GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです   作:のぞむ

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二人のカカロット

「…つまり、君はましろが抱いている赤ん坊の成長した姿だと言うのか?」

 

「あう?」

 

「多分そうだな。でなきゃ俺が二人もいるなんてあり得ねぇし」

 

「未来から来た…本当なのかしら?」

 

「嘘じゃねぇって!そもそも俺、4歳の頃に一回タイムスリップした事あるし!」

 

「私は信じるよ」

 

ましろは目の前にいるカカロット…赤子のカカロットもいるのでここからはカカロット(未来)と表記させてもらうが、彼の言う事を信じるようだ。

 

「あなたの気は赤ちゃんのカカロットちゃんと同じだよ。それに大きくなってても、私がカカロットちゃんに気づかない訳がないよ」

 

「…あんがとな」

 

ましろからの優しい言葉に礼を言うカカロット(未来)。少し頬を赤らめていたが、その表情はどこか嬉しそうであった。

 

「フッ、照れているのか?」

 

「そ、そんなんじゃねぇって!」

 

「…にしても暑すぎー!早く休憩できる場所でも探しましょ!」

 

「あ、そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一行に加わったカカロット(未来)。カカロット(未来)は歩きながらましろ達と互いの状況の共有をしていた。何でもこのカカロット(未来)はこの時代から9年後の未来から来たらしく、謎の光に包まれてこの場所に来ていたそうだ。

 

「9年後ってことは…カカロットちゃんは9歳になるんだね」

 

「まぁそうなるな」

 

「…9歳にしては随分おチビちゃんなのね」

 

「うっせー。これからデカくなるから良いんだよ」

 

「…そういえば、サイヤ人は子供の時期が長いけど、15歳か16歳くらいで一気に大人の体格になるってクウちゃんが言ってたよ」

 

「尻尾が生えている事といい、随分と変わった種族なのだな、サイヤ人というのは…」

 

「…みんな!アレを見て!」

 

ローラが指差した場所は、オアシスのような場所だった。蜃気楼の可能性もあるが、疲弊している一同はすぐさまオアシスへと向かっていった。

 

「うんめぇーー!!」

 

「うめ!」

 

「うん!生き返るよ~!」

 

オアシスに辿り着いた一行はすぐに水を飲んで水分補給をした。

 

「本当においしいな!」

 

「えぇ!まさに…」

 

「生きてるって感じ~!」

 

『…えっ?』

 

すると近くから聞き覚えの無い声が聞こえてきた。振り向いてみるとそこにいたのは一人の少女だった。

 

「あんた誰だ?」

 

「だえ?」

 

二人のカカロットが思わず首を傾げてしまう。

 

少女の名前は花寺のどか。またの名をキュアグレースと言うそうだ。ただ彼女の変身にはパートナー妖精の存在が必須らしく、その妖精がはぐれている今のままでは変身出来ない様だ。

 

「そっか、あなたもお友達を探してるんだね…」

 

「うん…ラビリンって言うんだけど、この知らない世界ではぐれちゃって…」

 

「みんな状況は同じという事か…」

 

「プカ…」

 

「プーカだっけ?お前にも会いたい奴っていんのか?」

 

「プカ!?プカプカプカ!!」

 

カカロット(未来)からそう訊かれたプーカは首を横に振って違うと訴えているようだった。

 

「あれ?違うのか?」

 

「とにかく、今は先に進むしかないよ。先に進めば、きっとみんなとも合流出来るよ!」

 

「確かにそうだな」

 

この場にいる全員が決意を固める中、二つの空腹音が聞こえてきた。当然二人のカカロットから聞こえたものだ。

 

「あう~…」

 

「…まずはメシでも食わねぇか?俺腹減っちまったよ…」

 

「なんか締まらないわね…」

 

「アハハ…」

 

それから各々で食料と水を調達したのだが、そのほとんどを二人のカカロットが平らげてしまったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから砂漠の中を歩いていた一行は線路を見つけた。線路があるという事は列車がここを通るという訳だ。とはいえ既に辺りは暗くなっていたのでましろ達はこの辺りで野宿をする事にした様だ。

