GT悟空はヒーローガールの片割れとして転生するようです 作:のぞむ
日が昇る前の早朝、ジャージを着ているソラとましろが家の前でクウを待っていた。
「クウ、まだでしょうか?」
「わりぃ!待たせちまったな!」
クウが家の中から出てくる。
今のクウは上が薄藍色で下が黄土色の道着を着ており、黒い靴を履いて両腕にはピンクのリストバンドを身に着けていた。
道着の下には水色のアンダーシャツも着ていた。
「クウちゃん、その道着って?」
「ヨヨのばあちゃんに頼んで用意してもらったんだ。身体動かすには道着が一番だからな!」
クウはそう言いながら軽くジャンプをしながら身体を解す。
「ではクウも来た事ですし、さっそくランニングを始めましょう!」
「はぁ…はぁ…」
クウ達は街にある丘の上まで走ってやって来ていた。
丘の上に辿り着いたクウ達はましろが疲れてしまった事もあり、すぐそこにあったベンチで休んでいた。
「ましろ、でぇじょうぶか?」
「み、見ての通りだよ~…」
ましろは息を切らせながら返事をする。
「ましろさん、どうして一緒にランニングをしようと思ったんですか?」
「ランニングをして身体を鍛えたら、もうちょっとクウちゃんとソラちゃんの役に立てるかなって…でも、千里の道も一歩からだからね」
「その言葉はどういう意味ですか?」
「毎日コツコツ頑張らないとダメって事だよ」
「良い言葉です!」
ソラは手帳にましろから教えてもらった言葉をこちらの世界の文字でメモをする。
「えぇっ!?いつの間に覚えたの!?」
「こっちの世界に来てからソラの奴、ずっと練習してたんだよ」
「1日5文字ずつ、毎日コツコツです!」
「そっか…」
「ましろ?どうしたんだ?」
「…私も毎日ランニングしたら、クウちゃんとソラちゃんみたいになれるかな?」
「へ?オラ達みてぇに?」
ましろの問いかけにソラは首を横に振って答える。
「そうだよね…」
「いいえ、そうではなくて…ましろさんは、今のましろさんのままで良いんです」
「ソラちゃん…?」
「ましろ、オメェが強くなりてぇんならオラは止めはしねぇさ。めぇにも言ったけど、強くなれるかはましろしでぇだ。それにソラが言いてぇのは…」
クウが何か言いかけたところで大きな音が2つ聞こえてくる。
「あっ…///」
「オラ腹ペコペコだぁ…早くけぇってメシにしようぜ!」
どうやらクウとソラの腹の音のようだ。
「フフッ、それじゃあ帰ってご飯にしよっか!」
「ああ!」
「はい!」
「あ~!食った食ったぁ~!」
朝食を食べ終えたクウは満足気な表情でお腹を押さえていた。
「クウちゃんって本当によく食べるよね~…」
「はい…だから私の家にはたくさんの食料が貯め込まれているんです…」
ソラとましろは苦笑いしながら小声で話していた。
そんな中、インターホンの鳴る音が聞こえてくる。
「あれ、朝早くに誰だろ?」
「オラが出てやるよ」
クウは玄関に行ってドアを開ける。
「ひっさしぶり~!」
ドアを開けると長い茶髪の女性が家の中に入りクウに抱きついてくる。
「会いたかったよ~!ちょっと見ない内に背が伸びた!?髪型変えた!?」
「何だオメェ?」
「オメェ?ちょっと会わない間に随分訛り口調に…」
女性はクウの顔を見て数秒固まってしまう。
「…誰!?」
「オッス!」
「オ、オッス…」
「あげはちゃん!?」
騒ぎを聞きつけたソラとましろが玄関までやって来る。
「ましろん!久しぶり~!」
「何で!?どうしてここに!?」
「ちょっと用事でね!」
「どちら様ですか?」
ソラは女性に話しかける。
一同はエルも交えてリビングにやって来る。
「むかーしむかし、ソラシド市に2人の女の子がいました。2人の名前はあげはちゃんとましろん。2人はご近所さん同士でとっても仲良し!ところが…お母さんのお仕事の都合で、あげはちゃんは遠い街へと引っ越す事に…“ママ嫌い!こんなうち出ていってやる!“さて、おうちを飛び出したあげはちゃんは、これからどうなってしまうのでしょうか?」
女性はタブレット端末に映る紙芝居で昔話を語る。
「日が暮れちゃうから…手短にいこっか?」
「だね…コホン!私は
「は、初めまして!この家でお世話になっている、ソラって言います!」
「オラはクウだ!よろしくな!あげは!」
「クウ!初めて会う人には敬語でっていつも…」
「気にしなくていいって!それよりあなた達ってソックリだね。もしかして双子?」
「はい!私が妹で、クウがお姉ちゃんです」
「やっぱり!それで、クウちゃんとソラちゃんってこの街の子?」
「いえ。私達はこのエルちゃんと一緒に別の世界から来ました!」
「別の世界?」
「ああ!オラ達スカイランドっちゅう世界に…」
「ターーーイム!!」
クウとソラがスカイランドの事を話そうとしていると気づいたましろはすぐさま待ったをかける。
「そうでした!大騒ぎになるからスカイランドの事や、エルちゃんがプリンセスだって事は内緒にするって、ましろさんと決めたのに!」
「プリンセス?」
「える!」
あげはの呟きに答えるように頷くエル。
「全部言っちまったな…」
「あげはさん!今聞いた事は、綺麗サッパリ忘れてください!」
「え~?隠し事?」
「ごめんねあげはちゃん…友達の秘密は言えないよ…」
ましろは申し訳なさそうあげはに謝る。
「…OK!でも、いつか話してくれると嬉しいな!」
そう言いながらあげははエルを抱っこする。
「アハハ!可愛い~!」
「あ~い!」
「そういえばあげはちゃん、さっき言ってた用事って?」
「あ~それ?実はね…この街の保育学校に入る事になったんだ!」
「ホントに!?」
「うん!だから今日はそこの校長先生と話をする為に来たんだ!」
「あげはちゃん、昔から保育士さんになるのが夢だったもんね!頑張って!」
「ありがとましろん!」
「保育士さん?」
ソラが保育士の事をましろに聞く。
「保育士さんっていうのはね…」
「確か、小せぇ子供の世話をする先生の事だろ?」
「う、うん、そうだよ…」
ましろはソラに小声で話しかける。
「ソラちゃん、スカイランドにも保育士さんっているの?」
「いえ、私は聞いたことがありません」
「じゃあ、どうしてクウちゃんは知ってたのかな?」
「そうだ!良かったらみんなも来ない?」
あげはがクウ達を保育学校まで誘って来る。
「いいの?」
「うん!どうかな?」
「私、行ってみたいです!」
「そうだね。行ってみようか」
ソラとましろはあげはについて行くことにする。
「わりぃ!オラはここに残って修行するつもりだ」
「そっか…」
クウは家に残って修行をするそうだ。
「クウちゃん、修行って?」
「あ、あげはちゃんは気にしなくていいよ!さ、早く行こ!」
「う、うん…」
「それじゃあクウ、行ってくるね!」
「おう!エル!ソラ達の言う事ちゃんと聞くんだぞ~!」
「える!」
ソラ、ましろ、エルはあげはと一緒に出掛けていった。