裏ボスになりたくて!   作:ぐえ

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バイバイ

ウガァアアアアアアアアアアアアaaaaaaaaaaaa

アアアアアアアアアッッッ

 

この世の物とは思えないほどの叫びがミドガル西部の森林地帯で木霊した

 

化け物が叫びながら木々を薙ぎ倒していた

 

アルファ「ようやく見つかったのね」

 

ニュー「はい、ですが理性も正気もすべて失ってるようですが...」

 

アルファ「大体原因はわかってるわ。イプシロン、ベータ、軽く牽制して気を引いて」

 

2つの陰が木から落ち、化け物の左右に走り込む

 

イプシロン「私達に気づいてないわね」

 

ベータ「じゃあ作戦通り」

 

ベータが短刀をいくつか化け物に向け投げる、そして化け物に刺さる寸前に短刀が爆ぜた

 

ガルァアアアアアaaaaaaa

 

ようやく化け物の意識がベータに向いたようだ

爆風の煙を片手で払いベータに向かおうとすると、

 

グガァアアッッッ!!!

 

背後から剣で切られるような感覚に襲われる

 

イプシロン「うわ、ごめんデルタ。結構ザックリいっちゃった」

 

イプシロンの空斬三閃がデルタの背を確実に捉えていた。

ようやく化け物、デルタは囲まれていることに気付いたらしい。デルタが全力で魔力を放出し、あたり一帯を吹き飛ばすためスライムを変形させ”鉄塊”を作り出す。

 

ウガァアアアアアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAA

 

涙が止まらない。叫んでいないと頭がおかしくなる。辛い 。ボス、どうして。デルタはいらないの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バイバイ』

 

 

ウグゥアアアアアアアAAAAAAAAAAaaaaaaaaaa!!!!

 

そこにアルファが入り込む。そして剣で切り刻むのでもなく拳を叩き込むのでもなく、ただデルタを抱きしめた

 

アルファ「もう大丈夫。悲しまなくていい。ただ今はゆっくり寝ていなさい」

 

デルタのスライムがすべて解け、力なくアルファの胸に倒れ込む

 

デルタ「あ、ああ、ぁ、あるふぁさま」

 

アルファ「いいの今は、おやすみデルタ」

 

デルタが完全に気を失った

 

ベータ「ようやく落ち着いたみたい」

 

イプシロン「にしてもこのクレーター、一体どこからデルタは吹き飛ばされたのかしら」

 

森を少し進むと直径100メートルほどのクレーターがあった。やはりデルタはどこかから吹き飛ばされてここに来たらしい

 

イプシロン「主様...」

 

ベータ「でもこれで確信できたわ」

 

イプシロンが俯く

 

ベータ「シャドウ様はこの世界の破滅ではなく自分が倒されることを欲している」

 

そうでなければデルタは死んでるはずだ。我々全員に挑まれることを望んでいるのだ。

 

 

 

 

アルファ「…私がしっかりしないと」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

アイリス「まさかミドガルのこんなすぐ近くにいるとは思いもしませんでした...ベアトリクス様」

 

ベアトリクス「君か、、、事情はわかっている。戦うんだろ彼と」

 

アイリス「はい、ベアトリクス様。お恥ずかしながら私一人では彼奴に勝つことは難しいでしょう。一緒に戦ってくれませんか?」

 

アイリスが真剣にベアトリクスを見つめる

 

ベアトリクス「それは構わないが、今のままじゃ私が一人増えたとことろで変わらない」

 

アイリス「…」

悔しさで顔が歪む

 

ベアトリクス「そんな顔はしなくていい。私がここに来たのも彼に勝つためだ」

 

アイリス「それは何か案があるということですか?」

 

ベアトリクス「龍に挑む」

 

アイリス「それは?!いえ、しかし龍に挑んで強くなってもたかが1ヶ月では...」

 

ベアトリクス「その龍は時間や空間をも操り幾多もの戦士を屠ってきたという話だ。わたしは旅の途中でその龍を発見した。そのときは探しびとがいたから挑まなかったけど、今はそんな事言ってられない。そして伝承ではその龍に勝利すると力や能力、技、財宝などが貰えるのだという」

 

アイリス「(確かに勝利すればメリットは大きい。しかし負ける可能性もある。そうすれば元も子もない)」

 

ベアトリクス「その龍はバカなことに勝者に封印術を授け、封印されてしまったらしい」

 

アイリス「封印術?!!」

 

アイリスはその言葉を聞き目を開き、ベアトリクスは僅かに口角を上げる

 

ベアトリクス「あぁ、それが今回の目的だ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アレクサンドリアの医務室にて

 

デルタ「ん、ん~~まだねむいのです。ぼすぅ」

 

アルファは悲しそうな顔でデルタの頭を撫でる。さっきまでうなされていたがようやく落ち着いてきたようだ

 

アルファ「だめね私、今はみんなが辛いとき。私が泣くことは許されない。でも、どうかこれがすべて嘘であってくれればと思わずにはいられない」

 

デルタ「あ、アァ、ボス、、、、すてないで」

 

アルファ「目が覚めたかしらデルタ」

 

知らない天井だ。そう思いデルタが半身を起こす。

 

デルタ「...アルファ様、デルタはボスに...捨てられたのです」

 

デルタが悲しそうな顔で俯く。こんな顔はアルファも初めて見た。ディアボロス教団の壊滅が終了した今、七陰はシャドウに全てを捧げる他に生きる目的がない。デルタは一人だけ完全に捨てられてしまったと思っている。いや、それが本当は事実なのかもしれない。しかしアルファはそれを否定する。否定しなければ、何かが壊れるからだ。

 

アルファ「デルタ、私達はまだ捨てられていない」

 

デルタ「そんなわけ無いです。ボスはいつもと様子が違ったのです」

 

アルファ「いいえ、私達はまだシャドウに求められている。デルタ、最後彼に何か言われなかった?」

 

デルタ「...次は皆で来いって言ってたのです」

 

アルファ「やっぱりね。デルタ私達は求められているの。自分たちの力を示すことを」

 

デルタの顔が少し上がる

 

アルファ「私達が強いってことをシャドウに示せば彼は帰ってくる。デルタ、強くなるの彼に認めてもらえるように」

 

デルタ「...デルタはもう、もう絶対に負けないのです」

 

デルタの顔から涙が溢れ出る。だがその目には炎が宿っていた

 

アルファ「私達はもう負けない。でも今だけは存分に泣いていいの」

 

アルファがデルタを抱きしめ、デルタも抱きしめ返す。デルタの膂力なんて今のアルファには気にならなかった。それ以上に心が痛かった。彼女の心は誰よりも折れかかっていた

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シド「ちょっとデルタには悪いことしちゃったかなー。お、何人かこの城を発見したみたいだね。面白くなってきた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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