極めて善良かつ中立的な私から見た後に英雄とか言われる奴らに関して 作:kohet(旧名コヘヘ)
コズミック・イラ64年6月、ラクス嬢とその父茂雄との雑談から2ヶ月程経過した。
現状私ができることはそこまでない。だが、何もしないよりはマシである。
非公式とはいえプラントの有力者とコネクションを築くことができた。
当然だがバレたら私はブルーコスモス過激派、あの煩い顔芸ジブリール辺りからぶっ殺されかねない。
だが、和平の場を設けることも出来るかもしれないというのは貴重だ。
地球に巣食う寄生虫…もとい資本主義の豚のロゴスにバレたところで失いたくない手札となる。
どう転んでも致命傷にはなりたくないダブスタ共の集まりである。
根本的には資本家である。どちらからも殺されないようにしておきたいのだから都合の良い。
その都合の良い頭だからこそプラントの潜在能力やブルーコスモスの劇物っぷりを舐めている。
最後の核使用から60年が経過した。もしも核で焦土になれば地球もプラントもお終いである。
ロゴスは恐らくそれ”には”対応する用意はあるのだろう。そこまで愚かだとは思いたくない。
…だが、それ以上もあり得る。人の狂気と業は私の凡庸な予測など簡単に超えてしまうだろう。
かつての旧暦の二次大戦、核兵器は理論上は予見できる存在であった。膨大な金と優秀な人材さえかければ開発することはできるものだった。
被爆国で有名な日本も開発しようとして頓挫したが、理論は理解していた当時の首脳部はヒロシマでの被害規模で原子爆弾だと理解した。
だが、プラントという既存の枠組みから外れた勢力が産む戦略兵器は恐ろしい物となるだろう。
…何しろ対策は被害が出ないとわからないし想像もできない。
開拓者である変人ジョージ・グレンの技術を引き継いで隠しているなんてことも有り得る。
先日話した茂雄いわくプラントにいる最低二名はその弟子だという。…世間話で特大の厄ネタ溢すな。
この事実が伝わったところでろくでもないことにしかならない。プラントにいる人間を絶滅させるとか言われても困る。
不可能ではあるが今の段階でロゴスを潰したところで世界は変わらない。…寧ろ悪化してしまう。
最悪を防げる力も持たなければならない。それが無理ならばチャンネルを増やす。
だが、この危機感を正しく共有できる存在はまだいない。
子どもの私が言うのもおかしな話ではあるがプラントは若すぎた。
だから今は沈黙する他無い。しかし、それでは何かを成せるだけの力を持つ時間が足りない。
私は雲ひとつないコペルニクスの空を見上げた。星空は変わらずにそこにある。変わるのはそれを見る側だ。
今の私は友達と平穏に過ごしたいだけの子どもであった。…昔はまた別だった。
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その日、私は表向きに作った会社のゲームのテストプレイをする形でキラ達と遊んでいた。
内容は地球人との交流でやってきた宇宙クジラが人類の民度の酷さに絶望し、滅びろ人類してくる作品である。
本来はもっと前に地球、プラント双方に売り込むつもりであった。
しかし、作中に登場する宇宙クジラはジョージ・グレンの発見したEvidence01ではないかというプラント側の指摘。
海神様を馬鹿にするのかテメェとUMA、謎生物を信仰する団体から袋叩きにあっていた。
シナリオと設定のせいで論争となり3日で販売停止となった。
今作は仕方がないので宇宙クジラというのは辞めている。明言していなければセーフである。
一応、前作をプレイした人間にだけは伝わる裏のメッセージは込めているが本作をプレイしただけではわからない。
現在テストプレイしているのはメッセージ性を薄めた爽快なアクションゲームである。
元の作品自体は「これこそ人の業だ!」と正体を隠しているはずの私のアカウントにメッセージを送って来るコアなファンがいたのだが。
そんなこんなでキラ達にプレイさせていたのだが、何か凄い事になっていた。
「糞!…こいつら!!」
倒した瞬間、隣の友軍を道連れにして来る敵にキラが吐き捨てる。
勝てないなら他を削ることでプレイヤーに被害を与えるAIに調整していた。
突出した個がいても味方陣営が全体が強化されていないのならば雑魚の物量で味方に被害を与える仕様である。
「キラ!落ち着け!…こいつら自爆してまでまだ争いたいのか!?」
アスランがキラを落ち着かせて下がらせようとする。
だが、コマンド入力を阻害するだけの自爆攻撃でキラへの応援を阻害した。
『フハハハ!…これが人類という物だろう?私は君たちから生まれ、そして学んだのだよ!!』
前作のファンに敵ボイスをアテレコしてデータを送ってもらったのだが妙に合っている。
世界観を理解してくれているファンなら良い感じになるのではないかと思ったのだが。
中ボスの設定なのにまるでラスボスである。
『この私の醜悪な姿こそ人類…だからこそ私が裁くのだ!人はここで滅ぶのだとな!!』
人類の行動原理を学んだ敵組織の作った対人類用アンドロイドが叫ぶ。
本来は敵が人類との対話の為に作られたAIは人類に絶望し、その殲滅を選んだのだ。
「そんな勝手なことが!!」「お前だけは!!」
キラとアスランがガチでキレた。…何か動きの精度が上がり三倍くらい加速し始めた。
その成長速度だと負けイベントがクリアされてしまう。不味い。進行フラグ的な意味で。
その後、勝つ寸前で二人ともコントローラが壊れてしまった。
正直、勝つことを想定していなかった。ゲームを楽しんでいた二人をがっかりさせることはなくホッとした。
しかし、二人にコントローラが弱すぎると改善要求された。
大人が本気で壊そうとしてもそうは壊れない仕様だったのだが。どう考えても力み過ぎである。
テストプレイヤーが勝ったので新規ボイスのアテレコを頼めないかとまた連絡を入れる事になった。
敗北ルートのアテレコを頼まれたファンは何故か喜んでいた。
…この男、マゾヒストなのだろうか。仮面つけているからそっちの趣味があってもおかしくはない。