ハリー・ポッター 生き残った男の子と古代魔法の継承者   作:アレスタロス

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9と3/4番線からの旅

 

 1991年9月1日 キングズ・クロス駅

 

 (分からない…一体何処に行けばいいんだ…?)

 大混雑している駅の中で少年──アベルは切符を片手に困っていた。

 そう、ホグワーツ特急が出発するという9と3/4番線が何処にあるのかが分からなかったのである。魔法を使えば、見つけることは容易いのだが大量のマグルがいる中で魔法を使うのは(抜け道もあるとはいえ)御法度(ごはっと)だ。

 ダメ元で何人かのマグルに聞いて見たものの呆れられて終わった。

 そんなときである。少女(救いの主)が話しかけてきた。

 「何か困っている様だけどどうかした?」

 おそらく、自分と同じでホグワーツに行くのであろう少女にアベルは正直に答える。

 「ホグワーツに行きたいのだが、9と3/4番線への行き方が分からなくて困ってた」

 少女は微笑むと付いてきて、と言ったのでそれに従う。

 9と3/4番線への行き方はとても衝撃的だった。9番と10番の間の柵に少女が飲み込まれていったのだ。

 (そんなところから行けるとは…移動(ポート)キーの(たぐい)か?)

 そんなことを考えながらアベルは少女に続いて柵に入っていった。 

 

 

 

 暗い部屋で二人の老人が話している。

 「とうとうこの日が来たようだな。アルバス。」

 「ええ、そのようですな先輩」

 「あの子を君に預ける。あの子には私の知識と技術の全てを教えた。だが、まだヴォルデモートと戦うにはまだまだ経験不足だ。それに、まだあの子は5年前の悪夢から抜け出せていない…。アルバス、万が一の時はあの子のことを頼んだぞ。」

 「はい、先輩。玄孫(やしゃご)さんは私が責任を持ってお預かりします。」

 「何もかも本当にすまない、アルバス。私も若い頃の無理が祟っていなければ幾らか手を貸せたのだが…」

 「ヴォルデモート卿の配下の2割を単騎で相手してその台詞はないと思いますがの…。先輩には何度も助けられました。後のことはお任せ下さい」

 

 

 

 「案内してくれてありがとう、お陰で無事特急に乗れた。

 俺はアベル・シャーウッドだ。よろしく。」

 「どういたしまして。私はソフィア・ウォリックといいます。」

 少女と共に空いているコンパートメントに入り自己紹介し合う。

 アベルは少女(ソフィア)を改めて見てみる。

 ソフィアは乳白色の肌、月光のような銀髪、マクアマリンのような透き通った碧眼に整った顔立ちをしていた、有り体に言えば美少女だった。

 アベルがソフィアに見惚れているとソフィアは質問してきた。

 「魔法学校に行くのに移動に汽車を使うんですね…」

 「昔は生徒が自力で学校に行くものだったらしいが…マグル生まれへの配慮じゃないか?だとしたら、あの壁の仕掛けは不親切極まりないな。マグル生まれの人間だと知りようがないぞ。」

 「あの、私マグル生まれなんですけど…。」

 「そうだったのか!?驚いたな、てっきり親もホグワーツのOB(卒業生)とばかり思ってた。どうやってあの仕掛けに気づいたんだ?」

 「ホグワーツのマクゴナガル先生が教えてくれました。」

 そんなことを話していると別の声が投げかけられた。

 「アベル、ここにいたのか。見かけなかったからだいぶ探したぞ。」

 「久しいな、ベン。9と3/4番線の行き方が分からなくて発車時間ギリギリで駆け込んだんだ。」

 コンパートメントの入口に黒い巻き毛の少年が立っていた。アベルの幼馴染にして唯一の親友のベンジャミン・サロウだ。

 アベルはソフィアに親友を紹介する。

 「ソフィア、こいつは俺の親友のベンジャミン・サロウだ。趣味は魔法薬の調合だから、魔法薬学じゃ頼りにするといい。」

 続いてソフィアを紹介する。

 「彼女はソフィア、ついさっき知り合った。マグル生まれだが俺より魔法界に詳しい。」

 「やれやれ、それは単に君の知識が偏り過ぎてるからじゃないか?それはそうとベンでいいよ。よろしく、ソフィア。」

 ベンがそう言いながらアベルの隣に座る。

 「そういえば二人はどの寮に入りたいんだ?」

 「寮ってなんですか?」

 ベンはソフィアに質問を質問で返され一瞬面食らったが、ソフィアがマグル出身ということを思い出して説明する。

 「ホグワーツには4つの寮が存在するんだ。ホグワーツに入ると本人の素質と意思に応じて4つの内どれかに組分けされる。

 寮は勇敢な者が集うグリフィンドール、知性のある者が集うレイブンクロー、勤勉で誠実な者が集うハッフルパフ、狡猾な者が集まるスリザリン。大雑把にいえばこの4つだ。スリザリンは純血以外入れない、なんて言われてるがただの迷信だ。実際にそんなことをしようものなら入れる奴がいなくなる。

 ちなみに俺は正直どこでもいい」

 「どの寮にも良い点があって迷いますね」

 「俺は…グリフィンドールだな」

 アベルが重く口を開く。

 「意外だな。お前のことだから『卑怯姑息にスリザリン!』とでもいいそうだと思ってたが」

 「グリフィンドールに入って清々堂々(せいぜいどうどう)と闇討ちを仕掛けるのさ」

 と、冗談を言い合っているとコンパートメントの扉が開いた。  

 「誰かヒキガエルを見なかった?ネビルのがいなくなったの」

 コンパートメントの扉を開けた栗毛の少女は開口一番にそう言った。よく見ると、後ろに気弱そうな少年を連れている。

 「いいえ、見ていません。」

 ソフィアが答える。

 「少し待ちな、ヒキガエルだな。少し手伝うよ。」

 アベルは答えを聞いて立ち去ろうとする少女を引き留めて確認する。

 「そう、ヒキガエルよ」

 少女がそう言うのを聞いてアベルは杖を出し呪文を唱える。

 「《アクシオ ヒキガエル(ヒキガエルよ 来い)》」

 すると、アベルの手にヒキガエルが何処からか飛んできた。

 「トレバー!」

 ネビルが大声で呼ぶ。

 「これでいいか?」

 「さっきのどういう魔法!?教科書には載ってなかったわ!」

 丸顔の少年──ネビルにヒキガエルを渡しながらアベルが言うと少女は食ってかかってきた。

 「ただの『呼び寄せ呪文』だ。確か4、5年生で習う呪文だったと思うが、覚えると便利だぞ」

 アベルが落ち着いてそういうと少女は敗北感を覚えたのか顔を赤くしてネビルを連れて去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 




 実際9と3/4番線の仕掛けって教えてくれる人がいないと分からなくて詰むのでは…と疑問に思いました。
 ハリーのときはハグリッドが教え忘れていただけで本来はホグワーツの説明に来た教師が教えることになっているのか、はたまたこれを全く知らない奴はマグル生まれだろうからホグワーツに入る資格なし、という純血主義者からの嫌がらせなのか。
 真相は闇の中です。
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