龍門 春節
迎春を迎えた今、龍門は慌ただしく音を響かせ明かりを灯す。
街は煌びやかな赤に彩られ、夜など知らんとばかりに街道が賑わう。道には祭事の熱に浮かされた市民が爆竹を鳴らす音が響き、白い煙がもくもくと昇りライトの光を散乱させる。
その中を行く人々も皆思い思いの方法で新たな春を祝っている。これ幸いと昼間から酒を浴びる者もいれば、龍門伝統の衣装に身を包み格式ばった儀式を執り行う者もいた。街を埋め尽くす人々は様々で、にもかかわらず困ったことに誰もこの賑わいを問題視するどころか囃し立てているのだから始末に負えない。
毎年恒例のこのバカ騒ぎはもはや風物詩となっていて、その治安維持に駆り出される近衛局の隊員が頭を抱える姿もまた恒例のものとなっていた。
そんな浮足立った龍門の街を車窓から眺める一団がいた。
そのうちの1人が呆然と窓に張り付きその光景を見つめ続けている。
「賑やかだろう?」
「そうね。ウルサスでも越冬を祝う祭事はあったけど、ここまでじゃなかったわ」
そう言ってその一団の1人、タルラが声を掛けたのは同じく龍門を訪れたアリーナだ。
ウルサスの山間部によく見られる分厚い毛糸のニットワンピースに身を包むエラフィアは、ガラス越しに伝わる爆竹の音と閃光に圧倒されていた。
今回、タルラ達が龍門を訪れたのには理由がある。イグナスの尽力のお陰で再会を果たしたタルラ達家族は、それ以降も頻度はそう多くないものの顔を合わせる時間を設けていた。
そのうちの1つで、ウルサスでの日々を語るタルラに対しふとフミヅキ夫人が零した言葉が切っ掛けだった。
「タルラちゃんがお世話になった人、私も会ってみたいわ」
ささやかな要望ながらお世話になった義母にタルラは甘かった。それに元々、タルラはアリーナにいつか自分の妹に会わせるという約束もしている。
そんなところに突如舞い込んだ機会。ウルサスまでの移動手段や各人の日程調整など解決すべき事柄は多々あったが、タルラはそれらを全てねじ伏せた。
アリーナに話をしたところ本人も乗り気で、今まで消費してこなかった休暇を消化するいい機会だと先生役への引継ぎを手短に終わらせ少ない手荷物を持ってタルラに同行した。
そして今、アリーナとイグナスを連れたタルラは数か月ぶりに実家を訪れていた。
龍門の中でも一際大きなビルの最上階近く。アリーナはガラスの壁に張り付くようにしてどんどんと遠くなっていく地上の風景を眺める。
故郷であるウルサスの田舎の村やポラリスでは目にする事の無かったであろう闇を晴らし続けるネオンと蛍光灯の群れに心奪われるその姿に、タルラとイグナスは早くも連れてきてよかったと確信した。
目的の階層に着いた事を告げるチャイムが鳴り、ようやくハッとしたアリーナが恥ずかし気に身なりを整える。その姿もまた普段から粛々とした彼女には珍しいもので、2人が揃って微笑ましく見てくるのに対しアリーナは頬を膨らまし抗議した。
そんなささやかな反抗も扉が開き中へと通されれば自然と治まり、部屋の主に出迎えられた事でいつもの調子に戻っていた。
華やかな極東の衣装に身を包んだ夫人が来客を出迎える。タルラを歓迎したのち、同行者にも律儀に挨拶をしていく。
タルラの義母でありこの龍門を治めるウェイ長官の妻、フミヅキはそうして初対面となるアリーナの正面に立ち笑顔を携え腰を折る。
「貴女がアリーナさんね? お話は聞いてるわ。タルちゃんを今まで支えてくれてありがとうございます」
「お気遣いありがとうございます。こちらこそタルラには何度となく助けられてきましたから」
淑やかな雰囲気を保つ2人の会話は実に穏やかで微笑ましい。互いを包み込むような空気は相乗し合い周囲を和ませる。
