俺と私の交換日誌   作:ミスブルー

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第3話

チーム登録をして、あ、この時のチーム名は「チーム巫凪」である。

 

いずれ改名したい…。

済ませてメンバーはあと二人だって感じでやる気になっていた。

 

現在は野外授業の理科、植物の観察である。

 

「…中学生溢れる授業だな」

 

「そう?わたしは楽しいよ~」

 

「楽しくないとは言ってないぞ」

 

「わかってるよ~」

 

「ここまで授業楽だと思わなかった」

 

「そうなの??」

 

「まあな」

 

「わたしはこうして龍太くんと楽しく授業できて嬉しいよ~。繋がったって感じで!」

 

付き合ってるわけではないのだがカオルは俺に対してこういう言葉を向けてくることが増えていた。

 

それは信頼と呼ぶに近い何かだった。

なつかれているに近いのかな?

 

「そうだな」

 

たしかにこの繋がったって感じで!という言葉は間違いではない。

 

一緒にいる時間が長いからか不思議とリンクしている気がするのだ。

 

99%以上の99.999%は葉山も未知数数値なんだとか。

 

 

~~~~

 

 

放課後

 

「ねぇねぇ!龍太くん!アイドルだよアイドルだよ!アイドルだよ!!アイドルだよ!!!」

 

「わかったから聞こえてるよってどうしたんだ?」

 

「あれ、聞こえてるのに聞こえてない?」

 

「聞こえてる聞こえてるばっちり聞こえてる。アイドル?がどうしたんだ? 」

 

「これからアイドルのライブ!するんだって!」

 

アイドルのライブか……。

 

一人しか思い当たらない。

 

ってことで学校の特設会場に行く。

ここは学祭とかにも使われる場所でもある。

体育館じゃないのは部活動やら委員会があったりするから。

 

会場の真ん中に一人の女の子がいてみんなに手を振りまいていた。

 

カオルもぶんぶん手を振っていた。

 

「みんな今日は平日なのに、集まってくれてありがとう~!!初めての人もそうじゃない人も初めまして!こんにちはー!」

 

彼女が言うとみんなが、歓声と挨拶を叫ぶ。

 

この特設会場、実は学校の外側に近い場所だから一般の人も来れるのだ。

 

「あたしの名前は、神埼紗奈です!この学校の広報、ええっといわゆるアイドルやってまーす!」

 

彼女はまだ学校の広報を始めてまだ半年だが、実はすでに一般からもファンが多いと期待の新星だ。

 

「まずは、作曲したばっかだけど…歌!聞いていってね!」

 

彼女がくるっとターンを決めてウィンクを決めると、歓声が上がるに上がる。

ちょっと怖いくらいに。

 

遠目から見ても彼女の声やその仕草、見てくれも俺から見てもそれはかわいく映り、俺も目を引き寄せられそうになる。

 

俺はかろうじて耐えた。

周りはすでに彼女に飲まれているのだから、すさまじいものである。

 

カオルは隣でテンションハイマックスで、最近使いこなした光の魔法を手に灯してサイリウムみたいにしてぶんぶん手を振り回していた。

 

カオルは馬鹿だが手際とか覚えや感覚がいいということを最近知った。

 

魔法適性が高いからか。

リンクしているからかは不明だ。

 

「カオルの努力の賜物かな」

 

呟くと「呼んだ?」と返してきた。

 

ライブも終わり余韻に浸るなか「アイドルってすごいね!わたしお肉の眼で初めてみたよ!」

 

「せめて生とか肉眼で初めてみたと言ってほしかったよ…」

 

台無しである。

会話していると、ふと花を見つけた。

 

「見て見て綺麗な花!根っこも花びらもガラスみたい。綺麗だね」

 

「んああ、最近なんか新種らしい。たしかに綺麗な花だ。知ってる花だったのか?」

 

「ううん、知らないよ~」

 

「あれ、そうなのか?とりあえず学食行こうか。今日なんか新しいの入ったらしいから」

 

