状況説明回です――視点コロコロ変わりほぼほぼ原作と変わりないので読まなくても支障はないです
三月下旬。その日、街からヒーローが消えた。
――「力」を手に入れる前にと。その、強化が行われている…敵の首魁潜む蛇腔病院と。
――超常解放戦線の、隊長格が集う定例会議会場…群訝山荘へ。
突入だ。
マンダレイによる避難指示、病院内部に潜入していた塚内警部の部下が
エンデヴァーに声を掛けられ異様に怯え逃げ出した彼をイレイザーヘッドは捕縛布で妨害し視た。途端老け込む
他のヒーロー達はというと、想定される脳無との戦闘に備えて総員で患者などを避難させている者が大半で…機動力・攻撃力に長けるヒーロー……例にあげるならミルコ等、は事前に得た情報から霊安室の奥へ突入を果たしていた。
『エンデヴァー――――――』
突入班のミルコから入れられた通信と同時。イレイザーヘッドに拘束されていた
「――ホホ!ワシが
蛇咥病院のずっと地下深く。殻木球大――ドクターはほくそ笑む。…しかしこの培養してきた数多くの『個性』ストック!最上位たち!なによりも――
これも全てかの忌々しきヒーロー共のせいだ。苦渋の決断で
ようとして、目の前で
「――てめぇは本物か!?」
殊更に大切な『個性』ストックを抱えながらも――目の前の状況に
『心からありがとう。――我が友よ。』
それらが彼の脳裏を一瞬で過ぎ去り、ようやく脳は事態を認識し…絶叫するのも無理はなかった。
湧いて出てきたようなあまりの数の脳無に、エンデヴァー達は戸惑いながらも着実に撃破していく。院内の避難も丁度終わり…他ヒーロー達は霊安室の奥、脳無らが転がっている通路を、まだ湧いてくる脳無を撃破しながら駆け抜けている最中だった。
通信をしっかりと入れた彼女…迫り来るヒーローミルコの健脚にドクターは死を覚悟しながらも懐の起動装置を取り出して――そして起動する前に
「モカちゃ…」
複数の『個性』を持てるよう――改造された死体。意思は無いようで、プログラムされた行動しかとれないつくりをしている。現在分かっていることは『個性』の所持数、そして改造強度によって暫定的に下位・中位・上位と――
上位の肉体性能は、最低でも常人の10倍。
これら改人脳無の中でもAFO無き今は
定着率は75%と99%、弔と――ねこだ。頼む、たのむ。間に合ってくれ…これらを、どうかと祈る殻木に
一方その頃。群訝山荘でもほぼ同時に掃討突撃が行われていた。後方には学徒を配置しての必死な姿勢だ、前線には一部生徒も駆り出されていて――
「みっ、皆と居たいよーーー!!!」
そのうちの一人。
山荘内では懸念していたホークスの裏切りに。そしてセメントスの『個性』によって山荘はふたつに裂け始めて…呆然と立ち尽くす戦線メンバーのうち、スケプティックのみが狂ったように…唯一ほぼ正確に状況を把握しているが故の的確な指示を飛ばしていた。
そして、大穴が空いた。べろりと皮膚が剥がれるように山荘内がさらけ出されて――
「
「
かねてより鍛え上げてきた…『異能』、そして研ぎ澄まされた意志をもって超常解放戦線側は奮いたつ。
守るべき方々のこれからを守るためにと、背水の陣で逃さない布陣を敷いてヒーロー側も湧き上がった。
その濁流の最中にあって揺れ動く青少年が居るのも仕方なかったけれど――彼もヒーローの卵だ。どこかの誰かとまではまだ至らずとも、
「――ハイ!幹部一名、無力化成功―――」
広範囲気絶も狙えるような…まさにそうだったろう放電を上鳴はひとところに集め避雷針となる。そうして一瞬生まれた揺らぎを――エッジショットやミッドナイト、シンリンカムイを筆頭として次から次へと無力化していく。初動を完全に挫いて、それから包囲網を徐々に狭めていくというかたちだ。
もちろん、他のところでも其は行われていて……地下の神殿、リ・デストロとギガントマキアが居るところには逃げ道を潰しつつも常闇踏陰の黒影が突入した。
ストレスによって巨大化し、黒影を抑え込もうとするリ・デストロを通路を破壊しながらも押し込み…役目を終えた彼は
脚を、耳を、その身体を失いながらも兎は跳ねる。配線で埋めつくされた壁を、蹴り跳んでいざ
例え、刺し違えたとして。ここで、ヒーローミルコが終わるとしてもこれだけは出しちゃいけない!『兎』の生存本能が身体が理解して鳴らすその警鐘のけたたましさに従って――加速し、
蹴り、割った!
