GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
それでは本編をどうぞ!
保育園での騒動から数日が経ったある日の朝、クウは虹ヶ丘家の庭で瞑想をしていた。
「クウちゃ~ん!」
そんな虹ヶ丘家だが、実は新しい同居人がやって来ていた。
「朝ご飯出来たからみんなで食べよ~!」
「…わかった!今行くぞあげは!」
保育園での騒動から少しして、なんとあげはが虹ヶ丘家に住む事になったのだ。プリキュアになった以上、彼女と一緒にいられるようになったのはソラ達からしたら嬉しいし頼もしいだろう。
「「「わぁ~!」」」
机の上に並べられている朝食にソラ、ましろ、スイは声を漏らしてしまう。
「ひゃ~!美味そうだな~!」
「そうだね!」
クウとソラは自分の感想を口にする。
「これって、あげはちゃんが作ったの?」
「そうだよ!美味しいものを食べて、朝からキブンアゲてこ!」
それから一同は合掌をし、あげはが用意した朝食を食べ始める。
「うめぇ~!」
クウとスイは次々と料理を平らげていく。
「おかわりたくさんあるから、欲しい時は遠慮なく言ってね。特にクウちゃんとスイちゃんはね」
「おう!」
「ありがとうございます!」
「そうだ。たくさん食べるといえば…」
あげははふと料理を平らげるカカロットを見る。最近カカロットはミルクや離乳食以外にも普通の料理を食べるようになったのだ。それもたくさん。
「カカロットちゃん、落ち着いて食べるんだよ?」
ましろがカカロットにそう言うも、カカロットは食べる事に夢中の様だ。
「カカロットちゃんは食べるのに夢中のようですね」
ソラは笑みを浮かべながらそう口にする。
「…ねぇ、あげはちゃん」
するとんましろがあげはに話しかける。
「何?ましろん」
「今度ね、一緒に新しいお料理のレシピを考えてほしいんだけど…良いかな?」
「え?別に良いけど…あぁ!ひょっとしてクウちゃんにごt」
「あげはちゃん!///」
クウに新しい料理で御馳走をしたいという思惑を持っていたましろはそれを口にしそうになったあげはを止める。
「あ、ごめんごめん!」
「オラがどうしたんだ?」
「な、なんでもないよ!(も~!あげはちゃんってば…///)」
「?なんかよくわかんねぇけど、してほしい事があるんならいつでも相談してくれ!」
「う、うん…ありがとう、クウちゃん」
(あれ?もしかしてましろさん、クウさんの事が…)
この光景を見ていたツバサはましろの想いをなんとなく勘づいていた。
そして次の日。
「さてと、今日は久しぶりにランニングでもすっかな!」
今日も朝早く目が覚めたクウはジャージに着替えてランニングに向かおうとしていた。
「あ、クウさん!おはようございます」
そこへ同じく早く起きたツバサと出くわす。
「よぉツバサ!なんだ、早ぇじゃねぇか」
「僕だって偶には早く起きますよ」
二人は会話を交わしながらリビングへ入る。
「うわぁっ!?」
リビングの机を見たツバサは盛大に驚いてしまう。
「あれ?あげはじゃねぇか」
あげはが机の上に突っ伏したまま寝ていたのだ。何らかの作業をしていたのか、机の上には絵や紙が散らかっていた。
「ね、寝てるんでしょうか…?」
「そうみてぇだな。お~い!あげは~!」
クウはあげはの身体を揺すって起こそうとする。
「う、う~ん…あれ?クウちゃんと少年?…ヤバッ!寝ちゃってた!」
あげはは慌てながら目を覚ます。
「あげは。もしかしておめぇ、昨日の夜からずっとここでなんかしてたのか?」
「…エヘッ!」
「エヘッ!…じゃありませんよ!」
誤魔化そうとしているあげはにツバサは思わずツッコミを入れてしまう。
「はぁ…僕達の為に色々やってくれているのはわかります。でも、自分の事は自分で出来ますし、むしろあげはさんが僕達をもっと頼ってくれて良いんですよ!」
「ツバサの言う通りだぞ。保育士の課題とかはよくわかんねぇから手伝えねぇけどよ、オラでも出来る事なら手伝ってやるよ」
