星の守護者が幻想入り   作:ケービィ

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とある世界、その世界の地球は長きにわたる戦争でボロボロだった、もはや人の手ではどうすることもできない。
ならば、ととんでもない時間をかけてでも地球をどうにかできる「ひと」を人は造り出した。
たった1人、時間もとんでもなくかかってしまうけれど、確かに地球をどうにかできる力を持ったたった1人の「ひと」は造られた。
たった1人の「ひと」は「スグリ」と呼ばれた


墜落、ありえない場所へ

「あれ」

地上の少し上、青いジャージを着た銀髪の少女が低空で空を飛んでいた。

彼女がスグリ、地球をどうにかできる力を持ったたった1人の「ひと」である、地球を癒す以外にも空を飛んだり外敵から守るための武器を作り出したりなど、さまざまな力を持っていた。

そのまま飛び続けていると、スグリは地上に何かを見つけた。

それは正八面体のような形の金属製の物体、おそらくは何かしらの機械である。

「なんだろう、これ…」

地面に降り立ち、スグリは謎の物体を手に取って眺め始めた。

「何かのパーツ…?でもこんなパーツ何に…」

眺めていると「カチリ」という音がした、何かのスイッチを押してしまったらしく起動を始めたのか縁が光り始めていく。

「まずい…っ!」

直感で危険を察知し、物体を落として高速で飛行し離れようとした、したのだがほんの少し遅かった。

突然空間に大きな穴が開き、周囲のものを吸い込み始めスグリはその穴に飲み込まれていった。

───

(空中…!?何が起きて…いやそんなことより…!「落ちて」)

穴に飲まれてから失っていた意識が戻り、状況を確認しようと頭を回そうとした瞬間頭から水に突っ込んだ、どうやら湖に落下したらしい。

状況を理解してすぐさま水面まで上がる、水面から顔だけを出して周囲の景色をスグリは確認した。

(おかしい…見覚えのない景色だ、ただ忘れていただけならいいけど…ここのどこからも「私」を感じない、ここは一体どこ?)

スグリによる地球の再生には要になる存在があり、「ナノスグリ」という存在で地球上を満たしている。

現在地にはナノスグリがどこにも存在しない、それは今いるこの場所は「スグリの知っている地球ではないどこか」であることを意味する。

(とりあえずここを調べなきゃ)

スグリはそう考え、飛行して水上に上がる。

上がった直後に尖った氷の塊が数個飛んできた、明らかに自然にできるものではないし軌道もスグリを狙っていた。

「氷…攻撃をしてきた?」

氷が飛んできた方角を見ながらまだ少し混乱している頭を回す、氷を使う生物でもいるのか、もしくは人間がなんらかの方法で氷を飛ばしてきたのか。

人間であるならばここのことについて聞きたいが、攻撃をしてきた以上簡単ではなさそうだ、攻撃される心当たりが全くないので理由も聞く必要もある。

強いて考えられるのは余所者だから警戒されているといった理由だからだろうか?ただの戦闘狂という可能性も考えられはするがそれはあまり考えたくない。

(理由もなく人を襲う相手じゃないといいんだけど)

そう考えているとまた氷が飛んできた、ひらりとかわし、思考を切り上げて氷が飛んできた方角へ飛行する。

「むぅ…あたいの攻撃をあっさりと避けるなんて…」

そこにいたのは青い服を着た水色の髪の少女、ここまでは普通なのだがその少女には氷の翼のようなものが背中にあった、氷を使う生物か人の攻撃だと考えてはいたがどちらともいえるような、いえないような見たことのない存在にスグリは困惑した。

