GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
内田真礼さん!ご結婚おめでとうございます!
時はキュアマジェスティがクウ達の前に現れる前まで遡る。
「お、お姉様…私があなたの…?」
「えるっ!?」
突如目の前の女性、カイゼリンから姉と呼ばれたスイは動揺していた。
「…やはり、記憶を失っているのですね」
カイゼリンはそう呟く。
「…私の名はカイゼリン・アンダーグ。このアンダーグ帝国の支配者…そして、あなたの双子の妹です」
続けてカイゼリンは言葉を発する。
「あなたの本当の名は、カイザリン・アンダーグ!」
「カイザリン…アンダーグ…ぐっ!?」
突如スイの頭に激しい痛みが走る。突然の事でスイは頭を押さえる。
「すい!?」
「思い出してください!私の事を!お父様の事を!スキアヘッドの事を!そして、スカイランドが私達にした事をっ!!」
「ぐ…がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
(そうだ…私は…わたしは…
しばらく経つと頭痛が収まったのか、スイは頭を押さえるのをやめる。
「すい…?」
「…全部思い出したよ、カイゼリン」
「お姉様…!」
カイゼリンはそう言ってスイに近づく。
「でもごめん。まだ君の所に…アンダーグ帝国に戻るわけにはいかない」
「え…?」
しかしスイはカイゼリンを突き放すかのようにそう告げる。
スイが後ろを向き、エルも一緒に振り向くとそこにはある映像が映し出されていた。映っていたのはクウ達がスキアヘッドと闘っている様子だった。
「くう!すかい!ぷりずむ!うぃんぐ!ばたふらい!」
「…行こう、エルちゃん」
「える…?」
「記憶が戻った今ならわかる。君には、俺の知ってる彼女の力が宿ってる筈だ」
「ちから…?」
「エルちゃん…その力を使うかどうか、決めるのは他の誰でもない。君自身なんだ」
「える…」
エルはもう一度クウ達の闘いを見る。それを見たエルは決心したのか、表情を一変させる。
「える!たすける!」
そう言ってエルは目を瞑り、祈るように手を合わせる。するとエルから光が放たれる。
「なっ!?」
それを見ていたカイゼリンは驚愕する。光が収まるとそこにいたスイとエルの姿が消えていた。
そして時が戻り、スキアヘッドが撤退しようとし、それをスイが妨害していた。
「スイさん!」
「…記憶がお戻りになられたのですね、カイザリン様」
「ほざくな!お前がカイゼリン…そしてお父様にした事も全部思い出したぞ!」
「そうですか…」
「スキアヘッド…お前だけは絶対に許しておけない!お前はここで倒す!」
「フン…」
するとスキアヘッドはいつの間にか作っていた小さなアンダーグ・エナジーの球体を地面にぶつけて爆散させる。
「キャッ!?」
「くっ!?」
突然の事でスキアヘッドの側にいたスイとマジェスティは目を瞑ってしまう。気がつくとスキアヘッドの姿は消えていた。
「スキアヘッドは…?」
「…スキアヘッドの気は近くに感じません。逃げられてしまいました…!」
悔しさを滲ませながらスカイはそう告げる。
「…カカロットちゃん。もう大丈夫だよ」
「あ~…」
プリズムは木々に隠していたカカロットを抱き抱える。
するとスイとマジェスティが舞空術で浮遊し、クウ達の元へ降り立つ。
「それって…舞空術!?」
マジェスティが舞空術を使っている事に驚くプリズム。
するとマジェスティから光が放たれる。
「える!」
するとマジェスティがいた場所にエルが立っていた。
「エルちゃん!?」
「プリンセス!?」
「もしかして…キュアマジェスティの正体って…」
「エルに決まってんだろ?」
当たり前の様にクウがそう口にする。
「クウ!もしかして気づいてたの!?」
「そりゃエルと同じ気だったからな。おめぇ達気づいてなかったのか?」
「う、うん…ちょっと動揺してたから…未熟です…」
