GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
「ここまで来ればひとまず大丈夫ですね…」
路地裏に隠れていたスカイは上空を見ながらそう口にする。
「はぁ…はぁ…」
「クウちゃん、大丈夫?」
「あ、ああ…ちょっと無理しちまったみてぇだ…」
クウがここまで消耗しているのも無理もないだろう。
彼女は先程全力でかめはめ波の押し合いをした上、界王拳も使ったのだ。
幸いパワーを3倍以上上げなかった為体力の消耗は少なく、多少動くことは可能だ。
「!…誰か来ます」
誰かの気を感じ取ったスカイは一瞬警戒するが、気の持ち主の正体はすぐにわかった為警戒を解く。
「安心してください。私達が知っている人の気です」
「えっ?」
「あっ!ここにいたんだ!」
「あ、あげはちゃん!?」
そう、ここに向かっていたのはエルを探している最中だったあげはだ。
「無事だったんだね!…ってクウちゃん!すごく疲れてそうだけど大丈夫!?」
「へへっ、なんとかな…」
「あげはちゃん、よく私達がいる場所がわかったね」
「あ、それはね…」
「!…皆さん!あれを見てください!」
スカイが上空を指差す
なんとゆりかごに乗っているエルと鳥形態のツバサがランボーグが出している光線の力で吸い寄せられていた。
「エル!」
「ツバサくんも!どうして!?」
「ツバサくん?」
この中で唯一ツバサの事を知らないあげはは首を傾げて呟く。
「私とクウの友達です!どうしてエルちゃんと一緒に!?」
「…とにかく話は後!まずはあの子達を助けないと!」
「あげはの言う通りだな」
「そうだよね…エルちゃんとツバサくんを助けよう!」
「はい!」
クウ達はエルとツバサを助けようと動き出す。
とりあえず一同は上空のランボーグがよく見えるようビルの屋上まで飛んでいこうとする。
「あげはさん、掴まってください」
「あっ、それなら心配ご無用!」
スカイはあげはをおんぶしようとするがあげはがそれを断る。
するとあげはは宙に浮かんでみせた。もちろん舞空術だ。
「そ、それって舞空術だよね!?どうしてあげはちゃんが!?」
「フフン!実はクウちゃんに教えてもらってたんだ!まだ上手くコントロールは出来ないけどね」
「それでも凄いですよ!もしかして、私達の居場所がわかったのも…?」
「そ、クウちゃん達の気を読んだんだよ。とにかく今はエルちゃん達を助けないとね!」
クウ達はビルの屋上まで飛んでいき、上空にいるランボーグを見る。
「でも、どうすればエルちゃんとツバサくんを助けられるのかな…」
「下手の近づいてもビームで邪魔をされてしまいますし、何よりクウに無茶はさせられません…」
「へへっ…オラはまだでぇじょうぶだ」
クウはそう口にする。
「でも…」
スカイとプリズムは心配そうにクウを見る。
「…聞いて!私に作戦があるの!」
「作戦?」
「それはね…」
クウ達はあげはが考えたという作戦を静かに聞いた…
その頃、カバトンに捕らわれてしまったツバサとエルは…
「え…えるぅ…!」
(何をやってるんだ僕は…エルちゃんを助けるどころか、足を引っ張ってるじゃないか…!)
