GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
「うめぇ~!」
クウとソラ、エルがソラシド市にやって来た次の日の朝、クウ達はましろとヨヨと一緒に朝食を食べていた。
ちなみにクウとソラはましろから貸してもらったジャージを着ていた。
「クウちゃん、朝からたくさん食べるね…」
「
「クウちゃん、口の中の食べ物をちゃんと飲み込んでから喋ろうね?」
「
クウは口の中の食べ物を噛まずに一気に飲み込む。
「ちゃんと噛もうよ…」
「ハハッ!わりぃわりぃ!」
クウはましろに軽く謝り、食事を再開しようとするとソラが食べ物を一口も食べていない事に気づく。
「あれ?ソラは食わねぇんか?」
「あ、今から食べるよ!」
初めて見る料理を食べる事にドキドキしていたソラであったがクウの一言でまず鮭を食べてみる。
「!…う~ん!何ですかこの魚!?くさみがなくて歯ごたえプリプリ!甘味が口の中にブワーって広がっていきます!」
「グルメリポーターかな?」
ソラの大袈裟な食レポにましろが思わず呟いてしまう。
「これは何ですか?」
次にソラは梅干しを口にする。
「っ!?…ん~!」
あまりの酸っぱさにソラは悶絶してしまう。
おそらくスカイランドには梅干しなどの酸っぱい食べ物がないのだろうからソラが驚くのは当然だろう。
「ハハハ!変な顔だなぁ~!」
「わ、笑わないでよぉ…」
朝食を食べ終えたクウ達はヨヨからこちらの世界のお金を受け取っていた。
「それじゃあましろさん。これでソラさんとクウさんの服を買ってあげて」
「うん!」
「オラ別にジャージのままで平気だぞ」
「クウちゃんはそれでも良いかもしれないけど、ジャージのままだとかえって目立っちゃうよ?」
「う~ん…そういう事ならしょうがねぇなぁ」
「お買い物の間、この子の面倒は私が見ておくわ」
「わかりました!良い子にお留守番出来ますか?エルちゃん」
「える!」
ソラの問いかけにエルは元気よく返事をする。
「エルちゃん?…そっか、本当の名前がわからないからね。確か、スカイランドのお姫様なんだっけ?」
「クウがその子をプリンセスって言ってましたね…クウ、王様からエルちゃんの本当の名前を聞いてない?」
「そういや聞いてねぇな…まぁ、しばらくはエルって呼べばいいんじゃねぇか?」
クウはヨヨが抱っこしているエルのそばに行く。
「エル!オラ達がけえって来るまで良い子で待ってんだぞ~?」
「える~!」
クウがエルに話しかけているとヨヨは少し驚いたような表情をしていた。
「ヨヨさん?どうしましたか?」
「…いいえ、素敵な名前だと思ったの…さ、いってらっしゃい!」
クウ、ソラ、ましろはエルとヨヨに見送られ、買い物へと出かけていった。
「た、建物の中に市場が!?」
クウ達がやって来たのはソラシド市にあるショッピングモールであった。
見た事ない建物にソラは思わず声を上げてしまう。
「ひゃ~!こっちのショッピングモールにもいっぺぇ店があんだな!」
クウはショッピングモールの中を見渡しながら声を漏らす。
ここでソラとましろはある違和感を感じる。
「あれ?スカイランドにもショッピングモールがあるの?」
「いえ、私は見た事がありません。どうしてクウが知ってるの?」
「あ、いや、何でだろうな~?ハハハ!」
「「…」」
クウは前世でショッピングモールを知っていた為、思わず口に出してしまう。
何とか誤魔化そうとするクウにソラとましろはジト目で睨みつける。
「…そ、そんじゃあ!早くオラ達の服を買いに行こうぜ!」
((あ、逃げた!))
