GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
「…どこだここ?」
クウがいたのは真っ暗で何もない空間だった。
「確かオラ、ランボーグと闘ってて、そっから…」
「悟空よ…いや。今はクウ・ハレワタールだったな」
「ん?」
後ろから話しかけられたクウ。後ろを向くとそこにはいたのはかつて悟空と共に消えていった神龍だった。
「神龍じゃねぇか!久しぶりだな~!」
驚きはしたものの、クウは特に気にせず神龍にそう口にする。
「なぁ神龍。ここってどこなんだ?」
「ここはお前の中にある精神領域。お前はあのランボーグとの闘いの後、気を失ったのだ」
「う~ん…よくわかんねぇけど、何でオラの精神領域に神龍がいるんだ?」
「お前が転生した時から私は常にここにいた」
「そうなんか!」
「クウよ。これからお前に伝えねばならない事がある。心して聞くがいい」
「ん…?」
意識を失っていたクウが目を覚ますとベッドの中におり、そばにはソラとましろの姿があった。
「ク、クウ!」
「クウちゃん…!」
「ソラ…ましろ…」
クウが身体を起こすと二人はクウに抱き着いた。
「良かった…もうクウが目を覚まさなかったらって私、凄く心配で…!」
「お、大袈裟だな~!こうして目を覚ましたから良いじゃねぇか」
「そういう問題じゃないよっ!」
ソラは目に涙を浮かべながら声を上げる。
「クウちゃん…どうしたあんな無茶をしたの?」
「わりぃましろ…あのまま界王拳を4倍まで上げなかったらちょっとヤバそうだったからさ…」
「…前に言ったよね?もう無茶をしないでって…」
「そ、そういや言ってたっけか…ってかましろ、おめぇなんか怖ぇぞ…?」
「…私達がそんなに頼りにならないの?だからいつも一人で無茶をするの?」
「ましろ…それは違ぇ」
そう言ってクウはソラとましろの頭に手を置く。
「オラはおめぇとソラ、それにツバサとあげはの事も頼りにしてっぞ。それに、おめぇ達ならあのランボーグを倒せると思ったからオラは界王拳を使う事が出来たんだ」
クウはそう言って二人の頭を優しく撫でる。
「クウ…」
「クウちゃん…」
「まぁ確かに無茶しすぎちまったかもな!ハハハ!」
「もう!笑い事じゃないよ!」
あまりにも楽観的なクウにソラがツッコミを入れる。
「クウさん!」
そこへエルとカカロットをを抱っこしているツバサとシャララが部屋に入ってきた。
「クウ。目が覚めたんだな」
「ああ!…シャララ、その腕どうしたんだ?」
シャララは右腕に包帯を巻いていた。
「これか?ランボーグに突撃した時に怪我をしてしまってな。一ヶ月もあれば治るそうだが、それまで闘う事は出来ないだろう…」
「そっか…なぁ。王様達はどうしたんだ?」
「王様と王妃様は…眠ったまま目を覚まさないんです」
「なんだって?」
ソラはランボーグを浄化した後に起こった事をクウに伝える。
「なるほどな…バッタモンダーに呪いをかけられて…」
「…クウちゃん。さっきみんなと話し合って、エルちゃんを連れてみんなでソラシド市に戻る事にしたの」
「ソラシド市に?」
「ソラシド市に戻って、ヨヨさんに王様達を治す方法を調べてもらうの。バッタモンダーがエルちゃんを狙っている以上、ここで私達がバラバラなる方がかえって危険だからね。クウはどうするの?」
「そういう事ならオラも行くぞ!」
「そう言うと思ってたよ」
クウの答えが最初からわかっていたのか、ソラは笑みを浮かべる。
「…皆さん!行きましょう!」
「おう!」
「うん!」
「はい!」
ソラの掛け声にクウ、ましろ、ツバサが答えた。
