GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです   作:のぞむ

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お待たせしました!

今回から新章に入ります!


因縁との決着編
追憶


「聞いてもらった通り、俺にもお父さん…クウと同じ前世の記憶があるんだ」

 

スキアヘッドとの闘いから一夜明けたこの日、スイは自身もクウと同じ転生者であり、クウの前世である孫悟空の息子、孫悟飯である事をソラ達に打ち明けていた。当然スイの告白にソラ達は困惑していた。

 

「えーっと…スイちゃんにも前世の記憶があるのには驚いちゃったけど…」

 

「クウとスイさんって、前世だと親子だったんですか!?」

 

「それにクウちゃんがスイちゃんのパパ!?」

 

ソラとましろの二人は特に驚いていた。

 

「そういや、前世のオラが男だったって言ってなかったっけか?」

 

「「聞いてないよ!!」」

 

クウの言葉にソラとましろは揃ってツッコミを入れる。

 

(ちょ、ちょっと待って…そういえばこの前…)

 

ましろの脳裏には数日前のある出来事が過っていた。

 

 

 

 

 

 

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『ましろ~…背中ぐらい自分で洗えるって言ってんだろ?』

 

『私がしたいから良いんだよ?』

 

『そっか…それにしても珍しいな。ましろがオラと一緒に風呂に入りてぇなんてさ』

 

『だって私達って恋人同士でしょ?恋人同士だとよく一緒にお風呂に入ってるみたいだよ?』

 

『へぇ~。最近は恋人同士で風呂に入ったりするんだな』

 

 

 

 

 

 

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「っ!!///」

 

突然ましろの顔が真っ赤に染まり、顔から『ボンッ!!』と湯気の様な物が出てきていた。

 

「ま、ましろさん!どうしたんですか!?」

 

「だ、大丈夫だよ、気にしないで…(う、うん、気にする必要ないよね?今のクウちゃんは女の子なんだから…うん…)」

 

「…さて、それじゃあそろそろ本題に入るよ」

 

そう言ってスイは表情を引き締める。

 

「これは今から300年前…アンダーグ帝国がスカイランドに攻め込んでいた時の話だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フンッ、今日はこのくらいにしておこう」

 

ここはクウ達の時代から300年ほど前のスカイランド。破壊された町を見下ろすこの男の名はカイザー・アンダーグ。当時のアンダーグ帝国の帝王にして、カイゼリンとスイ…いや、カイザリンの父親だ。

 

「お父様…」

 

後ろから声が聞こえ、カイザーが振り返ってみると、そこにはカイザリン、少女時代のカイゼリン、そしてスキアヘッドの姿があった。

 

「カイザリン、カイゼリン!戦場に出てくるなと言った筈だぞ!」

 

「ごめんなさい、お父様…」

 

「…言いつけを破って来た事は謝ります。ですが、カイゼリンはお父様の事が心配で」

 

「余計な心配など無用だ!」

 

「っ…少しは話を聞いてくれたって」

 

「良いんです、お姉様…」

 

一方的な物言いに、今にも怒りそうでったカイザリンだったが、妹であるカイゼリンが止めた事で事なきを得た。

 

「…お二人とも、帝国へ戻りましょう」

 

スキアヘッドにそう言われ、二人はアンダーグ帝国へ帰ろうとする。

 

その時、カイザリンは気づいていた。破壊された町を目の当たりにし、涙を流すカイゼリンに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここはアンダーグ帝国にあるカイゼリンの部屋。彼女は椅子に座って何か考え事をしている様子だった。

 

「カイゼリン」

 

そんなカイゼリンを心配してか、カイザリンが彼女の側に来ていた。

 

「お姉様…」

 

「何か悩み事でもあるのか?」

 

「…お父様は言っていました。スカイランドはいつの日か、トンネルを作ってアンダーグ帝国に攻め込んでくるかもしれないと…力とは、そういうものだと…わかっています。お父様がスカイランドに攻め込んでいるのは、私達を守る為だという事は…」

 

どうやらこれがカイゼリンの悩みの様だ。

 

「でも、私は力が全てだとは思えない…出来る事ならお父様に、戦いをやめてほしいんです…っ」

 

そう口にするカイゼリンの眼からは涙が零れ落ちていた。

 

「…なぁカイゼリン。ちょっと出かけないか?」

 

「出かけるって…どこにですか?」

 

「スカイランドだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二人はスカイランドへやって来た。離れた場所からではあるが、二人には町を復興させようとしている人々が見えていた。

 

「…俺も、力が全てだとは思っていないよ」

 

「えっ…でも、お姉様はあんなにお強いではないですか」

 

「強いからって何の自慢にもならないよ。俺だって、本当は闘いが好きじゃないんだしさ…でも、もしお前やお父様に危害を加える奴がいれば、その時は闘うつもりだ」

 

そう言いながら、カイザリンはもう一度町の方を見る。

 

「それに、俺は思うんだ。スカイランドの人達は、力でねじ伏せたりなんかはしないって」

 