「少年…クウちゃん…そこまで言うなら、頼っちゃおうかな~!」
「はい!遠慮なく言ってください!」
それからクウとツバサはあげはから手伝ってほしい事を聞くのであった。
それからある場所に連れてこられたクウとツバサ。そこはあげはが実習でお世話になったソラシド保育園の壁の前だった。壁にはたくさん絵が描かれており、俗に言う壁画アートというものであった。
ちなみにエルとカカロットもこの場所に来ていた。
「保育園の先生がね、実習の記念に描いてって言ってくれたんだ。でも引っ越しでバタバタしてたら時間がなくて…」
「時間がなかったのに僕達のお世話までしていたんですか?」
「あはは…」
ツバサからの指摘にあげはは笑って誤魔化す。
「それはそうと、ごめんねクウちゃん。私の為に学校休んでもらっちゃって…」
「気にすんなって!一回手伝うって言っちまったんだから手伝わねぇといけねぇしさ」
どうやらあげはの手伝いをする為にクウは学校を欠席したようだ。
それからクウ達は壁画アートに絵を描き始める。
「少年、本当に絵が上手いよね!」
「父さんが絵描きなので、これくらいは描けます」
「スゲーなツバサ!…う~ん、オラは上手く描けねぇな…」
ツバサとあげははかなり上手く描けているが絵を描くことに無縁の生活を送っていたクウは悪戦苦闘していた。
「ねぇ少年。少年のスカイランドのご両親ってどんな人?」
「う~ん…二人とも、いつまで経っても僕を子供扱いしてくるんですよ。何かと構ってくるから鬱陶しくて…」
「そういやおめぇ、父ちゃんと母ちゃんからよく可愛がられてたっけな」
「そういえばクウちゃんって、昔少年の家に住んでたんだっけ?」
「ああ、昔ちょっとな」
「…あっ!」
するとツバサが何かを思い出したかのように声を出す。
「どうしたの少年?」
「あげはさんの世話焼きなところ、誰かに似てると思ったら、父さんと母さんに似てるんだ!…あ、ごめんなさい!」
「ハハッ、気にしなくて良いよ!…ツバサくんって今、家族と離れ離れじゃん?クウちゃんにソラちゃんもそうだし、エルちゃんとカカロットちゃん、それにましろんも…スイちゃんだって家族の事を覚えてないし…だからかな?色々やってあげたくなっちゃうんだよね。みんながいっぱい頑張ってるの知ってるし!」
「あげはさん…」
あげはの言葉にツバサは何とも言えなくなってしまう。
「あーい!」
「あいー!」
するとエルとカカロットの楽しそうな声が聞こえてくる。
「「あっ!」」
エルとカカロットは手に絵の具をつけ、壁画に手形をつけていた。
「おっ!たくさん手形をつけてんな~」
「言ってる場合ですか!プリンセス、カカロットちゃん!ダメじゃないですか!」
「…いや、これはこれでむしろ良いんじゃないかな?」
そう言ってあげははエルとカカロットがつけた手形に絵を描き加えていく。
「ほら!こうすればチューリップになるでしょ!ほら二人とも、もっとペタペタしよ!」
「あーい!」
「あう!」
エルとカカロットは思うが儘に手形をつけていく。
「そうだ!クウちゃんと少年も自由に描いてみてよ!その方が五人の合作って感じがするじゃん!
「そりゃ良い考えだな!どうだツバサ?」
「…まぁ、お二人が良いなら、それで良いですけど」
そう言ってツバサはあげはの提案を受け入れる。
それから五人は自由に絵を描いていき、しばしの時間が流れた。
「かんせーい!」
「あい~!」
完成した壁画を見てあげはとエルは歓喜の声を上げる。
「こういうのも悪くねぇかもな」
普段は修行の事しか考えていないクウも今回はご満悦のようだった。
「ありがとねみんな!おかげで最高の壁画が出来たよ!」
「でも良かったんですか?僕達の絵まで交ざっちゃって…」
「だから良いんじゃん!相乗効果ってやつ?私一人で描いた絵より、ずっと楽しい絵になったよ!」
あげはは楽しそうにそう口にする。
「ああ、なんて可哀想なんだ…」
その時だった。あの男のわざとらしいセリフが聞こえてきたのは。
「せっかく一人増えたのに、ここにいるのは三人だけだなんて…」