「うん~~」

 

いろんな人が学食席で夕食を食べる中

 

「紗奈がいる、珍しいな」

 

俺が言うとカオルが叫んだ。

 

「アイドルだ!アイドルさんがいる!アイドルだよ龍太くん!!アイドルがご飯食べてる!!!」

 

「そりゃ食べるだろう」

 

カオルの言い方が少しおかしくて笑ってしまった。

 

紗奈は一人で食事をしていたらしく、俺達の声(主にカオル)が聞こえたのか、というか聞こえるだろう。

こちらを向いた。

ちなみにいつのまにかカオルは紗奈に向かって既に隣に座ってニコニコしていた。

カオル、すごい女の子である。

 

俺は二人の様子に違和感を覚えた。

 

「あれ、龍太じゃん?え、うそ?あんた女連れてんの?!彼女さん?」

 

その紗奈の言葉に

 

「わ、わたし?!彼女?!

えぇー!そんなんじゃないよ!」

 

その様子がおかしかったのか紗奈は笑った。

 

「アハハ、へぇそっか、龍太。でもこーくんから聞いてたけどね」

 

「???。龍太くん、こーくんって?」

 

「葉山のことだよ」

 

その言葉にカオルは固まり「…え、どんな関係?」と言った。

 

「…え?…別に…ただの顔馴染みよ。あ、ちなみにそこの龍太とは中学の同期だから。ねぇ、あなた名前は?」

 

「わたし?、桜カオル!桜カオルだよ!」

 

「へぇ~、綺麗な名前。よろしくね」

 

「うんよろしくね、アイドルさん!」

 

「…あー、あたしのことは紗奈でいいよ」

 

「そっか!紗奈ちゃんよろしくね!」

 

紗奈はその差し出された手に一瞬驚いたような表情をした気がした。

 

「うん…、よろしくカオルちゃん」

 

 

 

紗奈はカオルの手をそっと握った。

 

紗奈の魔法は印象操作の魔法を使う。

本人も未だに完璧に扱えてはいない。

扱えてないわけではないが未だに無意識に紗奈は印象操作の魔法を使っており他の人よりも目立っていた。

 

アイドルの活動も広報の活動もその魔法を意識して使っているおかげで人気者だ。

でもあの時、紗奈はカオルに対して驚いていた。

 

「カオル、あの時握手した時なにか気になることなかった?」

 

「気になること?」

 

食後、俺とカオルは、殺陣コーチから教室の戸締まりを頼まれてしまい夜の校舎へ向かっていた。チームの初仕事だ!と俺とカオルは喜んで受けた。

 

そのついでにカオルにさっきのことを聞いてみた。

 

「いや、だってカオル、みんなの憧れアイドルだぞ?あんなにみんな、なんかアイドルがいるぞって感じでみんなあいつに遠慮して寄ってなかったのに」

 

「ん~~?おお、これがアイドルか!ってわたし思ったけど、普通の女の子だったし仲良くできそうって思えたよ?」

 

「え?」

 

それで気づいた。違和感の正体にである。おどろくことにカオルは印象操作の魔法を弾いていたのだ。

 

ってか、あれ?俺もじゃああの時弾けていたのか。

 

だから、"紗奈に近付けた" 。近づけたのはカオルとのリンクが影響だろうか。

印象操作は目を向けられるというものに特化しているが、目を向けられすぎているとみんなはあいつをみているということなり、近づきにくくなる負の意味もある。

紗奈はそれを魔法で使っているのだから"近づきにくいから"、"彼女には誰も近づかない"になる。

 

だから仲良くなろうなんて誰一人思わないのだ。

 

「カオルはほんとすごいな」

 

「え?なんで?」

 

そのきょとんとした言葉に俺は笑った。

 

「いや、なんとなくさ。さて…そういえば係の人から鍵をもらうんだったな」

 

「うん、どんな人だろうね~」

 

カオルはきっと間違いなく紗奈と仲良くなれる。

今にして思えば紗菜にとってあれは初の友達と言えるものだったのだ。友達ができたことにどれほど嬉しいかはこれは本人にしかわからないだろうなと思いもする。

 

 

 

あ、ちなみに俺達はすっかり忘れていた。

 

 