経済の中心たる龍門に相応しいファーストレディであるフミヅキと並んでも見劣りしないその所作や雰囲気は、流石といったところか。
挨拶を交わしたところでふとフミヅキがとある事に気付く。
「あら? 炎国の言葉を?」
「子ども達に言葉を教えているもので。拙くないでしょうか?」
「とても上手よ。むしろ龍門の人達より上品に聞こえるわ」
「そんな」
龍門のトップ直々の賞賛にアリーナの頬が淡く染まる。
レユニオンの子ども達に少しでも可能性を与えられるよう先生としてあらゆる知識の習得に努めてきたアリーナにとって、その賞賛は何よりも嬉しいものだった。元々龍門に住んでいたタルラや商人として多言語を習得する必要があり幼少からそういった勉強をしていたイグナスはともかく、先生となってからのこの数年でここまで仕上げる事が出来たのは間違いなく本人の努力の賜物だろう。タルラとイグナスは顔には出さないものの共通の友人の快挙に内心鼻高々だった。少なくともこれで態々遠いこの地を訪れた目的の1つは既に達成する事が出来たのだ。
あとはもう1つの目的を遂げたいところだが、そこでここにいるべきもう1人がいない事に気付く。
「ところで、肝心のフェイゼはどこにいるんだ?」
広い部屋を見渡すも、フミヅキ以外にはその側仕えのシラユキしかおらず妹の姿はどこにもない。
フミヅキがため息をついた。
「ごめんなさいね。何でも近衛局での任務が長引いているみたいで。もうすぐ着くとは聞いているのだけど」
そう聞いてタルラ達の脳裏に先程の龍門の様子が浮かぶ。
確かにあれだけの祭事であれば当然揉め事も起きるだろう。『喧嘩と花火は祭りの華』とは極東の言葉だっただろうが、どうやらそれは極東に限った事ではないらしい。
妹の多忙さにタルラが納得しているところ、丁度エレベーターの到着音が響く。
コツコツと床を靴が叩く音が足早に聞こえるのは本人の気質故か、はたまた大事な時に遅れて気が急いでいる故か。
部屋の前で止まったそれは、一呼吸置いたのちに扉を叩く。フミヅキの了承を受け扉を開けた先には、髪が少し乱れたチェン・フェイゼが立っていた。
「遅れてすみませんフミヅキさん」
まず到着が遅れた事への謝罪から入るのは生真面目なフェイゼらしい。
腰を直角に折り曲げ頭を下げた彼女はたっぷりと待ってから顔を上げた。その視線の先で、アリーナが微笑ましくフェイゼを見る。
その柔らかい目元が一層緩んだ。
「初めまして。会いたかったわ、フェイゼさん」
「こちらこそだ。アリーナさん」
初めてあったはずなのに、何故か親近感が湧く。その感覚を2人はどこか心地よく思っていた。フェイゼもアリーナもタルラを通して互いの事をそれはもう聞かされていて、ようやく会えた本人を前にして感慨に耽る。
「ところでフェイゼちゃん、その恰好はどうしたの?」
その沈黙を破ったのはフミヅキ夫人だった。にこやかな笑顔に見えるが、感じる圧がどこか怖ろしい。
見ればフェイゼの服装は近衛局勤めのジャケットに短パンといういつも通りのものだった。ただ所々は何かで焼けたり切れたりしたのか煤けていたり解れており、髪も今走って来たばかりですというように乱れていた。
「いや、さっきようやく仕事が片付いたところで、そのまま直接来たので・・・」
「あらそう」
フミヅキ夫人は笑顔のままだ。それが却って怖い。幼少の頃のトラウマを刺激されているフェイゼとタルラに対し、フミヅキは口を開く。
「フェイゼちゃんがそういった事に無頓着なのは知っていましたから、今更とやかく言う事はありません。急いで来てくれたのですから」
「あ、ありがとうございます」