「…そうですね」

 

カイゼリンの言葉を聞いて、少しは気持ちが楽になったのか、カイゼリンは少し微笑んでいた。

 

「あの、お姉様…」

 

「ん?」

 

「その…今日もあのお方の…ソンゴクウのお話を聞いてもよろしいですか」

 

カイゼリンは少しモジモジしながら問いかけてくる。実はカイゼリンはカイザリンが前世の記憶を持つ転生者だという事を知っている唯一の人間だったりする。

 

「ああ。勿論だよ」

 

それからカイザリンは前世の父である悟空の活躍、悟空と過ごした日常の事をカイゼリンに語り始める。どうやらカイザリンは悟空の事を頻繁にカイゼリンに話しているようだ。

 

悟空の話を聞いていたカイゼリンは頬を赤らめており、正に恋する乙女の様な表情であった。だが、そんなカイゼリンの恋心をカイザリンは知る由もなかった。

 

「フフッ、本当にソンゴクウは頼もしい方なのですね」

 

「カイゼリンもそう思う?」

 

「はい。お姉様の話を聞いていれば伝わってきます…それだけに、病気で亡くなられた事が本当に残念です…」

 

「…そうだね。お父さんも俺みたいに生まれ変わっていたら良いんだけど、そんな都合の良い話なんかないよな…」

 

「…いいえ。私はそうは思いません」

 

「えっ?」

 

「だって、お姉様も生まれ変わってここにいるんですもの。きっとソンゴクウも生まれ変わって、どこかで生きていると思います」

 

「カイゼリン…そうかもな。ありがとう」

 

「「おうおう!おどれら何しとんじゃあ!!」」

 

そんな二人の耳に二人の男の声が聞こえてきた。声がした方を見てみると、そこにいたのは二匹の鳥だった。どうも鳥達はカイザリンとカイゼリンに因縁をつけているようだった。

 

「ん?…アニキアニキ!こいつらごっつええアクセサリーつけてますよ!?」

 

「おうおう!さては嬢ちゃんら、金持ちやろ!?」

 

「は、はぁ…」

 

(なるほど、追い剝ぎって奴か。スカイランドにもこういう奴はいるんだな…)

 

鳥達が言っている意味をよく理解していないのか、カイゼリンは困惑していたが、カイザリンは追い剝ぎだとわかっているようだ。

 

「アニキアニキ!あの短い髪の姉ちゃん、俺らを睨んでますよ!?」

 

「おうおう!やろうってのか!?受けて立とうやないかい!」

 

「お、お姉様…」

 

「大丈夫。傷つけずに追い払うから」

 

「カッコつけんなや!やれるもんならやって」

 

「ハッ!」

 

「「どわぁぁーーーーーっ!!」」

 

カイザリンは気の風圧だけで鳥達を吹き飛ばした。

 

「な、なんや!?何もしとらんのに吹き飛ばされたで!」

 

「このままどっかへ行ってくれたら、これ以上は何もしないぞ」

 

「う、うぅ…!」

 

カイザリンが放つ圧に鳥達は冷や汗をかいているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているのですか?」

 

そこへ現れたのは紫色の長髪の女性だった。鳥達は女性を見た途端慌てた様子になり、そのまま逃げていった。

 

「大丈夫ですか?」

 

「は、はい…」

 

「えっと、君は…?」

 

「…自己紹介が遅れてしまいましたね。私はこのスカイランドのプリンセス、エルレインと申します」

 

そう、この女性こそ、300年前のスカイランドのプリンセス、プリンセス・エルレインだ。

 

「あ、あなたが、プリンセス・エルレイン…?」

 

「す、すみません!プリンセスだとは知らずに『君』だなんて…!」

 

「フフッ、気にしないでください。あなた達さえ良ければ、自然体で喋っても構いませんよ…お尋ねしますがその身なり、あなた達はカイザー・アンダーグのご息女ではないですか?」

 

「「!?」」

 

エルレインからの問いに思わず二人は固まってしまう。

 

「…ああ。俺はカイザリン・アンダーグ。こっちは双子の妹の…」

 

「カイゼリン・アンダーグです」

 

「そうですか…ところで、スカイランドを見てどう感じましたか?」

 

「…良い国だと思うよ。民の皆が力を合わせ、手を取り合ってる…本当に凄い事だよ」

 

「…ありがとうございます。ですが、先程のような輩が居る事もまた事実。生きていく事に必死になるあまり、あのような考えに至ってしまう者もいます。でも、私は思います。戦いが生み出すのは涙だけ。力が全てだという考えは間違っています」

 

そんなエルレインの言葉を聞き、カイゼリンは驚きの表情を浮かべていた。すると何か決心がついたようだ。

 

「やってみよう」

 

「え?」

 

「カイゼリンの考えはわかってるよ。俺はお前の判断に従うつもりだ」

 

「お姉様…プリンセス・エルレイン!お願いがあります!」

 

「お願い、ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この無意味な戦いを、終わらせたいんです!」

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