裏ボスになりたくて!   作:ぐえ

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評価くれるとモチベ上がるっす


追いかけられたくて!

シド「そろそろ一ヶ月だね。誰か来ると思ってたんだけど、全く来ないな…まさか逃げた?いやいやいや、そんな事はないはず。そしたら僕の”今まで謎の存在だった男が最後の敵として主人公に立ち塞がる‼︎"計画が失敗しちゃうじゃないか!」

 

シドが目を瞑る

 

シド「ま、いいか。このまま滅ぼしちゃっても、、、ッッ‼︎」

 

シドの頭上から巨大なチャクラムが降り、シャドウの玉座が真っ二つに裂ける。シドにはもちろん当たらないが、それより驚きなのはシドに防御ではなく回避を取らせたという事

 

シド「後ろを取られたのは初めてだよ、ゼータ」

 

ゼータが天井から降りてくる

 

ゼータ「私一人だったら無理だったかもね」

 

シド「?」

 

ゼータ「ここら一帯に魔力が流れているのは知ってるでしょ?」

 

シド「(あぁ、この城一体を覆っている魔力のことか。てっきり誰かが僕を封印しようと頑張ってるのかと思ってたけど)へぇ、イータに認識阻害のアーティファクトでも作らせたのかな?」

 

アルファ『違うわ』

 

どこからともなくアルファの声が響く、シドは本能で身体を逸らし剣で、真横から奇襲してきたアルファの突きを弾く

 

シド「…」

 

アルファ「今貴方の認識を阻害しているのはイプシロン。この城の中心から半径1kmはあの子の間合いよ」

 

シド「…」

 

突如としてシドの足場が隆起する。尋常でない威力の爆発がシドを襲う。

 

「流石にこの程度では傷もつけられませんねシャドウ様」

 

ベータが姿を現し、煙の舞っているその奥を見つめる

爆風が弾き飛ばされ、中からスライムの塊が蠢き続ける。段々形を成していき、徐々にシャドウが姿を見せる

 

シャドウ「…ふっ、く、くは、クハハハハハハハ!」

 

シャドウの笑いが木霊する

 

シャドウ「そうか、我の欲するものが遂に現れたか!!」

 

アルファ「えぇ、貴方のお眼鏡に叶うと良いのだけど」

 

アルファ、ベータ、ゼータがシャドウに向け、剣を向ける

 

シャドウ「よかろう、全力で抗え、そして我を超えてみせろぉ!」

 

先手を打ったのはシャドウだった。彼のマントから無数の触手が放たれる。アルファは動かず、ベータとゼータが同時に駆け出す。

 

二人が1度に何十本もの触手を切り飛ばすことで真ん中に空間が空きシャドウまでの道が作られる。瞬時にシャドウとアルファが肉薄する。

 

シャドウ「強くなったね」

シャドウが剣を下から振る

アルファ「そうね」

アルファは上から振り下ろす

 

火花が散り、互いの力が拮抗する。二人が同じレベルに立つ初めての瞬間だった

 

シャドウが動く前にアルファは後ろへ後退し、霧となり消える

 

シャドウ「(いつの間にか他二人も消えてる。追跡も難しいね、まずはイプシロンから潰すのが定石かな)」

 

イプシロンにより魔力での追跡阻害を行なわれている以上、シャドウはイプシロン以上に魔力を細く練り上げ、イプシロンを見つけなければならない

 

シャドウ「(まあ、そう簡単にやらせてもらえないよね)」

 

アルファ達が霧化を解き、シャドウに接敵

ゼータが両手に剣を作り出し十字に交差させ薙ぎ払おうとするが、シャドウはその交点を指一つで受け止める

「んなっ!!」

ゼータが驚愕の声を上げる

「魔力の練りが甘い」

もう片手でシャドウが剣を振り下ろそうとする

しかしそれより早く頭上からアルファが突きを放つ

「遅い」

剣を即座にスライムに戻し、アルファの剣すら掴み取る

両手の塞がった状態のシャドウにベータが脇構えで背後から迫り、最速の1撃を与えるが、

 

「身体にまで届いてないッ!」

 

