裏ボスになりたくて!   作:ぐえ

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アトミック

アレクシア達の力では何をどうやっても1ヶ月でシャドウの技を完成させるのは無理ではあるが、そこはアウロラの出番である

 

アウロラ「私が九割は補助してあげる。残りの一割は貴方達次第よ」

 

クレア「それでもこんなに遠いなんて…」

 

もう残された時間は1週間、しかしクレアは完成など無理だと考え始めていた

 

アレクシア「…」

 

アレクシアの集中力が限界に達する。彼女の技が暴発する前にアウロラが打ち消す

 

アレクシア「はぁ、後1歩まできてるのにどうやっても踏み出せない」

 

アウロラ「それでも私が思ってたよりできてる方よ(この感じならクレアの肉体を奪って博打をする必要もないわね)」

 

アレクシア「でも、これじゃあ当たりもしない」

 

アウロラ「そこは私が完璧なタイミングを教えるわ。本番は私の指示に従ってもらうわよ」

 

クレア「アンタに従うのは別に構わないけど、それで本当にシャドウに勝てるの?」

 

アウロラ「別に陽動ができればそれで良いのよ。あとは私がなんとかするから」

 

アレクシア「…ねぇ、そろそろ話してくれてもいいんじゃない?」

 

アウロラ「なんのことかしら」

 

アレクシア「これまでのシャドウと今のシャドウでは行動が違いすぎる。決定的な原因があるはずよ。そしてそれを貴方は知っている。そうでしょアウロラ」

 

アウロラ「…原因はわからない。でもきっかけなら分かるわ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

きっかけはディアボロスの破壊された身体がシャドウに纏わりつき、彼の肉体を奪おうとした時だった。

 

彼の肉体を蝕み精神を汚染しようとする。この世界の人間ではどのようなことがあっても第一魔界の魔王に勝つ事はできない

 

だがシャドウは違う。肉体が奪われるどころか逆にディアボロスの肉体の制御権を奪い取る。精神も逆にディアボロスの方が汚染されていった。しかし彼の精神のほんの一端にディアボロスのカケラが残る。彼でも気づかないほどの小さなカケラが

 

そのままシャドウに食い尽くされる運命にあるそのカケラは彼の記憶を見る。彼の強さの秘訣を。彼の心のあり方を。そして彼のオリジンを

 

共感はできなかったが理解はできた。そのまま自らの死を待っていた時、シャドウの精神に揺らぎが発生する。確かな揺らぎであった。彼の在り方をほんの少し変えるのには十分な揺らぎであった

 

 

 

またひとりぼっちになったんだね影野実くん

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

アルファの剣がシャドウの左腕を切り飛ばす。傷ついているのはシャドウだがアルファの顔だけが歪む

 

「よくやった」

シャドウがアルファに素手で向かう

「(右手の出鼻を叩き切るっ!!)」

アルファがシャドウを無力化させるために今度は右腕を狙う

 

予期される未来に対してアルファの顔が更に歪むが、剣を握り締め心を閉ざす

 

シャドウが右腕に魔力を込めている。そのまま右手を突き出してくる。アルファにはそう見えていた。

 

だから完全なタイミングで剣を振りかぶる

 

「なっ⁈」

 

しかしアルファの剣は宙を斬り、シャドウの右腕を捉える事はなかった。そもそも右腕など出していなかったのだから

 

そしてシャドウが切断された左腕でアルファを殴り飛ばす

「ガッッ」

アルファが吹き飛ばされ、それをゼータがキャッチする

「アルファ様!!」

 

「悪い動きではなかった」

シャドウが左腕を新しく生やす

 

「だが、我を超えるなど笑わせる」

 

「それでも!!」

ベータが走り出す

シャドウが小さなナイフを作りベータの投擲を捌く

 

「はぁあああ!!!」

どれだけ強い一撃でもシャドウには簡単に止められる

 

「もうやめてください!」

 

「なぜ?」

 

「このまま世界を滅ぼしてもシャドウ様の孤独は満たされません!!」

 

シャドウは何も言わない。ただつまらなさそうにベータの話を聞く

 

「また1から始めませんか」

 

シャドウがベータの腹を蹴り飛ばす

 

「グハッ」

 

ベータは諦めずに再度立ち向かう

「また家を建てて皆で仲良く過ごす事はできないのですか」

 

シャドウがベータの顔面目掛けてナイフを投擲する。それを何とか弾き飛ばすが次の瞬間にはシャドウが目の前に迫っていた

「無理だな」

 

シャドウがベータの胸部に掌底を当てる。そのまま彼女は吹き飛んでいくが、シャドウの目の前には一本の短刀が浮かんでいた。いや、それだけではないシャドウの足元、背後の瓦礫よく見れば色々な箇所に短刀が刺されている

 

シャドウがスライムで次の衝撃に備える

「連鎖爆撃か、威力も1ヶ月前とは比較にならんな」

爆炎が空まで登っていくが、まだ止まらない。その爆発の中心地に一つの陰が迫っていく

 

「今向かってくるのは自爆だぞゼータッッ‼︎」

 

ゼータの肌が爛れて彼女の尾に火が付くがそれを彼女は気にしない。シャドウが魔力で彼女の姿を追えない以上今しかチャンスはない

 

「背後か、古典的だな」

 

シャドウが回し蹴りで消し飛ばしたのはスライムによるデコイだった

ゼータは最初から正面から向かっていた

「掛かったッ!」

ゼータが剣をシャドウに向ける。しかし先に剣が突き刺さったのはゼータの方だった。シャドウは彼女が正面から来るのを分かって脇から剣を突き出していた

AAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaa!!!

獣人の叫び声が木霊し、ゼータは肩を刺されたまま前進する

ゼータの右拳がシャドウを捉える

 

 

『残像だ』

 

ゼータの拳は宙を切り、背後からシャドウによって蹴り飛ばされる

 

「アガぁああああああ!!」

 

 

彼はそのまま歩きアルファの元に向かう

シャドウ「終わりか、他の七陰はどうした?」

 

アルファ「さぁ?」

 

アルファは微笑みを浮かべる

 

シャドウ「次は何を見してくれる?」

 

アルファ「そうね、貴方が昔欲していた物なんてどうかしら」

 

シャドウ「何?」

 

アルファがそう言って消える

 

シャドウ「また霧化か、その技は飽きた」

手をかざしアルファの霧化を無理やり解除しようとする

 

その時シャドウが膝をつく。この戦いで初めてのことである

シャドウ「(足の腱が切られた?何も感知できなかった。空斬、イプシロンだな)」

 

イプシロン「さすがです、主様。どうやら魔力阻害ももうほとんど効かなくなっていますね」

 

シャドウは楽しみでしょうがない。次にイプシロンが何を仕掛けてくるのか

 

シャドウ「見してみろイプシロン、お前の真価を」

 

イプシロン「いいえ、私はただの時間稼ぎでしかありません」

 

シャドウ「何だと?」

 

魔力制御が元通りになったシャドウはようやく空にある存在に気付く

 

シャドウ「あれは、、、飛行艇か」

 

空を覆うほどの巨大な飛行艇が現れる

イプシロン「ようやく間に合ったのねイータ」

そして飛行艇から一つの陰が舞い降りる

イータ「久しぶり...マスター」

 

イータの手から何かが離される。そのままその何かはシャドウへと向かい落下し...

 

「これはまさかッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日この世界初の原子爆弾が落とされた

 

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