この学校が曰く付きな廃校だったということに。

 

~~

 

「やぁ、よくきたね。僕は田辺悟。二年生生徒会の六番だ。君達が高校1初のチームなんだって?殺陣コーチから聞いているよ」

 

眼鏡を掛けたちょっと飄々とした男性が言った。

 

俺達は「よろしくおねがいします」と頭を下げる。

 

「鍵は全部あるから、今回はそう難しくないはず。入り口はあっちからだからね」

 

「わかりました。よし行こう。初仕事だ」

 

「うん!」

 

田辺に見送られながら俺達は入り口に入っていった。

俺は一つずつ教室の戸締まりを確認した。

 

「次は図書室?」

 

「だな。意外と楽だなぁ。肝だめしみたいな感覚を少し楽しみにしていたんだが」

 

二人して余裕に歩いていた。

 

図書室につくとなぜか声が聞こえた。

 

『先生、お借りしていた本、ありがとうございました。とても勉強になりました』

 

俺とカオルは固まった。

 

「カオル…」

 

「なにあれ」

 

声がダミ声だったから怪しいと二人で思い図書室の入り口からこっそり覗くと、なんと石像なのに…いや二宮金次郎がなにもいない場所と会話しているのだ。

 

そして首だけがぐるりごきゅっと一回転して、カオルが息を吸い込む。

 

「きゃ!むぐぅぅ!!」

 

さすがにカオルが悲鳴をあげ掛けたので俺は口を塞ぐ。

 

すまんカオル、あとで今の謝るから。

でもこれここでみつかったら死亡フラグな予感がした。

 

こっわっ!!なんだあれ?!

 

さすがの俺も内心びびりまくっていた。

 

ちなみにカオルはぴったり俺に抱きつき、俺もカオルを抱き寄せていた。

 

普通に怖いもんなあれ。

 

『先生、次はこの本借りますね』

 

金次郎が言う。

ちなみに借りる本は「身体を奪うには?」とかいう今の状況が笑えない参考書だった。

 

二人して悲鳴があがりそうになる。

俺はどうするか考えた。

 

とりあえずやりすごそう…。

 

「カオルいったん、隠れるぞ」

 

「はーい」

 

小声でやりとりして、図書室の入り口から近くの階段の角に隠れた。

 

そして二宮金次郎が図書室から出てきて俺達のいる場所から反対方向にギシ、ギシ、ギシ、と歩いて気配が無くなり行ったか?と思い息をはく瞬間ギシギシギシ!いきなり音速で戻ってきて首が曲がり階段を見たのだ。

お前はラジコンカーか!。

 

俺とカオルは息を吐く間もなく再び緊張感が走る。

 

そして『先生?いるんですか?』と声を投げ掛けてくる。

しばらくしたら『気のせいですか』と言ってギシ、ギシ、ギシと今度こそ気配が無くなった。

 

それを確認したら俺とカオルは図書室の鍵をしめて、任務クリアとなった。

 

 

 

次の日に殺陣に呼び出された。

 

「二人とも、昨夜はよくやったな」

 

「あれはなんですか…?」

 

カオルが聞くと殺陣は「巫凪は知ってるだろうが」とこの学校がどういう廃校かを話し知った。

 

「無事だったのは何よりだ。あれでお前達が悲鳴をあげていたら今頃図書室には二つの死体があっただろう」

 

物騒だわ。

難易度高いぞ。

というか死人出たことあるような言い方だな。

 

「まぁだがよくやった」

 

と言って話は終わるかと思ったが…

 

「明日から、編入生がお前達のクラスに入る」

 

「「え?」」

 

「戻れ」

 

言われクラスに戻ることにする。

 

編入生とは誰だろうか。

 

今じゃ珍しくないのに。

 

なぜなら転入生、転校生、編入生が来ることは多いからだ。

魔法を会得した人間は自由だがみんな入学試験なしで入学できるからな。

 

俺とカオルは顔を見合わせた。

 

わざわざ言う理由とはいったい何だろう?。

 

 

 

Act2end

 

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