GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
この日はクウとソラの初登校日。
制服に着替えたクウは部屋を出てましろを見つける。
「オッス!」
「おはようクウちゃん!」
クウとましろは互いに挨拶をするとましろはクウの姿をまじまじと見る。
「クウちゃん、似合ってるよ」
「え?…ああ、この制服っちゅう奴か?なんか堅苦しいんだよな~…いつもの服か
道着で行ったらダメなんか?」
「ダメだよ。校則で決まってるんだから」
「しょうがねぇな~…そういやソラは一緒じゃねぇんか?」
「うん…多分まだ部屋で着替えてるんじゃないかな?…行ってみよっか!」
「そうだな」
2人はソラの部屋まで行き、外からコッソリ部屋の中を覗く。
「わぁ…!」
ソラは既に制服に着替えており、部屋に置いてある鏡で自分の姿を見ていた。
「似合ってるよ」
「わっ!?…クウ!ましろさん!おはようございます!」
「オッス!」
「おはよう!」
「あの…本当に似合ってますか?」
「うん!」
「ありがとうございます!クウも似合ってるね!」
「そうか?オラこういう堅苦しい服着るの苦手だしな~…オラよりソラの方が似合ってんじゃねぇのか?」
「そんな事ないよ!私達双子なんだから、私が似合うならクウだって似合うに決まってるよ!」
「サ、サンキュー…」
ソラの押しに負けたクウは戸惑いながらも礼を言う。
「フフッ!それじゃあ行こっか!」
「ああ!」
「はい!」
3人は家を出る為に玄関まで移動する。
この場には3人を見送る為にエルとヨヨの姿もあった。
「える…える…!」
「あら!エルちゃんったら、ハイハイ速くなったわね」
「えるぅ…」
ハイハイするのが速くなった事をヨヨから誉められたエルであったが、当のエルは寂しそうに3人に手を伸ばす。
「すまねぇなエル。姉ちゃん達今から学校に行くからよ。帰ったら一緒に遊ぼうな!」
「エルちゃん、ましろさん達が帰って来るまで私と遊びましょう。楽しいお話ならた~くさん知ってるわよ?」
ヨヨは持っていたミラーパッドにたくさんの絵本を映す。
エルはそちらに興味が移ったらしく、すぐさまヨヨの元までハイハイしていった。
「ヨヨさんには本当に、何から何までお世話になりっぱなしですね…」
「いいのよ。学校生活、思う存分楽しんできなさい」
「…でも、もしスカイランドから来た事がバレてしまったら…」
ソラは不安そうな表情でそう口にする。
「フフッ、”案ずるより産むが易し”…まずはやってみないと」
「確かにやってみねぇ事には始まんねぇよな」
「私も頑張ってフォローするから」
「…はい!」
「それじゃあ3人共、行ってらっしゃい!」
「「行ってきます!」」
「行ってくんぞ!」
家を出た3人は一緒に学校まで向かっていったのだった…
「えぇ~、ハレワタールさん達は海外からの転校生だ。外国での生活が長いから不慣れなこともあると思うが、そこはみんなでサポートしてほしい」
「オッス!オラはクウ・ハレワタール!オメェ達、よろしくな!…じゃなくて、よろしくお願ぇします!」
「ク、クウの妹のソラ・ハレワタールです!クウと一緒にましろさんのお家でお世話になってます!よ、よろしくお願いします!」
クウとソラはクラスメイト達の前で転校の挨拶をする。
クウはましろの前の席に、ソラはましろの隣の席に座る。
「緊張しました…変な事言ってませんでしたか?」
「大丈夫だったよ!きっとみんなともすぐに友達になれるよ!」
「友達…!」
ソラはそう呟き、これから始まる学校生活に胸躍らせていた。
「もしかして、昨日ましろんが言ってた双子ちゃん?」
「そうだよ」
「やっぱり!私、仲村つむぎ。よろしくね」
「はい!よろしくお願いします!」
「よろしくな!」
「ねぇ、ハレワタールさん達ってなんて国から来たの?」
そんな中、るいがクウとソラに質問をする。
「スカイランドです!」
「うん…?」
ソラがスカイランドの名前を口走ってしまい、ましろは声を漏らす。
「それってどこなの?」
「ああ、スカイランドっちゅうんは別の世界…」
「クウちゃん!ソラちゃん!」
続けてクウがスカイランドは別の世界だと口走りそうになり、ましろは慌てて2人を止める。
「あ…あぁっ!すみません!間違えました!」
「そ、そうそう!オラ達が住んでたんはスカイランドじゃなくて…えっと…」
