裏ボスになりたくて!   作:ぐえ

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再会

二人はバーでお酒を飲んでいた。シドはアルファが選んだスーツを着ていたのでアルファは上機嫌である

 

アルファ「ねえ、シドこれからどうしたい?」

 

グラスに少し口をつけシドは話す

 

シド「特に考えてはいないかな」

 

アルファ「私たちの使命はもう終わったと思うの。あなたももう休んでも良いんじゃないかしら」

 

シド「ふ、ふーん」

 

シドは少しショックだった。今まで一緒に遊んでくれてた相手からの拒絶、そして自分を諭そうとしてることに

 

ドクンっ

 

アルファが髪をかき揚げシドを見る。直視するのは少し気恥ずかしいので目線を下げる

 

アルファ「だ、だから、もしあなたがよかったらなんだけど、その、私と二人で…」

 

シド「オレンジジュース貰える?」

 

カイ「は、はい!」

 

シドはジュースが注がれるのを見ながら少し話す

 

シド「アルファ、僕はねまだ続けていたいんだ。だから君たちは自由に過ごすと良いよ。僕なんか忘れて」

 

ジュースを一気に飲み干したシドはそのまま立ち上がり、アルファに背を向けて出口のドアノブに手をかける

 

アルファ「待ってよ、それってどういう意味なの。ねぇ!」

 

シドはそのままドアを開きどこかへ消えた

 

アルファ「あ、あぁ」

 

アルファの持つグラスにヒビが入る

 

「「ヒッ」」

 

アルファ「カイ、オメガ、退出して...」

 

カイとオメガの退出後、部屋からは啜り泣く声が聞こえた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

七陰たちの中心には底の見えない大穴があった

 

アルファ「疲れたわ。もう」

 

アルファとデルタ以外の七陰の体にいくつもの傷が生まれ出血する。デルタも一見普通だが身体の内側にはかなりダメージがあった。これがシャドウの技の代償であった

 

アルファ「デルタ、みんなを連れてナンバーズのところへ治療を受けに行って」

 

デルタ「で、でもアルファ様一人じゃ…」

 

アルファ「大丈夫よ」

 

デルタはアルファの命令に葛藤していた

 

アルファ「じゃあ、早く戻って私を助けてね」

 

デルタ「!!ハイなのです!」

 

デルタが4人を両肩に乗せ、スライムスーツを口で咥えてイータを運ぶ

 

「絶対スライムスーツ解いたらダメなのですよ!」

デルタが大きくジャンプする

「「「ぐえ」」」

 

 

アルファ「行ったわね」

 

 

 

 

 

 

「そのようだな」

 

大穴から赤紫の光が溢れ出る。その光は一気に膨張してアルファすら包み込む。しかし、アルファは避けようとも防御のそぶりも見せない

 

「放射線が消し飛ばされた。あなたもあなたで放射線対策はしてたのね。まあ核を考えてたのもあなただし、当然なんでしょうけど」

 

「まあな」

 

「でも、デルタとガンマの攻撃を防いだ時、その放射線対策も揺らいだ。内臓なら作り直せば良いかもしれない。だけど脳の被爆は違う」

 

「その通りだ。よくやった」

 

アルファがシャドウに近づき話す

 

「私がそれを治すことができると言ったらどうする?」

 

「何が目的だ」

 

「あの日の続きよ」

 

「(あの日?)」

 

アルファがシャドウのすぐ近くで歩を止める。そして目を逸らさずに言う

 

「私と二人だけで暮らしましょ?もちろん拒否権は無いわ」

 

「…」

 

「私ね、異空間で七年もの間鍛錬してたの。あなたを説得するために。何度も死を覚悟したし、実際死にかけたわ。それでもあなたへの焦がれる気持ちは消えるどころか、増大し続けた」

 

「…」

 

「あなたが好きよシド」

 

「…」

 

「武装を解除して」

 

「…僕は、あまり人の気持ちが分からないんだ。興味が無いからね。でも、アルファが僕を自分のものにしたいのは分かったよ」

 

「...そんなとこよ」

 

「じゃあ、僕を倒してみなよ。そしたら煮るなり焼くなり好きにできるよ」

 

「そう、まあ分かっていたけど」

 

二人が剣を精製する。一足一刀の間合いより更に近い位置で剣が交わる。シャドウが拳でアルファを殴ろうとするが、その拳はアルファの柔術によって流され、そのまま投げ飛ばされる。

 

投げ飛ばされた状態で何かを投擲する。それに合わせ、アルファもナイフを投げ、相殺する。ぶつかった二つのものは即座に爆裂し、二人の視界が潰される。

 

