GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです   作:のぞむ

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家に帰ろう

「あ~!食った食った~!」

 

クウは満足気な表情でお腹をポンポンと叩いていた。

 

「クウさん、病み上がりなのにそんなに食べて大丈夫なんですか?」

 

「ああ!もうでぇじょうぶだ!」

 

ツバサが心配そうに訊ねるがクウは平気そうに答える。先程までランボーグにされていた反動で碌に動くことが出来なかったクウであったが一時間もすれば元気が戻り、こうして料理を平らげることが出来たのだ。

 

「なんか悪いのねん。俺まで御馳走になっちまって…」

 

「ううん。あなたの助けもあったからクウちゃんを助ける事が出来たんだよ。だからお礼をしたかったんだ」

 

「ましろさんの言う通りです!カバトンが来てくれなかったら、私の心は砕けていました…だから本当に感謝しています!」

 

「…フン!俺は超TUEEEからな!もっと感謝するのねん!」

 

カバトンは照れつつも、いつもの様に上から目線になる。

 

「…そういや、さっきから気になってたんだけどよ…そこのお前」

 

そう言ってカバトンはスイを見る。

 

「わ、私?」

 

「う~ん…やっぱカイゼリンとそっくりなのねん。あいつよりはチビだけどよ」

 

「カイゼリン?」

 

「そういえば、バッタモンダーもスイちゃんを見てカイゼリン様って言ってたよね?それって誰なの?」

 

あげははカバトンにカイゼリンが何者なのか訊く。

 

「そういや言ってなかったのねん…カイゼリン・アンダーグ。アンダーグ帝国の女帝…簡単に言えば俺の元上司なのねん」

 

「カイゼリン・アンダーグ…」

 

「アンダーグ帝国の女帝…」

 

ソラとましろの呟きが全員の耳に入ってくる。

 

「…ねぇ。私ってそのカイゼリンって人に似てるの?」

 

「似てるなんてもんじゃねぇ。瓜二つなのねん。髪型はチゲーけど」

 

「も、もしかしてスイさんは…アンダーグ帝国の関係者…だったりするんですか?」

 

そう口にするツバサは不安そうな表情をしていた。

 

「さぁな?少なくとも俺はお前をアンダーグ帝国では見た事がないのねん」

 

「…まぁ、これ以上難しく考えても仕方がねぇさ」

 

「クウちゃん?」

 

「要はそのカイゼリンっちゅう奴からエルを守り続ければいいだけだろ?」

 

「…クウの言う通りです。誰が相手であろうと、ヒーローとして闘い続けます!」

 

「…そうだね!みんな、これからもエルちゃんを守る為に頑張ろ!」

 

「…そうですね」

 

「うん!それが良いと思う」

 

「…私も、カイゼリンの事は気になるけど…それでもみんなの助けになりたい!」

 

一同はそう言って決意を改める。

 

「そんじゃ、そろそろお暇するのねん」

 

「なんだよ、もう帰ぇるんか?」

 

「俺はこれでも働いてるのねん。だから明日に備えてゆっくりしてぇんだよ」

 

「そっか。働くのはいいけんど、修行もしっかりしろよ?」

 

「う~ん、それって大変じゃないかな…?」

 

「グフフ…言われなくても修行は続けるのねん!そんじゃあな!」

 

そう言ってカバトンは虹ヶ丘家を後にした。

 

「もしかしたらカバトン、またクウちゃんとソラちゃんに勝負を挑みに来るかもね」

 

「僕達が住んでる場所も知られちゃいましたしね…」

 

そんな会話をしていたあげはとツバサは思わず苦笑いをしてしまう

 

「ところでヨヨさん。王様達の呪いを解く薬はどれくらいで完成するんですか?」

 

「そうね…明日の朝には完成すると思うわ」

 