クウは話を逸らすように先へと進んでいった。
そうしてショッピングモール内の服屋にやって来たクウ達。
まずソラが真剣な表情で見ていたのは2種類のジャージであった。
「ソラちゃん、ジャージ以外の選択肢があっても良いんじゃないかな…?」
「その考えはありませんでした!」
「なかったんだね…」
「なぁ!このジャージとか動きやすそうだぞ!」
「クウちゃんもジャージから離れようね?」
クウが見せてきたジャージにましろはツッコミを入れる。
「…ましろさん、お願いがあります」
「どうしたの?」
「私の服を選んでもらえませんか?こちらの世界ではどんな服を着れば良いのかわからなくて…」
「オラもファッションとかよくわかんねぇしな~…オラもましろに任せっぞ!」
「わ、私で良いの?」
「おう!」
「私もましろさんに選んでほしいです!」
「…うん!任せて!」
こうしてクウとソラはましろに服を選んでもらう事になったのであった。
ショッピングモールを出たクウ達は街のベンチに座っていた。
「クウ、ましろさん、どうですか?」
現在ソラが着ているのは白と空色を基調にした長袖のTシャツにミニスカートで、ニーハイソックスを着用しており、スニーカーを履いていた。
「うん!似合ってるよ!」
「ああ!ソラにピッタリだぞ!」
「フフッ!クウも似合ってるよ」
「ヘヘッ!サンキュー!」
クウが着ているのは薄い青色のパーカーに黄色のショートパンツで、ソラと同じ色のニーハイソックスを着用しており、黒色の靴を履いていた。
「…ソラちゃん、聞いても良い?」
「はい?何ですか?」
「ソラちゃんは、どうしてそこまでしてヒーローになりたいって思ったの?」
「…本物のヒーローを、見てしまったからでしょうか?」
ソラはクウを見ながらそう口にする。
「ん?」
「本物のヒーローって、もしかしてクウちゃん?」
「はい…小さい頃、入ってはいけないと言われていた森に迷い込んでしまった事があって、その時に、クウが助けてくれたんです」
「クウちゃんが?」
「ああ、母ちゃんからソラがいなくなったって聞かされてよ。そんで森まで探しに行ったら蔦に襲われそうになってるソラを見つけたんだ」
「その時のクウはとてもカッコよかったんです!素早い身のこなしで蔦を薙ぎ払う姿が私には輝いて見えました!」
「フフッ、ソラちゃんって、本当にクウちゃんの事が大好きなんだね!」
「はい!私の自慢のお姉ちゃんでヒーローです!」
「ハハッ、なんか照れんなぁ~…でもよ、ソラにとってのヒーローはもう1人いるだろ?」
「もう1人?」
「クウに助けられたすぐ後なんですけど、ある人に助けられて、その人のおかげで森から出る事が出来たんです。あの人もとてもカッコよかったです!いつかクウとあの人みたいになりたい…その為に毎日トレーニングをして、クウに鍛えてもらって、ヒーロー手帳をつけて…」
「…あの手帳、そんなに大切な物だったんだね…」
昨日カバトンにソラの手帳を破られてしまい、その事を思い出したソラとましろは少し俯いてしまう。
その時、大きな腹の音が聞こえてきた。
「オラ、腹減っちまった…」
「…フフッ!クウってば!」
「それじゃあ、あそこのハンバーガー屋さんで食べていこっか!」
「ハンバーガー…とても美味しそうな名前です!」
「ソラ!ましろ!早く行こうぜ!」
3人は近くにあるハンバーガー屋まで歩いていく。
「ヒ、ヒィ~~!!」
ハンバーガー屋の中から怯えて様子の店員が出てきて、すぐさま逃げていった。
「いってぇどうしたんだ?」
クウ達は店の中を見る。
店の中にはなんとカバトンの姿があり、大量のハンバーガーを平らげていた。
「うんめぇ~!パワーが漲ってくるのねん!これだけ食べれば…ん?」
カバトンは店の外にいるクウ達に気づき、急いで外に出る。
「お、お前ら!見つけたのねん!」
「あ、あなたは!」
「カツドン!性懲りもなくまた悪い事をしてるんですか!許しませんよ!」
「だからカツドンじゃないのねん!カ!バ!ト!ン!なのねん!プリンセスはどこだ!?」
「オメェまだエルの事諦めてなかったんか?まったく、バカな事やってねぇで働け!」
前世のクウこと孫悟空を知っている者からすれば『お前が言うな!』と物申したいところであろうが、今のクウは未成年のためあまり気にしなくていいだろう。
「うるさいのねん!お前ら姉妹をボッコボコにして、それからネチネチとプリンセスの居場所を聞き出してやるのねん!カモン!アンダーグ・エナジー!」
カバトンは近くの自販機にアンダーグ・エナジーを注ぎ込む。
「ランボーグ!」
自販機はランボーグへと姿を変えてしまった…