次の二人の行動は同じだった。爆炎の中を直進し、剣がまた交わる。一度のぶつかり合いで一気に爆炎が消え去り、斬り合いが何度も続いていく。

 

二人が音を置き去りにし、辺りにソニックブームが発生する。それでも二人の加速は止まらず、だんだん周囲の温度が上昇する。

 

アルファの刺突がシャドウの頬を掠める。

 

今度はシャドウの切り上げがアルファの脚に傷を作る。

 

二人の足場が熱でだんだん溶け、ぬかるんでいく。アルファは大技を仕掛けることに決めた

 

「アイ・アム」

 

「いいのか?今使っても」

 

シャドウが横にアルファを斬りつける。両断されたアルファはそのままシャドウを()()()()()

 

「同時に霧化か、やるな」

 

アトミックソード!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アイリス「!?皆伏せて!!」

 

アイリスの言葉に全員が咄嗟に体を伏せる。その上を巨大な斬撃が飛ぶ

 

クレア「なに...これ」

ベアトリクス「まるで世界が二つに斬られたみたいだ」

 

周囲の家や森林が真っ二つになって綺麗に切り裂かれる。その斬撃は空まで飛び、雲を裂いた

 

アイリス「ベアトリクス、毒が」

 

ベアトリクス「あぁ、今がチャンスだろう」

 

アレクシア「あそこに今から飛び込むわけね...」

 

アレクシアが焼け野原を見る

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「(アルファの身体もそろそろ限界だね。まあ僕もだけど。あ、また立ち上がった)」

 

「ハァハァ」

 

「当てることができれば確実に我を倒すこともできただろう。まあ当てられんだろうが。貴様があとソレを撃てる回数は一度、身体を壊せば二度といったところか」

 

「あなたも剣を振るうのが辛いんじゃないかしら」

 

「(確かに今の状態じゃアトミックを撃つのは自殺行為。身体の痛みは我慢すればいいけどね。ホントにすごいよアルファ、僕に本気を()()()()()なんて!)...行くぞ」

 

シャドウが消える

 

「ッ!?空!」

 

アルファが即座にシャドウの位置を捉え横に走る。すぐに矢が飛んできた。その矢は地面の奥深くまで突き刺さる。

 

「速いッ!!」

 

アルファに向かい続々と矢が飛んでくる。アルファは横へ走り続ける。どこかに隠れてもそのまま全てを撃ち抜いてくるだけなのでただ走る。

 

「このままじゃ埒が空かないわ」

 

アルファが足を止め、同時に迫った3つの矢を弾き落とす

そのまま跳躍する。その跳躍により一瞬でシャドウと肉薄する。

 

「終わりよ」

 

アルファがシャドウの四肢を切断する。しかしシャドウの肉体はだんだんスライムへと変化した

 

「デコイっ!?」

 

シャドウが更に上空から現れアルファを蹴り飛ばそうとする。それに合わせアルファは防御の姿勢をとるが、今度は死角からスライムが針へと変化し、アルファの体を突き刺した

 

「ガッ?!」

 

そのまま蹴り飛ばされたアルファは地面に激突する

シャドウも空から降りてくる。

 

「アルファ、全力で使え。受け止めてやる」

 

アルファが腹部を治しながら立ち上がる

 

「遠慮はしないわよ?」

 

シャドウは己のスライムに魔力を込めながら、ただアルファを見つめる。アルファの身体から青いオーラが流れ、シャドウとアルファを囲む

 

「アイ・アム」

 

シャドウのスライムがまるで生きてるかのように唸る

「来い!!」

 

「死なないでね...

 

 

        アトミック

 

二人の世界が白く包まれ、周囲の瓦礫が蒸発する

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アルファ「はぁ、私頑張ったのよ?」

 

シャドウ「そうだな」

 

アルファ「ダメなの?」

 

シャドウ「まだ終わっていないからな」

 

アルファ「そう...」

 

アルファが膝を落とし気を失う

 

シャドウ「あと一歩で僕の負けだったよアルファ」

 

シャドウのスライムは全て焼け落ち、仮面は割れ右の肘から先は無くなっていた。

 

シャドウ「でもね、僕を倒すのは君じゃダメなんだ」

 

 

 

 

シャドウの魔力探知に数人が引っかかる

 

 

「なんで...なんであなたがここにいるのよ...」

 

シャドウ「来たか、随分遅かったな」

 

「質問に答えて!」

 

シャドウ「見れば分かるだろう?」

 

「分かるわけないでしょ、そんなはずないわよ...」

 

アレクシア「なんでよ、なんでなのよ。シドォオオオ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

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