ベータの膂力ではシャドウのスライムを完全に断ち切る事は叶わなかった

シャドウがベータのスライムスーツを掴み、アルファの剣を握ったままゼータに二人を投げつける

 

シャドウ「ほう、霧化で逃れるか、それも自分だけでなく仲間すら霧に変化させるとはな。並の神経ではあるまい」

 

完全な霧化はあまりに魔力制御が難しい。それをアルファは他者の身体さえ変化させるほどのレベルに練り上げていた

 

シャドウ「だが、その程度ではまだ届かn、グッ!!」

 

シャドウの背中に短刀が刺さり、爆裂する。初めて七陰の攻撃がシャドウにヒットした

 

シャドウ「これはベータの...特攻前に投げられていたのか...ククっ」

 

ほぼ無傷のシャドウだが、今まで戦闘において見向きもしていなかった相手に攻撃を与えられたことに笑みが隠せない

 

シャドウ「良いぞベータ!我を孤独から解放してくれ!(やっぱ裏ボスはこういうセリフ言っとかないとね)」

 

ベータ「(やはり、シャドウ様は孤独を抱えていた。頂点ゆえの孤独を常に、、、でも、この高鳴る気持ちはなんだろう)」

 

シャドウ「避けてみろ」

 

シャドウの指先から魔力が溜まる。極限まで一点に集中された魔力がベータに向かい放出される。ベータはそれを間一髪避けきる

 

ベータ「(あぁ、そうか。シャドウ様は今初めて私のことを見てくれているのですね)」

 

ベータが微笑み、剣を作り出す

 

「私がシャドウ様を孤独から助け出します!」

ベータが剣を八相に構えるが、ベータが動く前に横からゼータが走り出す

「私のこと忘れないでよね主!」

ゼータが単独で攻め、無数の斬撃を浴びせる

「まだまだぁあ!!」

ゼータの周りに剣が大量に浮かび出てきてシャドウに向かっていく

最小限の動きでシャドウは捌いていくが、剣は無限に増殖していく

「(主速すぎッッ)」

剣の増殖に合わせ、シャドウも加速していく。剣が無限ならばシャドウも無限に加速すると言わんばかりに薙ぎ倒されていく。

 

「なかなか良い技だがリスクは考えなかったのか?」

その言葉と共に剣の動きが止まる。そして剣の方向がゼータへと向き、一斉に放たれる

「あ、主」

「纏めて薙ぎ払えばいい」

ゼータの前にアルファが入り込む。剣を袈裟に払い、飛び交う剣を纏めて蒸発させる

死の危険からは一時的に逃れたがゼータはへたり込む

ゼータ「今、本気で、私のこと、あるじが」

振り向かずにアルファは言う

アルファ「ゼータ、逃げたければ逃げなさい。でも、最初に言ったはずよ。行動をしなければ彼は戻ってこないと」

 

アルファは駆ける。一歩目から最高速度で

2度目の肉薄。アルファが剣で斬りつける、それをシャドウが受け止め、お返しとばかりに追撃する。地味な戦いだが、それ故に他の人間が入り込む隙間がない

「ついてこれるかアルファ‼︎」

20以上の撃ち合いの末、アルファの体に少しずつだが傷が出てくる

しかし、まだシャドウの体に目立った傷はない

斬り合いが100を越える

「もう貴方を追いかけないわ」

「なに?」

シャドウの剣が弾かれる

「貴方をずっと追いかけてきた」

アルファが腰を捻り、突きを穿つ。シャドウは首を傾け避ける

「貴方の様に強くなれば、いつか振り向いてくれるとそう信じていた」

シャドウが一歩下がり中段に構え直す。そこから放たれる突きをアルファは剣で逸らすが僅かに肌から血が垂れる

「でも、それでも無理だと気付いた」

シャドウの両手から放たれる唐竹をアルファは完全に流しきり、手首を回しシャドウに剣を届かせる。シャドウの服に切れ目が入る

「どれだけ焦がれても私だけを見つめてはくれないと」

シャドウが下段からアルファの上段を防ぐ

「だから決めたの」

アルファがシャドウの視界から消える

「⁉︎」

「今度は貴方が私を追いかけなさいシャドウ」

 

 

アルファの剣がシャドウに叩き込まれる

 

 

 

 

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