GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
「え~っと…つまりソラからそのペンが出てきて、その子がアクセサリーをソラに向かって飛ばして、それをペンにセットしたらキュアスカイっちゅうんに変身しちまったんか?」
「うん…」
クウはソラからキュアスカイに変身した経緯を聞いて首を傾げてしまう。
「…ってかさ、ここどこだ?」
「え、今!?」
「えっと…ここはソラシド市だよ」
「ソラシド市かぁ、サンキューましろ!」
「ど、どういたしまして…それより私達、凄く注目されてるよ~!?」
「「えっ?」」
「える?」
ましろの言う通り、クウ達の周りには野次馬達が集まっていた。
するとソラが野次馬達に話しかける。
「皆さ~ん!安心してくださ~い!もう怪物はいなくなりました~!」
「ソ、ソラちゃん!?」
ましろがソラを止めようとすると遠くからパトカーのサイレンが聞こえてくる。
「何ですか、この音は?」
「これってパトカーの音じゃねぇか?」
「こ、こっちに来て!ソラちゃん!クウちゃん!」
「え?え?」
「なんだなんだ?」
「える?」
ましろはクウ達を連れてその場から立ち去っていった。
「デッケェー!!」
クウ達がましろに連れられてやって来たのはましろが住んでいる家であった。
ましろ宅はとても大きかった為、クウは声を漏らし、ソラは唖然としていた。
「も、もしかして!ましろさんはこの世界のプリンセス、ましろ姫ですか!?」
「ましろ、オメェお姫様だったんか!」
「えぇっ!?そ、そんなんじゃないよ!」
ましろがそう言っていると家の中からおばあさんが出てくる。
「ましろさん、おかえりなさい」
「お、おばあちゃん!」
どうやらこの人はましろのおばあさんだったようだ。
「オメェがましろのばあちゃんか!オラ、クウ・ハレワタールだ!」
(しょ、初対面の人にオメェ!?)
「初めまして、私は虹ヶ丘ヨヨ。よろしく、クウさん」
(お、おばあちゃん、スルーしちゃったよ!)
初対面のおばあさんに馴れ馴れしく話しかけるクウに驚くましろであったが祖母であるヨヨが気にした素振りを見せなかった為ひとまず落ち着く事にした。
「お、おばあちゃん!信じてもらえないかもだけど!この子達が空からピューって!それから怪物がバーンって現れて!それからそれから!えっと…」
「…大変だったわね」
「えっ?」
ヨヨはクウとソラ、エルに労いの言葉をかける。
「さぁ、お上がりなさい」
「じ、自分で言うのもなんだけど、今の説明でOKなの!?」
「ヨヨのばあちゃんが言ってんだしいいんじゃねぇか?」
「ん…ふわぁ~」
「…お邪魔します!」
ソラはエルが眠そうにしているのを見てひとまず家に上がらせてもらう事にした。
家に上がった一同はこれまで起こった事について話し合っていた。
「スカイランド…こことは違う世界があるなんて、まだ信じられないよ…」
「私も、自分が別の世界にいるなんて信じられません…それに、私がキュアスカイに変身した事も…」
「…おばあちゃん、ソラちゃんが変身したキュアスカイの事、お部屋の百科事典に載ってないかな?お願い、調べてあげて!」
「…私の事より、この子をおうちに帰してあげる方法を見つけるのが先です!約束したんです!パパとママのところに帰してあげるって…」
ソラは眠っているエルを抱きながらソファーから立ち上がる。
「ヒーローは、泣いている子供を絶対に見捨てません!!」
「え…えるぅ~!!」
ソラの大声でエルが目を覚まして泣き出してしまった。
「あ、泣いちまった…」
「あわわ!ごめんね!ごめんね!」
「ほらほら!いないいない…ばぁっ!」