エルは泣いてしまっており、そばにいるツバサは自身の無力を恨んでいた。
「もぐもぐ…」
そこにカバトンがバナナを食べながらやって来る。
「お前確か、スカイランドのプニバード族だろ?空を飛ぶ事が出来ねぇ超ダサダサな鳥!」
「それがどうした!お前にエルちゃんは絶対に渡さないぞ!うぉぉぉーーーっ!!」
ツバサはカバトンに向かっていくが呆気なく頭を掴まれてしまう。
「このー!」
「ギャハハ!お前みてぇな脇役に何ができるのねん?」
「なら…これでどうだ!」
ツバサは手から気功波を出してカバトンの顔面に当てる。
「うおっ!?こいつ!」
「うわぁーーー!!」
逆上したカバトンはツバサは壁に投げつける。
「う、うぅ…!」
「えるぅ~!」
エルはツバサの元までハイハイで行こうとするがカバトンに捕まってしまう。
「えるぅ~!」
「フン!お前も手からビームを出せるみてぇだがそんな弱っちいビームじゃ俺には勝てないのねん!」
「エ…エルちゃんを…返せ!」
ツバサは立ち上がってカバトンに向かっていくが蹴り飛ばされてしまう。
「ぐ…ぅ…!諦めるもんか…!」
「…お前、なんでそんなに頑張るのねん?あれか?プリンセスを助ければ、王様から褒美を貰えるかも~ってか?」
「こ…こんな小さな子が、知らない世界に放り出されて…助けてあげたいって思うのは…当たり前じゃないか!」
そう言っているツバサにカバトンは持っていたバナナの皮を投げつける。
「お前、なんか嫌い」
カバトンはそう言ってエルを連れてここから離れていく。
「えるぅ~!」
「エ…エルちゃん…!」
カバトンを追いかけようとするツバサだったが真下に穴が開いて、ツバサは落っこちてしまう。
なすすべなく落ちてしまうかと思われたツバサであったがエルが飛ぶ時に使っていたゆりかごが浮かんでいるのを見つけてそれに掴まる。
「あ、危なかった…」
ツバサは安堵の表情を浮かべてもう一度ランボーグの中に戻る。
「こうしちゃいられない!早くエルちゃんを助けないと!」
ツバサは人間形態になり、ゆりかごを持ってカバトンの元へ向かっていった。
「それじゃあみんな、作戦通りに行くよ!」
「おう!」
「はい!」
「うん!」
クウがプリズムをおんぶし、スカイと共に舞空術でランボーグの元まで向かっていく。
「ランボーグー!」
クウ達がこちらに飛んで来ている事に気づいたランボーグはビームを放ってクウ達を撃墜しようとする。
「ハァーーッ!!」
「ヤァーーッ!!」
スカイが気功波を、プリズムが光弾を放ってビームをかき消す。
これこそがあげはが提案した作戦なのだ。
『スカイ、あなたもクウちゃんみたいに手からビームを出せるたりする?』
『ビームと言いますと…気功波の事ですよね?もちろん出せますけど…』
『それであげはちゃん、作戦って?』
『それはね…ビームにはビームで対抗作戦だよ!』
『ビームにはビームで対抗作戦?』
『なんだそれ?』
クウはあげはに作戦の意図を聞く。
『まず、クウちゃんかスカイのどっちかがプリズムをおんぶしてランボーグの所まで舞空術で飛んでいく。それでランボーグがビームを撃ってきたらプリズムをおんぶしてない方がその…気功波を撃って、プリズムが光弾を撃ってビームをかき消すの!』
『なるほど…』
『悪くねぇんじゃねぇかな?』
スカイとクウはあげはの作戦に肯定的のようだ。
一方プリズムは不安そうな表情をしていた。
『私に上手く出来るかな…』
『プリズムなら大丈夫だって!』
『そうだぞ。やる前から失敗するって考ぇねぇ方がいいぞ』
『クウの言う通りです!自信を持ってください!』
『…そうだね!私、やってみるよ!』
クウ達に励まされた事でプリズムは自信を持ったようだ。
『へへっ!やっぱプリズムは元気がある方が良いよな!見てるとオラも元気が出っぞ!』
『あ、ありがとうクウちゃん…』
クウの言葉にプリズムは照れながら礼を言う。
スカイとプリズムは気功波と光弾でランボーグが撃ってくるビームをかき消していく。
「近づいてきたよ!」
しばらく経つとランボーグに近づいてきていた。
3人の視界に見えたのは光線に吸い込まれようとしているエルとエルの力で宙を浮かんでいるツバサであった。
ツバサの目の前には光が浮かび上がっていた。
「あの光は!」
「うん!きっとそうだよ!」
その光の正体を知っているスカイとプリズムはそう言って笑みを浮かべる。
「へへっ!…スカイ!プリズムを頼むぞ!」
「わかった!」
クウはスカイにプリズムを預け、猛スピードでランボーグまで飛んで行った。
「ダリャーーーーッ!!」
クウは拳を振り上げ、ランボーグに穴を開けて中へ侵入した…
今回色々と原作とは違う展開になりました。
正直なところ、クウとソラが空を飛べる関係でこの話が今までで一番書くのが難しかったりします。
舞空術、恐るべし…!
次回も楽しみに待っていてください!