GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
夕暮れ時になり、ソラシド学園の周りには大勢の警官が集まっていた。
「犯人達に告ぐ!お前達は完全に包囲されている!速やかに人質を解放して出てこい!」
警察は校内に立て籠っているレッドリボン達に出てくるよう呼びかける。
その様子をレッドリボンのメンバー達は放送室の窓から見ていた。
「クソッタレ!もうサツが来やがった!」
「どうすんだよ!?せっかく脱走出来たのに、このままじゃまた捕まっちまうぞ!」
レッドリボン達が慌てふためいていると椅子に座っていた金髪の男が立ち上がる。
「あら?かえって好都合じゃない」
「好都合…ですか?」
「警察に逃走用のヘリや車を要求するのよ。こちらには人質が何人もいるのだから奴らも要求を呑むしかない筈よ」
「な、なるほど!流石です!」
「もっと褒めても良いのよ?それじゃあ、要求に使う人質に何人か来てもらいましょ。ホーッホッホッホ!」
金髪の男の高笑いがこの場に響き渡っていた。
校内の至る所にレッドリボンのメンバーが徘徊しており、それぞれの教室には1、2人程の見張りの姿があった。
もちろんクウ達のクラスにも2人の男が見張りをしており、クウ達は手足を縛られた状態で床に座らされていた。
最初はクウとソラがレッドリボンを追い返そうとしたがましろに止められてしまう。
ましろはこのまま歯向かえばクラスメイトや他のクラスの生徒達や教師に危険が及ぶかもしれないと考えていたのだ。
2人はましろの意思を尊重し、ひとまず従うフリをする事にした。
すると教室にレッドリボンのメンバーが入って来る。
「どうした?」
「人質を各教室から1人連れてこいと、あの方からの命令だ」
「おう、すぐに行く」
レッドリボンのメンバーが教室から出ていき、見張りの男達が品定めをするように生徒達を見る。
「…よし、お前にしよう」
「オラか?」
「そうだ」
男達が目につけたのはクウだった。
男の1人がクウを抱き抱える。
「そんじゃあお前ら、妙な事はするんじゃないぞ?いいな!」
男達はクラスメイト達に忠告して教室を出る。
その際クウはソラとましろに目線を送っていた。
「…行きましたね」
「うん」
クウを連れた2人が教室を離れていったのを見計らったソラは自身の手足を縛っているロープを引きちぎる。
「ソラちゃん!?」
「スゴッ!?」
それを見たつむぎとるいは驚いてしまう。
その間にソラはましろを縛っているロープを解いた。
「皆さん!今縄を解きます!」
「それから見張りがいなくなったタイミングを見てここから逃げて!」
「逃げるって、どうやって!?」
「大丈夫だよ」
「ヒーローが来てくれるから!」
ましろはクラスメイト達にそう告げた。
一方クウは廊下で男2人に抱えられていた。
「…なぁ、この女って結構可愛くねぇか?」
「お前、こんなガキが趣味なのかよ?…確かに顔は悪くねぇけど」
「だろ?連れていく前にちょっと遊んでこうぜ」
「フン、このロリコンが」
「なんだオメェ達?オラと遊びてぇんか?」
「ああ。これからおじさんと楽しい事をしような…」
男の1人がそう言ってクウに手を伸ばす…
「ガハッ!?」
「なにっ!?」
クウのパンチが男の腹に直撃する。
クウは瞬時に男から抜け出し、ロープを引きちぎってから男の一人にパンチをしたのだ。
「こ、こいつ!」
残りの1人が拳銃を取り出してクウに向ける。
「ダリャッ!!」
「ぐっ!」
クウはすかさず拳銃を持つ手に蹴りを入れる
これにより男は拳銃を手放してしまった。