「君は…誰?なんで攻撃してきたの?」

とりあえず正体と攻撃の理由を問う、相手の言葉が少し聞き取れたため言語と話が通じることを期待して対話を試みたのだ。

「あたい?あたいはチルノだよ、あんたが誰かは知らないけどあたいの城に勝手に入り込んできてタダで済むと思ってるの?」

城というのは縄張りの比喩だろうか、とりあえず言葉は通じたことには安心したが話が通じるかはまだわからない、とにかくスグリは対話を続けようとした。

「私は戦いたくなんかないよ、ただやられるのも嫌だし…とりあえずここのことを調べたらすぐ出ていくから許してくれないかな?」

戦わずに済むように説得を試みる、戦ってもおそらくスグリが勝つだろうが出来る限り戦いたくないため穏便に済ませたい。

「問答無用!」

ダメだった、いきなり先手で攻撃してきたことからもチルノという少女はかなり好戦的のようだ、説得は厳しいだろう。

「戦いたくなんかないって、言ってるのに…」

戦いは避けられないと判断したスグリは手元から光を出す、光はだんだんと形を形成していって銃、ビームライフルが形成される。

「…いくよ」

虹色の輪を後ろに出しながら目にも留まらぬ速さでスグリは飛んだ、チルノの方へ一瞬で距離を詰めていく。

「速っ…!」

驚くもチルノは咄嗟に謎の光弾をばら撒いた、広範囲攻撃で命中することを期待したのだろう。

スグリは一直線にチルノの方へ飛び、光弾に突っ込んだ、間違いなく命中したはずだ。

確かに命中したはずだったのだが、スグリは光弾をすり抜けて真っ直ぐ突っ込んできた、防いだのでもなく避けたのでもなくただそこにいなかったかのように光弾を通り抜けたのだ。

「えっ」

思わず声が出るもそれ以上驚く暇もなく、スグリの体当たりを受けてチルノは大きく体制を崩す、すぐさま体勢を立て直そうと試みるも光弾が顔スレスレを通り抜けていった、スグリのビームライフルによる攻撃であること、わざと外されたということ、その2つがあまり知能が高い方ではないチルノにも理解できた。

「私の勝ち、でいいかな?」

光弾に一瞬気を取られている間にスグリは近づき、チルノの眉間にビームライフルを突きつけた。

「まだ…これから!」

するとチルノは1枚のカードを取り出した、若干困惑しつつもスグリはカードを見つめる。

「凍苻『パーフェクトフリーズ』!」

そう言うとチルノは全方位にたくさんの光弾をばら撒き始めた、すぐさまスグリが飛んで離れたその時、光弾が一斉に停止した。

「え?」

思わずスグリは声を出す、驚きつつも停止した光弾を見ているとチルノがまた別の光弾をスグリめがけて連射する。困惑で一瞬止まりかけていた思考を切り替え、光弾の回避を試みる。回避には成功するものの停止した光弾のせいで動きが制限されていることにスグリは気づいた。

(止めたのはこのためだったんだ…)

そう思ったのも束の間、止まっていた光弾が突然バラバラの方向へ動き出した。また驚くも今度は対応が早く、動き出した光弾をひらりと避ける、そうしている間にチルノはまた全方位に光弾をばら撒き始めた。光弾を止め、狙い撃ってから止めた光弾を動かす、これで1セットということだろうか、そう考えたスグリは本格的に戦闘を始めることを決意し、ビームライフルを構え直す。

「どうだ!」

そう言いながら攻撃を続けるチルノに向かい、スグリは虹色の輪を出しながら飛行する。

スグリは虹色の輪を出しながら飛行することで実体のないエネルギー系の攻撃を無効化することができる、さらに虹色の輪がその攻撃のエネルギーを吸収してスグリの力へと変えてしまう。つまり、チルノにとってはとてつもなく相性の悪い相手だったのだ、元の世界ではナノスグリによる補助があったため、それがなく弱体化しているはずのスグリであっても手も足も出せないほどの相性の差が勝てない相手だとチルノに思わせた。

光弾をすり抜けながらスグリはチルノの元へとあっという間に接近し、ビームライフルとは違う武器を手元に作り出す、刃が赤いエネルギーで形成されている剣、スグリは「ソード」と呼んでいるものが形成された。そのソードでチルノの胴体に斬撃を喰らわせる、胴体に激痛が走ったチルノは大きく怯む、その隙にスグリは畳み掛けるようにソードによる3連撃をチルノに喰らわせ、トドメに思い切り突きを叩き込んだ。

「あ…あ“あ”っ…」

「…っと」

湖に墜落しかけるチルノを掴み適当なところに寝かせる、加減はしたがすぐには起きないだろう。

「…ごめんね」

このまま起こしても面倒なことになりそうだと思い、スグリはその場から離れていく。あてはないが探せば家くらいは見つかるだろう、そう楽観的に考えてとりあえずまっすぐ進んでいく。

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