「でも今日は迎春、年に一度しかないこの時にお洒落をしないのはもったいないわ」
主人の意を汲んだシラユキが扉を開く。
その先へと歩くフミヅキは部屋の全員を振り返る。
「折角ですし、龍門の伝統衣装に興味はあるかしら?」
古今東西、母という存在は子どもを着飾りたい衝動を抱えているものである。
フミヅキ夫人によって唐突に開催されたコーディネートと言う名の着せ替え大会はあまりの白熱ぶりに一刻を優に超え、ようやく解放されたとばかりに衣裳部屋から全員が出てきた。
そもそもここはウェイ夫妻の部屋なわけだが、何故かタルラやフェイゼ達ピッタリの衣装も置いてあった事からこれは前々から計画されていた事なのだろうと早々に諦めがついた。だからこそこういった事に興味のないフェイゼは終始人形に徹していたわけだが。
フェイゼは赤く染め上げられたその礼服を見下す。膝丈までしかないそれは龍門の職人手縫いの仕立てであり、散りばめられた刺繍が控えめでありながらも確かに上品さを醸し出している。髪は見事に左右で結い上げられ、2つの御団子が本人の鋭い空気を中和する。活動的なフェイゼにはピッタリの装いで、少女のような印象が強く出ていた。
ちなみにひらひらしたものが苦手なフェイゼは何とか下のショートパンツだけは死守した。
一方、タルラの礼服は黒を下地とした絹のそれ。生地の滑らかさとポイントとして縫われた白と青が際立つ。本人の白髪もあり、それは夜に咲くユリのような大人びた印象を与えた。
イグナスはそれと似た男性用の装束を着ており、横並ぶ2人が互いを引き立てるようフミヅキ夫人がオーダーメイドしたものなのだと一目でわかった。
そしてもう1人。フミヅキ夫人のお洒落させたい欲の餌食となった者がいた。
「どう? 似合ってるかしら?」
衣裳部屋から最後にそーと出てきたのはアリーナ。彼女が身に纏っているのはいつものウルサスの厚手の服ではなく、白い絹を編み込んだタルラ達と同じ龍門の伝統衣装だ。白を基調とし橙色の草木が入り乱れる刺繍を施されたそれは色白の肌を際立たせている。
「ああ、よく似合っている」
「いつも質素な服装だし、華があっていいんじゃないか」
タルラが手放しに褒め称え、イグナスは普段とのギャップに面食らいつつも称賛した。
友人2人の賛辞を嬉しく思いつつも、アリーナは少しだけ納得がいっていないようで。
「でもこれ、少し丈が短くないかしら?」
そう言ってアリーナは自分の体を見下ろした。
ウルサスの厚手な服装に慣れたアリーナにとってチャイナ服のようなそれはあまりに心許なく、頬を若干赤らめ落ち着かない様子だ。深く入ったスリットから普段見せる事のない足が堂々と晒されているのを頻りに気にしている。
その様子をタルラ、イグナス、フェイゼの3人はじっと見つめる。
「「「・・・・・・」」」
それは楚々とした花のような美しさ。控えめに咲くがゆえに際立つその艶やかさと言えばいいのだろうか。少なくとも下手な主人公よりも主人公している男勝りなフェイゼとイグナスの事となるとあらゆる障害も羞恥も突破する色ボケドラゴンたるタルラにはない魅力だ。
白雪のような頬を赤らめ体のラインが浮き出る箇所を隠そうと裾を揺らすその姿は、異性も同性も等しく惹きつけるものがあった。
「「「いいな・・・」」」
「な、なによ?」
そんなおっさんみたいな感想をしみじみと呟く3人に、アリーナは困惑するばかりだった。
そんな一幕もあり、ようやく落ち着いた彼らは用意された食事を楽しんだ後ゆっくりと時間を過ごす。
ビルの大きな看板ではやけにせっかちなカウントダウンが始まっており、日を越すまでまだ3時間はあるというのにその喧騒は加速度的に大きくなっていく。
