文字数もテンションも微〜クールダウンして、(それとひと区切り着いたので自我マシマシで、)なんかまだ拙いんですけど、というか曇らせの定義が分からなくなってきたんですけれど。完結までぜひ見届けてやってください!

追記: 投稿頻度関係のアンケート設置しましたので、ぜひポチー!お願いします
:アンケート投票ありがとうございました!

投稿頻度と文字数についてです(クオリティは変わらず頑張ります)

  • 今まで通り。毎日更新
  • 2日に1話。文字数が倍
  • 挿絵増加で数日に1話(1話分は1、2枚)
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