「ダリャーッ!!」
クウは男を思いっきり殴り飛ばした。
男は壁に叩きつけられ、気絶してしまう。
「さてと、ソラ達は上手くやってっかな?」
「クウ!」
「クウちゃん!」
そこへソラとましろがやって来る。
「オメェ達、上手くいったか?」
「うん!」
「クウ!ましろさん!やりましょう!」
「「おう(うん)!」」
ソラとましろはミラージュペンを取り出す。
「「ヒーローの出番です(だよ)!!」」
「遅いわね…何をしているのかしら?」
一方放送室にいる金髪の男は部下が中々人質を連れてこない事にイライラしていた。
「た、大変です!」
放送室に慌てながら部下の1人が入って来る。
「騒々しいわね!何事!?」
「それが…校内に配備していた下っ端達が大勢倒されています!」
「なんですって!?いったい誰に!?」
「倒された下っ端によると、敵は3人の少女だそうです!その少女達のせいで、全ての人質に逃げられてしまいました!」
「なんてこと!…たかだか3人の女に負けるだなんて…レッドリボンの面汚しだわ!ちょっとあなた!絶対にその女達をここに通すんじゃ…」
「通すんじゃ…何ですか?」
「「っ!?」」
男が部下に指示をしたタイミングで少女の声が聞こえてくる。
放送室には既にクウ、スカイ、プリズムが駆け付けていた。
「あれ?オメェ…」
クウは金髪の男を見て首を傾げる。
「こ、こいつらです!下っ端が言っていた特徴と一致しています!」
「あなた達…いったい何者なの!?」
「私達ですか?私達は…」
「「ひろがるスカイ!プリキュア!!」」
スカイとプリズムは同時に名乗る。
「プリキュアですって?聞いたことがないわね…とにかく!よくも私達の邪魔をしてくれたわね!この借りは倍にして…」
「あぁーーーーーーーーーーっ!!」
するとクウが男を指をさし、大声を上げてしまう。
「ど、どうしたのクウ?」
「思い出したぞ!オメェブルーって奴だろ!?」
「なっ!どうして私の名前を!?」
金髪の男、ブルーは驚いてしまう。
それもそうだろう。ブルーはクウに自分の名前を名乗っていないのだから。
「色々あってさ、オメェの事は知ってんだ。オメェここでもわりぃことしてるんだな!」
(もしかして…)
(クウちゃんは前世でもこの人と戦ったのかな?)
スカイとプリズムは目の前の男がクウの前世にもおり、戦った事があるのだと解釈していた。
実際その通りで、クウは悟空として過ごしていた前世でブルーと戦った事があるのだ。
「何の事かよくわからないけど…私達レッドリボンに歯向かうのなら、ここで死んでもらうわ!」
ブルーは3人に突っ込んでいき、攻撃を仕掛ける。
3人は素早くブルーの攻撃を躱す。
「ハァーッ!!」
スカイはブルーをクウの元へ殴り飛ばす。
「ダリャーッ!!」
次にクウがプリズムに向かってブルーを殴り飛ばす。
「ヤァーッ!!」
プリズムはすかさずブルーを蹴り飛ばした。
ブルーはすかさず体勢を立て直し、クウ達を睨む。
「ブルー様!」
「中々やるじゃない…こうなったら、私の奥の手を見せてあげるわ!」
「奥の手?」
スカイとプリズムは警戒しながらブルーを見ている。
「オメェ達!あいつの目を見るな!」
「えっ!?」
「遅いわ!」
突如ブルーの目から光が放たれる。
咄嗟にスカイは目を瞑った為何事もなかったがプリズムはブルーの目を見てしまった。
「か、身体が動かない…!」
「プリズム!どうしたんですか!?」
「どうかしら?私の超能力は?」
「超能力…?」
「あいつの目を見ちまうと金縛りで身体が動かなくなっちまうんだ…!」
「ホホホ!超能力の事まで知っていたなんて驚きだわ」