そんな活気ある龍門の街を一望できるというのもこの場所の特権なのだろう。いつの間にか合流したウェイ長官も加わり、テラスとなっている部分で空に咲く花火を鑑賞するウェイ夫妻とタルラとイグナス。
盛大な祝砲を見上げる彼らの後ろで、フェイゼとアリーナはそれを一歩離れた位置で見守っていた。
アリーナは慣れない文化や空気に若干の疲れを感じ休むため、フェイゼはそんなアリーナを気遣いつつ2組の夫婦とそれとなく距離を取るため。
夜空を肴に乾杯する姿を遠くから眺めつつ、フェイゼは自分の判断が間違っていなかったことを悟った。もしあそこに挟まれでもしていたら胃がもたれていただろう。
そんな彼らから目を離し、フェイゼは改めてアリーナを見据える。彼女はテラスに設けられた休憩スペースで自分の反対の席に座っていた。
タルラがコシチェイによって攫われてからこれまで、様々な困難がタルラを襲った。だがそれを支える人々がいたからこそ、こうしてタルラは自分達の下に戻り再び同じ時を過ごすことができている。
そのうちの1人が彼女。コシチェイに止めを刺し逃走してすぐ、御尋ね者となったタルラを匿いともに姉妹同然に過ごしてきたのがアリーナだ。
歳はそう変わらないはずだ。だがこうして相対すると何故か緊張感が抜けない。本人の気質も厳しいとは思えないが何か怒らせてしまうのではないか、そんな考えがふと浮かぶ。
これはあれだ。ヴィクトリアの軍事学校に留学した際にいた普段は怒らない教官を前にしたときに近い。
それでも聞きたい事があったフェイゼは意を決してそれを問うた。
タルラがいない2人きりとなれる機会など、この先ないだろうから。
「何故、タルラを助けたんだ?」
フェイゼにとってタルラは血のつながった実の姉だ。
だがその血が半分か否か。それは本人の意思に関係なく多くの問題を生んだ。母が亡くなり、タルラの実父であるエドワード・アルトリウスの死に関する話を耳にし始めてからその不信はより深くなった。
少しずつ余所余所しくなっていくタルラに、フェイゼは幼心に不安を感じていた。
だからこそ、ようやく再会を果たした時以前のタルラに戻っていた事がどれだけ嬉しかった事か。
ならばそれを為したのは、あそこに立つイグナスと、そして彼女に一番長く寄り添い続けた彼女であるはずだ。
唐突な質問に驚くアリーナ。だがフェイゼの真剣な空気を感じ取ったのだろう。自分の中の言葉を整理したあと、アリーナは語り始めた。
「私もね、身寄りが無かったところをおばあ様達に拾って貰ったの。だからあの時行き場も無く雪に埋もれかけてたタルラを見てついほっておけなくなっちゃって」
「そうなのか」
「でもそれ以上に、タルラには人にはない何かがある。そう思ったからかもしれないわね」
アリーナにとって、タルラは危なっかしい妹のようであり、また遠く及ばない優れた姉のようであった。
その意思は固く、人を惹きつけて離さない。理想を語る時の表情は何よりも眩しくて、絶望に抗う強さも持っていた。
だからこそその強さが仇になってしまう時が来ないか、それが気掛かりで後を追った。タルラがイグナスに連れられレユニオンの拠点へと移り住んだ時それに着いていったのは、自分のような感染者の未来とタルラの行く末を案じたが故だった。
けれどこうしてレユニオンは大きくなり、感染者の居場所は着実に大きくより強固になっている。自分を含めた感染者の多くを彼女は救ったのだ。
「私なんてただの田舎娘よ。それでも色々な人に支えられて、助けられてここにいる。だからその恩返しをしたいって思ってるわ。イグナスとタルラの2人のように戦う事はできないけど、あそこで子ども達を教え導くことが私ができる最大の役割だって思ってる」