「そっか…そんな事があったんだ…」
ソラシド市に戻ってきたクウ達はスカイランドにいた間の事をあげはとヨヨに伝えた。
「っていうか、そのバッタモンダーって奴…許せないね!」
「あう!」
あげはの言葉に同意するようにカカロットが声を出す。
「…おばあちゃん。どうしてアンダーグ帝国の人達はスカイランドを襲うの?どうして沢山の人を平気で傷つける事が出来るの?」
「…あれから私も色々と調べてみたわ。スカイランドとアンダーグ帝国はいわば光と影…正反対とも言える二つの国は大昔の戦以来交わることなく過ごしてきた…何故今になってスカイランドを襲い、プリンセス・エルを狙うのか…沢山の書物を紐解いても、その答えは見つからなかったわ」
ヨヨはアンダーグ帝国について自分が知っている情報をクウ達に伝えた。
「ばあちゃん。王様と王妃様の呪いを解く方法はわかったんか?」
「それについては大丈夫よ。ランボーグを浄化した時に現れるキラキラエナジーというものをミラーパッドに集めれば、呪いを解く薬を作る事が出来るわ」
「そういえばランボーグを浄化した時になんかキラキラした光が出てた気がするな~…」
ヨヨの説明にクウはランボーグを浄化した時を思い出しながら納得する。
「安心してエルちゃん!その薬が出来たら、パパとママを目覚めさせる事が出来るかもしれないよ!」
「パパ、ママ…」
ましろの言葉を聞いたエルは両親の事を思い出したのか、目に涙を浮かべてしまっていた
「パパ~!ママ~!ウワーーーン!!」
エルはすぐに泣き出してしまい、あげはがエルを抱っこして優しくあやす。
「よしよ~し!」
「…まずは、エルちゃんの笑顔を取り戻しましょう!」
「そうだね。でもどうすれば良いのかな…?」
「だったらあれをしよ!」
「あれ?」
「あれって何ですか?」
クウが首を傾げ、ツバサがあげはに何をするのか聞く。
「子供が喜ぶのは、あれしかないでしょ!」
「あれって、人形劇の事だったんだな」
「そ!」
どうやらあげはの提案は人形劇の事だったようだ。ちなみに内容は桃太郎をアレンジしたものらしい。
一同は準備を終え、エルの為の人形劇を始めた。
「むかーしむかし、ある所に、二つの小さな雲がフワフワと降りてきました」
「桃じゃないんですか?」
「それも二つ…あげはちゃん。これって?」
「アレンジしちゃった!」
どうやらこれがアレンジの一つの様だ。
「そして、舞い降りた二つの雲がパカっと開くと…中から元気なえるたろうとかかたろうが出てきました」
桃太郎はエルとカカロットをモチーフにしたえるたろうとかかたろうとして登場する。
「二人の赤ん坊はミルクを飲み、すくすくと育っていきました。しかしある日、えるたろうとかかたろうの大好きなあげは姫が悪い鬼に連れ去られてしまいました…」
するとあげはをモチーフにしたあげは姫が鬼に連れ去られてしまった。
「あ~れ~!助けて~!」
「える!」
「あう!」
えるたろうとかかたろうはおばあさんからくもパンを貰って旅に出発した。
そんな二人の目の前に二匹の犬が現れる。
「オラ腹減っちまって…ワン!そのくもパンくれたらオラ達もおめぇ達についてくぞ…ワン!」
「私にもそのくもパンをくださいワン!」
こうしてクウイヌとソライヌをお供に加えたえるたろうとかかたろう。
そんな一行の元に二匹の動物がやってきた。
「ちょっと待ってウキ!くもパンをくれたら、えるたろうさんと一緒に鬼ヶ島に行くウキ!」
「ちょっと待ってくださいケン!僕もプリンセス…じゃなくて、えるたろうさんについて行きますケン!」
ましろサル、ツバサキジもお供に加え、一行は鬼ヶ島へと向かう旅を続けるのであった。