ソラとましろが一生懸命エルをあやすが中々泣き止まなかった。
「…もしかして、腹減ってんじゃねぇのか?」
「それだよ!あ、でもうちにはミルクが…」
「台所の棚にマグカップとミルクがあるわよ」
「そっか、良かった~…えっ!?」
「ミルクは人肌でね」
「ぷはぁ!」
エルはミルクを飲み干し、ソラが背中をさするとゲップをする。
「ソラちゃん上手だね!」
「昔、歳の離れた弟をあやしていたので慣れているんです!」
「そうなんだ」
「ああ!オラやソラみてぇに滅茶苦茶強ぇぞ!」
「そ、それは凄いね…そういえばおばあちゃん、どうしてうちに粉ミルクとマグカップがあったの?」
「オムツもあるわよ」
「えぇ~!?」
「なんだ?オメェんち赤ん坊がいるんか?」
「いないよ!」
「…出会いに偶然はない。人と人が巡り会う事はいつだって必然…運命…物語の始まり…わかる?」
「あの~…?」
「…オラ難しい事はよくわかんねぇぞ」
「あなた達のいた世界に戻る方法が見つかるまで、2階の空いている部屋を好きに使いなさい」
ヨヨはこの場から離れていった。
「今日は色んな事があったなぁ~」
クウは自分用に用意してもらった部屋でのんびりしていた。
すると外からノック音が聞こえてくる。
「クウちゃん、入っても良い?」
「いいぞ!」
部屋に入って来たのはましろであった。
「あれ?ソラはどうしたんだ?」
「ソラちゃんなら寝ちゃったよ。色々あったから凄く疲れたんだと思う。クウちゃんは大丈夫なの?」
「ああ!オラまだまだ元気だぞ!」
「そっか…クウちゃん、少しだけお話しても良いかな?」
「え?いいけんど」
「フフッ、ありがとう」
クウとましろはベッドの上に座る。
するとましろはクウの顔をジッと見る。
「オラの顔になんかついてんのか?」
「ううん、クウちゃんって本当にソラちゃんにソックリなんだね」
「そりゃ双子だしな!」
「双子かぁ…ねぇ、ソラちゃんって普段はどんな子なの?」
「普段のソラかぁ…真面目なとこもあっけど、スッゲー努力家だぞ。よくヒーローになりてぇって言ってるしよ」
「そうなんだ…ねぇ、クウちゃんもヒーローになりたいの?」
「えっ?オラ別になりたくねぇぞ。オラ、強ぇ奴と戦うんが好きだからさ!」
「クウちゃんって、戦うのが好きなの?」
「ああ!世の中にはオラより強ぇ奴がいっぺぇいる!オラ、そいつらと戦う為にもっともっと強くなりてぇんだ!」
「そうなんだね…(クウちゃんより強い人って、本当にいるのかな…?)」
ましろの脳裏にはカバトンとランボーグを圧倒していたクウの姿が浮かんでいた。
その時、ぐぅ~というデカい音が聞こえてくる。
「えっ、何この音?」
「…ましろ、オラ腹減っちまったぁ~…」
「い、今のって…クウちゃんのお腹の音?」
「ああ…」
「えっと…今から用意するから、ご飯が出来たら呼びに来るね」
「ホントか!?ありがてぇ!」
「もうクウちゃんってば、涎が出てるよ?」
こうしてクウは夜ごはんが出来るまで軽いストレッチをして過ごすのであった。
そして、夕食の時間になり…
「ガツガツガツ!」
「「…」」
クウはとんでもない数の料理を1人で平らげていた。
ましろとヨヨも呆然としながらクウを見ていた。
ちなみにソラとエルは部屋で眠っている為この場にはいない。
「なぁ、おかわりってまだあっか?」
「ごめんなさい、今出ているのが全部なの…」
「そっか…ま、いっか!腹八分目って言うもんな!」
そう言ってクウは食事を終える。
これ以降、虹ヶ丘家の食費がかなりかさんでしまう事になるのであった…
サイヤ人じゃなくなってもクウの大食いは健在です(笑)。
次回も楽しみに待っていてください!