GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです   作:のぞむ

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武人現る!

ソラシド自然公園にやって来たクウ達はゾウ、キリン、シマウマといった様々な動物と触れ合っていった。それから正午になったところで園内にある草原に行き、そこで昼食を食べ始める一同。

 

「ど、どうかな?」

 

「う~ん!凄くうめぇぞ。ましろ、前より料理作んの上手くなったんじゃねぇか?」

 

「そ、そうだったら嬉しいな…」

 

ましろは照れながらあげはに目線を移す。するとあげはもウインクで返事をする。

ここしばらくましろはあげはと一緒に料理修行をしており、それにより以前より料理の腕が上達したのだ。

 

「う~!」

 

「カカロットちゃん、今ご飯あげるね!」

 

ましろは続けてカカロットにご飯を与える。

 

「それにしても、まさかエルちゃんが動物さん達とお話が出来るなんて、凄すぎます!」

 

「おしゃべり!」

 

ソラの言う通り、どうやらエルには動物の言っている事がわかるらしく、これまで触れ合った動物達と楽しそうに会話をしていたのだ。

 

「もしかしたら、もっと色々な力を使えるようになるんでしょうか…?」

 

ツバサの一言でソラ、ましろの二人が考え込んでしまう。

 

「も、もしそうなら、エルちゃんはハイパースゴスギ赤ちゃんだよ!やっぱり、ご飯にももっとこだわるべきかも!」

 

「やっぱり今からでも英才教育をするべきでしょうか…?」

 

「まさか、こんなに早くエルちゃんにスカイランド神拳を伝授する時が来るとは…!」

 

「おめぇ達考えすぎじゃねぇか?」

 

「クウの方が気楽過ぎだって!」

 

「そうですよ!」

 

ソラとツバサに詰められるクウ。しかしクウは至って冷静だ。

 

「まぁ確かに子育てをどうやんのかわかんねぇって気持ちはわかるな。前世のオラもそうだったからな」

 

「クウもそんな時期があったんだ…えっ?」

 

クウの言葉にスイは声を漏らしてしまう。

 

「そっか、前世のクウちゃんには孫がいるって言ってたから当然子供もいるよね」

 

「あ、あげはちゃん!今言ってたのって本当なの!?」

 

「あ、そういえばましろん達には言ってなかったっけ?」

 

「聞いてないよ~!」

 

クウに子供と孫がいる事を知らなかったましろは驚いている。

 

「これは長男の悟飯が生まれた時の話なんだけどよ…」

 

「あれ?それって前世のクウを育てたっていうおじいさんの名前じゃなかっけ?」

 

「ああ、上の息子にはじいちゃんと同じ名前を付けたんだ」

 

ソラの疑問にクウが答える。

前世のクウ、悟空の長男である悟飯の名は育ての祖父から取って名付けられたのだ。

 

「オラさ、子供を育てるって事をやった事なかったからさ、結構苦労したんだ。しょっちゅう夜泣きされちまってたし」

 

そう口にするクウは苦笑いを浮かべていた。

 

「けど不思議と嫌だなって感じなかったんだよな。それに赤ん坊の悟飯が笑ってるのを見てるとさ、オラも嬉しくなっちまっうんだ。そんで思ったんだ。これが子供を愛するって事なんかなって…」

 

クウは優しそうな笑みを浮かべる。

 

「ス、スイさん、大丈夫ですか!?」

 

「大丈夫って、何が?」

 

「何って…泣いてるじゃないですか…

 

「え…っ!?」

 

ソラの言う通り、スイの目から涙が零れ落ちていた。

 

「あれ…私何で…っ」

 

スイは涙を拭うが涙が止まる事はなかった。

 

「スイ、いたいいたいなの?」

 

「わかんない…わかんないけど、涙が止まらない…っ!」

 

「あわわ…ど、どうしましょう!何かスイさんを元気づける方法は…」

 

「…しばらくそっとしてやろうぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして泣き終えたスイはあげはから貸してもらったハンカチで目元を拭いていた。

 

「スイちゃん、落ち着いた?」

 

「はい…すみませんあげはさん。ハンカチ汚してしまって…」

 

「良いって!気にしないで」

 

あげははそう言って全員を見る。

 