そう言いながらブルーは持っていた拳銃をプリズムに向ける。
「プリズム!」
「おっと!ちょっとでも動いたらこの女の命はないわよ?」
「くっ…卑怯です!」
「卑怯?良い言葉だわぁ…」
ブルーは嬉しそうに微笑んでいる。
スカイはすぐにでもプリズムを助け出したいのだがブルーが拳銃を持っている為、中々踏み込むことが出来なかった。
「プリズム」
そんな中クウは冷静な表情でプリズムに話しかける。
「でぇじょうぶだ。ぜってぇ助けてやっからな」
「クウちゃん…」
プリズムはこの言葉を信じて頷く。
クウは構えるのをやめて肩の力を抜く。
「ホホホ!諦めたみたいね!それじゃあまずはあなたから…」
ブルーは拳銃をクウに向ける。
次の瞬間、クウが突然ブルーの視覚から消えてしまう。
「なっ!?消えたわ!」
「ダリャーッ!!」
ブルーの目の前にクウが現れる。
クウはブルーの顔面に蹴りを入れ、相手が怯んだ隙に腹部に強烈な一撃をお見舞いする。
「が…あが…」
激痛で苦しんでいたブルーはそのまま床に倒れ、気を失ってしまった。
ブルーが倒された事でプリズムにかかっていた金縛りが解け、プリズムは動けるようになった。
「プリズム!大丈夫ですか!?」
「うん!クウちゃん、ありがとう!」
「ヘヘッ!無事に助けられて良かったぞ!」
クウは笑顔でそう返す。
「…」
するとプリズムは呆然としながら自分の胸を抑え、頬をほんのり赤くしていた。
「どうしたプリズム?顔が赤ぇぞ」
「ハッ!もしかして、風邪をひいたんじゃないですか!?」
「う、ううん!何でもないよ!」
「そっか。そんじゃあ…」
3人はこの部屋にいたブルーの部下を見る。
「ヒ、ヒィッ!」
「大人しく警察に自首しなさい!良いですね?」
「は、はい!言う通りにします!」
ブルーの部下は土下座をしながらそう口にする。
その後ブルー達は警察に逮捕され、無事にソラシド学園は解放された。
生徒達は事情聴取を受けた後、それぞれの保護者と一緒に自宅へと帰っていった。
そしてその日の夜、クウ達は虹ヶ丘家のリビングでゆったりくつろいでいた。
「色々あって、あっという間に1日が終わってしまいました…」
「本当に色々あったね~…でも、授業とお昼ご飯は楽しかったよね?」
「はい!明日こそは全ての授業を受けてみせます!」
「ハハッ!オメェ張り切ってんな~!」
「もちろんだよ!クウは他にどんな授業を受けてみたいの?」
「オラか?オラは…」
クウとソラが明日以降の学園生活について楽しそうに会話をしている一方、ましろはクウを見ていた。
ましろの頬は赤くなっており、胸もドキドキしているようだ。
(私…どうしちゃったのかな…?)
ましろがこの気持ちに気づくのは、もう少し先の事である…
その頃、どこかの竹林で2人の人物が会話をしていた。
「うむ!この短期間で格段に強くなったようだな!」
「グフフ!俺もそう思うのねん!…ありがとな、今日まで修行に付き合ってくれてよ」
「礼など無用だ!しかし、貴様が我に鍛えてほしいと頼んできた時はどういう風の吹き回しかと思ったぞ」
「…どうしても、勝ちたい奴らがいるのねん」
「クウ・ハレワタールとソラ・ハレワタールか…我もいつか手合わせしてみたいものだ」
「残念だがそれは無理なのねん…俺様があいつらを倒すからな!」
そう言って男が1人この場から離れていった。
「待ってろよ!クウ!ソラ!もっとTUEEE奴になったこのカバトン様がお前らをギッタンギッタンにしてやるのねん!!」
今回でソラシド学園編は終了します!
次回から始まる新章も楽しみに待っていてください!