GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
「ピッコロ…さん…?」
神殿の中から出てきた人物を見て、スイが呟いた。何故なら目の前にいる人物は年老いているとはいえ、前世の師と瓜二つのナメック星人だったからだ。
「ピッコロ!おめぇピッコロだろ!?」
「コラ、神様と呼べ」
「構わん、ミスター・ポポ」
ミスター・ポポを宥めた人物、ピッコロはクウとスイに近づく。
「まさかこっちの世界でもお前達に会えるとはな、悟空…それと、未来の悟飯と言った方が良いか?」
「その言い方…もしかして、あなたはお父さんがいた世界のピッコロさんですか?」
「…そっか!おめぇもオラ達みてぇに生まれ変わってここにいるんだな!」
「そういう事だ」
それからピッコロはこの世界に転生した経緯を二人に話した。究極のドラゴンボールを消滅させる為に崩壊する地球と運命を共にした後、ある事情で地獄に堕とされ、それからしばらくが経ち、別世界に転生する事になり、この世界でも前世同様カタッツの子として生を受け、地球にやって来たピッコロは地球の神になった事を。
ちなみにベースがピッコロである為か、ドラゴンボールは作れなかったそうだ。そもそも前世の事もあり、元々ドラゴンボールを作るつもりはなかったようだが。
「説明はここまでだ。早速お前達に修行をつけてやる」
「おめぇがオラ達を?」
「安心しろ。年老いたとはいえ、今の俺はお前達よりパワーが上だ」
「お前達光栄。神様が下界の人間に修行をつけるの、24年ぶり」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!そんな前にここで修行した奴がいんのか!?」
「ああ。とはいえ、あいつらはその事を知る由もないがな。少なくとも、この時代のあいつらはな…」
「この時代…?」
「フッ…お喋りはここまでだ。ついてこい」
それから二人はピッコロに案内され、ある部屋の前までやって来た。ピッコロがドアを開けて部屋に入った途端、クウとスイは息苦しさを感じ、身体が重くなる感覚に襲われた。
「あ、暑い…空気も薄いし、重力も何倍もある…!?」
「驚いただろ?ここが『精神と時の部屋』だ!」
「精神と…時の部屋…!」
更に先まで進むと、目の前に広がっていたのは何もない真っ白な空間だった。
「この部屋は1日で1年分の修行が出来るんだ。それにしても懐かしいな~!オラも悟飯と一緒に修行したっけ…あ、今言ったのはオラのとこの悟飯の事だからな」
「お父さんの世界の俺も、ここで修行をしたんですね…」
「オラ達だけじゃねぇ。ベジータとおめぇのとこのトランクスもこの部屋で修行したんだ」
「そっか…なら、俺も弱音を吐いてる場合じゃないな」
「お前達、覚悟はいいな?」
そう言ってピッコロは重りを脱ぎ、気を最大まで解放した。
「スイはわかっていると思うが、俺の修行は地獄に行った方がマシだと思う程の過酷な修行だ」
「もちろんわかってますよ!」
「いくぞ、ピッコロ!」
クウとスイは同時にピッコロに向かっていった。
「帰ったぞ~!」
「ただいま!」
「えっと…」
スカイランドに出現したという遺跡の調査から帰ってきていたソラ達は家に戻ってきたクウとスイを見て困惑していた。
何故なら短かったクウとスイの髪は長く伸びており、それぞれが着ている道着とジャージもボロボロになっていた。
「ちょっとちょっと!二人ともどうしたの!?一日で様変わりし過ぎじゃない!?」
「それに二人とも、ちょっと背が伸びたんじゃないかな!?」
「ハハ…これには訳があって…実は…」
スイがソラ達に事の経緯を説明しようとしたが、その前にクウとスイの腹が鳴る音が聞こえてきた。
「その前になんか食わせてくんねぇか?オラ達腹減っちまってて…」
クウのこの一言を聞き、ソラ達はズッコケてしまった。
夕食を食べ終えたクウとスイはソラ達に神殿での出来事と精神と時の部屋での修行の事を話し、その際にソラ達も、スカイランドの遺跡での出来事を二人に話した。
何でも遺跡にはプリキュアの助けとなる新たな力となる一冊の本があり、洗脳されていたミノトンとの戦闘があったものの、その新たな力でミノトンのアンダーグ・エナジーを浄化したそうだ。ちなみにその戦闘の際にエルの言葉を聞いたましろは吹っ切れ、一緒に闘っていこうと決めたそうだ。
「つまり、クウちゃんとスイちゃんは1日で1年分の修行が出来る部屋にいたから髪と身長が伸びてたの?」
「そういうこった!オラが前世でいた世界にもあったんだぜ」
「1日で1年分の修行が出来るなんて…凄すぎます!私もその部屋で一緒に修行がしたかったです…」
ソラは精神と時の部屋での修行が出来なかった為か、少し落ち込んでしまったようだ。