「クウちゃんの話を聞いてわかったんだけどさ、プリンセスや運命の子じゃなくたって子育てはパパさんママさんがみんな悩んでる事なんだよ。絵本は何を読めば良い?習い事はさせるべき?…赤ちゃんに素敵な大人になってほしくて、みんな悩みながら子育てしてるんだよ」

 

「あげはちゃん…」

 

「みんな、いたいいたい?」

 

「いえ、そういう訳では…」

 

「いたいのいたいのとんでけ~!」

 

エルはそう言ってソラ達を元気づけようとする。

 

「エルちゃん…ありがとうございます!」

 

「エルちゃんのおかげで元気が出てきたよ!」

 

「はい!痛いのは空の向こうまで飛んでいきました!」

 

ソラ、ましろ、ツバサがエルに礼を言う。

 

「える!」

 

それを聞いたエルは嬉しそうに笑顔を浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼食を終えたクウ達は続けて小動物を触れ合うことが出来るエリアへと足を運んでいた。

 

「うしゃしゃん!かわいいね~!」

 

ウサギの頭を撫でるエル。

 

「どうだエル、楽しいだろ?」

 

「うん!かかろもやろ?」

 

「う~…!」

 

エルはカカロットにもウサギと触れ合う様に言うがカカロットはウサギを警戒しているのか中々近づこうとしない。

 

「カカロットちゃん、大丈夫だよ」

 

「あう?」

 

ましろに大丈夫と言われ、カカロットはゆっくりとウサギに近づいていく。

 

 

 

 

 

 

その時、突然この場にいるウサギと動物達が怯え始めた。

 

「どうしたんでしょう…?」

 

「…向こうから誰かの気を感じっぞ!」

 

「確かにそうですね!」

 

「行ってみよ!」

 

クウ達は気を感じた場所へ移動する。そこには牛の様な姿をしたアンダーグ帝国の者、ミノトンの姿があった。

 

「その赤子、プリンセス・エルとお見受けする!ならば、貴様らがプリキュアだな?」

 

「おめぇは誰だ?アンダーグ帝国の奴か?」

 

「我が名はミノトン!アンダーグ帝国に仕える武人なり!」

 

「ミノトン…もしかして、カバトンのお兄さんとか?」

 

「あんな下品で下劣な者と一緒にするでないっ!!」

 

「ひゃっ?」

 

ミノトンの怒号に思わずましろはクウの後ろに隠れてしまう。

 

「…だが、倒すべき敵に勝つ為に血の滲む鍛錬をしていた事は評価している…クウ・ハレワタール!ソラ・ハレワタール!我は貴様らと闘える日を楽しみにしていたぞ!」

 

「へ?」

 

「私達とですか?」

 

ミノトンから名指しで呼ばれたクウとソラはポカンとする。

 

「カバトンからお前達姉妹の話を聞いている。あの男が一から鍛錬をするほどのきっかけになった強者達と我は手合わせしてみたかったのだ!」

 

「へへっ、そいつは嬉しいな」

 

ミノトンの言葉を聞いたクウは軽く準備運動をしながら不敵な笑みを浮かべる。

 

「ちょっとちょっと、私達だって結構強いんだけど?」

 

あげはがそう言うとましろ、ツバサ、スイも戦闘態勢に入った。

 

「無論お前達とも手合わせをするつもりだ!来たれ!アンダーグ・エナジー!」

 

ミノトンは自然公園の名物である恐竜、ソラシノサウルスの像にアンダーグ・エナジーを注ぎ込む。

 

「ランボーグゥー!!」

 

ソラシノサウルスはランボーグへと姿を変える。

 

「我らが勝てばプリンセス・エルとその少女は貰い受ける!」

 

ミノトンはエルとスイを指差し、そう告げる。

 

「わ、私?」

 

「何故スイさんまで連れて行くんですか!?」

 

ミノトンの言っている事に納得できないのだろう。ソラがミノトンに食って掛かる。

 

「それは我が主、カイゼリン様の命であるからだ!」

 

「カイゼリンが…?」

 

「そういう事なら負けるわけにはいかねぇな!スイ!エルとカカロットを頼んだぞ!」

 

「うん!行くよ二人とも!」

 

スイはエルとカカロットを連れて隠れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「アゲてひろがるワンダホー!キュアバタフライ!」

 

 

 

『レディ・ゴォー!!』

 

『ひろがるスカイ!プリキュア!!』

 

ソラ達はプリキュアへと変身する。

 

「ランボーグ!」

 

