裏ボスになりたくて! 作:ぐえ
アウロラ「彼の身体は言わばアーティファクトみたいなものよ」
クレア「何よ、やっぱ人じゃないってわけ?」
アウロラ「いいえ、彼はあなたと同じ生身の人間よ。びっくり人間ではあるけど...要は自分の身体を組み替えてるのよ魔力を使うのに最適な形に」
アレクシア「それこそ人間じゃないわね。私達も同じことができる?」
アウロラ「そこは私がイジるわ。時間短縮よ」
アウロラはそう言って二人の肩に触れる。赤い魔力が彼女達を包み込む
アウロラ「彼程上手くできないから痛みは我慢してね」
アレクシア「ちょっ、まだやっていいなn...ッ゙グァアア!!」
クレア「ま、まっtアガァアッッ!!」
彼女たちの魔力が大きく変質する。今までより滑らかに身体を循環する
アウロラ「ここからはあなた達次第よ。魔力の使い方の講習は明日から。それまでに身体を慣らしときなさい」
クレア「あ、あんたねぇ!!」
クレアが怒りに任せてアウロラを殴ろうとする。だが、もちろん霊体のアウロラの身体を抜けて空振る
「プッ」
アウロラがほくそ笑む
クレア「ムキィイイイイイ」
アレクシア「…ねえクレア、あの城壁見てみて」
アレクシアだけは今の異常に気付いていた
クレア「何よ!って...え?」
視線の先にはアーティファクトで強化されているはずの城壁の一部が”消滅”していた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オルガヌムの住処にて
アイリスが龍の死角から攻撃し、ベアトリクスは正面からオルガヌムと切り合う
アイリス「(やはり、私が足を引っ張っている...)」
戦いが始まって一時間を越えようとした時、アイリスの魔力は底をつこうとしていた。一方ベアトリクスの魔力にはまだ余裕があった。魔力量ではなく単純な練度がこの差の原因であった。しかし龍の魔力の底は未だに見えない。まるで無限にあるようだ。
ベアトリクス「やっぱりおかしい」
殺陣の末最初優勢だったのは二人の方であったはずだ。何度もオルガヌムの肉体に傷をつけるが、その傷もなにかのタイミングでまるで時が戻ったかのように回復する
ベアトリクス「(自己回復ができる魔物はそのたびに大量の魔力を使う、しかし魔力が使われている雰囲気はない)」
オルガヌム『戦いの最中に考え事か?』
オルガヌムが身体をアイリスの身体を尾で弾き飛ばす
アイリス「くッ!」
オルガヌムはそのまま首をベアトリクスに向け光線を穿つ
ベアトリクス「!!?」
ベアトリクスに光線が直撃し、爆発する
アイリス「ベアトリクス様!!」
オルガヌム『随分時間を掛けさせよって、だが相当な魔力を込めた...肉塊も残らん』
煙が晴れ、そこには何もなかった
オルガヌム『次は貴様だ赤髪...ッ!?』
瞬間オルガヌムの右後足と右前足、そいて右翼が切り飛ばされる
「首は落とせなかったか」
アイリスの横に着地したのは蒸発したかに思われたベアトリクスだった
オルガヌム『どうやって我の一撃から逃れた?』
ベアトリクス「切った」
アイリス「す、すごい。コレが武神...でも、やはり龍は不死身、なにか戦局を変える一撃がなければ」
オルガヌムの傷が少しずつ癒えていく
ベアトリクス「回復が遅い?」
だが次の瞬間にオルガヌムの身体は完全にもとに戻る
ベアトリクス「アイリス、私が時間を稼ぐ」
アイリス「すいません、私には今あいつの首を断ち切れるほどの魔力は、、、」
ベアトリクス「違う、この部屋のどこかに特殊な魔力が流れているところがあるはず、それを壊して」
アイリスは目を瞑り、魔力の流れを感じ取る、一つだけオルガヌムに僅かだが魔力を流している場所があった