追尾してきていた脳無の触手に後引かれ…勢いこそ衰えてはいたものの。確かに、ヒビが大きく入る。煙を吐く計測機器、割れた画面にはノイズとブルーバックが混じっていて…連鎖して大きくヒビ割れる培養槽と、ソコから漏れ出す溶液。
音を置き去りにしてミルコは脳無の触手に連れ戻されて…そのままエンデヴァーに激突する。出血多量に痛みにで意識が朦朧としている彼女はしかしこれだけはと喉から絞り出した。
『潰せ…!奥に居る
当然その通信は現在脳無と戦闘しているイレイザーヘッド、プレゼントマイクらにも届いて。
『皆聞け!死柄木はカプセルに入ってる、多分起動装置だ。
『抹消』ヒーローイレイザーヘッドは瞬時にこの数秒後来る増援…それを待つ数秒ですら惜しいと理解しエクスレスとマイクに激を飛ばす。
『――死柄木らを起こすな!あれはもう只の――…』
そうして突入した奥の部屋。カプセルに向けて、ソレに向けてラウドヴォイスをプレゼントマイクは放つ。起動しようとしていたらしい
「――真贋確認!」
対象を殴り飛ばしたプレゼントマイクをよそにエクスレスは迅速な確認を行う。が、…
「………………?――
死柄木の身体は(濡れているのもあるけれど)つめたく、呼吸による胸部の膨らみも、生命の胎動もこの場では判別出来ないほどに薄かった。
「…緑谷は、」
「
「…おわる、終わってしまう!嫌だ、いやじゃあ………!!魔王の夢が…!」
「うるせェ!!早く脳無に止まるよう指示を出すんだ!てめェも走るんだよ!!――エクスレス、死柄木は頼んだ!」
同じく仮死状態に入っているらしい
『個性特異点』というカルトの話はプレゼントマイク――山田ひざしも、ヒーローという『個性』を使用する職の一端として聞いたことがあった。ソレを発表した学者は後に失踪し死亡したと…生きていれば三桁年齢の大台に乗るぐらいで、…彼の脳内で点と点が繋がる。イレイザーヘッドに視られて一気に老け込んだ様子と、70年前という発言…この殻木球大こそがかの論文を発表し追放された学者本人であると。
「――住む場所すら失った、そんなワシに。唯一、彼だけが…手を差し伸べてくれた。」
「圧倒的な存在感、仏の如き微笑み…現人神とは彼のことじゃった」
「
「緑谷?ああ、ねこものう…………黒霧のように――ひひ、
単純に、嫌悪感が怒りを凌駕しちまってた
「
触りたくない。触れていたくないほどのおぞましさ…
「マスターピースの一端に――――――」
残ったエクスレスはというと、配線の奥に見つけた無事な機械を一応と破壊して…そう、それで――――引き金を引いてしまった。
何のって、――この後起こる、
仮死状態と言えど、装置を壊され…取り残された時点でねことは違い死柄木弔の蘇生の道は完全に絶たれていた。しかし、エクスレスの壊した装置から…辺り一面に撒き散らされた培養液にごく僅か。蘇生には到底不十分だったその電力―――感電が起きて、結果として死柄木弔は蘇生してしまう事となる。
彼のシナプスに走るそのごくわずかな電流が奥深くからその夢と――
「――…寒い」
脳無とヒーローらが戦っている様子が見え始めてきたことでようやく異変に気付く。三人の足元に迫る『崩壊』を見てその歳の功か、グラントリノは直ちにプレゼントマイクらを持ち上げ退避するように叫ぶ。
(唯一情報の無かった死柄木の強化内容に――
「ああ、…完敗じゃった。確かに…この日の為に多くの過程を積み重ねてきたんじゃろう。」
大きく音を立てて、はるか遠くの…あるいは目前の、すぐ後ろの病院は崩壊していく。
「じゃが今、そうまさに今…!奇跡か天運か――「
伝播する崩壊はひとのからだを脳無のからだを伝って全てを塵に変える。その崩れゆく欠片に触れても崩壊は波及し、なにもかもを無色にして。
「
ウソ最終話
泣きながらねこを出久が調理してハッピーエンド(ウソです)