ランボーグはクウ達に向かって突進してくる。

 

「ハァーッ!!」

 

まずプリズムが光弾を放つが、ランボーグはそれを牙で噛み砕いてしまう。

 

「えぇっ!?」

 

「我はアンダーグ帝国最強の武人!故に我が生み出すランボーグもまた最強なのだ!では…」

 

そう言ってミノトンはクウを見る。

 

「クウ・ハレワタール!我と手合わせしてもらうぞ!」

 

ミノトンはクウに急接近してパンチを繰り出す。クウはそれを両腕で受け止める。

 

「スゲーなおめぇ!カバトン以上のパワーだ!」

 

「当然だ!我はお前達と戦う為その日の為に鍛錬を欠かさず行っていたのだ!ハッ!」

 

「おっと」

 

ミノトンがもう片方の腕でパンチをしてきた為、クウは素早く避ける。

 

「クウ!」

 

「スカイ!おめぇ達はランボーグに集中しろ!オラはミノトンの相手をする!」

 

「わかった!」

 

クウはミノトン、プリキュア達はランボーグを相手に戦いを繰り広げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…える?」

 

スイとカカロットと一緒にクウ達の闘いを見守っていたエルは道の真ん中で蹲っている一匹のウサギを見つける。

 

「うしゃしゃんたしゅける!」

 

そう言ってエルはゆりかごに乗ったままウサギの元へ飛んでいった。

 

「エルちゃん!ダメだ!」

 

スイはカカロットを抱き抱えた状態でエルを追いかける。

 

「ラン?」

 

ウサギの元へ向かっているスイ達に気づいたランボーグは三人に向かって突進してくる。

 

「スイさん!エルちゃん!カカロットちゃん!」

 

プリキュア達もそれに気づき、すぐに三人を助けに向かった。

 

「やべっ!」

 

「ムッ…」

 

戦闘中であったクウとミノトンもそれに気づいた。

 

ウサギの元へやって来たエルは怯えているウサギの頭を優しく撫でる。

 

「だいじょうぶ…おうち、かえろ?」

 

(あれは…!?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大丈夫…パパとママのところに…お家に帰ろ?』

 

スカイにとってエルの言葉は覚えのある物だった。この世界に来て間もない時、不安で仕方なかったエルにソラが口にした言葉と同じであった。

 

「エルちゃん!」

 

エルの元へ辿り着いたスイはランボーグに向かって気弾を放とうとする。

 

 

 

「フンッ!」

 

 

 

その時、ランボーグが何者かによって受け止められる。それはなんとランボーグを生み出したミノトンだった。

 

「強者に立ち向かうその心…赤子と少女ながら、あっぱれ!!」

 

ミノトンはそう言いながらランボーグを投げ飛ばした。

 

「ど、どうなってんだ?」

 

自分より先に闘いを放棄し、ランボーグからスイ達を守ったミノトンを見てクウは唖然とする。

 

「あなた達の目的はエルちゃんの筈です!なのに何故ランボーグからエルちゃん達を守ったんですか!?」

 

「赤子と少女に牙を向けるなど、武人のすることではない!プリンセス・エルと少女は貴様らを倒した後で良い。我はずっと待ち望んでいたのだ!貴様らのような強者との闘いを!」

 

そう言ってミノトンはクウの元へ戻っていくが、ジッとするだけで動こうとしなかった。それはランボーグも同様の様だ。

 

「スイちゃん!今のうちに!」

 

「う、うん!」

 

プリズムの言葉でスイはエルとカカロット、ウサギを連れて隠れていた場所へ戻る。

 

「仕切り直しだ!いけ、ランボーグ!」

 

「ラ、ランボーグー!」

 

ミノトンの指示でランボーグはプリキュア達との戦闘を再開する。

 

「スイ達を助けてくれた事には礼を言うぜ。けんど勝負ってなれば別…そうだろ?」

 

「無論だ。では我らも仕切り直しといこう!」

 

「おう!」

 

クウとミノトンは同時に動き、互いに拳をぶつけ合う。

 

「ダリャッ!!」

 

「ぐっ!」

 

クウの素早い蹴りがミノトンのみぞおちにヒットし、ミノトンは一瞬怯んでしまう。

 

「フンッ!!」

 

「うぎっ!」

 

しかしすぐに体勢を立て直したミノトンのパンチがクウの腹部に直撃する。

 

「へへっ!やっぱ強ぇなおめぇ…久しぶりにワクワクしてきちまった!」

 

少し苦しそうな表情を浮かべるクウだが、その中でも笑みを浮かべている。

 

「か~…め~…」

 

クウはかめはめ波を放とうとする。

 

「カバトンが言っていたかめはめ波か…撃ってこい!受け止めてやろう!」

 

「は~…め~…波ァーーーーーーッ!!

