GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
そして今日は鳥山先生の命日です。鳥山先生、最期に素晴らしいドラゴンボールを遺していただきありがとうございました。改めてご冥福をお祈りします。
それでは本編をどうぞ!
パレードの準備をしている中、突然国王からの呼び出しを受けたクウ達は謁見の間の訪れていた。
「何で王様はオラ達を呼んだんだろうな?」
「さぁ?」
クウ達が疑問に思っている中、国王と王妃がエルを連れて謁見の間に入ってきた。
「勇敢なるヒーロー達よ。よく来てくれた!」
「王様、一体どうしたのですか?」
ソラが国王に呼び出した理由を訊ねる。
「…そなた達には何度も救われた。プリンセスの事も、私達の呪いを解いてくれた事も…心から感謝する」
「本当にありがとうございました」
「ありがとー!」
「ど、どういたしまして」
国王と王妃、王妃の膝にいるエルの礼にスイが返事をする。
「そしてもう一つ…大事な願いを聞いてもらえないだろうか?」
「大事な願い?…なんだそれは?」
クウの問いかけに答えたのはエルを抱っこしている王妃の方だった。
「この子を…プリンセスを再びあなた達の世界に連れ帰ってほしいのです」
王妃の口から出てきた言葉を聞き、クウ以外の面々は驚きを隠せずにいた。
「どうして、プリンセスをソラシド市に!?」
「そうですよ!だってようやくパパとママに会えたのに…」
それに異を唱えたのはツバサとあげはだった。
「まぁ落ち着けっておめぇ達」
「落ち着いていられませんよ!」
「よく考えてみろって。あんなにエルの事を大事に想ってる王様達が理由もなくエルと離れようなんて言うと思うか?」
「それは、そうですけど…」
この場にいる一同は国王と王妃がどれだけ愛娘であるエルを大事に想っているか知っている。だからこそ異を唱えているのだ。
「…我々も可愛いプリンセスと一緒にいたい。だが、この子は『運命の子』なのだ」
「運命の子?」
「なんだそれ?」
「あれは、今から一年前の事です…」
国王と王妃から語られたのはエルの出生の秘密であった。
一年前のある日、城のベランダで夜空を見上げていた国王と王妃。すると突然夜空に浮かぶ一番星から光が出て、その光が赤子になったとの事だ。更に一番星が二人に語り掛けてきたそうだ。
『その子は運命の子です。滅びの運命にあるスカイランドを救ってくれるでしょう。その子を、あなた達の手で育てるのです。ただしそう遠くない未来、必ず旅立ちの知らせが届きます。あなた達はそれまでの間、面倒を見るだけの…謂わば仮初めの親。親としての時間はほんのひと時です…それでも良ければ、この子の手を取りなさい』
それから二人はその赤子に『エル』と名付け、自分達の娘として大切に育てる事を決心したのだ。
「そして、プリンセスに再び運命の光が宿った…無情にも旅立ちの知らせを告げたのだ」
「本当は、ずっとここで共に暮らしたい…」
国王と王妃はエルを見ながら今にも泣きそうになっていた。
そんな二人の心情を感じ取ったのか、エルは二人に手を伸ばした。
「なでなで…えーんちないよ、いいこ、いいこ…」
エルは優しくそう言って国王と王妃を慰める。
「エル…」
「こんなに優しい子になっていたのね…そうね、きっと大丈夫…ここを離れても、あなたには守ってくれる家族がいるんですもの…」
「家族…私達が…」
ソラが小さく呟く。
「アンダーグ帝国はこれからもスカイランドやそなた達の元へ資格を差し向けてくるであろう。危険を背負わせてすまぬ…だがどうか、プリンセス・エルを守ってほしい」
国王は深々と頭を下げ、クウ達に頼み込む。
「…顔を上げてください、王様」
国王にそう口にするソラ。彼女の表情は真剣そのものであった。
「これまでにまして、必ずやエルちゃんをお守りします!」
そう言ってソラは二人の願いを聞き入れる。
そしてそれは、他の者達も同じであった。
「安心してくれ王様。アンダーグ帝国の奴らにエルはぜってぇ渡さねぇ!」
「…うむ。頼んだぞ、ヒーロー達よ!」
こうしてエルは再びクウ達と過ごす事になった。もちろん家族として…
スカイランドで行われたパレードから数日が経ち、クウ達はソラシド市の虹ヶ丘家に戻ってきていた。
「かかろ!あそぼ!」
「あう」
エルとカカロットが一緒に遊んでおり、その様子をあげはとスイが優しく見守っていた。
「エルとカカロット、すっかり仲良くなったみてぇだな」
「あっ、クウちゃん。準備できた?」
「ああ!バッチリだ!」
クウは背中にリュックを背負っている。
この日は休日を利用し、全員で動物が沢山いる『ソラシド自然公園』に行くのだ。
「運命の子か~…でもぱっと見はどこにでもいる赤ちゃんだよね」
「そうですね」
「でも運命の子だからって難しく考える必要はねぇさ。これまで通りエルと自然に過ごせばいいんだ」
「そうだよね!…さて、ましろん達は準備出来たかな?」
あげははソラ、ましろ、ツバサがいる部屋に様子を見にいく。すると突然固まってしまう。
「どうしたんだあげ…は?」
気になったクウとスイもあげはが見ている場所を見る。
そこにいたのは何故かアメフト選手の格好をしていたソラ、ましろ、ツバサの三人であった。
「…何やってんだおめぇ達?」
これには流石のクウも困惑した表情をするのであった。
それから普段の服装に着替えた三人に訳を聞いてみたところ、エルが運命の子だと知り、前以上にエルを守る事を考えた結果、あの様な格好をするに至ったとの事だ。
「急にあんな格好してるからビックリしちゃったよ」
スイがそう言うとソラが頬を赤く染めながら口を開く。
「そ、そうですよね~…(あ~!クウとあげはさんならともかく、スイさんに見られちゃった!変な人だって思われたかな…?)」
最近スイを意識するようになったソラは心の中で悶々としていた。
「も~!みんな考え過ぎだって」
「わかってはいるつもりなんだけど、やっぱり考えちゃうよ…」
ましろが不安そうに口にする。
「そろそろ出発しよっか!ソラちゃん、スイちゃん。悪いんだけど今日は二人が舞空術でついて来てくれるかな?他の人に見つからない様に気を付けてね」
「わかりました。ソラさん、準備はいい?」
「は、はい!」
それから車組が先に出発し、舞空術組のソラとスイが車組を追いかけ始める。
「…あの、スイさん。聞きたい事があるんですけど…」
「いいけど、どうしたの?」
「…さっきの私は、やっぱり変でした?」
「それって、あのゴツイ格好の事?」
スイの問いにソラは恥ずかしそうに頷く。
「…ビックリはしたけど変だとは思わなかったかな」
「ほ、本当ですか?」
「本当だよ」
「そ、そうですか」
スイの答えにソラは安堵の表情になる。
「それにさ、ソラさんはソラさんなりにどうやってエルちゃんを守れるのか考えたんだよね?答えがどうであれ、しっかり考えられるのは凄い事だと思うな」
「スイさん…フフッ、ありがとうございます」
「お礼を言われるほどの事は言ってないんだけどな…どういたしまして」
ソラとスイは互いに笑みを浮かべる。
(この前ましろさんの…クウへの想いを聞いて気づきました。スイさん…私はあなたが好きです。いつの日か、必ずあなたにこの想いを伝えます)
そう考えているソラは頬はほんのりと赤くなっていた。