アイリスは目を見開き二人は同時に走り出す。ベアトリクスは前にそしてアイリスは後ろへと
オルガヌム『気づいたか!!』
ベアトリクスに向けオルガヌムは両の鉤爪で交差するように切り刻もうとするが、、、
ベアトリクス「慣れた」
その攻撃はそのまま受け流されあらぬところに斬撃が飛ぶ、だがベアトリクスは足を止めない、彼女も先程の光線を切ったときにかなり魔力を使っている。今はアイリスを信じるしかない。
『ヌォオオオオオオッッ』
オルガヌムがまたも光線を飛ばすが、狙いはベアトリクスではなくアイリスであった。
「させないッッ!!」
ベアトリクスが剣で光線を切る。2つに分かれた光線は僅かにアイリスの肩を抉ったが、それでもアイリスは止まらない。部屋の四方八方から槍が飛んでくる
「ハァアアアアアア!!!」
幾百もの槍を切り刻み、無理やり道を作り出す。身体にどれだけ傷がつこうと愚直に直進し続けた
オルガヌム『不味い、このままではッ!』
ベアトリクス「余所見する余裕あるの?」
ベアトリクスがオルガヌムの左足を根本から切り飛ばす
『ヌゥ!』
オルガヌムがどうにかベアトリクスを振り払い距離を取る
『我の全力だ受け取れぇいッッッ!!!』
オルガヌムは口を大きく開き、彼の1度に放てる最大量の魔力を貯める。同時にベアトリクスは目を閉じ剣も鞘にしまい、抜刀の体制を取る。その裏でアイリスはもう一体の小さな龍と対峙していた。だがアイリスの足はまだ止まらない
アイリス「なにか来るッッ?!」
『グワ!』
龍の口が開き衝撃波が飛ばされる
もろに直撃したアイリスの肋骨が軋む
アイリス「グハッ!?」
だがアイリスの闘志はまだ潰されなかった。あのときとは違うのだと、自分を奮起させる
アイリスとベアトリクスが同時に叫ぶ
「「ハァアアアアアアッッッッ!!!」」
二人の斬撃がほぼ同時にたどり着く
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アルファ達が精神と◯の部屋に入って10日が過ぎた、ここでの重力に慣れ、今は七影で戦闘訓練をしている。
アルファ「ガンマ、今まで剣術は大目に見ていたけれど、1から叩き直すわ」
ガンマ「元からそのつもりです!」
ガンマが剣を大きく振るが、アルファはそれを紙一重で避ける
アルファ「まずは相手を自分の身体の正面で捉えなさい。常に魔力で捕捉し続けることも忘れないこと」
ガンマの次の突き技を今度は剣で逸らす
アルファ「そして手だけで切ることが剣ではない。肩を大きく使うこと、そして腰は引くのではなく前に出す。剣より先に腰が動かなければ早い動きも強さもすべてが消える」
ガンマ「くぅ!!」
今度は右に凪ぐがそれすらアルファは正面から受け止める
アルファ「全身で振ることを意識しなさい。今度は手の力が抜けているわ。左手の小指だけで振れるぐらいのイメージでやりなさい」
ガンマ「はい!」
剣が止まり、ガンマが一息付く、そしてガンマの剣にアルファがスライムを投げ、それが即座に纏わりつく
ガンマ「んぎぎぃぃ!!」
アルファ「それを付けて素振り千本よ。終わっても重りは外さないこと」
ガンマ「わ、分かりましたぁ」
アルファは目をデルタの方に見やる。今デルタはイプシロンと戦っている。普通に戦えばデルタが勝つが今回はただの戦闘が目的ではない。デルタの魔力操作の向上が目的だ。そのため、今デルタは半径一メートルの円から出ることと力任せの鉄塊を禁じられている
イプシロン「デルタ!魔力をもっと抑えて身体の隅々まで魔力を意識して」
デルタ「わかったのです!!」
デルタも少しずつだが魔力制御がマシになってきた
あと7年…確実にシャドウを超える
そう、アルファは思った