スカイはマジェスティの気を読まなかった事に少し落ち込んでいた。
「クウ」
するとスイがクウの側に近づく。クウもスイの方を向き、互いに向き合う。
「…記憶が戻ったんだな、スイ」
「うん…」
「ほ、本当ですか!スイさん!」
「本当だよスカイ。全部思い出したよ」
「…それじゃあ、スキアヘッドが言っていたのは…」
「ああ。奴の言う通り、俺とカイゼリンは双子の姉妹なんだ」
ウィングの問いに答えるスイ。
「…あれ?俺…?」
そんな中、スイの一人称が『私』から『俺』になっていた事にバタフライが気づく。
「そうです!スイさんの一人称はずっと『私』でした!」
「スイちゃん!どういう事!?」
「そ、それはその…」
スカイとプリズムに詰め寄られて慌てるスイ。
そんな中、一同がよく聞く空腹音が聞こえてくる。
「オラ腹減っちまった…とりあえず帰って飯にしねぇか?」
「…フフッ、そうだね!」
プリズムが微笑みながらそう言う。
一旦クウ達は家に戻って夕食を食べたのであった。
その日の夜、ソラ達が眠っている中、スイは一人外で風に当たっていた。
「オッス!」
そこへクウがやって来る。
「クウ?起きてたの?」
「ああ。おめぇも眠れねぇのか?」
「うん…」
クウはスイの隣に立つ。
「…お父さんなんですよね?」
するとスイはクウに問いかける。
「…やっぱおめぇだったんだな、悟飯」
「はい…」
そう、スイもといカイザリンの正体はクウの前世、孫悟空の息子の孫悟飯だったのだ。
「それにしても、まさか心臓病で死んだお父さんも生まれ変わってるなんて思わなかったな」
「ん?オラ心臓病で死んでねぇぞ」
「えっ?でもお父さんは確かに病気で…」
動揺するスイを見て、クウはある事に気づく。
「なぁ、おめぇってもしかして、17号と18号に殺された未来の悟飯だったりするか?」
「そうだけど…どうしてあいつらの事をお父さんが?それに未来…?」
「やっぱしな…実はオラ、おめぇの知ってる父ちゃんじゃねぇんだ」
「えっ?」
それからクウはスイに自分のいた世界の事を語り始める。
心臓病で命を落とす筈だった自分が未来から来たトランクスがくれた特効薬で命を取り留めた事、トランクスから人造人間が現れて未来が滅茶苦茶にされると聞いた事、セルを倒した後に未来世界に存在しない悟飯の弟、孫悟天が生まれた事、そして悟飯に妻ができ、一人娘もいる事、そして自分が邪悪龍との闘いの末に転生した事を、クウは全て語ったのだった。
「そっか、トランクスが…」
「ああ、そっからトランクスがおめぇの世界の17号と18号を倒して、そっからセルっちゅう人造人間を倒したみてぇだぞ」
「トランクス…やったんだな」
それを聞いたスイは嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「それにしても、お父さんがいた世界だと俺は学者の夢を叶えてて、弟もいて、結婚もして子供もいるんだな…ちょっとだけ羨ましいけど、それよりもそっちの世界の俺が幸せに過ごせている事が嬉しいです」
「そっか…それとさ、オラがいた世界じゃクリリンの奴も結婚してるんだぜ」
「クリリンさんが!?確かにずっと結婚したいって言ってましたしね…奥さんはどんな人なんですか?」
スイはクリリンの妻に興味津々の様だ。しかしクウは少し気まずそうにしていた。
「えっと…18号だ」
「…え?」
「18号なんだ、クリリンの嫁」
「…えぇっ!?18号がクリリンさんの!?」
クリリンの妻の事を聞いたスイは今日一番のリアクションをしてしまう。
「まぁおめぇからしたら驚くよな…オラの世界の二人はそこまで悪人じゃなかったんだ」
「そ、そうなんですね…う~ん…流石に複雑だな~…」
そう口にするスイは何とも言えない表情をしていた。
「…お父さん、明日みんなに話しておきたい事があるんです」
「話しておきてぇ事?」
「アンダーグ帝国の過去と…スキアヘッドの事です」