極めて善良かつ中立的な私から見た後に英雄とか言われる奴らに関して   作:kohet(旧名コヘヘ)

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第60話 いっそのこと世界平和監視機構とか作ったらどうかなリュリュ?えっ?兵器開発しないと無理そう?そっかー……

コズミック・イラ70年5月27日、アフリカ共同体モロッコの村落にてザフトのホール・パイソンによる虐殺事件が発生した。

国連軍CB部隊を名乗る勢力が鎮圧したという話が各方面に伝わった。

 

アフリカ共同体はプラントに権益を持たない非プラント理事国であり、地球連合未加盟であった。

アフリカ共同体は親プラント路線で政治を運営しており、ザフト側もアンドリュー・バルトフェルドの隊を駐留させる交渉をしていた矢先であった。

……ホール・パイソンらは現行犯逮捕されなければ最悪でも政治的に揉み消されるので完全犯罪であると確信していた。死亡したホールの仲間はザラ派の日和見主義への抗議としてナチュラルの虐殺に加担していた。

ホールらは安全地帯で虐殺を繰り返していた。そのはずだったがザナドゥ……クシーがいる世界線ではこのような空白を完全に見透かされていた。

このような犯行を未然に防ぐ事は無理であった。そこまで求めるのは傲慢である。

 

「アフリカ共同体はザナドゥに対応を任せる。……プラントには任せられないが地球連合も論外だ」

同日、アフリカ共同体はザナトゥに一任すると発表した。

上層部はプラントの関係もあるがどう考えても揉み消せないと即座に判断した。

……正確にいえば本当は揉み消したくなかった。だが、揉み消さないとプラントへの対応等も各所から批判が殺到する事は必然なのでザナドゥに責任を押し付けたが正しい。

アフリカ共同体内では血の復讐を叫ぶ者も多かった。しかし、大多数が地球連合を信じていないし国内で解決する余力もなかった。

実行犯のプラントは論外であり、地球連合に任せるよりはまだ中立で判断するだろうザナドゥがマシという意見が多かった。

……インフラを握っているザナドゥへ政治家達のゴマすりでもあった。部族社会が根強いアフリカでは上が言えば大体の事は解決した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

地球連合は当然反発した。地球連合外で勝手に活動されても困るというのが大きい。

しかし、地球連合のザナドゥという名目で調停させる事で国際連合という絶妙に手の付けられない厄介な事案を避けられると判断した。

地球連合はザナトゥ代表クシーに対して地球連合の一員として対応しろと命令した。

だが、

「地球連合では私は未成年であるので地球連合での参政権がない。従って、本件に関してはザナドゥが担当している」

クシーは地球連合に対しこのような回答を提出した。

今まで無茶苦茶やっておいてその言い草は酷いと誰もが思った。

 

クシーとしてはそれはそれこれはこれの精神である。参政権あれば更に色々な事が出来たので感謝して欲しいと本気で思っている。

実際、クシーの年齢問題に関しては正論過ぎて誰も反論出来なかった。

そういえば15歳であった、誰か気づけと責任の押し付け合いが始まったが些細な事である。

 

地球連合はクシーの無礼な対応に憤慨したものの厄介な案件の責任を押し付けられると無理やり納得させた。

地球連合内の司法機関が激怒したが調整する事で合意した。そもそも地球連合は自分の管轄外なので追認するしか出来ない。

 

クシーは今後の付き合いも考えて地球連合の言い分を聞いて対応していた。……15歳の少年の方が大人な対応をしていた。

クワトロ・バジーナは醜い大人達を見てちょっとアクシズを落したくなったがカミーユに粛正された。

ミン〇ーモモは自分の住むアクシズに永住したいという言質を取ったと草むらからクワトロの前に突然現れた。

その日、『謀ったなカミーユ!』と叫びがザナトゥ本部で響いた。カミーユは無視した。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「死刑以外あり得ませんね。……ブルーコスモスであるという意識があるならば」

ブルーコスモスの盟主アズラエルは実行犯を死刑にしろと公的に発言した。

そして、ザナドゥ代表クシーに対してブルーコスモスへの帰属意識を問いただすような発言でもあった。

……ちょっと怖くなって咄嗟に出た言葉ではない。

ブルーコスモス全体がザフトへの報復を叫び、生ぬるい対応をしたらザナドゥへ制裁を実行すると発表した。

 

