ただ、待っていた。
こんな超ハイリスクの
「出迎えが過ぎるね…、自由な奴!
「―――さぁ?
死柄木は翼持つ脳無に乗り、雲海を足下にしている。スターアンドストライプは両手とすこしの指で数えられるほどの
死柄木弔はあの全面戦争からずっと――……兆候をその身で直に感じていた。
「変な感じだ。…
「陣形展開!!さぁ
その胎動と同時に、『ねこ』の気配がずっとあるのもまた感じていた。
憎しみと破壊衝動だけで俺は保っていられたけれど、それでも混ざりあって僕の一部になるだろうというのが分かる。だから――それが、嫌だから隠した『
「目が覚めてから
「――避けろッ!!」
『電波』+『押し出す』+『重荷』によって放たれた、質量を持つ
「どっちが先に触れられるかだなァアメリカ!!」
「手の内が分かっていても対策しようが無いってのが――最強なんだぜ!ボーイ!!…」
あいつに「ギリギリになるまで手は出さなくていい」と言われているので比較的ゆったりめに…さっき弔から『電波』間の交信で渡されてた座標へねこは向かっていた。ゆっくりといえども1分に数km、時速で表すとだいたい200km/hはゆうに超過している。アスファルトを踏み込み砕いて、地面を陥没させながらの直線移動だ。もちろん身体は耐えきれず悲鳴をあげて筋繊維は断裂すらしていたけれど、
さっきから逐一送られてきていた信号もその間隔が伸びた、多分もう始まってる…。
幸いここから『浮遊』での移動にしても、『転送』もあるからちょっと加速すれば数分も無いぐらいだし…うーんでも急ぐか!とねこは気持ち加速する。今の死柄木弔は
あと少しで完成するだろうって時にスターアンドストライプの襲来だったのだから致し方もにゃあだろう。まだ攪拌されている最中なのだったから。
ちなみに、あいつ曰く「『新秩序』に関する、今の段階でしかできない
特に何も考えず跳んで…それで気がついたらもうワープ圏内に入っていたので(大まかな座標さえあれば今のねこの『転送』はだいたい200kmぐらいを一度に移動できる)、黒い液体をケコっと吐き。
「……ッ!!」「!」
突然現れたねこの質量に脳無は耐えきれずガクン、と落ち込んで。それでようやく真空状態からふたりは抜け出せたわけだ。
「アレは!?」
「キャット シガラキ…ネコ ミドリヤだ!なぜ急に現れたのかは知らないが――」
「ひどいな!今のが『
「ああ。――欲しい」
「増援って事ね!レーザー砲――FIRE!!」
レイズ*2。ここからは
スターアンドストライプの掛け声で戦闘機からレーザー砲が放たれる。幾つかのその光帯は真空の只中に再び陥ってしまったふたりを…ねこの身体をまずロックオンした。ねこは先程ガクッと高度の落ちた脳無からフワッと『浮遊』で浮いて、でもそれで静止したのはわずか
弔はというとねこの質量で沈みこんだ脳無の影響で浮き上がってしまい…真空状態のために持ち上げてしまっていた腕の隙間…つまりがら空きの胴体。そこをレーザーの束で撃ち抜かれる。
「やった!俺が仕留めた」「バカめウェッジ、今のは俺が先だった!」
「――まだだよ!」
しかしそれでやられるのであれば
「体が再生してるぞ!日本はアレで負けたんだ!」
「ちょっと待て、ミドリヤはどこだ!?」
「超パワーによる空中機動戦―――は、望むところだ!『トムラシガラキ』ィ!」
好機と見て弾丸のように跳ね飛んだ死柄木弔はしかし同じように跳ねたスターアンドストライプに殴り飛ばされ――殴り飛ばされた勢いのまま
オールマイト程ではないにせよ、そのてんででたらめなパワーは彼女の『
「
消えたネコ ミドリヤ――…ねこは、遥か上空から。先程のレーザーに穿たれながらも上昇し、空が昏く見えるほどまでの超高空から戦況を見渡していた。
人間が必要とする酸素濃度を到底満たせるような程じゃあなかったので彼らもそこまで上を見なかったというのもあり、遥か高みで今さっき『電波』を通じて渡された情報をもとにある程度の
が、なんせ僅かな情報――すこしの間隙。見つかるのも時間の問題だし――なにより足場に打ちつけられた弔の所まで、スターアンドストライプがわざわざ接近している!何があるのか全く分からないんだからねこはストンと自由落下の勢いに任せ戦闘機のうちひとつに隕石のように着地し。八艘飛びだ、機体を蹴り飛ばしながら近付いて――――
『
――予想を越して膨れ上がった憎しみと破壊衝動で、当初の想定とはズレて。この戦いの最中…どこまでいってもオールマイトの影さすこんな状況への憎しみが今、
「そうか!
「「君の憎しみが僕らの輝かしい未来に――…」」
吹き飛ばされる直前。ねこの口から『AFO』の傍に在る自身の個性因子――それと共鳴したのか、思わず漏れでた言葉に。伝ってくる募り煮詰まり湧き上る弔の憎しみに、ねこはもう無いはずのヒゲがピリピリするのを感じる。
感情の昂りに呼応して弔の髪は伸びて、その、覚醒と同期して『AFO』内の『個性』もざわめいた結果……………ねこは、スターアンドストライプは。そして半径数キロにも渡る、海と彼らを隔たっていた雲海は吹き飛ばされたんだった。
「はは――わかってきたぞ『
ショーダウン*4の時間だ。ガットショット*5を決めた――
今この場においては全てが、全員がチップだ。各々の持つ『個性』の情報…命…それらは付随するスタックであり、また
さて、このアメリカ対AFOの賭けの初手はAFO側に勝利の女神が微笑む事になる。なんせほぼ無傷同然で脳無も潰されず――ねこも居る。
『新秩序』に対して幾つか、この
生命に対する強化にはおそらく上限が存在し、反面弱体化には際限がないこと。――初手で殴られた際に頭を砕かれなかったのと、先程の『
――何かを介して触れてないのにもルール付けは出来にゃあのかな?
或いは――効果が弱まる。しかしそれでも大気にレーザー!依然としてかなりの自由度を誇るんだ。『新秩序』の真髄は断然こっちだろうよ…!
――生命とそれ以外だと何か違うのか?あっさっきのヤツ?おまえ今は死柄木
俺は今、…自分が死柄木なのかAFOなのか。はたまた志村なのかわからないんだよねこ!多分それだ!自我があるモノには名を呼び聞かせて互いの認識を合致させなきゃならないんじゃないのか?
『電波』を通じた交信は、その文字通り光の速さで交わされる。もちろん互いにそれを実現できるほどの脳のスペックはある。――なんせ
吹き飛ばされたスターアンドストライプが着地するわずかな間に
ごく僅かな、恣意的なものではない電磁波の揺らぎ。ねこにはそこから死柄木弔の――混じりあったあいつらの興奮が伝って感じとれた。
――本当に、どうなっちまったんだ僕は。無性に試してみたくて…イライラする――
40巻読みました!?AFOのサービスショットがあんなにあっていいのか…いや、いい。(反語)本誌も追うようになったのですけれども、展開にはしゃいでしまっています。
毎日更新再開です(っ´ω`c)ここ数日は朝から投稿でき…(たらいいな)