「そうですか…クウ、提案があるんだけど…」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「えっとね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後。クウとソラはスカイランドにある自分達の家の前に来ていた。クウとソラは薬が完成する明日までハレワタール家に帰る事にしたのだ。

 

「家に帰るのは久しぶりだね」

 

「そういやソラはソラシド市に行った日から一回も家に帰ってなかったっけな」

 

「うん。みんな元気にしてるかな~」

 

家族の元気な姿を想像しながらソラは家のベルを鳴らす。

 

「はいは~い!…クウ、ソラ!?」

 

レミが家の中から出てきて、向こうの世界にいるはずのクウとソラがいる事に驚いてしまう。

 

「オッス母ちゃん!」

 

「ただいま、ママ」

 

「どうしたの?王様と王妃様の呪いを解く為に向こうの世界で戦ってるって聞いたけど…」

 

「その事なんだけど…」

 

「あっ!クウお姉ちゃ~ん!ソラお姉ちゃ~ん!」

 

後ろからレッドの声が聞こえ、二人は振り返る。

 

「おっ、レッド!」

 

「ただいまレッド」

 

「おかえり!スイお姉ちゃんは一緒じゃないの?」

 

「スイなら向こうの世界にいるぞ」

 

「そうなんだ…ねぇねぇ!向こうでの闘いの事、聞かせてよ!」

 

「レ、レッドってば!落ち着いて!」

 

「クウ、ソラ、レッド」

 

レッドがクウとソラに詰め寄っていると中からシドの声が聞こえてくる。

 

「チシューが冷める。中に入りなさい」

 

シドが家の中に入るように促すとクウのお腹からぐぅ~!と音が聞こえてきた。

 

「チシュ―見たら腹減って来たぞ…とりあえず入ろうぜ!」

 

「う、うん…(さっきあんなに食べたのに…)」

 

クウに呆れつつソラは久しぶりの我が家に足を踏み入れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に入ったクウ達は夕食を食べながらソラシド市での闘いの事を家族に話した。

 

「そう。王様と王妃様の呪いを解く薬がもうすぐ出来るのね」

 

「ああ。そんでソラの提案で薬が出来る明日までここで休む事にしたんだ」

 

「そういう事ならしっかり休みなさい」

 

「ありがとうママ!」

 

「…やっぱり、納得できないよ」

 

するとレッドが不満気な表情でクウとソラを見る

 

「レッド?」

 

「なんで悪い奴にトドメを刺さなかったんだよ!そいつのせいでクウお姉ちゃん酷い目にあったんでしょ!?」

 

「レッド…」

 

「…やめなさいレッド」

 

バッタモンダーにトドメを刺さなかったことに納得がいかないレッドの言葉をシドが咎める。

 

「でも!」

 

「人が正しいと決めた事に口出しするのは、間違ったことだ」

 

「…まぁ、レッドの気持ちもわからなくはねぇさ」

 

クウはそう言ってレッドの頭に優しく手を添える。

 

「レッド。オラの仲間は悪ぃ奴を倒すために闘ってんじゃねぇ。悪ぃ奴からみんなを守る為に闘ってんだ。それによ、もしまたバッタモンダーの奴が悪ぃ事をしてきたらオラ達が懲らしめればいいだけだ」

 

「クウお姉ちゃん…よくわかんないよ」

 

「ハハッ!レッドにはまだ難しいかもな。でも今の話はちゃんと覚えとけ。でないとソラみてぇなヒーローにはなれねぇぞ?」

 

「それはやだ!クウお姉ちゃんとソラお姉ちゃんみたいなヒーローになるんだ!」

 

「だからオラはヒーローじゃ…ま、いっか!」

 

「…食え。母さんが作ったチシューだ。美味しいぞ」

 

「いっけね!」

 

クウはチシューが冷めないうちに一気に平らげる。

 

「母ちゃん!おかわり!」

 

「フフッ、はいはい」

 