「安心しろ。オラがピッコロに頼んでソラ達も修行出来るようにしてもらったからな」
「わぁ…ありがとうクウ!」
「それにしても…神様が前世でのクウさんとスイさんの仲間だったなんて、凄い偶然でしたね!」
「…私は偶然じゃないと思う」
ツバサの言葉にましろは異を唱える。
「おばあちゃんが言ってたんだ。出会いに偶然はないって…ピッコロさんっていう人もこの世界に転生したのは、きっと必然だったんだよ」
「ましろさん…そうかもね」
ましろの言葉にスイも同意する。
「スイさん、少し良いかしら?」
すると自室で何かの作業をしていたヨヨがリビングにやって来た。
「はい?」
「あなたに頼まれていた物が丁度今出来上がったわ」
「えっ?本当ですか!?」
「えぇ。スイさんの部屋に置いておいたわ」
「ありがとうございます!早速着てみます!」
そう言ってスイは自室へと向かっていった。しばらくすると道着に着替えたスイがリビングに戻ってきた。
スイが着ているのは山吹色の道着で、道着の下には紺色のアンダーシャツを着ていた。道着の後ろ側には大きく『飯』と書かれていた。
「わぁ…!スイさん!それって新しい道着ですか?」
「ああ。ヨヨさんに頼んで用意してもらったんだ」
ソラが食い気味にスイを見る中、クウはスイが着ている道着をジッと見ていた。
「おめぇ、その道着…」
「…この道着は、前世で人造人間と闘っていた時に着ていた道着なんです。お父さんみたいに強くなりたい…そう思って」
「そっか…」
クウはそれ以上何かを言う事はなかったが、その表情はどこか嬉しそうだった。
「…みんな、聞いてほしい事があるんだ」
するとスイは突然神妙な面持ちになった。
「スイさん?どうしたんですか…?」
ソラの問いに、スイはある一言で答えた。
「俺はこれから、一人でアンダーグ帝国に行こうと思う」
「…え?」
「前にも話したけど、スキアヘッドを放っておくと大変な事になる。それに、俺があの時しっかりと奴を仕留めていればこんな事態にはならなかった…だから、俺自身でスキアヘッドと決着をつけたいんだ。だから…」
「納得できません!!」
「っ!?」
この場に響き渡ったのはソラの声だ。
「そ、ソラさん…?」
「何でもかんでも、あなただけで背負わないでください!私も…いえ、私達も一緒に行きます!そうですよね!?」
「もちろんだよ!」
「今更一人で闘うなんて、水臭い事言わないでくださいよ!」
「そうそう!私達だってあいつを許せないしね!」
「えるも!」
ソラ達も一緒に闘うつもりの様だ。だがスイはそれに賛成しようと思えなかった。
「スイ」
「クウ…?」
「何でもかんでも一人で背負うんじゃねぇ。前世じゃおめぇの仲間はトランクスだけだったかもしれねぇ。けんど、今のおめぇには力になりてぇっていう仲間がこんなにいるんだぜ?」
「あ…」
「スイさん…確かに私の言ってる事はわがままかもしれません…それでも私は、スイさんの力になりたいんです。それに、まだスイさんに伝えていない事もありますから…」
「伝えていない事?」
「…今はまだ言えません。ですが、アンダーグ帝国との闘いが終わったら、ちゃんと伝えます。それまで待っていてください」
「う、うん…」
困惑しているものの、スイはソラの言葉に頷いた。
「それじゃあ、今日の内にクウちゃんとスイちゃんの髪を切っちゃおっか!」
「おっ、ありがてぇ!ちょっと邪魔になってたとこなんだよ!」
「それじゃあ、お願いします、あげはさん」
「うん、任せて!」
それからクウとスイはあげはの手で元の髪型に戻してもらったのだった。
ここはアンダーグ帝国の最下層にあるアンダーグ・エナジーの海。ここにいたのはスキアヘッドだった。
「お初にお目にかかる、スキアヘッド」
「…何者だ?」
スキアヘッドに話しかけたのはこれまで影で暗躍し、クウ達が闘っていたカバトン、ランボーグにアンダーグ・エナジーを注ぎ込んで強化していた男だった。
「私の事など今はどうでもいいだろう?それよりも、孫悟空達が明日、ここへ来る」
「なに?」
男からクウ達が来る事を聞き、スキアヘッドは少し驚いている様子だった。
「…何故それを知っているかは知らんが、今の奴らなど…」
「孫悟空と孫悟飯…いや、こちらではカイザリン・アンダーグという名だったな。奴らは鍛錬により更なる強さを手に入れている。今のお前ではあの二人には勝てない。だから私がお前に力を授けようと言っているのだ」
そう言って男は気を解放する。その姿を見たスキアヘッドは動揺を隠せないでいた。
スキアヘッドは、この男を知っている。いや、この男が持つアンダーグ・エナジーを知っている。
「貴様は…一体…!?」
その男は…
「私は…お前だ」
ようやくCV野沢雅子さんの男の容姿を明かせました!
いや~、長かった…