 

「…クウちゃん…ソラちゃん…みんな…今頃どうしてるのかな?」

 

ほとんどのメンバーは眠りについていたが、ましろは中々眠れずにいた。それからましろは気分転換に軽く散歩をする事にしたようだ。

 

「カカロットちゃん…?」

 

線路の近くまで行くと、カカロット(未来)が座り込んで夜景を眺めていた。

 

「何してるの?」

 

「わっ!?…なんだましろか。脅かすなよ…」

 

「ご、ごめんね!そんなつもりじゃなかったんだよ…隣、座っても良いかな?」

 

「…好きにしろよ」

 

ましろはカカロット(未来)の隣に座る。

 

「…カカロットちゃんも眠れないの?」

 

「まぁな…気になるんだろ?この左目の傷」

 

「…うん」

 

「別に大したことじゃねぇよ。1年くらい前に闘った奴につけられただけなんだからよ。まぁそいつは俺がボッコボコにしてやったけどな!」

 

「カカロットちゃん…」

 

するとましろはカカロット(未来)の傷痕に優しく触れる。

 

「な、なにすん」

 

「痛かったよね、カカロットちゃん…」

 

そう口にするましろの表情はどこか辛そうなものだった。カカロット(未来)の左目は失明こそしていないものの、1年経ってもこの傷痕は消えていないのだ。恐らく一生消える事はないのだろう。

 

「…ガキの頃から変わんねぇんだな、あんたは」

 

「えっ…?」

 

「俺んとこのましろにもさ、同じような事を言われたよ。まるで自分の事のように辛そうな顔をしながらさ」

 

「そうなんだ…ねぇ、未来の私達って、何をしてるの?」

 

「話してもいいけど、歴史を変えかねない事は話せねぇぞ。昔ジェットから不用意に未来の事を話すなって言われてるし」

 

「ジェット?」

 

「4歳の頃にタイムスリップした事があるって言ってたろ?その飛ばされた時代で会った自称天才のチビ助だよ。この時代から…ましろ、今って何年だ?」

 

「今?2023年だよ」

 

「って事は、24年前だ!」

 

「1999年にタイムスリップ…カカロットちゃんって、未来で色々経験してるんだね…」

 

「まぁな…じゃあそろそろ本題に入るか」

 

それからカカロット(未来)は9年後のクウ達の事を話し始めた。

 

「未来だと、俺はクウとましろと一緒に暮らしてんだ。あいつらスッゲー仲良しでさ、見てるこっちが恥ずかしくなるんだよ…」

 

「そ、そうなんだ…何だか嬉しいな。未来でもクウちゃんとカカロットちゃんと一緒に暮らせるなんて…他の皆はどうしてるの?」

 

「後は…そうだ!ソラとスイが2年くらい前に結婚して、スカイランドで一緒に暮らてるんだぜ。後はツバサ兄ちゃんとあげはが…いや、流石にこれはやめとこ」

 

「え?ツバサ君とあげはちゃんがどうしたの?気になるよ~!」

 

(言えねぇって…この頃はツバサ兄ちゃんとあげははまだ付き合ってなかった筈だし…)

 

「…訊いちゃいけない事なら、これ以上は訊かないでおくよ…でも、まだ教えてもらってない事があるよ」

 

「何の事だよ?」

 

「エルちゃんの事だよ!カカロットちゃんがいた未来だと10歳になってるんだよね?未来でも仲良しなのかな?」

 

「…まぁ、ボチボチだな」

 

カカロット(未来)の返答はこれまでと打って変わり、どこかぶっきらぼうだった。しかしましろには彼の表情がどこか照れているようにも見えていた。

 

「カカロットちゃん…もしかして」

 

「そ、そんな訳ねぇだろ!?お、俺は別に…」

 

「…まだ何も言ってないよ?」

 

「うぐっ…も、もういいから早く寝ろよな!俺ももう寝るからよ!」

 

そう言ってカカロット(未来)はそそくさと戻っていった。

 

「…頑張ってね、カカロットちゃん」

 

ましろは微笑みながら眠っていた場所まで戻っていったのだった。

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