 

クウがミノトンに向かってかめはめ波を放つ。

 

「フンッ!!」

 

なんとミノトンはかめはめ波を真正面から手で受け止めようとしていた。

 

 

 

 

 

 

「ハァーーーーーーッ!!」

 

「うぉーーーーーーッ!!」

 

 

 

 

 

 

しばらくするとクウとミノトンがいる場所で爆発が起きる。

 

「はぁ…はぁ…」

 

かめはめ波を打ち終えたクウは少しだけ息を荒げている。少しするとミノトンの姿が見えるようになる。

 

「見事なり、クウ・ハレワタール…」

 

ボロボロになってはいるもののミノトンは立っていた。しばらくするとミノトンは地面に膝をつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「プリキュア!タイタニック・レインボー!!」

 

「アタック!!」

 

「スミキッタ~…」

 

一方プリキュア達もランボーグを浄化する事が出来たようだ。

 

「うむ…それでこそ我が闘うに相応しい強者達だ。ミノトントン!」

 

そう言ってミノトンはこの場から消えていった。

 

「クウ!大丈夫?」

 

クウの元にスカイ達が駆け寄ってくる。

 

「ああ、でぇ丈夫だ!」

 

するとクウはミノトンがいた場所を見つめる。

 

「ミノトンか…またあいつと闘いてぇな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからクウ達は先程いた触れ合い広場に戻って来た。

 

「へぇ~。さっきのエルがしてた事はソラの真似だったんだな」

 

「危ない事は真似してほしくないんだけどね…」

 

ソラは複雑そうな顔でウサギ達と触れ合っているエルを見る。

 

「ほら、怖くないよ~」

 

そんな中、一人の男性が女の子にそう言ってウサギに餌をあげさせようとしていた。おそらく女の子は男性の娘なのだろう。しかし女の子はウサギを怖がっているのか、男性の後ろに隠れてしまっている。

 

「どーぞ!」

 

するとエルは女の子の元へ行き、女の子に餌を差し出した。

女の子はエルから餌を受け取り、怖がりながらだがウサギに餌をあげる。

 

「わぁ…!」

 

「なかよち!」

 

女の子とうさぎを見ていたエルは嬉しそうに笑顔になる。

 

「エルちゃん…前はこんな風に譲ったりしなかったのに…!」

 

「そういやエルの奴、前は他の子供に遊び道具を譲らなかったって言ってたっけ…」

 

「きっとましろんの絵本がエルちゃんの心に届いたんだよ!」

 

「あう…」

 

「カカロットちゃん?」

 

するとカカロットが餌を手に持って恐る恐るウサギへ近づく。しかし緊張しているのか、中々ウサギに餌を与える事が出来ずにいた。

 

「だいじょうぶ!」

 

するとエルがカカロットにそう言う。するとカカロットはゆっくりウサギに餌を与え、ウサギはそれを食べる。

 

「わぁ…」

 

「たのしいね!」

 

カカロットはどこか嬉しそうな表情を浮かべ、それを見ていたエルも嬉しそうにする。

 

「…これで良いのかなっていう不安や悩みは、これからも続いていくんだよね。でも今のエルちゃんは…ううん、エルちゃんもカカロットちゃんも優しく育ってる…だから今は、これで良いのかな?」

 

「…これからも、僕達なりの答えをみんなで考えていきましょう!」

 

「おう!頑張れよ!」

 

「えぇっ!クウさんも考えましょうよ!」

 

「そりゃオラはもう子育て経験してっからな!」

 

「子育て経験者の余裕って奴だね」

 

一同はエルとカカロットの成長に胸を躍らせるのであった。




この時点でミノトンは原作ひろプリより強くなってます。戦闘力は9000程ですね。もちろんクウ達も最初の頃より強くなっているのでそこまで苦しい戦いにはならないと思いますが…

次回は飛行機回後のオリジナル回になります!楽しみに待っていてください!
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