「確か、虹ヶ丘さんのおばあさんの話だと…スカンディナビア半島にある国から来たと聞いていたけど…」
担任の先生がそう口にする。
「は、はいそうなんです!」
「スカンディナビア半島かぁ~。ねぇ!向こうではどんな生活してたの?」
「趣味は?」
「どんな食べ物があるの!?」
「あわわ…!」
「お、落ち着けってオメェ達!」
「そうだぞみんな。ハレワタールさん達が困ってるだろ?」
質問攻めに合うクウとソラだったが担任の先生の言葉でクラスメイト達は質問をしなくなった。
ホームルームが終わり、クウ、ソラ、ましろは教室のベランダにいた。
「ましろさん…私、とんでもない事に気づいてしまいました」
「とんでもない事?」
「どうやら私とクウは…なんでも正直に話してしまうところがあるみたいです!」
「え、今気づいたの?」
「はい…」
「う~ん、オラ口は堅い方だと思うけんどな~…」
自分は口が堅い方だと言うクウであるがそうでもないだろう。
前世でクウこと悟空は未来からやって来たベジータとブルマの息子、トランクスから他言無用の事を聞かされたがまだ妊娠すらしていないブルマに『丈夫な赤ん坊産めよ!』と言ったり、その3年後には赤ん坊のトランクスに『父ちゃんはベジータだよな?トランクス』と、ほとんどの仲間が知らない筈の赤ん坊の名前と父親の正体を口走ってしまった。
その時は何とか誤魔化す事が出来た。
「…決めました!クラスに早く馴染む為に、これ以上目立たない事にします!」
ソラは目立たない様にするそうだ。
スポーツテストの時間になり、生徒達は校庭に集まっていた。
「クウちゃん、ソラちゃん、スポーツテストってやった事ある?」
「オラはやった事ねぇな…スポーツテストってどんな事すんだ?」
「スポーツテストっていうのはね、みんながどれくらい運動が出来るのかテストをするんだよ」
「それなら私、ちょっと自信があります!いえ、自信はありますが…あまり目立たないように皆さんの真ん中くらいの記録を狙います!」
どうやらソラは全力を出さずにスポーツテストに挑むらしい。
まず最初に50メートル走が始まり、しばらくしてソラの出番がやってくる。
(目立たないように…目立たないように…!)
笛の合図と共にソラと他の生徒達が走り始める。
ソラは本気を出さずにゆっくり走っていたが、線の先に転んで怪我をした女子生徒の姿があり、ソラは全力疾走をして女子生徒に駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「う、うん。ちょっと擦りむいただけだから」
「ソラちゃん速すぎ!」
「学園の新記録更新だ!」
「はっ!」
全力疾走をした結果、ソラは学園の新記録を更新してしまったらしい。
「よーし!次はオラの番だ!」
次はクウに順番が回って来る。
(…なんか、クリリンと一緒に亀仙人のじっちゃんのとこで修行した時の事を思い出しちまうなぁ~)
クウは前世の悟空の時に親友のクリリンと共に亀仙人の元で修行した時の事を思い出していた。
クウが思い出していたのは脚力をテストする為に100メートル走った時の事だ。
(…オラが生まれ変わって14年くれぇ経ったけんど、みんな元気にしてっかなぁ…)
「位置について!よーい…ドン!」
思い出に浸っている間に笛の音が鳴り、クウは他の生徒よりスタートが遅れてしまった。
「ヤベッ!」
クウは慌てて走り出すが、生徒達を抜き去ってあっという間にゴールしてしまった。
「は、速っ!?」
「ソラさんの記録を抜いてるよ!」
「まぁこんなもんかな!…ん?どうしたんだオメェ達?変な顔して」
クウのスピードに呆然とする生徒達。
生徒達の反応にソラとましろは苦笑いをしていた…
その頃虹ヶ丘家ではヨヨがエルに絵本の読み聞かせをしていたが、突然エルがテレビに目線を移す。
「エルちゃん?どうしたの?」
『護送車から脱走した過激派組織”レッドリボン”のメンバーはソラシド市方面に逃走したとの事です。付近の住民は十分に気を付け…』
テレビにはこういった内容のニュースが放送されていた。
ニュースの内容に不穏な空気を感じ取ったのか、エルは不安そうな表情をしていた。
「大丈夫よ。怖くないから」
「えるぅ…」
「…ましろさん達、大丈夫かしら…」
ヨヨはそう言って何も起こらない事を祈るのだった…