アズラエルの発言の10秒後、クシーは公式チャンネルにて見解を述べた。

「ザナドゥの一員としての個人的な意見だが……実行犯は主犯であり情状酌量の余地もないので死刑以外あり得ない。大丈夫、ザナドゥにテロったら貴様らも一緒に死刑にするから安心しろ」

ザナトゥ代表クシーはザナドゥの一員という前置きで発言した。ブルーコスモスであるとは明言していないが死刑には賛同していた。

この意見には平和主義者でないのかと落胆する者もいたが死刑に賛同したら平和主義ではないというのは大分酷いこじつけであった。

 

こじつけ出来るなら当然というようにマスコミにより徹底的に叩かれた。だが、これに関してはマスコミはクシーの策略に誘導されていた。

クシーはもう自分の評判がどうなっても良かった。どんな形であれ平和を論ずる場を設ければクシーにとっては戦略的に勝利と判断していた。

実際、クシー批判から平和へ言及し始めたのでマスコミの上層部から圧力がかかった。

中途半端に終わってしまったマスコミに対し、クシーは意気地なしと落胆した。

 

ブルーコスモスがこの件でテロったら死刑に関してはクシーが本気でやりかねない事を骨身に染みて知っていたのでブルーコスモス内でも結構な割合が正気になった。

それでもブルーコスモスの過激派は今回に関しては引けないとしてテロを実行しようとしたが軒並み逮捕された。

アズラエルは過激派を擁護し保釈する等して自身の下へ集めていた。

クシーはいつもと変わらないはずのアズラエルの行動に嫌な予感はあった。

しかし、探る為の手が足りないのでアズラエルへ苦言を呈する程度しか出来なかった。

……だいぶ毟り取って来たのでアズラエルは少し泣きそうになった。

クシーの『~しか出来ない』系の認識はそのまま受け取ってはならない。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

地球内での調整が行われている中、プラントでも動き始めていた。

 

クライン派のコーラント・ハーケンとユーラシア連邦軍のクワトロ・バジーナ大尉が秘密裡に接触していた。

コーラントはシーゲルから正確な情報を求められていた。ザラ派はナチュラルの陰謀と騒ぐ者が多かった。

……親プラントのアフリカ共同体がそのような事をして得するわけがないという冷静な判断が出来ていない。

コーラントはコーディネイターが優秀なら冷静な対応が出来ないかとため息が出た。

 

「ユーラシア連邦軍内にコーディネイター、しかも大尉がいるというのは驚きだが……」

コーラントは挨拶に探りを入れた。コーラントは諜報畑である。だが、この男に関しては全くと言っていい程分からなかった。

まるで思いつきでユーラシア連邦軍に加入したようである。そんなはずはないと長年の経験で知っていた。

そもそも何故、地球連合のユーラシア連邦軍が交渉しに来たのか。ザナドゥでは無いのかと思考を巡らせていた。

 

「ええ、よく言われます。時勢故、私がコーディネイターであることは伏せられています」

クワトロ・バジーナ大尉はコーラントの探りを躱して非常事態だからこそだと返した。

『地球連合にはああ言ったが地球連合も絡ませた方が今後の戦争犯罪について楽。行ってこい』

坊の無茶振りである。余りにも酷い。地味にユーラシア連邦内で結社作ったのがバレていた。

懐刀であるギュネイも自分を坊、クシーへ売ったのは本当に酷かったと今でも根に持っていた。

 

「経歴も、だろうか」

コーラントはクワトロという男へ尋ねた。伏せられた経歴故に探るなという事かと尋ねる。

 

「ハハハ……信じないから疑い、疑うから他者を悪いと思う。それがこのような事態になったとは思いませんかな?」

クワトロ大尉は本心から発言した。コズミック・イラで起こる全ての事象はこれに帰結する。

政治家をやるならばせめてこの程度のことは自省して貰いたいと思っていた。

 

「……一角の人物ではあるようだ。ザナドゥの差し金にしても、だが」

コーラントはクワトロ・バジーナという若いカリスマを認知した。

コーラントはザナドゥにこのような男がいたと僅かに感動した。

コーラントは自分の職責を思い出して自省したもののこの男には胸襟を開いて話すべきと判断した。

 

クワトロ・バジーナというカリスマにより本件に関してプラントへの対応は円滑に進むことになる。

そして、クワトロ・バジーナは自分が責任ある立場に担ぎ上げられそうな予感がしたのでザナトゥ代表へ配置換えを希望した。当然だが却下された。

 

 

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