そう語るアリーナの醸し出す無意識の気迫に、フェイゼは自然と気圧されていた。命の遣り取りなどしたことも無いはずの彼女にだ。
だとすればその決意は並大抵のものではない。何が彼女をそうさせるのか、それを知りたいとフェイゼは思った。
一体なぜそこまで。その問いを受けアリーナは少し躊躇った後、肩の力を抜き穏やかな表情を浮かべた。
穏やかなはずなのに、見ているだけで不安になるような、全ての荷を降ろして遠い空に行ってしまうかのような笑顔だった。
「
その告白に、フェイゼは言葉を失った。
「信じられないって顔ね。でも本当のことよ。まだ西北凍原にいた頃、レユニオンの居場所がバレて軍に襲撃されてね。私は多分、あそこで死ぬはずだったの」
アリーナにその時の記憶はない。子ども達と一緒に逃げ惑い、彼らを守る為に囮となって結果剣に切り裂かれた。抜け落ちていく血の温かさと傷口が焼けるように熱かった感触だけは今も残っている。
あの時の事はどこかあやふやで、気が付けばベッドの上で天井を見上げていた。
それでも自分を死の淵から引き揚げてくれたのが誰なのか。それだけは分かった。
『先生のまとめ役になるんだろう? 意見するからって言ってたじゃねえか』
何も分からない暗闇で、その声は篝火のように揺らめいていた。
『イーノも、サーシャも、他の生徒だって、皆んな待ってるんだぞ・・』
怖くて、苦しくて、痛かった。
そのまま立ち止まってしまえば、何もない、痛みも憎しみも無い虚無の世界へ行ける事は分かっていた。
『だから早く戻ってこい! アリーナァ!』
それでも自分の足でその光の元へ走って行けたのは、彼の必死の叫びがあったから。
彼を置いて、子ども達を置いて、タルラを置いて、死へと流されて行きたくはないと思えたから。
「私が生きているのは彼のおかげなの。だから彼と、そしてタルラが幸せに笑ってる。これ以上の幸せって、多分ないわ」
そうアリーナは締めくくる。
自分を救ってくれた2人の為。
心からそう思っているのだろう。フェイゼにはそれが分かる。だが同時に口にしていない事もあるのだと気付いた。
遠くで談笑するタルラ達がこちらを見て手を振る。
それに呆然と手を振り返し、向かいのアリーナを見つめた。
2人を見つめるその眼差しに、決して負の感情なぞ混ざってはいない。
それでも、その奥に見え隠れするほんの僅かな違う色。
あれは何だ。フェイゼはその正体を探る。
そして気付いた。あれは、手の届かないものを見つめる羨望の眼差しなのだと。
「・・・その、アリーナさん。もしかして貴女は」
「フェイゼさん」
フェイゼの推測は、終ぞ口に出されることはなかった。アリーナが彼女の名を呼び引き留め、そして丁度そのタイミングで一際大きな花火が打ち上がったからだ。
連なる花火の炸裂音で何も聞こえない。それでもその声ははっきりと聞こえた。何も言わずこちらを見つめるアリーナの横顔が、花火の閃光に照らされていた。
やがてアリーナは再び横を向く。その先にはただひたすら幸せそうなタルラとイグナスが並び立っていた。
その表情は眩しいものを目にしたように穏やかで、そして儚かった。
「いいの」
アリーナが零す。
その3文字に、一体どれだけの葛藤や願いがあったのかは分からない。
それでもそれを前にしては、何も言えなくなる。
自分の無粋な推測の代わりに、フェイゼはため息を吐いた。
「苦労するな。お互いに」
「ええ、そうね。これからも仲良くしてくれると嬉しいわ」
ようやく出会えたこの縁を大事にしたい。
フェイゼとアリーナは共有した思いを馳せ、2人向かい合い笑顔を浮かべた。