呆れつつも嫌な顔一つせず、レミはチシューのおかわりを用意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ~…懐かしいね!」

 

夕食を食べ終えたクウとソラはシドに連れられて湖畔にやって来ていた。ここにはたくさんの星々が降り注いでいる。そしてソラの思い出の場所でもある。

 

「ここって、昔父ちゃんに連れられてきた場所だっけ?」

 

「ああ」

 

「…あの時、弱い者いじめをする子達と大喧嘩して…でも、全然敵わなくて、それでクウに助けてもらったっけ…」

 

 

 

--------------

 

 

 

『ヒック…ヒック…っ』

 

部屋の隅で泣きじゃくる幼い頃のソラ。そんなソラを幼い頃のクウが慰めようとしていた。

 

『ソラ~。いい加減元気出せって』

 

『だってみんな、クウをバケモノだって言ってきて、私、それが許せなくて…』

 

『なんだ、そんな事かよ。オラ別に気にしねぇぞ』

 

『私は気にするよ!だってクウは、私のヒーローで…大好きなお姉ちゃんで…っ!』

 

『う~ん…めぇったな~…』

 

『お前達』

 

そこへシドがやってくる。

 

『父ちゃん!なぁ、なんとかならねぇか?』

 

『…ついてきなさい。良い所に連れていってやる』

 

そうして連れこられたのがあの湖畔である。

 

『わぁ~…!』

 

『ひゃ~!星がいっぺぇ落ちてくっぞ!』

 

『…私、本当にヒーローになれるのかな?私、強くないし、喧嘩怖いし…』

 

『…ソラ。お前の心は何て言っている?』

 

『私の心…』

 

ソラは自分の胸に手を置く。そして流れ星が降ってくるのを見て、ソラは大きな声で叫んだ。

 

『ヒーローになれますように!!』

 

 

 

--------------

 

 

 

「クウ、パパ…私、ヒーローになる!みんなを助けて、笑顔にする。そんなヒーローに!」

 

「そっか…じゃあ、これからも頑張んねぇとな!」

 

「ソラ。俺達はこれからもお前を応援する。だが…帰りたくなったらいつでも帰ってきなさい」

 

「…うん!」

 

この日、ソラは改めてヒーローになると心に誓ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フン…フン…」

 

一方、とある森では牛のような顔をした男が指立て伏せをしていた。

 

 

 

『ミノトン…』

 

そこへ女の声が聞こえ、ミノトンと呼ばれた男はトレーニングをやめる。

 

「これはカイゼリン様!如何いたしましたか?」

 

『…バッタモンダーがプリキュアに負けた。奴はもう使い物にならないだろう。次はお前がプリンセス・エルを連れてくるのだ』

 

「ハッ!このミノトン!奴らと…クウ・ハレワタールとソラ・ハレワタールと闘える時を楽しみにしておりました!奴らを倒し、必ずやプリンセス・エルを連れてきて参ります」

 

『…もう一人、連れてきてほしい者がいる』

 

するとミノトンがいる場所に映像が現れる。映像にはスイが映っていた。

 

『ミノトン。お前にはプリンセス・エルとこの少女の二人を連れてきてもらう』

 

「…この少女、カイゼリン様と瓜二つのようですが…いったい何者なのですか?」

 

『お前が知る必要はない…忘れるな。いつまでもプリンセスと少女を連れてこなければ…お前に未来はない』

 

その言葉を最後にカイゼリンの声が聞こえなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、アンダーグ帝国のどこかではフードを被った男がバッタモンダーを殴り続けているスイの映像を観ていた。

 

「まさか、奴が生きていたとは…」

 

男は右腕の袖をまくり、自身の右腕にある火傷の跡を見る。

 

「…記憶が戻る前に、必ず貴様をこの手で消してやろう…カイザリン・アンダーグ」




今回でスカイランドと新たなる刺客編が終わります。

次回から始まる新章を楽しみに待っていてください!
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